【政界地獄耳・05.16】:護衛艦空撮のドローン動画解析に1カ月も…不安だらけ防衛省
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・05.16】:護衛艦空撮のドローン動画解析に1カ月も…不安だらけ防衛省
★海上自衛隊の護衛艦「いずも」がドローンで空撮され、3月下旬から中国の動画投稿サイトで公開されていた問題を当初、防衛相・木原稔は4月2日の会見で、あまりにも美しい堂々とした海上自衛隊広報映像のような動画の真偽をいぶかり「悪意をもって加工、捏造(ねつぞう)されたものである可能性を含めて現在分析中だ」と発言。一方、海上幕僚長・酒井良は「判断しようがない。不自然な点もあると思うが、完全にフェイクだというほどのエビデンスを持ち合わせていないので、私としては判断しかねる」としたが、大臣はAI(人工知能)による加工を強く示唆した。
護衛艦「いずも」を撮影したドローン動画
★ところが今月10日になって木原は「我が国の防衛に重大な支障を生じさせかねない。極めて深刻に受け止めている」とドローンでの実写映像だと認め、分析に1カ月も時間がかかったことを「我が国に対する悪意を持った影響力行使の活動の一環として、加工、捏造の可能性を含め、慎重に分析を行う必要があった」としたが、これが戦時下だったらと誰もが防衛省の間抜けぶりにがっかりしたはずだ。また当初からフェイク画像と予断を持ちすぎていたのではないか。世界各国の安全保障関係者から失笑の的だったはずだ。8日には米海軍横須賀基地に停泊中の原子力空母「ロナルド・レーガン」をドローンで撮影したとみられる動画がXにあがり、防衛省は米軍にも説明を求められそうだ。
★14日、参院外交防衛委員会で民主党時代は防衛副大臣、参院外交防衛委員長を歴任した国民民主党幹事長・榛葉賀津也は、この問題に触れ「動画が世界にさらされ、はっきり言ってなめられた。本当に格好悪い」「さすがに1カ月はかかりすぎだ。丁寧も大事だが迅速にやらないと。これだけ技術が発達した先進国・日本で1カ月とは…危機管理が試されている」と詰め寄ったが、大臣や幹部は「事柄の性質上、控えたい」と塩対応に始終した。予算だけはついても防衛省は不安ばかりだ。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2024年05月16日 07:54:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます