【政界地獄耳・05.17】:理解できない萩生田の都連会長続投 裏金問題で処分も「党本部と支部は別」
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・05.17】:理解できない萩生田の都連会長続投 裏金問題で処分も「党本部と支部は別」
★「都知事・小池百合子との関係を守るためなら都連会長は前政調会長・萩生田光一の続投しかない」という理屈はどの世界で通用するのか。15日、自民党東京都連は政治資金収支報告書への不記載計2728万円が判明して党役職停止1年の処分を受けている現会長・萩生田ら都連役員の続投を内定した。本来は2月の役員改選だが、この裏金事件で延期していた。選考委員長を務める都連最高顧問・深谷隆司は「裏金事件は一時大騒ぎしたが、今は落ち着いている。処分は党本部であり、支部は関係ない。やっぱり萩生田君が適任。彼の将来を考えても、このまま会長をやってもらうことが正しい」と説明した。
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自民・萩生田氏 都連会長は続投
★驚くべきことがたくさんあるが、まず萩生田が一連の反省などなく、都連会長の辞意を示さないこと。深谷の言う「裏金事件は今は落ち着いている。彼が適任」という理屈が全く理解できない。では東京15区はなぜ補選になったのか、なぜ自民党は候補者を立てられなかったのか、後半国会はこの裏金事件での法改正が最大の焦点。その議論の最中に東京都連は関係ないという説明でいいと思うのか。つまり、都知事選考に都連会長の意向が必要という内向きの理由でしかない。
★そもそも、党のルールで役職停止と党本部が決めても地方組織の役職を対象とするか否かは各組織に判断を委ねるという理屈だが、では政治責任とやらはどこに行ったのか。役職停止では軽すぎると党内からも声が出たほどで、本来は離党勧告を受けるべき安倍派5人衆のひとりだったことを鑑みれば、恥ずかしくて続投などできないはずだ。また、都選出議員たちから異論も出ないということは深谷が言う「落ち着いている」と考えているのか、もう問題ないとでも思っているのか。全く理解できない。「この時期に、裏金事件の当事者ともいえる萩生田がわざわざ責任はとりません、続投ですと国民の自民党離れを促すとは、それこそ反党行為だよ。選挙で都連の自民党議員が軒並み落選しても辞めないかもな」とは自民党ベテラン議員の感想だ。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2024年05月17日 08:09:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。