【政界地獄耳・04.17】:日本プロ野球に対する広岡コラム指摘は今の政治制度設計と重なる
『漂流する日本の羅針盤を目指:【政界地獄耳・04.17】:日本プロ野球に対する広岡コラム指摘は今の政治制度設計と重なる
★複数の議員が同じ話をしてきた。ネットで見た週刊ベースボールの「廣岡達朗コラム『米田哲也逮捕に思う。球宴をもう1試合開催でOB救済を』」を読んだ。「元阪急ほかの米田哲也が窃盗容疑で逮捕された。盗んだのは缶チューハイ2本だったという。日本プロ野球史上歴代2位の通算350勝。00年には殿堂入りも果たしている。それだけの選手が万引せざるを得なかったとしたら、本当にお金がなかったのだ。かつてはNPBに10年以上在籍した選手を対象に年金制度があったが廃止された。引退した選手に支給されるのは支配下10年以上の選手が満55歳と満60歳を迎えたときの各50万円だという」(コラムから抜粋)。
★広岡は「本当なら一定の成績を残した名選手に対してコミッショナー、フロントは引退後の補償をすべきなのだ」と言い、「財源にオールスターゲームを昔のように3試合制に戻して、そのうち1試合の収益を回せばいい。日本プロ野球は、90年を超える歴史の上に成り立つ。今回の事件を他人事としていけない。球界全体の問題」(同抜粋)としている。政治家がこのコラムに反応するのは政治の仕組みと似ているからだ。1958年、国会議員互助年金法が自民、社会、民社党の賛成で成立。在職10年で受給資格が得られ400万程度、1年ごとに年額8万円余りが加算される仕組みだった。しかし06年、国民の年金制度と比較して「国会議員の厚遇特権だ」との批判が渦巻き廃止法が可決された。
★広岡は監督としてヤクルトスワローズ、西武ライオンズをそれぞれリーグ優勝・日本一に導いた名将。御年93歳。制度の問題点、財源、業界全体の問題との指摘は今の政治の制度設計がうまく作れない現実と重なる。年金が廃止されたことで政界引退後の不安が政治とカネに結び付いているとみることもできよう。そして政界の大御所、大所高所から意見を言える人がいなくなったことと広岡コラムは政治家に大いに刺さったのだろう。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2025年04月17日 07:58:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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