【検証!】:日本の公然の秘密……ジャニー喜多川氏の性的加害
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【検証!】:日本の公然の秘密……ジャニー喜多川氏の性的加害
■シャイマ・ハリル、BBC東京特派員
日本有数の芸能事務所を作り上げたジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川氏が、所属タレントに性的虐待を繰り返していたとされる問題で、喜多川氏のめいにあたる藤島ジュリー景子社長は7日、喜多川氏による性加害を初めて認め、社長を辞任したことを明らかにした。
日本国内に衝撃が走ったのか? いや、走らなかった。
それよりむしろ、「みんな知ってたけど、誰も何もしなかった。それがついにおおっぴらになった」という感覚の方が強い。
喜多川氏にはもう何十年も、性的加害の疑惑がつきまとっていた。発言しようとする者は阻止された。芸能界で絶大な権力をもつ巨大な存在と、その帝国が繰り出してくるだろう訴訟の予感が、声を上げようとする人の前に立ちはだかっていたのだ。
加害疑惑の一部はすでに、事務所が週刊文春の報道を訴えた民事裁判で真実と認められていた。しかし、喜多川氏が刑事訴追されることはなかった。
喜多川氏は、性的に虐待する対象を常に追い求める「プレデター(捕食者)」だった。同時に彼は、スターを生み出すスターメーカーで、Jポップ界の数々のビッグスターにとっては恩師、恩人だった。権力と成功と、何百人もの少年の夢を、彼はずっと握っていたのだ。
日本で芸能界を目指す10代の少年にとっては、これがスターになるための「暗黙の代償」だったという書き方をした記事もある。
BBCが今年3月に放送したドキュメンタリー「J-POPの捕食者:秘められたスキャンダル」で発言した被害者の1人は、「これを我慢しないと売れないから」と周りに言われたと話す。
■BBC News Japan YouTubeチャンネルで関連動画を見る
BBCドキュメンタリー「J-POPの捕食者:秘められたスキャンダル」【日本語字幕つき】
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