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路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説②】:プラごみ削減 使い捨て文化見直しを

2022-02-06 05:05:50 | 【プラスチック(ビニール)製品の廃プラスチックによる環境、海洋汚染問題】

【社説②】:プラごみ削減 使い捨て文化見直しを

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:プラごみ削減 使い捨て文化見直しを 

 プラスチックごみの削減を目指す新法「プラスチック資源循環促進法」が4月に施行される。

 政府は先月、事業者に削減を義務付ける使い捨てプラスチック製品12品目を政令で定めた。

 スプーンや歯ブラシなど身近な製品ばかりだ。コンビニやホテルなどの事業者は代替品の利用促進をはじめ対策を急ぐ必要がある。

 同時にプラごみの発生を抑制したり、できるだけ回収して再資源化したりすることが求められる。

 消費者の行動も鍵を握る。使い捨てが当然という意識や生活様式の見直しが欠かせない。

 プラごみによる海洋などの環境汚染は深刻さを増しており、対策は国際的な課題となっている。

 今回の対象製品が国内のプラごみに占める割合はわずかだが、地道な取り組みを社会全体の脱プラスチック推進につなげたい。

 12品目にはストロー、ナイフ、ヘアブラシ、カミソリ、ハンガーなどもある。小売店や宿泊施設、クリーニング店などで利用され、日常生活に深く浸透している。

 こうしたプラ製品を前年度に計5トン以上提供した事業者は削減目標を定め、提供する方法を見直すことが義務付けられる。対策が不十分な場合には社名公表や改善命令、罰金の対象となる。

 気がかりなのは業界や事業者ごとの削減量の取り決めがない点だ。規制が名ばかりにならないよう環境省は留意する必要がある。

 事業者は削減策を選択できる。有料化や代替素材への転換、提供を辞退した客へのポイント還元、再利用できる製品の提供などだ。

 木製スプーンを提供し始めた大手コンビニや、ブラシなど備品の有料化に踏み切ったホテルチェーンもある。事業者は可能なものから積極的に着手してもらいたい。

 メーカー側も規制を逆手に取ってはどうか。例えば植物由来のバイオマスプラスチック、微生物が分解できる生分解性プラスチックの導入を進めれば、技術力や企業イメージの向上につながろう。

 プラごみ削減で先行したのは2020年7月に始まったレジ袋の有料化だ。普及するか懸念もあったが、4人に3人が店頭での受け取りを辞退するまでに浸透した。

 今回の規制を消費者の意識を変え、プラスチックに依存する社会を見直すきっかけとしたい。

 軽くて丈夫なプラ製品は便利な半面、いったん環境に排出されれば半永久的に残存し、生態系を脅かし続ける。生産や使用を減らしていくしか未来への道はない。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月06日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:週のはじめに考える 「捨てない」という選択

2021-11-07 07:29:55 | 【プラスチック(ビニール)製品の廃プラスチックによる環境、海洋汚染問題】

【社説①】:週のはじめに考える 「捨てない」という選択

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:週のはじめに考える 「捨てない」という選択 

 十九世紀半ば、ビリヤードの球は、貴重な象牙を原料にして製造されていました。遊技のために、どれだけ多くのゾウが殺されたことでしょう。
 
 米国のメーカーが「代替原料を求む」と、賞金付きの公募をしたそうです。寄せられた案の一つが開発されたセルロイド。
 
 世界で初めて実用化されたプラスチックです。
 
 それから約百五十年。多種多様なプラスチックは、大量消費社会を象徴する素材として生産が爆発的に増えました。
 
 最新の研究によると、米国ではプラスチックの製造、使用、廃棄に伴って排出される温室効果ガスの量が、二〇三〇年までに石炭火力発電のそれを上回ります。
 
 ゾウの保護に役立てるはずが、気候変動の元凶となって地球環境を脅かしている。皮肉な話です。

◆「循環経済」への転換

 コーヒー店に行けば、カップやふたがごみ箱にどっさり。スーパーで買い物をすれば、大量のトレーを持ち帰ることに…。
 
 使い捨ては、もはや美徳ではありません。人々が大量消費のライフスタイルを続けているとしても、心にやましさを抱えながらではないでしょうか。
 
 欧州連合(EU)では今夏、プラスチックの使い捨て品の流通禁止が始まりました。対象は外食産業のスプーンやフォーク、ストロー、皿などです。
 
 背景にあるのは、EUが六年前に打ち出した「循環経済」(サーキュラー・エコノミー)への転換政策。資源を次々に投入して製品を作り、廃棄するという一方通行をやめて、新たな資源の投入を抑え、今ある分を効率的に回し続けようとの考え方です。
 
 EUは製品の設計から廃棄段階まで対象にした包括的な行動計画を示しており、経済成長や雇用拡大にもつなげる狙いです。
 
 「採掘し、製造し、使い、捨てるという手法を続けるなら、地球と経済は生き残れない」。欧州委員会のティメルマンス副委員長の言葉に、危機感がにじみます。
 
 これに比べ、日本は中途半端と言わざるを得ません。
 
 来年施行されるプラスチック資源循環促進法では、コンビニのスプーン、ホテルの歯ブラシなど使い捨て品が削減対象となるものの流通禁止には程遠いのです。
 
 循環経済へ向けた取り組みを企業や国が強力に、多角的に推し進め、新しい生活様式の選択肢を消費者に示すべきです。
 
 使い捨てにせず、繰り返し利用する「リユース」もその一つ。
 
 耐久性のある容器と、洗浄・輸送システムを組み合わせることによって、さまざまな業種がリユースに参加できる仕組みが整備されつつあります。
 
 NISSHA(京都市)は、外食産業などで使う容器のシェアリングを目指しています。カップやランチボックスを飲食店に提供し、使用後に回収、洗浄して再利用します。東京都内で今月、コーヒーチェーンでの実証実験が始まります。
 
 ループ(米国)は世界百七十以上のメーカーと提携し、欧米で生活用品や食品を販売しています。消費者が使用済み容器を返却すると、洗浄され、容器代は消費者に返金されます。

◆豆腐を買って驚いた

 日本でも今年五月、首都圏のイオンで販売が始まりました。品目はまだ十数種類ですが、欧米では五百超と普及が進みます。
 
 「日本には循環経済の土壌があるはずです」。ループ社のアジア太平洋統括責任者エリック・カワバタさんが、約三十年前の体験を聞かせてくれました。
 
 横浜の老舗で豆腐を買った時のこと。水槽の中の製品を、持参したボウルに入れて売ってくれたそうです。昔ながらの商慣習に驚き、感心したといいます。
 
 「今も、瓶ビールなど容器回収型の販売形態が残っている。礼儀正しい国民性も、きちんと容器を返すシステムに合います」
 地球環境を守る、その下地が私たちにあるというなら、うれしい限り。プラスチックを無駄にしないこうしたシステムが根付き、広がれば良いと思います。
 
 同社のモットーは「捨てるという概念を捨てよう」だそうです。これを、循環経済時代の常識にしませんか。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年11月07日  07:29:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説②】:レジ袋有料1年 使い捨て文化を捨てる

2021-08-02 07:02:12 | 【プラスチック(ビニール)製品の廃プラスチックによる環境、海洋汚染問題】

【社説②】:レジ袋有料1年 使い捨て文化を捨てる

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:レジ袋有料1年 使い捨て文化を捨てる 

 プラスチック製レジ袋の有料化が全国の小売店に義務付けられてから、一年が過ぎた。
 
 レジ袋などプラスチックごみの削減が必要なのは、その多くが陸から海へと流れ込み、えさと間違えてのみ込んでしまった海の生き物たちに深刻な害をなすだけでなく、人体への影響も心配されているからだ。
 
 レジ袋の辞退率は、有料化前の約三割から七割強にまで増えた。 ただし、それでプラごみが大幅に削減されるかというと、そうはならない。例えば環境省が二〇一六年度、全国十地点の海岸で実施した漂着ごみの調査では、レジ袋を含むポリ袋の割合は容積比でわずか0・3%。ペットボトルなど飲料用ボトルの12・7%に比べて、かなり低かった。
 
 国内で排出されるプラごみは年間九百万トンに上るが、レジ袋が占める割合は2%にすぎない。約半数を占めるのは、容器包装類。レジ袋削減は、いわば「入り口」で、海や生き物を守るためには、使い捨てのプラ包装類全般をなくしていく必要がある。
 
 そのためのキーワードが「リユース(再使用)」と「リフィル(詰め替え)」。すなわち、中身を詰め替えながら繰り返し使える容器の普及である。
 
 例えば米テラサイクル社が考案した「ループ」というリユースとリフィル、そしてカップシェアリング(共有)のサービスが五月、大手スーパー・イオンの首都圏の一部店舗で始まった。
 
 売り場に並ぶのは、ステンレスの容器に入った食料品や、ガラス瓶に詰めたシャンプーなどの日用品。商品を購入した消費者が中身を使ったあとの容器を売り場に返すと、容器代が返却される。
 
 使用済みの容器は回収、洗浄し、メーカーで中身を詰めて再び売り場の商品棚に戻される。
 
 すでに自前のボトルやカップでコーヒーを買う習慣も広がりつつあるが、スターバックスはこの秋、回収式のリユースカップでドリンクを提供するシェアリングサービスを、東京・丸の内エリアで試みる。
 
 あえて環境問題の文脈でなくとも、いいだろう。「便利でおしゃれで安価」なリユース文化が新たなライフスタイルとして定着すれば、結果としてプラごみは大きく減ることになる。大事な「次の一手」である。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年07月28日  08:09:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【プラごみ】:野生生物の摂取深刻 世界1500種で確認

2021-07-02 05:12:30 | 【プラスチック(ビニール)製品の廃プラスチックによる環境、海洋汚染問題】

【プラごみ】:野生生物の摂取深刻 世界1500種で確認

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【プラごみ】:野生生物の摂取深刻 世界1500種で確認

 環境中に放出されたプラスチックごみを誤って摂取している野生生物が、世界で少なくとも約1500種に上るとする研究結果を、ブラジルなどのチームが2日付米科学誌サイエンス電子版に発表した。汚染が目立つ海の生き物だけでなく、河川などの淡水域や陸域の多くの種でも確認される深刻な状況という。

 プラスチックごみなどが漂着した愛媛県宇和島市・三浦半島の浜辺=2020年7月

 チームは、毎年数百万トンのプラスチックが環境中に蓄積していると指摘し「生産と使用を減らし、廃棄物管理と回収への投資が必要だ」と訴えた。

 1980年~今年5月に報告された摂取例を集約した。魚類は932種、鳥類は291種で確認され、哺乳類でも94種。計1565種で摂取が判明した。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 環境 【自然環境・環境中に放出されたプラスチックごみ】  2021年07月02日  05:12:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:レジ袋有料化1年 脱プラへ抜本策を探れ/06.30

2021-06-30 06:50:55 | 【プラスチック(ビニール)製品の廃プラスチックによる環境、海洋汚染問題】

【社説】:レジ袋有料化1年 脱プラへ抜本策を探れ/06.30

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:レジ袋有料化1年 脱プラへ抜本策を探れ/06.30 

 スーパーやコンビニエンスストアでレジ袋の有料化がスタートして7月1日で1年になる。

 有料化によって店頭でレジ袋を受け取らない人の割合は3割から7割に増えた。プラスチックごみの排出は地球規模の問題になっている。できるだけ使用量を減らし、ごみを出さない生活様式を考えるきっかけになったことは評価したい。

 だが、レジ袋は使い捨てプラスチック製品のごく一部だ。対策としてはわずかな貢献にすぎない。レジ袋にとどまらず、ペットボトルなどの容器類や包装類も含めて削減策を講じ、持続可能な社会の実現につなげるべきだ。

 世界でのプラごみの廃棄量は年間約3億トンに上るとされ、うち800万トンが海洋などに拡散している試算もある。多くは分解されずに、劣化したり微細化したりしてマイクロプラスチックという粒子になる。

 これが小魚や貝などに入り込み、食物連鎖を通じて人間を含む多くの生物に被害を及ぼすとの指摘もある。

 地球規模で環境への負荷が懸念されており、プラごみ対策は国際社会で取り組む課題である。と同時に、世界トップクラスのプラスチック消費国として日本の責任は重い。

 プラスチック資源循環促進法が今月成立したのもそのためだ。家電や包装、容器など分野ごとにばらばらな対応を見直し「プラスチック資源」として一元化し、リサイクルする。リサイクルはこれまで食品トレーなどがメインだったが、おもちゃや文具、ハンガーなども加えて回収し再利用することを自治体の努力義務にした。

 さらにコンビニをはじめとする小売店や飲食店には、スプーンやストローなど使い捨てプラ製品の削減対策が義務付けられる。代替素材への切り替えや有料化での提供などで、使い捨て型の消費スタイルを見直す契機にする狙いだ。

 対策が不十分な場合は罰則も科されるが、業界からの抵抗も予想され、効果は未知数だ。大幅な削減につながるものとは言えまい。

 家庭でのプラごみの多くは、自治体が税金で回収して処理しており、製品を作った事業者が負担するコストは限定的だ。このため使い捨てプラが大量生産、大量消費され、大量廃棄を招いているのではないか。

 原因となるプラスチック製品を作った事業者に、それがごみになった時の責任を負わせ、リサイクルや回収の費用の負担を求める「拡大生産者責任」の導入を検討すべきだ。

 プラスチックメーカーがまずリサイクルに取り組み、代替製品の開発も急がなくてはならない。消費者に理解を求めながら、コストを商品価格に上乗せすれば、使用量の削減につながるかもしれない。メーカーの取り組みには、消費者の厳しい目が注がれることになるはずだ。

 プラごみは回収されても7割近くが焼却処分されている。焼却場など公共施設の熱源として使い、リサイクルしているという理屈はあろうが、二酸化炭素を排出することは温暖化防止対策にも逆行している。

 政府はプラスチック製品の生産量と使用量を抜本的に削減するため、思い切った政策転換に踏み切る必要がある。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年06月30日  06:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②》:プラごみ削減の新法 使い捨てから循環経済へ

2021-06-18 02:02:40 | 【プラスチック(ビニール)製品の廃プラスチックによる環境、海洋汚染問題】

《社説②》:プラごみ削減の新法 使い捨てから循環経済へ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:プラごみ削減の新法 使い捨てから循環経済へ

 プラスチックごみを削減する新法が、来春にも施行される。使い捨て社会を改め、資源を有効活用して環境負荷を減らす「循環経済」の実現を目指す。

 プラごみは、海へ流れ出して生態系に深刻な影響を与える。国外への輸出規制も始まり、国際的に削減が迫られている。

 国内では、プラごみが年約850万トン排出され、1人が使い捨てる量は世界で2番目に多い。日本政府は、使い捨てプラごみの排出量を2030年までに25%削減する目標を掲げる。

 これまでのリサイクルの対象は、一部のプラスチック製品に限られていた。新法は、製造からリサイクルまで、プラスチック全体の資源循環を促す。

 製造段階ではリサイクルしやすい製品を国が認定する。コンビニなどには、使い捨てスプーンやストローの有料化、代替素材への切り替えなどを義務づける。対策をせず、国の命令などに従わない場合は50万円以下の罰金を科す。

 市区町村には、文房具やおもちゃなど家庭から出るすべてのプラごみを一括して回収するよう要請する。製造業者や販売業者には自主回収を求める。

 石油から作られるプラスチックは、安くて軽くて丈夫なため、広く使われてきた。コロナ下では食料品のテークアウトが普及し、プラ容器の需要が高まっている。

 国内のリサイクル率は85%だが、発電などへの焼却熱の利用や輸出が大半だ。新たな製品に使われるのは約2割に過ぎない。

 プラスチック製品の素材は多様で、リサイクルに労力や費用がかかるためだ。それらを分担する仕組みが必要だ。

 消費者もプラスチックの使用量が少ない商品を選んだり、マイボトルを使ったりするなど、貢献できることは多い。レジ袋の有料化後、エコバッグ利用が増えていることは先例となる。

 循環経済は、資源を無駄にせず、持続可能な社会を目指す。プラごみ削減は、脱炭素を進めるうえでも重要な一歩だ。

 今後、政府はリサイクルを促す詳細な基準を示す。実効性のある対策が欠かせない。官民が知恵を絞り、着実に実施していくことが求められる。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年06月15日  02:04:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【北里大学】:海底ゴミ付着クラゲ国内初展示 クラゲの基「ポリプ」から2~3年かけ飼育

2021-05-04 07:04:30 | 【プラスチック(ビニール)製品の廃プラスチックによる環境、海洋汚染問題】

【北里大学】:海底ゴミ付着クラゲ国内初展示 クラゲの基「ポリプ」から2~3年かけ飼育

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【北里大学】:海底ゴミ付着クラゲ国内初展示 クラゲの基「ポリプ」から2~3年かけ飼育

 深海に生息する「ナデシコクラゲ」(仮称)が、山形県鶴岡市の加茂水族館と神奈川県藤沢市の新江ノ島水族館で、国内で初めて展示されている。北里大(神奈川県)の研究チームが東日本大震災を受けた調査で、海底ごみに付着していたのを発見し、育てていた。

国内で初展示されている「ナデシコクラゲ(仮称)」(山形県鶴岡市立加茂水族館提供=共同)国内で初展示されている「ナデシコクラゲ(仮称)」(山形県鶴岡市立加茂水族館提供=共同)

 研究チームは2012年、岩手県沖で水深1キロ超の深海にあった空き缶を採取。付着している生物を調べようとプランクトンを与えると、クラゲの基となる「ポリプ」が増殖した。

 2~3年かけ育てると、国内で未発見のクラゲであることが判明。標準和名がなく、口がナデシコの花のように見えることから「ナデシコクラゲ」と命名した。傘の直径は0・5~3センチで、色は淡いピンク色。

 順調に増えたため、今年4月から、いずれもクラゲの飼育実績が豊富な加茂水族館で約30匹、新江ノ島水族館で約5匹を展示している。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・北里大学・深海に生息する「ナデシコクラゲ」・山形県鶴岡市の加茂水族館と神奈川県藤沢市の新江ノ島水族館・東日本大震災を受けた調査で、海底ごみに付着していたのを発見し、育てていた。】  2021年05月04日  07:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:プラごみ新法案 排出減に向け実効性を

2021-04-02 05:05:50 | 【プラスチック(ビニール)製品の廃プラスチックによる環境、海洋汚染問題】

【社説②】:プラごみ新法案 排出減に向け実効性を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:プラごみ新法案 排出減に向け実効性を 

 政府はプラスチックごみの削減やリサイクルを目指す新法案「プラスチック資源循環促進法案」を閣議決定した。今国会での成立を目指し来年4月にも施行される。

 安価で扱いやすいプラスチック製品は生活の隅々に浸透した。便利な半面、ごみになれば自然界に半永久的に残り、海洋汚染など生態系に深刻な影響を与えている。

 抜本的な対策は待ったなしだ。

 新法案は排出量削減をめざし、事業者にはプラ製品の設計・企画から提供、廃棄、リサイクルまで包括的な対応を求める。家庭から出るプラごみは一括回収を導入し再資源化を促す。

 ただ国が具体的な対策をまとめるのはこれからだ。実務を担う事業者や自治体などの状況に目を配り、実効性を高める必要がある。

 日本は世界有数のプラごみ排出国で、年間約900万トンに上る。削減姿勢が問われており、法案の方向性は時代の要請と言えよう。

 法案は小売店や飲食店に使い捨てスプーンなどの使用削減を、プラごみを大量に出す企業に排出抑制やリサイクルをそれぞれ義務付ける。メーカー向けには環境に配慮した商品の認定制度を設ける。

 家庭のプラごみは現在、容器包装などを分別回収し資源化する一方、文房具などのプラ製品は焼却や埋め立てで処分する自治体が多い。この区分をやめ、一括回収するよう自治体に求める。

 だが削減が進むかは疑問だ。

 例えば、改善への勧告・命令に従わない事業者に50万円以下の罰金を科すとするが、歯止めとして有効に機能するだろうか。

 改善経費がかさめば罰金を支払ってでも現状を維持しかねない。改善を促す施策も必要だろう。

 プラごみの資源化にも多くの壁がある。汚れを落とすのに手間がかかるなどリサイクルは容易ではなく、現状では大部分が焼却されて二酸化炭素を出している。

 資源の循環を進めるには、分別や回収に当たる自治体や業者への支援が不可欠となる。国は施設整備へのサポートを含め、実態に即した対策を早急に示してほしい。

 国会での議論も鍵を握る。政府案では削減対策が不十分だとして立憲民主党が対案を検討する。くむべき点があれば取り入れ、より良い法整備を目指すべきだ。

 昨年7月からレジ袋の有料化が始まった。繰り返し使うマイバッグの利用が広がり、消費者の意識は確実に変わりつつある。身近な場での実践を通じ、プラスチック依存からの脱却を図りたい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年04月02日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【環境省】:小泉進次郎氏「炎上した」スプーン有料新法案苦情相次ぐ

2021-03-19 00:13:40 | 【プラスチック(ビニール)製品の廃プラスチックによる環境、海洋汚染問題】

【環境省】:小泉進次郎氏「炎上した」スプーン有料新法案苦情相次ぐ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【環境省】:小泉進次郎氏「炎上した」スプーン有料新法案苦情相次ぐ

 小泉進次郎環境相は18日、中高生や大学生とプラスチックごみ問題を巡りオンライン形式で意見交換した。無料配布しているプラ製スプーンの有料化などを念頭に置いた新法案に対し、若者は「規制だけではなく、ほかの対策も取るべきだ」と提言した。

小泉進次郎環境相(2020年11月17日撮影)小泉進次郎環境相(2020年11月17日撮影)

 今国会に提出した新法案は、プラ削減のため、スプーンやフォークを多く提供するコンビニや飲食店に何らかの対策を求めている。小泉氏は「有料提供にするコンビニもあるかもしれないと話したら(インターネット上で)炎上した」と説明。環境省によると、苦情の電話が相次いでいるという。

 若者は有料化に理解を示す一方、影響力の大きい著名人を通じてライフスタイルの転換を促したり、プラごみによる海洋汚染を啓発したりすべきだと提案。小泉氏は「大切なことだ」と応じた。

 若者との意見交換は、政策をアピールする狙いもあり、今後も開く。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・環境省・中高生や大学生とプラスチックごみ問題を巡りオンライン形式で意見交換】  2021年03月18日  20:41:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【質問なるほドリ】:「人新世」どんな概念? 工業化や核開発進み、環境激変した地質時代

2021-02-09 02:03:00 | 【プラスチック(ビニール)製品の廃プラスチックによる環境、海洋汚染問題】

【質問なるほドリ】:「人新世」どんな概念? 工業化や核開発進み、環境激変した地質時代=回答・阿部周一

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【質問なるほドリ】:「人新世」どんな概念? 工業化や核開発進み、環境激変した地質時代=回答・阿部周一

 なるほドリ 「人新世」という言葉を最近ときどき見かけるよ。

 記者 哲学者、斎藤幸平(さいとうこうへい)さんの「人新世の『資本論』」(集英社新書)がヒットするなど関心が高まっていますね。「じんしんせい」や「ひとしんせい」と読みます。

 

 水路でプラスチックごみをより分ける男性=インドの首都ニューデリーで2018年、松井聡撮影

 Q どんな意味なの?

 A 46億年の地球の歴史を、地層などに含まれる化石や鉱物の特徴で区分けする「地質時代(ちしつじだい)」という考え方があります。例えばアンモナイトが現れた「古生代(こせいだい)デボン紀」や、恐竜(きょうりゅう)が登場した「中生代三畳紀(ちゅうせいだいさんじょうき)」、約1万1700年前~現在の「完新世(かんしんせい)」などです。人類の文明が栄える今の時代は、また新たな地質時代「人新世」に…、

 ※この記事は有料記事です。「ご登録日から1カ月間は100円」 いますぐ登録して、続きをお読み下さい。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【質問なるほドリ】  2021年02月09日  02:03:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 ■集英社新書  人新世の「資本論」

 人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。
気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。
それを阻止するためには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。
いや、危機の解決策はある。
ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。
世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす!

 



【各界が絶賛!】
■松岡正剛氏(編集工学研究所所長)
気候、マルクス、人新世。 これらを横断する経済思想が、ついに出現したね。日本はそんな才能を待っていた!  
■白井聡氏(政治学者)
「マルクスへ帰れ」と人は言う。だがマルクスからどこへ行く?斎藤幸平は、その答えに誰よりも早くたどり着いた。 理論と実践の、この見事な結合に刮目せよ。
■坂本龍一氏(音楽家)
気候危機をとめ、生活を豊かにし、余暇を増やし、格差もなくなる、そんな社会が可能だとしたら?
■水野和夫氏(経済学者)
資本主義を終わらせれば、豊かな社会がやってくる。だが、資本主義を止めなければ、歴史が終わる。常識を破る、衝撃の名著だ。

【おもな内容】
はじめに――SDGsは「大衆のアヘン」である!
第1章:気候変動と帝国的生活様式
気候変動が文明を危機に/フロンティアの消滅―市場と環境の二重の限界にぶつかる資本主義
第2章:気候ケインズ主義の限界
二酸化炭素排出と経済成長は切り離せない
第3章:資本主義システムでの脱成長を撃つ
なぜ資本主義では脱成長は不可能なのか
第4章:「人新世」のマルクス
地球を〈コモン〉として管理する/〈コモン〉を再建するためのコミュニズム/新解釈! 進歩史観を捨てた晩年のマルクス
第5章:加速主義という現実逃避
生産力至上主義が生んだ幻想/資本の「包摂」によって無力になる私たち
第6章:欠乏の資本主義、潤沢なコミュニズム
貧しさの原因は資本主義
第7章:脱成長コミュニズムが世界を救う
コロナ禍も「人新世」の産物/脱成長コミュニズムとは何か
第8章 気候正義という「梃子」
グローバル・サウスから世界へ
おわりに――歴史を終わらせないために

【著者略歴】
斎藤幸平(さいとう こうへい)
1987年生まれ。大阪市立大学大学院経済学研究科准教授。ベルリン・フンボルト大学哲学科博士課程修了。博士(哲学)。専門は経済思想、社会思想。
Karl Marx’s Ecosocialism:Capital,Nature,and the Unfinished Critique of Political Economy (邦訳『大洪水の前に』)によって権威ある「ドイッチャー記念賞」を日本人初歴代最年少で受賞。
編著に『未来への大分岐』など。

 

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【自然環境】:プラごみが地球壊すー「コロナ禍の今こそ環境危機を考えて」自然写真家・高砂淳二さんの願い

2021-01-24 05:55:30 | 【プラスチック(ビニール)製品の廃プラスチックによる環境、海洋汚染問題】

【自然環境】:プラごみが地球壊すー「コロナ禍の今こそ環境危機を考えて」自然写真家・高砂淳二さんの願い

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【自然環境】:プラごみが地球壊すー「コロナ禍の今こそ環境危機を考えて」自然写真家・高砂淳二さんの願い 

 世界各国の大自然を取材し、夜の虹など神秘的な作品で知られる自然写真家の高砂淳二さん(58)。30年の活動を通じ、壊れつつある地球の姿を伝える必要性にかられるようになった。そこには東日本大震災で宮城県石巻市の実家が被災した経験も込められている。「コロナ禍の今、身近に迫りつつある環境危機を考えてほしい」と訴える。
長崎県・対馬に流れ着いたごみの写真を示しながら海の汚染状況を話す自然写真家の高砂淳二さん=東京都渋谷区で

  長崎県・対馬に流れ着いたごみの写真を示しながら海の汚染状況を話す自然写真家の高砂淳二さん=東京都渋谷区で

◆鳥の楽園で幼鳥が食べるもの

 米ミッドウェー島はコアホウドリの楽園として知られている。だが、幼鳥たちのおなかは、プラスチックごみでいっぱいだった。
飛び立つ練習中のコアホウドリの幼鳥。お腹がぷっくりと膨らんでいる=米国・ミッドウェー島で(いずれも高砂淳二提供)

飛び立つ練習中のコアホウドリの幼鳥。お腹がぷっくりと膨らんでいる=米国・ミッドウェー島で(いずれも高砂淳二提供)

命を落としたコアホウドリからは多くのプラスチックごみが=米国・ミッドウェー島で

命を落としたコアホウドリからは多くのプラスチックごみが=米国・ミッドウェー島で

 「親鳥が餌と思い口移しで与えてしまう。幼鳥が栄養失調で死んでいく」

◆変わっていく海

 カナダ東海岸、セントローレンス湾の流氷に暮らす真っ白なタテゴトアザラシの赤ちゃんも生存の危機にあるという。
タテゴトアザラシがのった流氷。地球温暖化で生存の危機に見舞われている=カナダ・セントローレンス湾で

タテゴトアザラシがのった流氷。地球温暖化で生存の危機に見舞われている=カナダ・セントローレンス湾で

 「流氷が解け、生まれたての赤ちゃんが泳ぎを学びきれないまま死んでしまう。地球温暖化の影響をまともに受けている」
 サンゴからかわいいカエルウオが顔をのぞかせる沖縄県・慶良間諸島での作品も「サンゴの白は、海水温度の上昇による白化現象。この海域のサンゴは死滅してしまった」と明かす。
一見、きれいなカエルウオのすみかも、白化現象で死滅しつつあるサンゴだ=沖縄県・慶良間諸島で

 一見、きれいなカエルウオのすみかも、白化現象で死滅しつつあるサンゴだ=沖縄県・慶良間諸島で

 2011年3月11日の大津波で海岸沿いの実家は被災し住めなくなった。

◆今、家でできること

 「海を主題に取材してきたから海に向き合うのがつらかった時もあった。けど、僕たちはこうした自然があるからこそ生きていける」としながらこう訴える。
 「エネルギーもプラスチックも、際限なく使っていては、あっという間に地球の働きを止めてしまう。自分を生かしてくれる自然に再生してもらうため、今、家でやれることを考えてほしい」(蒲敏哉)

 ■たかさご・じゅんじ 

 宮城県石巻市出身。宇都宮大工学部卒。世界各地の絶景に架かる夜の虹や動植物などを独自の視点から撮影している。2011年3月の東日本大震災で石巻市の実家が被災し母親ら親族は宇都宮市に在住する。

 ■ライブ講演 
 
 高砂さんの環境問題講演会を2月7日午後2時からYou Tube「東京新聞チャンネル」で無料ライブ中継します。著書「光と虹と神話」(山と渓谷社)
 
 「PLANET OF WATER」(日経ナショナルジオグラフィック社)のサイン本も東京新聞オフィシャルショップで限定予約販売します。2月末まで。申し込みはこちらから。
 
 元稿:東京新聞社 主要ニュース 社会 【話題・自然環境・プラスチック製品の廃棄物による環境・海洋汚染問題】  2021年01月24日  05:55:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【金口木舌】:安田協同店の貸し出し

2020-08-03 06:01:25 | 【プラスチック(ビニール)製品の廃プラスチックによる環境、海洋汚染問題】

【金口木舌】:安田協同店の貸し出し

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:安田協同店の貸し出し

 数円でも損をした気分になる。コンビニエンスストアやスーパーで買い物するたびにレジ袋の購入を尋ねられるようになった

 ▼日本のレジ袋は丈夫で、着替え入れなど再利用できる。「ポイ捨てしなければいい」とも思うが、既に危機的な状況だ。世界自然保護基金によると、世界の海に存在しているといわれるプラスチックごみは、合計で1億5千万トン。さらに年間800万トンが新たに海に流れていると推定される

 ▼高知県室戸市沖で6月、絶滅の危機に直面しているウミガメ 「オサガメ」 の死骸が定置網にかかった。体内から見つかったのはプラスチック製のレジ袋だ。主食のクラゲと間違えて誤飲した可能性がある

 ▼プラスチックのごみは見えなくなっても深刻だ。海に流出して波や紫外線で砕けると、5ミリ以下のマイクロプラスチックになり、魚介などの生態系に悪影響を及ぼすとされている

 ▼国頭村の安田協同店は、2019年4月から利用客にマイバッグの貸し出しを始めた。きっかけは店主の徳田泰二郎さんと妻の優子さんが安田のビーチを散歩中、頭からビニールをかぶり死んでいるウミガメを見つけたこと

 ▼数日でレジ袋100枚を使い切っていたが、今では1週間に5枚程度で、マイバッグはかなり浸透している。生態系を守り、自然と共生していくことは私たちの買い物時の心掛けから始まる。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2020年08月03日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:「ねえ、こんなにたくさん、どうするの?」。冷蔵庫の脇にしま・・・

2020-07-03 06:47:45 | 【プラスチック(ビニール)製品の廃プラスチックによる環境、海洋汚染問題】

【筆洗】:「ねえ、こんなにたくさん、どうするの?」。冷蔵庫の脇にしま・・・

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:「ねえ、こんなにたくさん、どうするの?」。冷蔵庫の脇にしま・・・

 「ねえ、こんなにたくさん、どうするの?」。冷蔵庫の脇にしまい込まれていた大量の紙袋を見つけた娘が老いた母親に尋ねる。母親が面倒くさそうに答える。「なにかのときにないと、困るからさあ…」。是枝裕和監督の「歩いても歩いても」(二〇〇八年)にそんな場面があった▼決めつける気はないが、母親というものはなんでも大切にとっておきたがる傾向があるのか。紙袋、包装紙、リボン…。もったいないからまだ使えるからとしまい込む▼知り合いが、亡くなった母親の家を片付けていてびっくりするほど大量のレジ袋を発見したそうだ。あきれると同時になんだか申し訳ない気分になったと言っていたが、よく分かる▼スーパーやコンビニなどでレジ袋の有料化が始まった。映画では紙袋だったが、あの母親なら「ほら、とっておいてよかったじゃない」と言うだろう。無料だったレジ袋に数円かかる。むざむざ支払うのはやはりシャクである▼有料化でレジ袋の量を減らし、プラスチックごみによる海洋汚染を防ぐ試みである。レジ袋が消えるわけではなく、汚染防止にどこまで効果があるのか分からぬが、これでプラスチックごみを減らす意識が高まればよい▼もったいないのでマイバッグを使いたい。もったいないのはレジ袋に数円を払うこと。それにかけがえのない海をプラスチックごみで汚すことである。

  元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2020年07月02日  06:44:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:プラごみでランプシェード

2020-07-03 05:59:25 | 【プラスチック(ビニール)製品の廃プラスチックによる環境、海洋汚染問題】

【金口木舌】:プラごみでランプシェード

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:プラごみでランプシェード

 商店の店主が切り分けた豆腐を自宅から持ってきた小鍋に入れてもらう。食品も持参した「買い物袋」に詰め込む。ひと昔前の沖縄では「買い物袋」は日常の一こまだった。布製のほか竹製のカゴを転用している人も。“エコな生活”を先取りしていた

 ▼今やプラスチック製レジ袋が浸透している。買い物だけではない。空き缶や排水溝のごみを入れたりと何枚も使う。マイバッグも定着しつつあるがレジ袋の活用機会は多い。レジ袋が7月1日から全国の小売店で有料になる。背景にあるのは海のプラスチック汚染だ

 ▼国連環境計画によると、プラスチックごみは年800万トン以上が海に流出している。深海でもペットボトルやレジ袋が見つかっている。海洋生物が誤食して窒息死する被害も相次ぎ生態系を脅かす

 ▼主要20カ国・地域首脳会議はプラごみによる海洋汚染を2050年にゼロにする目標を掲げている。レジ袋の有料化はプラごみ低減策の一環だ

 ▼ドイツ人でデザイナーの故ヨーガン・レールさんは天然素材を多用した。晩年は自然に魅せられ石垣島に移住した。海岸の漂着ごみに憤り、プラごみでランプシェードを制作した

 ▼「強欲な製造と消費。世界は、息もつかせぬ早さで、醜い方向へ変わっています」。ヨーガンさんは著書で大量消費文化に警鐘を鳴らした。日々の積み重ねが“エコな生活”を取り戻す。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2020年06月27日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:プラごみ削減 「使い捨て」脱却真剣に

2020-07-03 05:03:05 | 【プラスチック(ビニール)製品の廃プラスチックによる環境、海洋汚染問題】

【社説②】:プラごみ削減 「使い捨て」脱却真剣に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:プラごみ削減 「使い捨て」脱却真剣に

 プラスチックごみ削減が国際課題となる中、あすからプラスチック製レジ袋が原則有料化される。

 代替プラ製レジ袋の導入、マイバッグの利用など、事業者も消費者も慣習の見直しを迫られる。

 ただ、レジ袋は国内で排出されるプラごみの2%にとどまる。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた外出自粛中、家庭から出るプラごみはむしろ増加した。

 レジ袋有料化は、抜本対策にはほど遠い。政府は、使い捨て容器の削減やリサイクルの一段の促進、代替品の利用拡大などを効果的に進めるべきだ。

 プラごみ削減が喫緊の課題となったのは、海に流出したごみによる深刻な海洋汚染のためだ。

 昨年の20カ国・地域(G20)エネルギー・環境相会合で、「50年までに新たな海洋汚染をなくす」という初の国際枠組みができた。

 先進国のプラごみを受け入れてきた国々が、環境問題から輸入規制を強めた影響も大きい。

 プラごみ削減の要となるのは、その半分近くを占めるボトルなどの容器包装や家電、家具などだ。

 環境、経済産業両省は5月、合同で有識者会議を設け、国内でのプラごみ処理を進めるため、容器包装リサイクル法(容リ法)などの規制の見直しに着手した。

 政府が昨年策定したプラスチック資源循環戦略は、使い捨てプラの排出量の25%削減や、容器包装の6割の再利用・削減を掲げる。

 それには、容器包装などのデザインを、再使用やリサイクルを前提に改めていく必要がある。

 産業界の協力を得るには取り組みが商機となるような仕組みが必要だが、規制の見直しに当たっては欧州のように企業に対応を義務づけることも検討されてよい。

 分別回収の拡大や、これを担う自治体の負担軽減、リサイクル業者の育成支援など、総合的に施策を進め、リサイクル体制を再構築しなくてはならない。

 プラごみ対策の「3R」のうち、日本はリサイクル(再生利用)が先行し、より優先すべきリデュース(減らす)、リユース(再使用する)の取り組みが遅れた。

 そのリサイクルも製品への再生は2割強で、多くを焼却して熱や電気を利用してきたのが実情だ。

 近年は、3Rにリフューズ(包装などを断る)を加え、消費者に意識改革を促す動きもある。

 消費者の関心が高まれば、企業の取り組みも進むだろう。レジ袋有料化が、その契機となるよう期待したい。

  元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年06月30日  05:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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