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路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【政界地獄耳・09.01】:「処理水」政治キャンペーンで既に負けている日本

2023-09-08 07:40:00 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・東電の再建・処理水の海洋放出

【政界地獄耳・09.01】:「処理水」政治キャンペーンで既に負けている日本

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・09.01】:「処理水」政治キャンペーンで既に負けている日本 

 ★8月30日、中国外務省次官補・報道官・華春瑩(ホア・チュンイン)はX(旧ツイッター)に英語で4連続投稿をし、「なぜ日本はトリチウムの希釈ばかりを強調するのか。福島の放射能汚染水には60種類以上の放射性核種が含まれているが、残りの放射性核種の処理はどうなるのか」「もしその水が本当に無害であるなら、なぜ日本は700億円を費やして宣伝キャンペーンを始めようとしているのか。なぜ日本は関係者による福島の放射能汚染水と海水のサンプル収集を拒んだのか」「この水が無害ではないと判明した場合、近隣諸国や他の多くの国が海洋放出しないよう勧告する中で、日本は海洋放出を続けられるのか。これが誠実で責任ある国の振る舞いなのか」「中国と日本には『覆水盆に返らず』ということわざがある。『こぼれた水は二度と元の盆に戻らない』という意味だ。受けたダメージは元に戻せない。日本は手遅れになる前にやめるべきだ」と畳みかけた。

 ★21年4月、政府は処理水の海洋放出を決めたが、科学的根拠を国際原子力機関(IAEA)に求めたのは7月になってから。それが「科学的」と言われる根拠だ。だが中国のこの政治的キャンペーンの背景には米国のいうことは無条件に受け入れるのに中国の声は聞き入れないというメッセージがある。加えて福島第1原発事故以降、今日までの東京電力と日本政府の原発処理は日本国民と世界に誠実だったかを問うている。

 ★福島の事故以降、欧州は原発推進機運がうせ、世界最大の原子力産業会社「アレバ」も今では「オラノ」に変わった。その縮小された部分を中国がこの10年担ってきた。米・ウェスティングハウスの原発をベースに中国が独自開発した第3世代原発に中国は自信を持つ。中国製第3世代原発は海外輸出も進み、今では中国は世界第2位の原発大国だ。その国に向かって「科学」を説いた日本政府の国内外への説明戦略と外交戦略が正しいと思うだろうか。既に日本は政治キャンペーンで敗北しているのだ。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2023年09月01日  07:44:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・08.29】:福島処理水放出じわじわ国際問題化 外交の岸田はどこに

2023-09-05 07:40:00 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・東電の再建・処理水の海洋放出

【政界地獄耳・08.29】:福島処理水放出じわじわ国際問題化 外交の岸田はどこに

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・08.29】:福島処理水放出じわじわ国際問題化 外交の岸田はどこに 

 ★処理水放出がじわじわと国際問題として拡大している。北京訪問直前に中国サイドから「当面の日中関係の状況に鑑み、適切なタイミングではない」と延期を告げられた公明党代表・山口那津男について28日の会見で官房長官・松野博一は「政府として山口代表の訪中にも期待していた。今後、再調整されると承知しており、後押しをしていきたい」と残念がった。今後の日中首脳会談の可能性が低い中、山口訪中は政府の期待も大きかったはずだが、山口はこれで政府の一員とみなされ、長年の公明党と中国の関係も変化したとみるべきだろう。

関係閣僚会議で発言する岸田文雄首相(中央) =22日、官邸(矢島康弘撮影)

 ★また、松野は処理水の放出を受けた中国側の日本産水産物の輸入停止措置をはじめ、放出に関しての嫌がらせや反発について「極めて遺憾であり憂慮している。中国側には国民に冷静な行動を呼びかける等、適切な対応を行うとともに、処理水について正確な情報を発信することを強く求めてきており、引き続き強く求めていく」とした。政府の理屈は「科学的根拠に基づかない発信で人々の不安をいたずらに高めるべきではない」というものだが、政府はこの嫌がらせに過剰に反応しており、28日、外務事務次官・岡野正敬は中国の駐日大使・呉江浩を外務省に呼び、「極めて遺憾だ。憂慮している」とした。北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞に至っては「核テロ」などと非難しているが、この政治的キャンペーンに落としどころはあるのか。

 ★在米映画評論家・町山智浩は「『処理水は科学的に安全なのに日本の水産物を買わない中国が悪い』『中国も原発の処理水を排水しているのに』といくら言っても、買う買わないは客の自由だから。『あんたの店のBGMが嫌いだから買わない』と理不尽なことを言われたとして、『なんて客だ』と客を責めたら、かえって店には帰ってこないよ」。とX(旧ツイッター)に書き込んだ。外交の岸田はどこにいるのか。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2023年08月29日  07:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日本維新の会】:「汚染水」と発信する野党打倒を宣言

2023-08-30 15:55:30 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・東電の再建・処理水の海洋放出

【日本維新の会】:「汚染水」と発信する野党打倒を宣言

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日本維新の会】:「汚染水」と発信する野党打倒を宣言 

 東京電力福島第1原子力発電所の処理水放出を巡り、日本維新の会は30日、政府与党と足並みをそろえて風評被害の解消に努めていく方針を確認した。また、処理水を「汚染水」と発信する立憲民主党の一部や共産党への対決姿勢も鮮明にした。

日本維新の会の馬場伸幸代表(矢島康弘撮影)

 馬場伸幸代表は同日の党会合で、科学的に問題がないと指摘した上で、「われわれも堂々と処理水放出については応援をしていく」と述べた。また、独自の風評被害対策として、東北の食材を使ったイベントの検討を指示したと明らかにした。

 立民の泉健太代表は「処理水」が党の公式見解だと主張しているが、一部の議員は共産党と同様に「汚染水」と発信している。

 維新の藤田文武幹事長は党会合後の記者会見で、「民間の方が(汚染水と)言う分には自由だが、責任ある政治にかかわる、特に議員については非科学的な、フェアじゃない態度で不安をあおるようなことがあってはならない」と強調した。「風評被害につながるような発信をかなりやっている。こういうところが立民の限界というか問題だ」とも断じた。

 藤田氏はさらに、「自民党と維新は正面から対立する与党と野党だが、科学に基づいて粛々と国民の安心を担保していくべき課題については、政府をサポートすべきことがあってもいい」と指摘。立民や共産を念頭に「政治的に足を引っ張ってやろうみたいな思惑の中でやっているのだとしたら、こんな情けないことはない。次の衆院選では無責任な勢力に権力を持たせない。維新が新しい政治構図を作るために頑張りたい」とも語った。
 
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【政界地獄耳・08.23】:処理水「責任を持つ」と約束したけれど…その時にはもう責任者などいない

2023-08-30 07:42:10 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・東電の再建・処理水の海洋放出

【政界地獄耳・08.23】:処理水「責任を持つ」と約束したけれど…その時にはもう責任者などいない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・08.23】:処理水「責任を持つ」と約束したけれど…その時にはもう責任者などいない 

 ★国と東京電力は14年には原子炉建屋に流れ込む前の地下水を、15年には原子炉建屋周辺からくみ上げて浄化した地下水を県漁連の了解を得て海に放出した。この時漁連は「漁業者、国民の理解を得られない処理水の海洋放出は絶対に行わないこと」を要望。東京電力は「関係者理解なしにはいかなる処分も行わない」と約束した。この夏前から自らを将来の首相候補と名乗る経産相・西村康稔が頻繁に福島の各漁連を回るが、補償金をちらつかせる説得になった。だが実際はここでの漁業をあきらめるか否かの選択を迫られ、未来を失う話だったはずだ。6月30日、相馬市の相馬双葉漁協でも同漁協組合長・今野智光は「安全安心とでは全然違う」とはねつけた。

福島第一原子力発電所事故
左から4号機→3号機→2号機→1号機
(2011年3月16日撮影)

 ★首相は21日、日本の漁業者団体・全漁連(全国漁業協同組合連合会)会長・坂本雅信を官邸に呼びつけ会談。「漁業者の皆様が安心してなりわいを継続できるように、必要な対策を取り続けることを、たとえ今後、数十年の長期にわたろうとも、全責任を持って対応することをお約束いたします」と言うも、その時にはもういない首相や大臣、担当する官僚に“責任者”はいない。約束など空手形だということは福島の人たちだけでなく、国民は知っている。坂本は「漁業者・国民の理解を得られない、ALPS処理水の海洋放出に反対であるということは、いささかも変わりはありません。科学的な安全と社会的な安心は異なるものであって、科学的に安全だからといって風評被害がなくなるわけではない」と毅然と応じた。西村の“無能さ”はとがめられず、見切り発車の放水閣議決定となった。

 ★首相は、処理水を保管するタンクが林立し、廃炉を着実に進めるために必要なスペースがなくなっているとして「廃炉の前提となる処理水の処分は避けて通ることはできない」と言うが、彼らの生活の糧と未来が奪われる話だ。冒頭のように県漁連が言質を取り、国と東電に先手を打つもほごにされた。坂本は会談後、この約束について「破られてはいないが果たされてもいない」とした。やり口として、後味悪い結果残したツケは大きい。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2023年08月23日  07:52:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【中国メディア】:食塩買い占めで売り切れ続々 スーパーで 東電福島第一原発からの処理水放出で

2023-08-25 00:08:30 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・東電の再建・処理水の海洋放出

【中国メディア】:食塩買い占めで売り切れ続々 スーパーで 東電福島第一原発からの処理水放出で

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中国メディア】:食塩買い占めで売り切れ続々 スーパーで 東電福島第一原発からの処理水放出で

 中国メディアは24日、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出開始を受け、中国各地で食塩の買い占めが起き、スーパーなどで次々と売り切れていると報じた。海水が汚染され、塩が手に入らなくなる事態を懸念しているという。

 上海株式市場では食塩を生産、販売する企業の株価が急上昇。中国税関総署が日本からの水産物輸入を全面停止したことを受け、水産関連株も値上がりした。

 中国では2011年3月の福島第1原発事故の直後も食塩の買い占めが起きた。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・中国メディア・東京電力福島第1原発処理水の海洋放出開始問題】  2023年08月25日  00:08:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【産経抄】:処理水問題をこじらせているのは誰か

2023-08-22 05:05:45 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・東電の再建・処理水の海洋放出

【産経抄】:処理水問題をこじらせているのは誰か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【産経抄】:処理水問題をこじらせているのは誰か 

 東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出は、今月内の実現をみすえて大詰めを迎えている。水産物への風評被害を防ぐ名案はないものか。岸田文雄首相が実際に飲んで安全をアピールすればいい、との意見を耳にする。

 ▼実はすでに前例がある。平成23年10月の記者会見での出来事だった。当時東電は原発の建屋地下にたまる水を処理して敷地内に散水していた。「安全というなら飲んでみたらどうか」。記者の挑発に内閣府の政務官だった園田康博氏がコップ半分ほどの処理水をあおった。残念ながら「政府の愚かさを代弁した」などと批判を浴びただけで終わってしまった。

 ▼政府の風評被害対策について、75%が「十分ではない」と答えた。昨日の朝日新聞が報じた世論調査の結果である。もっとも問題をこじらせているのは、むしろ朝日を含めた一部のメディアではないか、と食・健康ジャーナリストの小島正美さんが指摘する。

 ▼処理水に残っている放射性物質のトリチウムは人体に蓄積されることはなく、世界中の原発が同様の処理水を海に流してきた。この科学的事実を国民に伝える使命を果たしていないという。

 ▼「安全でも安心できない」との論理を振りかざして国民の不安をあおるのは、当事者意識がないからだ、とも。元毎日新聞記者の小島さんは手厳しい。ただしメディアの「改心」を待っている猶予はない。

 ▼ペットボトル一本でいいから、全国各地で処理水の海洋放出を分かち合うセレモニーがあっていい。小島さんが編集した『みんなで考えるトリチウム水問題』には、フリージャーナリストの井内千穂さんがこんな提言を寄せている。確かに多くの国民が処理水問題を自分事とするきっかけとなるだろう。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム  【産経抄】  2023年08月22日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【フォーカス】:処理水、溝残し放出へ 政府「一定の理解得た」 漁業者「約束果たさず」

2023-08-22 05:03:15 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・東電の再建・処理水の海洋放出

【フォーカス】:処理水、溝残し放出へ 政府「一定の理解得た」 漁業者「約束果たさず」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【フォーカス】:処理水、溝残し放出へ 政府「一定の理解得た」 漁業者「約束果たさず」 

 東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出が24日にも開始される見通しとなった。政府は「国際的な安全基準に合致する」とした国際原子力機関(IAEA)の判断と原発廃炉の必要性を訴え、「関係者の一定の理解を得た」とするが、漁業者の反対は根強い。政府は2015年から「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」と説明してきており、「約束」をほごにしたとの批判が強まるのは避けられない。
東京電力福島第1原発の敷地内に並ぶ処理水のタンク=1月
東京電力福島第1原発の敷地内に並ぶ処理水のタンク=1月
 
 
 
 処理水は現在、福島第1原発敷地内の貯蔵タンクで保管されているが、来年前半には満杯になる見通し。政府は汚染水を多核種除去設備(ALPS)で浄化した上で、放射性物質トリチウムの濃度が国の基準値の40分の1未満になるよう海水で希釈し、沖合に放出する計画だ。
 
 政府は今年1月、処理水の放出時期の期限を「夏ごろ」とすることを確認。7月にIAEAから放出計画への「お墨付き」を得たことを受け、漁業関係者との協議を本格化させてきた。最大のネックは政府と東電が15年に福島県漁連と交わした「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」という約束だった。
 
 このため政府は風評被害対策と漁業の継続支援で計800億円の基金を創設。首相は21日の面会でも必要な予算の確保を表明し理解を求めたが、坂本氏は「約束は破られていないが、果たされてもいない」と記者団に説明。「関係者の一定の理解を得た」(西村康稔経済産業相)とする政府との認識の隔たりは大きい。
 
 また処理水は1日の放出量が限られるため、全ての放出には30年ほどかかる見通し。今回の「見切り発車」の放出が将来にどんな影響をもたらすかは不透明な部分もあり、坂本氏は面会で「最後の一滴の放出を見極めるまでは予断を許さない」と訴えた。
 
 ただ廃炉には処理水の放出が必要で、漁業関係者の中にも放出を容認する意見もある。IAEAは「過剰な安全対策が逆に風評被害を招きかねない」とも指摘しており、漁業関係者らは処理水放出を巡る国内調整が難航すれば、中国などが日本産海産物への輸入規制をさらに強化し、風評被害が拡大しかねないというジレンマも抱える。
 
 坂本氏は「漁業者が子々孫々まで安心して漁業ができるように寄り添い、国の全責任において必要な対策を講じ続けることを強く求める」と首相にくぎを刺した。(村上辰徳、勝間田翔)

 元稿:北海道新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【フォーカス】  2023年08月21日  23:51:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田政権】:「処理水」、24日に放出で最終調整…首相「漁業者のため必要な対策とり続ける」

2023-08-22 05:00:20 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・東電の再建・処理水の海洋放出

【岸田政権】:「処理水」、24日に放出で最終調整…首相「漁業者のため必要な対策とり続ける」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田政権】:「処理水」、24日に放出で最終調整…首相「漁業者のため必要な対策とり続ける」

  政府は、東京電力福島第一原子力発電所(福島県)の処理水の海洋放出について、24日に開始する方向で最終調整に入った。22日に関係閣僚会議を開き、決定する。岸田首相は21日、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長らと首相官邸で面会し、放出への理解を求めた。

 首相は坂本氏との面会後、首相官邸で記者団に、「22日朝、関係閣僚会議を開催し、放出の具体的な日程を決定する」と明らかにした。処理水の海洋放出の開始日は明言しなかった。首相は「日本やIAEA(国際原子力機関)の取り組みに対し、国際社会の理解も進んでいる」と述べ、処理水放出への環境が整いつつあるとの認識を示した。

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 福島第一原発の処理水の海洋放出に向け、全漁連の坂本雅信会長らと面会する岸田首相(左)(21日午後、首相官邸で)=源幸正倫撮影

 首相と坂本氏の面会に同席した西村経済産業相は記者会見で、「関係者の一定の理解を得た」と強調した。

 政府が処理水の海洋放出を24日開始で調整する背景には、福島県沿岸での沖合底引き網漁再開を9月1日に控えていることがある。地元の漁業者らの風評被害への懸念は強く、政府は休漁期間である今月中に放出を始め、モニタリング(監視)データを公表して安全性をアピールする必要があると判断したとみられる。

 首相は坂本氏との面会で、「(原発の)廃炉と処理水の放出を安全に完遂する。漁業者が安心してなりわいを継続できるよう、必要な対策をとり続ける」と伝え、風評被害対策に政府を挙げて取り組む考えを伝えた。

 これに対し、坂本氏は「処理水の海洋放出に反対であることは、いささかも変わりはない」としつつ、IAEAが処理水の放出計画の妥当性を認めた包括報告書などに触れ、「科学的な安全性への理解は、私ども漁業者も深まってきた」と一定の理解を示した。

 坂本氏は首相に、漁業者支援事業や風評対策に関する予算措置で「格段の配慮」を要請した。首相は「水産予算とは別に、たとえ数十年の長期にわたろうとも責任を持って対応する」と応じた。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・岸田政権・東京電力福島第一原子力発電所(福島県)の処理水の海洋放出問題】  2023年08月22日  05:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田首相】:処理水放出「安全に完遂する」…全漁連・坂本会長に理解求める

2023-08-22 05:00:15 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・東電の再建・処理水の海洋放出

【岸田首相】:処理水放出「安全に完遂する」…全漁連・坂本会長に理解求める

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田首相】:処理水放出「安全に完遂する」…全漁連・坂本会長に理解求める

 岸田首相は21日夕、東京電力福島第一原子力発電所(福島県)の処理水の海洋放出を巡り、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長らと首相官邸で面会し、海洋放出に理解を求めた。

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首相官邸に入る岸田首相(21日午前)=源幸正倫撮影

 首相は冒頭、「国として海洋放出を行う以上、(原発の)廃炉と処理水の放出を安全に完遂する」と述べた。その上で「漁業者が安心して 生業なりわい を継続できるよう必要な対策をとり続け、(海洋放出が)長期にわたっても対応することをお約束する」と語り、風評被害対策に万全を期す考えを示した。

 これに対し、坂本氏は「子々孫々まで寄り添って、(海洋放出が)長期にわたっても、国の全責任において必要な対策を講じ続けることを求める。我々の願いは漁業を続けていくことの一点だ」と述べた。

 政府は月内に放出を始める方向だ。坂本氏らとの面会を踏まえ、22日にも関係閣僚会議を開いて放出日を最終決定する。

 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 政治 【政策・岸田政権・東京電力福島第一原子力発電所(福島県)の処理水の海洋放出問題】  2023年08月21日  16:31:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田政権】:処理水の海洋放出、月内で最終調整…福島原発視察の首相「漁業者の懸念に寄り添う」

2023-08-22 05:00:10 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・東電の再建・処理水の海洋放出

【岸田政権】:処理水の海洋放出、月内で最終調整…福島原発視察の首相「漁業者の懸念に寄り添う」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田政権】:処理水の海洋放出、月内で最終調整…福島原発視察の首相「漁業者の懸念に寄り添う」

 政府は、東京電力福島第一原子力発電所(福島県)の処理水の海洋放出について、開始時期を月内とする方向で最終調整に入った。岸田首相は、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長らと21日にも面会し、関係閣僚会議を経て最終決定する方針だ。首相は20日、同原発を訪れ、放出計画の準備状況を視察した。

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汚染水を浄化する多核種除去設備(ALPS)を視察する岸田首相(左手前)(20日午後、福島県の東京電力福島第一原子力発電所で)=代表撮影

 首相は視察後、放出時期について、「安全性の確保や風評対策の取り組みの状況を政府全体で確認し、判断していく」と記者団に語った。「(同原発の)廃炉と福島の復興を進めていくために、決して先送りできない課題だ」とも強調した。 

 日米韓首脳による会談や共同記者会見で米韓から放出への理解が得られたことを踏まえ、首相は「国際的にも科学的な知見に基づく冷静な対応が広がっている」と述べた。放出への環境が整いつつあるとの認識を示したものだ。

 9月1日には、福島県沿岸で沖合底引き網漁が再開される。このため、今月中にも放出を始め、モニタリング(監視)データを公表して安全性をアピールする狙いがあるとみられる。

 地元の漁業者らが風評被害を懸念していることに関しては、「放出は長期にわたる取り組みで、(漁業者らの)懸念に継続的に寄り添って対応していくことが必要だ。私自身も直接、政府としての考えをお伝えしたい」と語った。

東京電力福島第一原発(今年5月、読売ヘリから)=永井秀典撮影
東京電力福島第一原発(今年5月、読売ヘリから)=永井秀典撮影

 風評被害の対策に万全を期す考えも示した。首相は、経済産業省が300億円の基金を準備していることに言及し、「それでもなお風評被害が発生した場合には、東京電力が適切に賠償を行う仕組みもあり、しっかりと対応していく」と説明した。

 首相の同原発視察は2021年10月以来となった。20日は、汚染水を浄化する多核種除去設備(ALPS=アルプス)などの状況を確認し、東電ホールディングスの小早川智明社長らから放出の安全性などに関する説明を受けた。小早川氏は、経営陣が適時に情報を把握し、速やかに指示を出す態勢を整えるため、発電所や風評対応、賠償などの関係部署を横断的に統括する社長直轄のプロジェクトチームを新設する考えを明らかにした。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・岸田政権・東京電力福島第一原子力発電所(福島県)の処理水の海洋放出問題】  2023年08月21日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田政権】:原発処理水は「見切り発車」で24日にも放出 全漁連「反対は変わらず」首相は風評対策継続

2023-08-22 00:15:50 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・東電の再建・処理水の海洋放出

【岸田政権】:原発処理水は「見切り発車」で24日にも放出  全漁連「反対は変わらず」首相は風評対策継続

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田政権】:原発処理水は「見切り発車」で24日にも放出 全漁連「反対は変わらず」首相は風評対策継続 

 政府は21日、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出について、24日にも始める方向で最終調整に入った。

 22日午前に関係閣僚会議を開き、最終決定する。岸田文雄首相は21日、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長と官邸で面会し、風評被害など必要な対策を継続すると説明。だが坂本氏は「漁業者、国民の理解を得られない放出に反対であるのは変わらない」と強調した。放出が「見切り発車」で始まる可能性が高まった。漁業者の批判が強まるのは避けられない。

 首相は「今後数十年にわたろうとも、漁業者が安心してなりわいを継続できるように必要な対策を取り続けることを全責任を持って約束する」と表明。関係閣僚会議で「安全性の確保、風評対策の取り組み状況、今後の取り組みについて確認し、議論する」として、政府方針への理解を求めた。坂本氏は国際原子力機関(IAEA)の包括報告書などに触れ「科学的な安全性への理解は深まってきた」と述べた。

 面会で首相は「長期にわたる廃炉の完遂まで、漁業者のなりわいが継続するよう取り組む」とした上で「処理水の影響にかかる必要な予算措置については、水産予算とは別に政府全体として責任を持って対応する」と明言した。

 政府は風評被害対策に300億円、漁業継続の支援に500億円の基金を設けたが、放出に反対する中国は日本産海産物に対する輸入規制を強化している。放出後はさらなる対抗措置を取るとみられ、水産業への影響は拡大する恐れがある。

 福島第1原発では、汚染水を多核種除去設備(ALPS)で浄化しているが、放射性物質のトリチウムは除去できず、処理水として敷地内のタンクで保管している。2021年4月、当時の菅義偉首相が2年後をめどに海洋放出を開始すると決定した。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・岸田政権・東京電力福島第1原発処理水の海洋放出】  2023年08月21日  20:36:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【福島県】:内堀知事、処理水対応めぐり「漁業者と真剣に向き合って、信頼構築が極めて重要」

2023-08-22 00:15:40 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・東電の再建・処理水の海洋放出

【福島県】:内堀知事、処理水対応めぐり「漁業者と真剣に向き合って、信頼構築が極めて重要」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【福島県】:内堀知事、処理水対応めぐり「漁業者と真剣に向き合って、信頼構築が極めて重要」

 東京電力福島第1原発の処理水海洋放出計画を巡り、福島県の内堀雅雄知事は21日の定例記者会見で「国が最後まで責任を持って対応することが重要だ」と従来の考えを繰り返した。

東京電力福島第1原発(共同)東京電力福島第1原発(共同)

 岸田文雄首相が全国漁業協同組合連合会(全漁連)と面会する予定に関し、「(処理水放出について)一定程度理解が進んでいるが、漁業者をはじめ反対を真剣に訴える人がいる。漁業者と真剣に向き合って理解を深め、信頼を構築することが極めて重要だ」と強調した。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・地方自治・福島県・東京電力福島第1原発処理水の海洋放出】  2023年08月21日  12:20:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【福島第一原発処理水問題】:首相が漁業関係者と面会へ 全漁連側は反対姿勢崩さぬ構え

2023-08-22 00:15:30 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・東電の再建・処理水の海洋放出

【福島第一原発処理水問題】:首相が漁業関係者と面会へ 全漁連側は反対姿勢崩さぬ構え

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【福島第一原発処理水問題】:首相が漁業関係者と面会へ 全漁連側は反対姿勢崩さぬ構え 

 東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、岸田文雄首相は21日午後、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長と面会する。岸田首相は22日に関係閣僚会議を開き、放出の開始時期を決める意向。それまでに安全性確保と風評被害対策を徹底する方針を伝えることで理解を得たい考えだが、全漁連側は反対の姿勢を崩さないとみられる。

岸田文雄首相(2023年6月19日撮影)岸田文雄首相(2023年6月19日撮影)

 全漁連は今年6月、放出に「反対であることはいささかも変わらない」とする特別決議を採択。7月に西村康稔経済産業相と会談した際も、坂本氏が「反対の立場は変わっていない」と伝えている。

 漁業者には、処理水放出に伴う風評被害への懸念が根強い。政府は風評被害対策に300億円、漁業継続の支援に500億円の基金を設けたが、放出に反対する中国が日本産海産物に対する輸入規制を強化しており、生産現場では影響が出始めている。

 処理水の海洋放出を巡っては、政府と東電が2015年、福島県漁業協同組合連合会と「関係者の理解なしには(処理水の)いかなる処分もしない」とする約束を交わしており、漁業関係者の理解が放出の条件となっている。

 福島第1原発では、汚染水を多核種除去設備(ALPS)で浄化するが、放射性物質のトリチウムは除去できず、処理水として敷地内のタンクで保管している。保管量は8月3日時点で容量の98%となる約134万トン。首相は20日、第1原発を視察し、廃炉作業を進めるため、処理水を放出しタンクを減らすことが必要だと強調した。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・岸田政権・東京電力福島第1原発処理水の海洋放出】  2023年08月21日  09:45:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【東京五輪】:安倍前首相の大嘘 福島原発“アンダーコントロール”の惨状

2023-08-22 00:15:20 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・東電の再建・処理水の海洋放出

【東京五輪】:安倍前首相の大嘘 福島原発“アンダーコントロール”の惨状

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東京五輪】:安倍前首相の大嘘 福島原発“アンダーコントロール”の惨状

 年が明ければ国民は忘れるなんて考えは大間違い。

 桜を見る会の前夜祭を巡り、虚偽答弁118回の安倍前首相の“虚言癖”は病的レベル。とりわけ印象深いのは東京五輪招致のため、福島原発事故の影響について世界を欺いた「アンダーコントロール」の大嘘である。

世界を欺いた「アンダーコントロール」宣言(東京のプレゼンテーションをする安倍前首相=2013年IOC総会で)/(C)共同通信社

  世界を欺いた「アンダーコントロール」宣言(東京のプレゼンテーションをする安倍前首相=2013年IOC総会で)/(C)共同通信社

 今年3月には未曽有の事故から10年の節目を迎えるが、廃炉作業はもはや「コントロール不能」。喫緊の課題である汚染処理水の海洋放出問題も時間切れだ。

リオデジャネイロのマラカナン競技場で行われたオリンピックの閉会式に、安倍晋三首相が「スーパーマリオ」の扮装で登場し、2020年東京大会をアピールした(2016年 ロイター/Stoyan Nenov)

 放出の方針を固めている政府と東電は、昨年4月から全国漁業協同組合連合会など「関係者のご意見を伺う場」を開催してきたが、10月の第7回を最後に中断。「放出は時期尚早」と風評被害を懸念する自民党農水族の反発もあり、いまだ正式決定に至っていない。

 「原発敷地内の貯水タンクは来年秋ごろには満杯に。海洋放出に必要な施設整備は2年ほどかかり、タイムリミットはとうに過ぎています。追い打ちをかけるのが新型コロナ禍。今年中に予定していた燃料デブリの試験的取り出しも、渡航制限の影響で英国製装置の輸送のメドが立たず1年程度遅れる見通し。同じことは汚染処理水の施設整備にも当てはまりかねません」(東電関係者)

 さらに2・3号機の原子炉格納容器の真上にある「シールドプラグ」と呼ばれるフタ部分が極めて高濃度に汚染されていることが判明。推定放射性物質の量は兆を超える「京」ベクレル級で、人が1時間もそばにいれば死に至るという。

 世界をだまして勝ち取った五輪開催も新年早々、緊急事態宣言が発令されれば絶望視。安倍前首相の大嘘は五輪中止の形で断罪されそうだ。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2021年01月05日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:福島事故から12年 原発の危うさを忘れまい

2023-08-22 00:15:10 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・東電の再建・処理水の海洋放出

【社説①】:福島事故から12年 原発の危うさを忘れまい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:福島事故から12年 原発の危うさを忘れまい

 東京電力福島第1原発は今も廃炉作業の先が見えない。事故から12年の今、新たな局面を迎える。

 構内で汚染後に浄化した処理水を「春から夏ごろ」に海洋放出することを政府が決めた。
 処理水には放射性物質トリチウムが残るが「人体への影響が小さい」程度に薄めるという。放出は30年以上続き、汚染への懸念や風評被害などを恐れる声は根強い。
 地元や全国の漁協は反対する。政府と東電は2015年に「関係者の理解なしにはいかなる処分もしない」と約束したはずだ。
 福島産食品の輸入規制はなお中国、韓国など12カ国・地域に及ぶ。復興道半ばの放出は震災直後に等しいダメージを与えないか。
 政府は事故後に原発依存の低減方針を掲げていたが、岸田文雄首相は運転期間延長や次世代型導入など積極活用にかじを切る。
 処理水と同じく国民との対話を尽くさぬ唐突さだ。福島の教訓を忘れた政権の暴走は許されない。
 
 ■処理水放出で分断も
 
 福島の漁業は21年3月で事故後の試験操業を終え、本格操業に向けた移行期に入っている。
 親潮と黒潮がぶつかるプランクトンが豊富な漁場で知られるが、漁獲は震災前の2、3割程度という。国の復興支援事業を基に5割以上に戻す増産計画が作られ、各漁協が取り組みを始めている。
 福島県地域漁業復興協議会委員で福島大准教授の林薫平さんは「少なくとも成果が表れる3年間は放出を凍結すべきだ」と話す。
 処理水放出は保管タンク約千基が秋には満杯となるというのが理由だが、原発回帰に歩調を合わせるかのようだ。漁業者の都合と関係なく進み、国や東電の言う「廃炉と復興の両立」には程遠い。
 岸田政権は風評被害対策や事業継続のため漁業者向けに二つの基金を設け計800億円を投じる。
 対策の枠組みを地元や漁業に狭めたい意図も見える。林さんは「福島で解決すればいいのではとの風潮にならないか」と危惧する。
 放出計画は原子力規制委員会が認め、国際原子力機関(IAEA)も近く検証結果を公表する。
 異論は「風評」とされ国民の口をつぐませる恐れもあろう。福島との分断を招けば復興は遠のく。
 
 ■廃炉の国民的論議を
 
 福島第1原発では冷却用の注水や地下水が溶融核燃料(デブリ)に触れ、汚染水が1日約100トン発生する。デブリ除去ができなければ処理水増加も止まらない。
 推計880トンものデブリ取り出しは廃炉の最難関だ。当初は21年開始だったがコロナ禍もあり、2号機で今年10月以降となる。
 とはいえ東電は初年度は試験的で「取り出す量は数グラム程度」と言う。1、3号機に至っては内部の状況把握が進まず工法も未定だ。
 廃炉計画は原発が「冷温停止状態」となった11年12月から30~40年後に終える。だが廃炉完了の具体的な姿はいまだ定まらない。
 安倍晋三元首相は8年前の会見で「廃炉、汚染水対策では東電任せにせずに国も前面に立つ」と述べた。ただ国は方針を決め支援をするが実施主体は東電のままだ。
 事故翌年に有識者の国会事故調査委員会は「未解明部分の事故原因の究明」「廃炉の道筋」などを考える第三者機関設置を求めた。この提言は今も生きている。
 放出は原子力専門家を中心とした経済産業省の小委員会が導いた。本来は廃炉全体を見据え、国民全体の議論の場で決めるべきだ。
 
 ■再エネ拡充策が先だ
 
 ウクライナ侵攻はロシアに天然ガスを依存する欧州で原発回帰を促したかに見える。オランダは昨年、原発2基新設を決め、ポーランドやチェコなども建設予定だ。
 福島事故を受け昨年末に原発全廃方針だったドイツは冬を乗り切るため3基を稼働延長させた。ただショルツ首相は運転が今年の「4月15日に終わりを迎える」と述べ、あくまで暫定措置と強調する。
 再生可能エネルギーへの代替が進んでいるからだ。昨年の構成比は45%で10年前の約2倍になった。7年後には80%とする目標だ。
 日本も2年前のエネルギー基本計画に「再生可能エネルギーの主力電源化を徹底」と明記し、30年度の構成比36~38%を掲げた。
 急ぐべきは再エネ拡大の具体的戦略ではないか。なのに60年超の原発運転延長では筋が通らない。
 岸田首相は先月の衆院予算委員会で原発活用を「需給の逼迫(ひっぱく)への対応」と答弁した。電気代高騰から理解を示す風潮もあるようだ。
 だが安全審査に合格し現実的に数年で動かせるのは4基のみだ。当面の危機には対応できない。
 ロシアによる原発攻撃は12年前のメルトダウンの恐怖を思い起こさせた。福島事故の後始末は終わっていない。記憶を風化させず、国民の安全を最優先に再エネ中心の道筋を歩む必要がある。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年03月11日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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