創元推理文庫には。定番「怪奇小説全集全5巻と」いう傑作アンソロジーがあるんですが、これはその日本版。
1巻は小泉八雲からスタートして、漱石、犀星、佐藤春夫、谷崎、川端等の大文学者から岡本綺堂、江戸川乱歩、夢野の戦前怪奇派までの近代初期怪奇小説とでも言うパートの作品を掲載。
岡本綺堂はともかく、意外に恐かったのは大泉黒石の「黄夫人の手」。中篇ほどの長さがあり最初はとっかりにくく、投げようかと思ったのですがが、後半その不気味な手の出現に粟立ちました。さすがどの作も本流であれ手すさびのような作であれ、うまいですねえ。
個人的には2巻の城昌幸、正史、角田喜久雄、久生十蘭など、懐かしく馴染んだ名前と文章が心地よいですね。ドロリとした肉の腐臭と白く笑う髑髏、この時代の変格ミステリってそんな匂いと雰囲気を持っていませんか。そんなラインナップの中で意外なセレクトの山本周五郎「その木戸を通って」。市井の人間が神隠しに怯える静謐なストーリーの中に失う悲しさを描いて秀逸。
3巻も出ているんですが、残念ながら現代ホラーは肌に合わないので未読のまま。
日本怪奇小説傑作集 1~3(創元推理推理文庫 紀田順一郎・東雅夫編)
1巻は小泉八雲からスタートして、漱石、犀星、佐藤春夫、谷崎、川端等の大文学者から岡本綺堂、江戸川乱歩、夢野の戦前怪奇派までの近代初期怪奇小説とでも言うパートの作品を掲載。
岡本綺堂はともかく、意外に恐かったのは大泉黒石の「黄夫人の手」。中篇ほどの長さがあり最初はとっかりにくく、投げようかと思ったのですがが、後半その不気味な手の出現に粟立ちました。さすがどの作も本流であれ手すさびのような作であれ、うまいですねえ。
個人的には2巻の城昌幸、正史、角田喜久雄、久生十蘭など、懐かしく馴染んだ名前と文章が心地よいですね。ドロリとした肉の腐臭と白く笑う髑髏、この時代の変格ミステリってそんな匂いと雰囲気を持っていませんか。そんなラインナップの中で意外なセレクトの山本周五郎「その木戸を通って」。市井の人間が神隠しに怯える静謐なストーリーの中に失う悲しさを描いて秀逸。
3巻も出ているんですが、残念ながら現代ホラーは肌に合わないので未読のまま。
日本怪奇小説傑作集 1~3(創元推理推理文庫 紀田順一郎・東雅夫編)
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