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チラシの裏

「本屋」は死なない

2011年11月08日 | others
著者の視点は、
本屋の主人(あるいはそれに準じる立場の人)が、本を売るという行為にどんな意味をこめているか、
という点にあると思われます。
ですが、
さまざまな本屋の実態をならべてみても帰納法的には本屋の真実はつかめない、ということがよく分ります。

ポストモダン?

わたしが中学生のころは、うちのような町にも「本屋はこうあるべき」という姿の個人書店が何軒もありました。
現在、その本屋も閉店はしていないものの往時のような本屋独特のオーラはありません。

「本屋のあるべき姿」という中心が消滅して、
片方には郊外型のチェーン書店、もう片方にはこの『「本屋」は死なない』に取り上げられたような本屋、
さらに様々な姿をした本屋が存在できるような時代になっているんですね。
経営というフルイにかけられてしまうことは別として、
昔のような「岩波とみすずが入っていない本屋はダメ」だと言われるような
「あるべき姿」から解放されているような気もします。
逆にね。
ただ「解放されている」としても経営的に食っていけなければ「解放」もなにもない。

ところで「本を買う側の意識」についてのマーケティングデータみたいなものは、どこかにないのでしょうかね。

■「本屋」は死なない 石橋毅史著 新潮社
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