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横溝正史を読むなら その3

2006年08月12日 | ミステリ
屁理屈ならべてきましたが、なにが面白いかと言われれば、ノンシリーズ(探偵が金田一でも由利でもない)の「びっくり箱殺人事件」です。

背景からすると、戦後すぐに書かれたようですが、カーにたとえれば「盲目の理髪師」のようなユーモアミステリというところでしょうか。
「盲目~」ほどプロットが錯綜していませんし、なにより最後の犯人指摘が論理的に開陳される場面では、とぼけた感じの探偵役が殺人という緊張感を気持ちよくユルくしてくれます。このあたり、金田一や由利を起用しなかった理由が分かる気もします。

また「湖泥」(短編)は岡山の田舎(だと思います)を舞台に人の怨念が生み出す殺人事件を金田一が解決します。また犯人を前に推理を披露する場面があって、本格探偵小説の醍醐味が味わえます。
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