Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●袴田冤罪事件 ――― 冤罪であるという《真実を明らかに》した時、被害者遺族は、捜査機関や検察にどう責任をとってもらうのだろうか?

2024年06月15日 00時00分39秒 | Weblog

[↑ ※《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]


(2024年06月03日[月])
捜査機関による証拠捏造》された袴田事件…冤罪であるという《真実を明らかに》した時、被害者遺族は、捜査機関や検察にどう責任をとってもらうのだろうか?
 袴田巌さんの再審裁判、検察は再び死刑を求刑した。なんという冷酷…。(大谷昭宏さん)《この期に及んでなお、「死刑を求刑する」と言い放つ検察官に、いまも背筋が凍りついている》。さらには、検察の所業は被害者やその遺族をも欺く酷い仕打ちだ。検察は《被害者遺族の「真実を明らかにしてほしい。尊い4人の命が奪われていることを忘れないで」とする意見陳述書も読み上げた》そうだが、冤罪であるという《真実を明らかに》した時、被害者遺族は、捜査機関や検察にどう責任をとってもらうのだろうか? 遺族の意見陳述では《袴田さんに言及することはなかった》そうだが、検察はその理由をどう考えるか。袴田巌さんや姉ひで子さん、親族の皆さんの人生を滅茶滅茶にした上に、検察や捜査機関は真犯人を取り逃がした訳だ。被害者遺族にどう説明するのか?

 《被害者孫の心情「真実明らかに」を胸に刻み込むべきは》誰か? それは、少なくとも、袴田巌さんやひで子さんではない。
 日刊スポーツのコラム【大谷昭宏のフラッシュアップ/袴田さん再審裁判 被害者孫の心情「真実明らかに」を胸に刻み込むべきは】(https://www.nikkansports.com/general/column/flashup/news/202405270000098.html)によると、《陳述で孫は被害家族のなかで、ただ1人生き残った自分の母が事件後どれほど苦労したか切々と訴え、袴田さんにふれることは一切なかった。そして最後に「事実を再度精査し、真実を明らかにしてくださいと強く訴えたのだった。この言葉を胸に刻み込むべきは、代読した検察官、そう、あなたたちではないのか。》

   『●袴田巌さんに無罪を…《死と隣り合わせの生活が心にもたらした影響
     …暗黒の日々の長さを思わざるをえない…夜は終わったわけではない》
   『●《読者はこうした報道を何日もシャワーのように浴びた。…裁判官
     たちも例外では》ない…袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》
   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》
   『●袴田冤罪事件…タンパク質に糖分が触れると「メイラード反応」が
     進み、1年2カ月後には《常識的な範囲で『赤みは残らない』》はずだ
    「《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん。すぐさま、袴田巌さんに
     無罪を! マスコミももっと後押しすべきなのではないか。裁判所も
     自分たちの先輩の誤りを受け入れるべき…『●《読者はこうした報道を
     何日もシャワーのように浴びた。…裁判官たちも例外では》ない…
     袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》』」

   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過
     ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
   『●《「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」…検察は
     掌中の証拠をあまねくオープン》にするよう裁判所は訴訟指揮すべきだ
   『●48年も獄中に囚われていた袴田巌さん…《検察は再収監を諦めて
     いません》って、正気なのかね? すぐさま、袴田巌さんに無罪を!
   『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃに
     した《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる
   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃに
     した《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる
   『●《捜査機関による証拠捏造》…無罪判決を勝ち取り《いまも、死刑囚の
     まま》から脱却できても、「拘禁反応」に苦しめられ続ける袴田巖さん
   『●袴田事件…《検察は…「色合いなどもう1度、調べる」とする動きがある
     …裁判官が“デッチ上げ”と見ている証拠から何を引き出そうというのか》
   『●大谷昭宏さん《袴田事件で審理の引き延ばしを図る検察に、陰湿、陰険、
      姑息、傲慢…などと書いて、一瞬、書きすぎ? と思ったのだが…》
   『●袴田冤罪事件…小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たし
     て人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は…続く》
   『●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井
       さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》
   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
      死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
   『●ニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
        …《法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが…
   『●高杉晋吾氏「彼はなぁ、本当に正しいんだよ」…いつまで《耐えがたいほど
     正義に反する日々は…続く》のか? 《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん
   『●袴田事件、《捜査機関による証拠捏造》…《第三者は捜査機関の者である
      可能性が極めて高いと思われる》というのに、またしても検察は死刑求刑

=====================================================
https://www.nikkansports.com/general/column/flashup/news/202405270000098.html

コラム
大谷昭宏のフラッシュアップ
2024年5月27日8時0分
大谷昭宏袴田さん再審裁判 被害者孫の心情「真実明らかに」を胸に刻み込むべきは

事件から58年、この秋、無罪が確定するとみられる袴田巌さん(88)の静岡地裁再審裁判が22日、検察側論告求刑、姉ひで子さん(91)の意見陳述を最後に結審した。この期に及んでなお、「死刑を求刑する」と言い放つ検察官に、いまも背筋が凍りついている

メディアの姿勢にも問題はないか。論告は検察の求刑を義務づけているものではない。現に、いずれも再審無罪となった滋賀県東近江市の看護助手患者殺害事件熊本県松橋町男性刺殺事件の再審裁判で、検察は「量刑は裁判所の適切な判断を」として求刑はしなかった。だが、今回このことにふれたのは地元紙、静岡新聞だけだった。

袴田さんは、いま社会に出ているものの、長期の拘禁で心神喪失状態にあることに鑑み、検察は「刑の判断は裁判所に委ねたい」とすべきだったのではないか。

唯一の証拠となった5点の衣類について検察は、再審開始を決定した東京高裁の大善文男裁判長が「捜査機関によって捏(ねつ)された可能性が極めて高い」とした点については、これまで同様の主張をしてきた弁護側に対して「非現実的だ」と反論しただけで、高裁の指摘には、ふれようともしなかった

被告、弁護側には刃(やいば)を突きつけてきても、裁判所という権威とはことを構えたくない。検察の小狡さ(こずるさ)小賢しさ(こざかしさ)ばかりが目につく

検察側は結審で、被害者の孫にあたる男性の心情を代読陳述したいと主張。弁護側は、男性は事件当時、生まれてもいなかった。さらに無実の被告側に聞かせる言葉ではないとして反対したが、検察は強行した。

陳述で孫は被害家族のなかで、ただ1人生き残った自分の母が事件後どれほど苦労したか切々と訴え、袴田さんにふれることは一切なかった。そして最後に「事実を再度精査し、真実を明らかにしてくださいと強く訴えたのだった。

この言葉を胸に刻み込むべきは、代読した検察官、そう、あなたたちではないのか


大谷昭宏(おおたに・あきひろ)ジャーナリスト。TBS系「ひるおび」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●飯塚事件…鈴嶋裁判長《「…覚えているのは不自然」…女性の証言…「捜査機関が無理に記憶と異なる調書を作成する動機、必要性は見いだせない」》

2024年06月07日 00時00分54秒 | Weblog

[↑ 飯塚事件 冤罪で死刑執行「再審請求…08年死刑執行」(朝日新聞 2024年06月3日[月])]


(2024年06月06日[木])
冤罪で久間三千年さんを死刑執行してしまった飯塚事件の第2次再審請求、(西日本新聞)《新証言を一蹴想定の中で最悪の内容》…。(東京新聞社説)《誤判で死刑執行されたのなら、究極の人権侵害であり、取り返しがつかない重大な国家犯罪となる》
 目隠ししていないニッポンの法律の女神
…証言を捏造して「見た」ことにした捜査員、その幻を裁判官までが「見て」しまっている《この国の司法の姿》はあまりに酷い、醜悪。

   『●飯塚事件再審請求を却下…「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日。
     当時、捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」

 (FBS)《審理を担当した鈴嶋晋一裁判長は5日、男性の証言について「事件から26年以上経った今でも、面識のない女の子2人の顔をはっきり覚えているのは不自然」と指摘しました。女性の証言についても「捜査機関が無理に記憶と異なる調書を作成する動機、必要性は見いだせない。女性の証言は理由なく変遷している」として「2人の証言は信用できない」と結論づけ、再審請求を退けました》。《『いや見たんだ』と押し切》った捜査員の捏造証言、それを裁判官までが〝真実〟と見てしまっている。これは本当に司法判断なのか? 裁判官としての矜持や良心は無いのか?
 福岡地裁・鈴嶋晋一裁判長は、そんなに、当時の警察や検察、裁判官、法相 (飯塚が地元の麻生太郎政権の森英介法相) を守りたいのか? 久間三千年さんは一貫して無罪を主張しており、確たる証拠も無く、自白も無く、再審準備中にもかかわらず、最高裁判決からわずか2年余りで急ぐように死刑執行。何もかも異常だ。久間さんはさぞかし無念だったことだろう。《この国の司法の姿》はあまりにも醜い。特に、裁判官は…《憲法第76 ―――「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される」》のではないのか? (琉球新報)《裁判官が時の権力におもねるような判断ばかりを示すならば、司法に対する信頼は失墜する裁判官は良心に従い職権を行使する独立した存在である》べきなのではないのか? 鈴嶋晋一裁判長には「見え」ていないのだろうが、久間氏を殺すために、当時、積み重ねた《状況証拠》は、いま、無残な姿をさらしている。

 西日本新聞の記事【飯塚事件第2次再審請求棄却、司法は手を尽くしたのか】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1219798/)によると、《飯塚事件の被害女児の「最後の目撃者」である女性が、第2次再審請求で証言を翻した。それを弁護団が会見で明かした時、ぼうぜ...》。

 弁護団「想定の中で最悪の内容」。
 西日本新聞の記事【新証言を一蹴想定の中で最悪の内容」 声うわずり、涙浮かべる弁護団代表 福岡地裁が飯塚事件第2次再審請求】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1219808/)によると、《再審の扉はまた開かなかった。久間三千年(みちとし)元死刑囚の死刑執行から16年。女児2人が殺害された飯塚事件で、福岡地…》。

 《『いや見たんだ』と押し切》った捜査員の捏造証言、それを裁判官までが〝真実〟と見てしまっている《この国の司法の姿》。30年以上前の当時の証言者の記憶が曖昧かどうかが問題じゃない。《『いや見たんだ』と押し切》った捜査員によって捏造証言させられたという〝記憶〟の問題。
 東京新聞の【<社説>飯塚事件 「再審認めず」は疑問だ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/331835?rct=editorial)。《1992年に福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で、福岡地裁は再審開始を認めなかった。だが、警察に押し切られ、「記憶と異なる供述をした」とする新証言は重い司法は再審の道を開くべきだ》。

 《この国の司法の姿》は醜悪。
 (FBS)《(裁判所が)一覧表の証拠開示勧告をしたが、検察が応じなかった》…なぜ応じないんですか? 《一覧》さえ出せない理由は何ですか? (山方泰輔元捜査一課長)《弁護士は証拠をつくる》ではなく、警察や検察は証拠をつくる》ではないのか。犯人をでっち上げた、では無いのか? DNA鑑定、久間さんの (ラインなし) 車の目撃証言、一方で、当時の別の証言(今回の2人の新証言の内のもうお一人)の目撃証言を無視するというミス・意図的過誤…。《女性の証言についても「捜査機関が無理に記憶と異なる調書を作成する動機、必要性は見いだせない。女性の証言は理由なく変遷している」》などと判示出来るものだね。
 FBSの映像記事【【飯塚事件】“再審の扉”またも開かれず 専門家に聞く「妥当」「門前払い」 地裁による証拠開示の勧告を検察は拒否→法整備の議論を 福岡】(https://www.youtube.com/watch?v=N_F8cBF636o)によると、《再審の扉はまたも開かれませんでした。32年前、女児2人が殺害された飯塚事件で、死刑が執行された元死刑囚の2度目の再審請求について、福岡地裁は5日、裁判のやり直しを認めない決定を出しました》。

   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
     大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
       証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
       死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
   『●飯塚事件…《DNA鑑定などを根拠に逮捕された久間三千年は、06年最高
     裁で死刑が確定し、08年に急ぐように執行された。だが...》(政界地獄耳)
   『●目隠ししているヨーロッパの法律の女神、一方、ニッポンの法律の女神
     は《目隠ししておりません》…冤罪で死刑執行されてしまった飯塚事件
    「《山方泰輔元捜査一課長…「…弁護士は証拠をつくる、うん。
     と(いう弁護士)がまだ、おるとかなと思うてですね。ひっくり返す
     ためには、新しか証拠をつくらんと、裁判所が、「そげな証拠ある
     なら再審もう一ぺんせないかんな」いうようなのを
     つくってこないかんですから。…」》…酷い言い分だ。自分たち
     捜査側にこそ、でっち上げの恐れを感じている、冤罪者を殺して
     しまったのではないかと感じているのではないのか?
     《弁護士は証拠をつくる》、あまりに酷い主張ではないか。」

   『●飯塚事件再審請求を却下…「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日。
     当時、捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」


=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/331835?rct=editorial

<社説>飯塚事件 「再審認めず」は疑問だ
2024年6月6日 07時41分

 1992年に福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で、福岡地裁は再審開始を認めなかった。だが、警察に押し切られ、「記憶と異なる供述をした」とする新証言は重い司法は再審の道を開くべきだ

 女児2人は登校途中に行方不明となり、翌日、約20キロ離れた山中で遺体で見つかった。

 逮捕された久間三千年元死刑囚と犯行を結び付ける直接証拠は存在せず、本人は一貫して否認、無罪を主張したが、2006年に死刑判決が確定。その2年後に執行された再審請求を準備中だったのに異例の早さで死刑執行したのはなぜか。まず、それが疑問だ。

 第1次の再審請求では、当時のDNA鑑定の信用性に疑問があった。冤罪(えんざい)が明らかとなった足利事件と同じ旧式の鑑定手法で、再鑑定できる試料も残っていなかった。福岡地裁は14年に「(DNA鑑定でただちに有罪認定の根拠とはできない」としたが、他の状況証拠などから再審請求を棄却。最高裁も再審を認めなかった。

 第2次の再審請求では、2人の新証言から状況証拠にも大きな疑問が浮かんだ。1人は被害女児の最後の目撃者とされた女性。確定判決は目撃現場で連れ去られたと認定したが、「見たのは別の日だった」と法廷で証言。警察に押し切られて記憶と異なる供述をしたと述べた

 もう1人の目撃者は男性。事件当日に別の場所で、被害女児に似た2人が乗っていた車を見たが、運転者は元死刑囚とはかけ離れた風貌だったという。

 特に、女性の証言は確定判決の証拠構造を揺るがす重みを持つ。「現場近くで紺色の車を見た」など別の目撃証言につながる重要供述だった。これが警察の調べに迎合した結果なら、元死刑囚が女児を連れ去ったとする事実認定は次々と崩壊してしまう。

 しかし、福岡地裁は「新証言は変遷があり信用できない」「元死刑囚が犯人であるとの立証がされている結論は揺るがない」などと一蹴再審を認めなかった乱暴な判断ではないか

 誤判で死刑執行されたのなら、究極の人権侵害であり、取り返しがつかない重大な国家犯罪となる。「疑わしきは被告人の利益に」の原則で、司法は再審公判を開き、事件の真実に近づくべきではなかったか。
=====================================================

=====================================================
https://www.youtube.com/watch?v=N_F8cBF636o




【飯塚事件】“再審の扉”またも開かれず 専門家に聞く「妥当」「門前払い」 地裁による証拠開示の勧告を検察は拒否→法整備の議論を 福岡
FBS福岡放送ニュース
2024/06/05

再審の扉はまたも開かれませんでした。32年前、女児2人が殺害された飯塚事件で、死刑が執行された元死刑囚の2度目の再審請求について、福岡地裁は5日、裁判のやり直しを認めない決定を出しました。


■山本竜誠記者
「午前9時50分です。今、弁護団が裁判所に向かっていきます。久間元死刑囚の再審について、まもなく判断が下されます。」

いまだ認められたことのない死刑執行後の裁判やり直し。午前10時、裁判所の判断が弁護団に伝えられました。


■東まどか記者
「再審請求は棄却です、再審請求は棄却。福岡地裁は久間 元死刑囚の2度目の再審請求を棄却しました。」

福岡地方裁判所の判断は、再審=裁判のやり直しを「しない」というものでした。

1992年2月、飯塚市の小学1年の女の子2人が誘拐・殺害され、朝倉市の山中で遺体が見つかった「飯塚事件」。逮捕された久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚は、捜査段階から一貫して無罪を主張しました。


■久間三千年 元死刑囚
「アリバイ以上のものを持っている。100%関係ないということを、あんたたちが即信じるわ。やっていないものをやったと思われたことだけは、これは必ず白黒つける。」

自白も直接的な証拠もない中、1審の福岡地裁は、犯人のものとされるDNA型が久間氏の型と一致したことなど、状況証拠を積み重ねて有罪を導きました。


■1審判決より
「個々の状況証拠も、単独では被告人を犯人と断定することはできないものの、これを総合すれば、被告人が犯人であることについては合理的な疑いを超えて認定できる。」

2006年に最高裁で久間氏の死刑が確定。2年後、刑が執行されました

そのころ、有罪判決の柱となったDNA型鑑定を取り巻く状況が変わり始めていました。


■呼びかけ
「菅家さん、釈放おめでとうございます。」

きっかけは「足利事件」です。菅家利和さんはDNA型鑑定で犯人とされ、17年半にわたって収監されました。しかし、最新の方法で鑑定をやり直したところ、DNA型が一致せず、当時の鑑定の誤りが明らかになりました。その後、菅家さんは再審で無罪となっています。

足利事件と飯塚事件。2つのDNA型鑑定は、警察庁科学警察研究所の同じ技官が、同じ鑑定方法で行っていました

久間氏の妻が起こした1度目の再審請求で、裁判所はDNA型鑑定について「その証明力を確定判決の当時よりも慎重に検討すべき状況に至っている」 として証拠から事実上、除外しました。それでも。


■第1次再審請求での決定より
その他の証拠で、久間氏が犯人であることは高度に立証されている。」

裁判所は裁判のやり直しを認めませんでした。久間氏を有罪としたDNA型鑑定以外の状況証拠、それは、

▽女の子2人の誘拐現場で事件当日、久間氏のものに似た「紺色ワゴン車」が目撃されたこと。

▽そこから20キロほど離れたランドセルなどの遺留品発見現場で、事件当日に「紺色ワゴン車」を見たという目撃証言。

▽久間氏の車内から、血痕と尿反応が発見されたことなどがあります。

2021年に起こした久間氏の妻が起こした2度目の再審請求で、弁護団はこれらの証拠を突き崩すため、2つの新証拠を提出しました。

1つ目は、事件当日の新たな目撃証言です。

証言によりますと、この証言をした男性は事件当日の午前、飯塚市の八木山バイパスを車で走行し、白い軽自動車とすれ違った際、幼い女の子2人が後部座席に乗っているのを目撃したといいます。


■木村泰治さん
「悲しそうな顔が一番印象に残っています。一瞬、誘拐でないかなと。でもまさか 2人も女の子を乗せとるから。」

運転していたのは、丸刈りで色白の男。つまり“久間氏とは特徴の違う男が、幼い女の子2人と一緒だった”という証言です。

そして、もうひとつの「新証拠」は。


■永石莉里子記者
「確定判決が“誘拐場所”としたのが、こちらの三差路です。ここで最後に女の子2人を目撃したとされる女性の証言が、きょうの再審の判断の争点となりました。」

当時、警察がまとめた女性の供述調書には「事件当日の午前8時30分ごろ、車で通勤途中に女の子2人を三差路付近で見た」と記されています。

確定判決ではこの女性の証言が、女の子が誘拐された時間や場所と、目撃された「紺色ワゴン車」をつなげる、重要な証拠の一つとなっています。

しかし。


■女性の証言より
女の子を見たのは事件当日ではないそれを見たという供述調書に強引にさせられた。」

女性は去年11月の尋問で、供述は警察や検察に押し切られたものだったと証言を覆したのです。

2つの「新証拠」の信用性を裁判所がどう判断するのか。

審理を担当した鈴嶋晋一裁判長は5日、男性の証言について「事件から26年以上経った今でも、面識のない女の子2人の顔をはっきり覚えているのは不自然」と指摘しました。

女性の証言についても「捜査機関が無理に記憶と異なる調書を作成する動機、必要性は見いだせない。女性の証言は理由なく変遷している」として「2人の証言は信用できない」と結論づけ、再審請求を退けました。

またも開かれなかった“再審の扉”。弁護側は。


■飯塚事件弁護団・岩田務弁護士
新旧の証拠を真摯に検討する姿勢を放棄したものというほかなく、裁判所としての使命に反するものである。」


■徳田弁護士
我々が予想した最悪のパターンだった。この証言の価値を認めて再審を開始することが、我が国における死刑制度の根幹を揺るがしかねないという思惑に縛られて、人間としての良心に基づく貴重な証言の価値を認めようとしなかった。 きょうの決定はこれに尽きる。」

一方、捜査にあたった福岡地方検察庁は「裁判所が適切な判断をされたものと考えている」とコメントしています。

あれから32年。2人の幼い命が奪われた事件の真相は本当に明らかになったと言えるのでしょうか。弁護団は決定を不服として、来週月曜日に即時抗告することにしています。

今回の判断の焦点となった、弁護側の2つの「新証拠」について、改めてまとめました。

1つは“最後の目撃者”とされた女性が「事件当日は見ていない記憶と異なる調書が作られた」という新証言です。

これについて、福岡地裁は「捜査機関が記憶に反する調書を作る動機、必要性が見いだせない。供述を変遷させていて信用できない」と指摘しました。

もう1つの新証拠は、事件当日、被害女児に似た2人を乗せ、元死刑囚とは外見が違う男が運転する車を見たという新たな目撃証言です。

これについても福岡地裁は「不自然で信用できない」と指摘しました。

そして、この2つの「新証拠」について、いずれも信用性を否定して、元死刑囚が犯人であるという結論は揺らがないとしました。

それでは、今回の決定を専門家はどのように受け止めたのでしょうか。

刑事訴訟法に詳しい九州大学大学院の豊崎七絵教授です。


■九州大学大学院 法学研究院・豊崎七絵教授
門前払いされた。中身に入って何か実質的な検討をしているわけではなく、信用性がないというところで切られていますので。」

第2次再審請求で弁護団が新たに示した2つの証言が「門前払いされた」と批判しました。

裁判所は、当時どのように捜査が進められたかを細かく検証すべきだったと指摘します。


■豊崎教授
「もう少し、捜査の過程をきちんと見る必要があったと思いますし、当時の捜査が本当にどういう形・経緯で、誰に警察はアクセスをして何を聞いていたかということが、時系列できちんと明らかにしていく必要があったと思うのですが、 証拠開示に検察官も最終的には応じず、裁判所も最後は粘らず、こういう形で決定が出てしまったというのが一番大きいかなと思います。」

元裁判官という経歴を持つ法政大学大学院の水野智幸教授は。


■法政大学 法科大学院・水野智幸教授
「私の受け止め方は(確定判決を)揺るがすまでに今回は至らなかったんだというところだと思うんですね。全体として、いま持っている記憶が本当に正しいのか、疑問が残るんだというところは妥当な評価かなと思いました。」

新証拠を検討した結果として再審請求を退けたのは、「妥当」だと見ています。その一方で。


■水野教授
「今回、(裁判所が一覧表の証拠開示勧告をしたが、検察が応じなかったというのは遺憾なことだと思います。」

再審請求審の過程で、福岡地裁は弁護団が求めた証拠一覧の開示を検察に勧告しましたが、検察は拒否していました。

水野教授は再審制度のあり方を、法整備も含め議論すべきだと指摘します。


■水野教授
「いま、法律がない状態ですので致し方ないというのであれば、 きちんと法律を作って開示されるような方向で、全体として評価・検討することが一番大事かなというふうに思います。」

弁護団は即時報告の方針です。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●飯塚事件再審請求を却下…「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日。当時、捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」

2024年06月06日 00時00分55秒 | Weblog

[↑ 飯塚事件 冤罪で死刑執行「再審請求…08年死刑執行」(朝日新聞 2024年06月3日[月])]


(2024年06月05日[水])
2024年6月5日[水]、飯塚事件についての注目の判決 …… 失望しかない無残な判決。《この国の司法の姿》はあまりに酷い、醜悪。裁判官としての矜持や良心は無いのか?
 福岡地裁・鈴嶋晋一裁判長は、そんなに、当時の警察や検察、裁判官、法相 (飯塚が地元の麻生太郎政権の森英介法相) を守りたいのか? 久間三千年さんは一貫して無罪を主張しており、確たる証拠も無く、自白も無く、再審準備中にもかかわらず、最高裁判決からわずか2年余りで急ぐように死刑執行。何もかも異常だ。久間さんはさぞかし無念だったことだろう。《この国の司法の姿》はあまりにも醜い。特に、裁判官は…《憲法第76 ―――「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される」》のではないのか? (琉球新報)《裁判官が時の権力におもねるような判断ばかりを示すならば、司法に対する信頼は失墜する裁判官は良心に従い職権を行使する独立した存在である》べきなのではないのか?

   『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、その下で
       電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》
   『●「イチケイのカラス」第2話 ――― 裁判官らの謝罪と憲法第76条
     「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この…」

 上月英興記者による、アサヒコムの記事【飯塚事件、再審請求を再び棄却 死刑執行後の再審を認めず 福岡地裁】(https://www.asahi.com/articles/ASS644S0MS64TIPE00NM.html?iref=comtop_7_02)によると、《死刑執行後に再審が認められた例はなく、判断が注目されていたが、鈴嶋裁判長はいずれの証言も信用できないと認定した。弁護団は即時抗告する方針。…2006年に最高裁で刑が確定し、08年に執行された》。

 《いずれの証言も信用できないと認定》。一方、久間さんの犯罪を《他の証拠で十分立証》(2014年の第1次請求審の福岡地裁決定)? 一体どんな証拠? そんな〝証拠〟もどきで、死刑執行?
 東京新聞の記事【飯塚事件の再審認めず、福岡地裁 92年の2女児殺害で死刑執行】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/331651)によると、《14年の第1次請求審の福岡地裁決定は、被害女児に付着した犯人の血液と、元死刑囚のDNA型が一致したとする鑑定結果は「直ちに有罪の根拠とできないと判断一方で他の証拠で十分立証されているとして請求を退け、福岡高裁、最高裁も支持した》。

 《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話し》ている。(今回の2人の新証言の内のお一人)この女性の話「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日当時、捜査員に見ていないと伝えてもいや見たんだと押し切られた」そうだ。福岡地裁・鈴嶋晋一裁判長は、この女性の話も含めて、《いずれの証言も信用できないと認定》してしまっていいのですか? 本当に冤罪ではないのなら、警察や検察の持っている全ての証拠や調書、捜査資料を公開してはどうか? 公開すると、何か不都合があるのか? 当時の別の証言(今回の2人の新証言の内のもうお一人)についての調書もあるはずで、なぜ、公にしないのか? 極僅かな司法サイドに都合の良い証拠らしき断片を提示し、裁判所が死刑執行の判決を下したのではないか。
 袴田事件でもそうなのだが、久間さんやそのご家族には当然として、被害女児やそのご家族にも大変に失礼な話なのではないのか。しかも、真犯人を放置してしまっている。捜査にあたった当時の警察官は何も感じないのだろうか?

   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
     大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
       証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
       死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
   『●飯塚事件…《DNA鑑定などを根拠に逮捕された久間三千年は、06年最高
     裁で死刑が確定し、08年に急ぐように執行された。だが...》(政界地獄耳)
   『●目隠ししているヨーロッパの法律の女神、一方、ニッポンの法律の女神
     は《目隠ししておりません》…冤罪で死刑執行されてしまった飯塚事件
    「《山方泰輔元捜査一課長…「…弁護士は証拠をつくる、うん。
     と(いう弁護士)がまだ、おるとかなと思うてですね。ひっくり返す
     ためには、新しか証拠をつくらんと、裁判所が、「そげな証拠ある
     なら再審もう一ぺんせないかんな」いうようなのを
     つくってこないかんですから。…」》…酷い言い分だ。自分たち
     捜査側にこそ、でっち上げの恐れを感じている、冤罪者を殺して
     しまったのではないかと感じているのではないのか?
     《弁護士は証拠をつくる》、あまりに酷い主張ではないか。」

=====================================================
https://www.asahi.com/articles/ASS644S0MS64TIPE00NM.html?iref=comtop_7_02

飯塚事件、再審請求を再び棄却 死刑執行後の再審を認めず 福岡地裁
上月英興 2024年6月5日 10時07分

     (福岡地裁前では、支援者らが「不当決定」と書かれた紙を
      掲げた=2024年6月5日午前10時5分、福岡市中央区、
      日吉健吾撮影)

 福岡県飯塚市で1992年、女児2人が殺害された「飯塚事件」で、福岡地裁(鈴嶋晋一裁判長)は5日、死刑が執行された久間(くま)三千年(みちとし)・元死刑囚(執行時70)の再審請求を棄却する決定を出した。福岡地裁が飯塚事件の再審請求を退けたのは、第1次請求を棄却した2014年3月に続いて2度目。

 弁護団は今回の第2次請求で、元死刑囚が犯人であるとした確定判決に疑問を生じさせるという2人の目撃証言を新証拠として提出死刑執行後に再審が認められた例はなく、判断が注目されていたが、鈴嶋裁判長はいずれの証言も信用できないと認定した。弁護団は即時抗告する方針。

 元死刑囚は1994年に逮捕され、殺人や死体遺棄などの罪で起訴された。無罪を主張したが、福岡地裁は99年、現場周辺で元死刑囚のものとよく似た車を目撃したという証言や、元死刑囚の車にあった被害女児と同じ血液の血痕などの状況証拠から有罪認定し、死刑を言い渡した2006に最高裁で刑が確定し、08年に執行された。

 弁護団は09年に起こした第………。
=====================================================

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/331651

飯塚事件の再審認めず、福岡地裁 92年の2女児殺害で死刑執行
2024年6月5日 10時22分 (共同通信)

     (「飯塚事件」の再審開始が認められず、福岡地裁前で
      「不当決定」を訴える支援者=5日午前)
     (1992年2月、女児の遺体が発見された福岡県甘木市
      (現朝倉市)の現場付近)

 福岡県飯塚市で1992年、小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で死刑が確定、2008年に執行された久間三千年元死刑囚=執行時(70)=の第2次再審請求審で、福岡地裁(鈴嶋晋一裁判長)は5日、裁判をやり直す再審の開始を認めない決定をした。死刑執行後に再審が認められた例はない

 元死刑囚は捜査段階から一貫して否認し、第1次再審請求前に死刑執行された。第2次請求は妻が21年に申し立て、弁護側は被害女児を目撃したという2人の新証言を基に、元死刑囚が犯人ではないと主張していた。

 確定判決によると、92年2月20日朝、登校中の女児2人=いずれも当時(7)=をワゴン車に乗せて略取・誘拐し、首を絞めて殺害。遺体を福岡県甘木市(現朝倉市)の山中に遺棄した。

 14年の第1次請求審の福岡地裁決定は、被害女児に付着した犯人の血液と、元死刑囚のDNA型が一致したとする鑑定結果は直ちに有罪の根拠とできない判断一方で他の証拠で十分立証されているとして請求を退け、福岡高裁、最高裁も支持した。
=====================================================



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《恣意的な捜査がえん罪を引き起こした》大川原化工機でっち上げ事件…《取調官は「知ったこっちゃないですよ。組織の方針に従うだけですよ」》

2024年06月04日 00時00分33秒 | Weblog

[↑ 大川原化工機の訴訟 検察・警察の捜査「違法」東京地裁 都と国に賠償命令 (朝日新聞、2023年12月28日(木))]


// (2024年05月06日[月])
恣意的な捜査がえん罪を引き起こした》(東京新聞)大川原化工機でっち上げ事件…《取調官は「知ったこっちゃないですよ組織の方針に従うだけですよ」》(毎日新聞)。まるで”テレビドラマ”のようだ…。冤罪と分かっていても「知ったこっちゃないですよ組織の方針に従うだけですよ」という訳です。公安警察のデタラメ。勾留後に亡くなった1人の命は戻らない。「国民の安全・安心」を脅かしているのは、カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党や下駄の雪党、お維ではいのかね? 違憲に壊憲したがっているではないか。取り締まる先を間違っている。「断じて許されない」公安警察

 何度でも、引用する。斎藤貴男さんのコラムの一部をもう一度引用したい ―――――― 最「低」裁を頂点とする司法に失望してばかりだが、最近、衝撃を受けたことを再掲。(斎藤貴男さん)《当時、「週刊文春」の記者だった私は、彼を殺人犯に仕立てた連中に、「今のお気持ちは」と尋ねて回る取材を仰せつかったのだが、凄まじい成果を得てしまった。「犯人は梅田だと上が言うから逮捕したまで証拠なんかねえよ」と、元刑事は笑ったし、元裁判官は、「判決とは国家の意思なんだ真犯人なんか誰でもいい裁判所が死刑だと言えば吊るせばいい無期だと言ったらつなげばいいんだ」と、力説してくれたものである》…。
 この大川原化工機でっち上げ事件にも、同じ匂いがする。飯塚事件の冤罪死刑にも。

 遠藤浩二記者による、毎日新聞の記事【調書の矛盾「あいつは気付かない」 備忘録に残った取調官の言葉】(https://mainichi.jp/articles/20240502/k00/00m/040/006000c)によると、《起訴が取り消された化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)を巡る冤罪(えんざい)事件では、同社元取締役に対する警視庁公安部の取り調べの一部を裁判所が違法とした。当時、警察内部にもこの取り調べを疑問視する捜査員がおり、取調官(警部補)を問い詰めていた。。毎日新聞は、その捜査員が書いた備忘録を入手した。そこに記されていた取調官の言葉とは――。…この捜査員は19年5月にも、真実ではない調書で逮捕者が出る恐れを取調官に指摘したが、取調官は「知ったこっちゃないですよ組織の方針に従うだけですよ」などと語ったと記されている》。

   『●人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機の
     大川原社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという》青木理さん
   『●大川原化工機事件…でっち上げ事件、《勾留後に亡くなった1人を
     含め、会社側は起訴取り消しになっても大きな不利益を被りました》
   『●日刊ゲンダイ【辛口の経済評論家 佐高信氏が「いい会社」と就活生に
     薦めたい企業3社】《城南信用金庫…久遠チョコレート…大川原化工機》
   『●男性警部補「捏造ですね」…とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち
     上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない
   『●大川原化工機事件は公安によるでっち上げ…《警視庁公安部が捜査し、
     公判直前に起訴が取り消された事件…現職警部補が「事件は捏造」と証言》
   『●《警察と検察が事件を捏造して、無辜の人たちを犯罪者に仕立て上げる。
     …大川原化工機の例は、この国がすでに“新しい戦前化”している…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠…《女性検事は淡々と、「起訴当時の判断を
     間違っているとは思っていない。謝罪する気持ちなどない」と答えた》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国賠…《13年前の「正義の検事」が“冤罪”
       事件で謝罪拒む》、実は郵便不正事件当時も《問題検事》だった模様
   『●大川原化工機でっち上げ事件国賠訴訟…当然の勝訴判決ではあるが、《勾留
      後に亡くなった1人》の命は戻らないし、あまりに《大きな不利益》…
   『●大川原化工機捏造事件国賠、謝罪や責任を問うこともなく《国と東京都
     が控訴》…大川原正明社長「あきれた」「やっぱりか」「まだやるのか」
   『●大川原化工機でっち上げ事件:青木理さん《見込み捜査と強い政治性を特徴
     とする警備公安警察のゆがみが如実にあらわれた例として、大きな批判…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠、国と都が控訴…《今回の事件は、日本の警
     察、検察、裁判所がいかなるものかを浮き彫りにしている》(長周新聞)
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
     死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
    《◆デスクメモ …恣意的な捜査がえん罪を引き起こした最近の
     大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う》。

   『●東京地裁・男沢聡子裁判長殿、一体どういうことですか? 大川原化工機冤
     罪事件「起訴取り消しによる名誉回復すら見届けられず亡くなった」のに…
   『●ニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
      …《法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが…
    《◆無罪主張するほど保釈されない「人質司法」問題
   『●人質司法…《保釈請求…東京地裁も却下。否認を貫く相嶋さんに妻が「うそを
     ついて自白して、拘置所から出よう」と頼んだが、首を縦に振らなかった》
   『●大川原化工機でっち上げ事件《勾留後に亡くなった1人》…《無罪主張
       するほど保釈されない「人質司法」》の問題点が最悪の形で顕在化

=====================================================
https://mainichi.jp/articles/20240502/k00/00m/040/006000c

調書の矛盾「あいつは気付かない」 備忘録に残った取調官の言葉
遠藤浩二
2024/5/3 06:30(最終更新 5/3 06:49)

     (毎日新聞が入手した捜査員の備忘録。取調官が
      「あいつは気づかない。調書をしっかり確認しないから
      取れちゃう」と述べたと記されている=2024年4月30日
      午前10時1分、遠藤浩二撮影(画像の一部を加工しています)

 起訴が取り消された化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)を巡る冤罪(えんざい)事件では、同社元取締役に対する警視庁公安部の取り調べの一部を裁判所が違法とした。当時、警察内部にもこの取り調べを疑問視する捜査員がおり、取調官(警部補)を問い詰めていた。。毎日新聞は、その捜査員が書いた備忘録を入手した。そこに記されていた取調官の言葉とは――。


4回のやり取りが記された備忘録

     (大川原化工機の本社。社長らが逮捕・起訴されたが、
      その後に起訴が取り消された=横浜市都筑区で
      2021年10月8日、遠藤浩二撮影)

 元取締役の島田順司さん(70)=2020年3月に外為法違反容疑で逮捕・起訴されたが、その後に起訴取り消し=に対する取り調べを巡っては、大川原化工機側が東京都などに損害賠償を求めた訴訟でも争点となり、東京地裁が23年12月の判決で一部を違法と認定している。取調官が噴霧乾燥器の輸出規制に関する要件の解釈を島田さんにあえて誤解させ、大川原化工機の輸出製品が規制品に該当することを認める供述調書に署名・指印するよう仕向ける偽計があったと判断された。

 毎日新聞が入手した備忘録には、島田さんの供述調書を読んで疑問を抱いた捜査員が取調官を問い詰めた際の計4回のやり取りが記されている。


「確認しないから取れちゃう」

     (大川原化工機の大川原正明社長(中央)らと記者会見する
      同社元取締役の島田順司さん(右)=東京・霞が関の
      司法記者クラブで2024年1月11日午前11時29分、巽賢司撮影)

 島田さんは逮捕前の19年4月にあった任意の取り調べで、不正輸出を認める調書に署名・指印していた。備忘録によると、島田さんが本当に話したのかと捜査員に問われた取調官は「言ってないですよそもそも否認なんで」と回答したと記載されている。

 なぜ不正輸出を認める調書にサインさせることができたのかについては「あいつ(島田さん)は他のあまり関係ないところだけは直せって言うけど、肝心なとこは気づかない。調書をしっかり確認しないから、取れちゃうんですよね」と語ったという。

 警察側が取り調べの詳細を記したメモでは島田さんが不正輸出を否定しているため、調書とは内容が異なっており、こうした事情を「(上司も知ってますよ」とも説明したとされる。

 この捜査員は19年5月にも、真実ではない調書で逮捕者が出る恐れを取調官に指摘したが、取調官は「知ったこっちゃないですよ組織の方針に従うだけですよ」などと語ったと記されている。


捜査関係者「断じて許されない」

     (警視庁本部=東京都千代田区で2023年12月13日
      午後1時39分、本社ヘリから三浦研吾撮影)

 ある捜査関係者は「公安部の捜査員には、取調官のことを『取れない調書を取ってくる神と褒めたたえる人間もいた。だが、強制捜査ではない任意捜査はあくまでも市民の協力を得て行うもので、捜査機関への信頼で成り立っている。今回の取り調べは警察の信頼をおとしめる行為で、断じて許されない」と憤った。

 警視庁に備忘録の存在を伝え、こうした取り調べが行われたのかを尋ねたが「控訴審で偽計を用いた事実はない旨の主張を行っている」とし、訴訟が係争中であることを理由にコメントを避けた。【遠藤浩二】
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●大川原化工機でっち上げ事件《勾留後に亡くなった1人》…《無罪主張するほど保釈されない「人質司法」》の問題点が最悪の形で顕在化

2024年06月03日 00時00分37秒 | Weblog

[↑ 大川原化工機の訴訟 検察・警察の捜査「違法」東京地裁 都と国に賠償命令 (朝日新聞、2023年12月28日(木))]


(2024年04月08日[月])
大川原化工機でっち上げ事件。《無罪主張するほど保釈されない「人質司法」》(東京新聞)の問題点が最悪の形で顕在化。何度もの《保釈請求…東京地裁も却下。否認を貫く相嶋さんに妻が「うそをついて自白して、拘置所から出よう」と頼んだが、首を縦に振らなかった》…。でっち上げによる冤罪にもかかわらず、もはや《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない。《無罪推定が原則》のはずなのに、このでっち上げ事件・冤罪死は、一体全体なんなのか!
 福島みずほさん《相嶋静夫さんは9月に不調を訴え10月に進行性癌と診断されたにもかかわらず、8回も保釈請求が却下されて2月に亡くなった。この却下判断は妥当であるか。誰が考えても不相当。…保釈請求却下にかかわった裁判官は23人ともいう。なぜ進行性癌と診断されて8回の保釈却下なのか。》

   『●人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機の
     大川原社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという》青木理さん
   『●大川原化工機事件…でっち上げ事件、《勾留後に亡くなった1人を
     含め、会社側は起訴取り消しになっても大きな不利益を被りました》
   『●日刊ゲンダイ【辛口の経済評論家 佐高信氏が「いい会社」と就活生に
     薦めたい企業3社】《城南信用金庫…久遠チョコレート…大川原化工機》
   『●男性警部補「捏造ですね」…とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち
     上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない
   『●大川原化工機事件は公安によるでっち上げ…《警視庁公安部が捜査し、
     公判直前に起訴が取り消された事件…現職警部補が「事件は捏造」と証言》
   『●《警察と検察が事件を捏造して、無辜の人たちを犯罪者に仕立て上げる。
     …大川原化工機の例は、この国がすでに“新しい戦前化”している…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠…《女性検事は淡々と、「起訴当時の判断を
     間違っているとは思っていない。謝罪する気持ちなどない」と答えた》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国賠…《13年前の「正義の検事」が“冤罪”
       事件で謝罪拒む》、実は郵便不正事件当時も《問題検事》だった模様
   『●大川原化工機でっち上げ事件国賠訴訟…当然の勝訴判決ではあるが、《勾留
      後に亡くなった1人》の命は戻らないし、あまりに《大きな不利益》…
   『●大川原化工機捏造事件国賠、謝罪や責任を問うこともなく《国と東京都
     が控訴》…大川原正明社長「あきれた」「やっぱりか」「まだやるのか」
   『●大川原化工機でっち上げ事件:青木理さん《見込み捜査と強い政治性を特徴
     とする警備公安警察のゆがみが如実にあらわれた例として、大きな批判…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠、国と都が控訴…《今回の事件は、日本の警
     察、検察、裁判所がいかなるものかを浮き彫りにしている》(長周新聞)
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
     死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
    《◆デスクメモ …恣意的な捜査がえん罪を引き起こした最近の
     大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う》。

   『●東京地裁・男沢聡子裁判長殿、一体どういうことですか? 大川原化工機冤
     罪事件「起訴取り消しによる名誉回復すら見届けられず亡くなった」のに…
   『●ニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
      …《法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが…
    《◆無罪主張するほど保釈されない「人質司法」問題

   『●人質司法…《保釈請求…東京地裁も却下。否認を貫く相嶋さんに妻が「うそ
     をついて自白して、拘置所から出よう」と頼んだが、首を縦に振らなかった》


 その福島みずほ 参議院議員 社民党党首@mizuhofukushimaさんの一連のつぶやき(https://twitter.com/mizuhofukushima/status/1775804741131567529)~(https://twitter.com/mizuhofukushima/status/1775887619601346801)から:

――――――――――――――――――
https://twitter.com/mizuhofukushima/status/1775804741131567529
 ~【https://twitter.com/mizuhofukushima/status/1775887619601346801

福島みずほ 参議院議員 社民党党首@mizuhofukushima

2024年4月4日参議院法務委員会【大川原化工機事件人質司法】①大川原化工機事件は起訴の段階でも容疑が無理筋なことはわかったし、警察の実験が適切ならば起訴されなかった。それが起訴取り消しで捜査に問題があったことは明白である。
午後5:36  2024年4月4日


2024年4月4日参議院法務委員会【大川原化工機事件と人質司法】②完全に細菌を殺菌できないという明確な事実があるにもかかわらず突っ走って起訴し長期間の勾留を強いた。警察も検察も大問題である。
午後5:38  2024年4月4日


2024年4月4日参議院法務委員会【大川原化工機事件と人質司法】③自白した場合と否認した場合では保釈率にデータ上明確な差がある。日本の人質司法の実態がよく表れている。本来被疑者被告人は無罪推定が原則であり、公判の期日前に保釈されるべきものである。
午後5:41  2024年4月4日


2024年4月4日参議院法務委員会【大川原加工機事件と人質司法】④トランプ前大統領の例のように逮捕されても即日保釈されるのが本来の姿だ。無罪を主張している者が罪証隠滅の恐れを理由に長期間勾留されては無罪立証のために闘うこともできない
午後7:21  2024年4月4日


2024年4月4日参議院法務委員会【大川原化工機事件と人質司法】⑤大川原化工機の相嶋静夫さんは9月に不調を訴え10月に進行性癌と診断されたにもかかわらず、8回も保釈請求が却下されて2月に亡くなった。この却下判断は妥当であるか。誰が考えても不相当
午後7:22  2024年4月4日


2024年4月4日参議院法務委員会【大川原化工機事件と人質司法】⑥保釈請求却下にかかわった裁判官は23人ともいう。なぜ進行性癌と診断されて8回の保釈却下なのか。刑訴法では勾留による健康上不利益も保釈の勘案条件とあるにかかわらず何故ここで見殺しなのか。これが実態であるなら変えねばならない。
午後7:24  2024年4月4日


2024年4月4日参議院法務委員会【大川原化工機事件と人質司法】⑦ヨーロッパ人権裁判所の判例ガイドでは保釈却下(拘禁継続)の場合の理由を具体的に4点明示している。日本の場合は自白と否認で保釈率が明らかに違う。争うと保釈されない。この点が問題。もっと具体的で明確な判断の規範を作るべきだ。
午後7:27  2024年4月4日


2024年4月4日参議院法務委員会【大川原化工機事件と人質司法】⑧今回の問題はは明らかに拘置所の医療の問題であり拘置所の失態だ法務大臣が改善点があれば今後も検討て答弁されたので、被拘禁者の医療問題に本気で取り組んで頂くことを強く希望する。
午後11:06  2024年4月4日
――――――――――――――――――

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●袴田事件、《捜査機関による証拠捏造》…《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》というのに、またしても検察は死刑求刑

2024年05月27日 00時00分01秒 | Weblog

[↑ ※《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]


(2024年05月23日[木])
袴田事件、《捜査機関による証拠捏造》…《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》というのに、検察は死刑を求刑》しました。ヒトデナシの所業です。第三者には《みそタンクに隠すのは不可能》ですが、唯一、《捜査機関の者》はそれが可能だったのではないですか。《捜査機関の者》には《「実行不可能で非現実的な空論だ」》となぜ言えるのですか?
 とにかく、91歳の袴田ひで子さんが気の毒でならない。また、検察の所業は被害者やその遺族をも欺く酷い仕打ちだ。検察は《被害者遺族の「真実を明らかにしてほしい。尊い4人の命が奪われていることを忘れないで」とする意見陳述書も読み上げた》そうだが、冤罪であるという《真実を明らかに》した時、遺族は、捜査機関や検察にどう責任をとってもらうのだろうか? 遺族の意見陳述では《袴田さんに言及することはなかった》そうだが、検察はその理由をどう考えるか。袴田巌さんや姉ひで子さん、親族の皆さんの人生を滅茶滅茶にした上に、検察や捜査機関は真犯人を取り逃がした訳だ。
 《白山聖浩弁護士は「間違えましたということができない検察の姿勢は、事件発生時から何も変わっていない」と批判した》。《被害者が「冤罪の共通点」を語った…袴田事件と大川原化工機事件 半世紀以上変わらぬ長期拘束、自白強要、イジメ》。大川原化工機冤罪事件同様、間違いを認めない、謝ることの出来ない検察。そして裁判官の責任。

 共同通信の速報【再審でも死刑求刑、結審へ 捏造「理由ない」、袴田さん公判】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/328643)によると、《検察側は論告で、袴田さんが金品を得るために犯行に及んだと指摘。最大の争点となっている「5点の衣類は袴田さんのものだとし犯行着衣と認められる」と述べ、死刑を求刑した》。

   『●袴田巌さんに無罪を…《死と隣り合わせの生活が心にもたらした影響
     …暗黒の日々の長さを思わざるをえない…夜は終わったわけではない》
   『●《読者はこうした報道を何日もシャワーのように浴びた。…裁判官
     たちも例外では》ない…袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》
   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》
   『●袴田冤罪事件…タンパク質に糖分が触れると「メイラード反応」が
     進み、1年2カ月後には《常識的な範囲で『赤みは残らない』》はずだ
    「《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん。すぐさま、袴田巌さんに
     無罪を! マスコミももっと後押しすべきなのではないか。裁判所も
     自分たちの先輩の誤りを受け入れるべき…『●《読者はこうした報道を
     何日もシャワーのように浴びた。…裁判官たちも例外では》ない…
     袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》』」

   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過
     ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
   『●《「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」…検察は
     掌中の証拠をあまねくオープン》にするよう裁判所は訴訟指揮すべきだ
   『●48年も獄中に囚われていた袴田巌さん…《検察は再収監を諦めて
     いません》って、正気なのかね? すぐさま、袴田巌さんに無罪を!
   『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃに
     した《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる
   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃに
     した《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる
   『●《捜査機関による証拠捏造》…無罪判決を勝ち取り《いまも、死刑囚の
     まま》から脱却できても、「拘禁反応」に苦しめられ続ける袴田巖さん
   『●袴田事件…《検察は…「色合いなどもう1度、調べる」とする動きがある
     …裁判官が“デッチ上げ”と見ている証拠から何を引き出そうというのか》
   『●大谷昭宏さん《袴田事件で審理の引き延ばしを図る検察に、陰湿、陰険、
      姑息、傲慢…などと書いて、一瞬、書きすぎ? と思ったのだが…》
   『●袴田冤罪事件…小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たし
     て人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は…続く》
   『●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井
       さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》
   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
      死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
   『●ニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
        …《法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが…
   『●高杉晋吾氏「彼はなぁ、本当に正しいんだよ」…いつまで《耐えがたいほど
     正義に反する日々は…続く》のか? 《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん

 東京新聞の記事【袴田巌さんの姉が白いジャケット姿を選んだ理由 死刑求刑にも表情変えず「検察側の都合でやっていること」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/328784)によると、《「死刑を求刑します」。被告のいない法廷に検察官の声が響いた。22日、強盗殺人事件で死刑が確定している袴田巌さん(88)の再審公判が結審した。検察側が求めたのは56年前と同じ刑。袴田さんの姉ひで子さん(91)は改めて、心神喪失で不在の弟は無実と訴えた。事件発生から58年余となる9月、判決が言い渡される》。

 それにしても、《元検事の高井康行弁護士》…酷いね。「検察側は、捏造は不可能なことを詳細に立証した」って、正気で言っているのかね? 赤みが残る可能性も立証」されただって??
 東京新聞の記事【袴田巌さんに検察が再び死刑を求刑 再審公判、9月に判決 「5点の衣類」証拠捏造めぐり主張は対立したまま】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/328785)によると、《だが、展開した主張や示した証拠は、半世紀以上前の一審時とほぼ同じ血痕の赤みについても「残る可能性があると従来の主張の域を出なかった》。また、《◆「有罪の立証になっていない」 関東学院大の宮本弘典教授(刑事法)…》、一方、《◆「検察側は、捏造は不可能なことを詳細に立証した」 元検事の高井康行弁護士…赤みが残る可能性も立証しているので、確定判決までの証拠によって(袴田さんの)犯人性は裏付けられる》。

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/328643

再審でも死刑求刑、結審へ 捏造「理由ない」、袴田さん公判
2024年5月22日 14時39分 (共同通信)

     (自宅前で取材に応じる袴田巌さんの姉ひで子さん
      =22日午前、浜松市)

 1966年に静岡県清水市(現静岡市)のみそ製造会社専務一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審第15回公判が22日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で開かれた。検察側は論告で、袴田さんが「金品を得るために犯行に及んだ」と指摘。最大の争点となっている「5点の衣類は袴田さんのものだとし犯行着衣と認められる」と述べ、死刑を求刑した。

 一連の証拠を捏造とする指摘に対しては「合理的理由がないと否定した。袴田さんの服と酷似した衣類を用意し、従業員に知られないようにみそ工場に侵入してみそタンクに隠すのは不可能だとして、捜査機関の捏造だとする指摘は「実行不可能で非現実的な空論だ」と強調した。

 被害者遺族の「真実を明らかにしてほしい。尊い4人の命が奪われていることを忘れないで」とする意見陳述書も読み上げた。

 同日午後、弁護側の最終弁論や、姉ひで子さん(91)の最終意見陳述を経て結審する見通し。
=====================================================

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/328784

袴田巌さんの姉が白いジャケット姿を選んだ理由 死刑求刑にも表情変えず「検察側の都合でやっていること」
2024年5月23日 06時00分

 「死刑を求刑します」。被告のいない法廷に検察官の声が響いた。22日、強盗殺人事件で死刑が確定している袴田巌さん(88)の再審公判が結審した。検察側が求めたのは56年前と同じ刑。袴田さんの姉ひで子さん(91)は改めて、心神喪失で不在の弟は無実と訴えた。事件発生から58年余となる9月、判決が言い渡される。

 旧清水市一家4人強盗殺人事件と袴田さんの再審 1966年6月30日、旧清水市のみそ製造会社専務宅から出火、焼け跡から4人の他殺体が見つかった。従業員だった袴田さんが強盗殺人罪などで起訴され、無罪を主張したが80年に最高裁で死刑が確定した。第2次再審請求審で2014年に静岡地裁が再審開始を認め、死刑執行と拘置が停止に。袴田さんは約48年ぶりに釈放された。検察の異議申し立て(即時抗告)で審理は続き、昨年3月、東京高裁は「5点の衣類」が捜査機関に捏造(ねつぞう)された可能性を指摘した上で、再審開始を決定。検察側の特別抗告断念で確定し、同10月27日に再審の初公判が開かれた。

     (自宅でくつろぐ袴田巌さん=浜松市内で
      (袴田さん支援クラブ提供の動画から))


◆再審7カ月 ようやく結審

 「強固な殺意」「生命軽視の態度は顕著」—。

 静岡地裁の202号法廷。男性検察官は論告で、袴田さんの罪状などについて淡々と口にしていった。読み上げは数時間。「特段くむべき事情も認められない」と極刑が相当とした。

 求刑時、ひで子さんは正面を見つめたまま、表情も変えなかった。この日は白色のジャケット姿。「白(無実)ということを強調するように」との考えからだ。再度の死刑求刑については「検察側の都合でやっていることだから、当たり前だと思う」と受け止めた。

 袴田さんが待ち望んだ再審の開始が確定したのは昨年3月。同10月に始まり、7カ月をへて結審した。ひで子さんは記者会見で「ようやく終わった。判決が出たら、巌に裁判のことを伝えようと思っております」。「もうこれで勝ったようなものだと思っている」と晴れやかな表情で語った。


◆弁護団「検察官は汚点残した」

 ひで子さんの会見には、弁護団も同席。検察側の死刑求刑への怒りを示し、角替清美弁護士は「検察官は今日、汚点を残した」。白山聖浩弁護士は「間違えましたということができない検察の姿勢は、事件発生時から何も変わっていない」と批判した。

 検察側が証拠捏造(ねつぞう)を否定したことにも不満を示し、小川秀世弁護士は「5点の衣類が(犯行時の着衣との)根拠は何もない」と批判。「裁判所に捏造をはっきりと認定してもらいたい。弁護側はそれだけの立証はできた」と自信をのぞかせた。

 一方、公判後に会見した静岡地検の小長光健史次席検事は死刑求刑について「極めて悪質な事案であることを踏まえた」と理由を述べ、「被告人が有罪であることは立証されている」と説明。証拠捏造の疑いの指摘には「現実的に行い得ない」と反論した。

 取材に応じた検察幹部は「法と証拠に基づき、証拠を十分に検討し、慎重に見極めて事案に見合う量刑として求刑した。メンツのために死刑求刑したということはこれっぽっちもない」と強調した。(東田茉莉瑛、長谷川竜也)

     (袴田巌さんの再審公判で、静岡地裁に入る姉ひで子さん(左)
      と弁護団事務局長の小川秀世弁護士)


 


◆みそ製造会社専務の孫「真実を明らかにして」と意見陳述

 再審公判では、事件で殺害されたみそ製造会社専務の孫が書面で意見陳述した。書面は検察官が自席で代読。冒頭で「尊い4人の命が奪われたことを忘れないで」と訴え、「事実を精査し、真実を明らかにして」と願いを伝えた。袴田さんに言及することはなかった

 孫は、自身の母である専務の長女が、事件で家族を失ったことで「計り知れないほどの悲しみと恐怖を感じ、重度のうつ病にかかった」と述べた。2014年に静岡地裁が再審開始を決定する直前に亡くなったという。

 読み上げられた書面では、事件で生き残ったことなどを理由に長女がネット上で犯人視されてきたことや、「自殺した」とうわさされたことを明かし、「根拠のない話」と強調。再審公判で、事件の真相が解明されることを望んだ。(佐々木勇輝)


 


◆「お母さん、遠からず真実を立証して帰りますからね」

  再審公判も終盤に近づいた午後5時過ぎ。袴田巌さんの姉ひで子さんは最終意見陳述で証言台に立った。国井恒志裁判長と正対し、片手にはA4判の用紙。「今朝方、母さんの夢を見ました、元気でした、夢のように元気でおられたらうれしいですが、お母さん、遠からず真実を立証して帰りますからね」と読み上げた。

 袴田さんが獄中から母にあてた手紙だった。無実を信じた母は一審の公判に通い続け、1968年の死刑判決の2カ月後に亡くなった。ひで子さんは、袴田さんが体験した苦悩や無念を代弁するように読み上げ、用紙を持つ手は震えた。

 手紙部分を伝え終えると、時折、裁判長に視線を向けながら「(袴田さんは)釈放されて10年たちますが、いまだ拘禁症の後遺症、妄想の世界にいる心は癒えておりません」と言葉をつないだ。(足達優人)


【関連記事】袴田巌さんに検察が再び死刑を求刑 再審公判、9月に判決 「5点の衣類」証拠捏造めぐり主張は対立したまま
【関連記事】獄中の袴田巌さんが手紙につづった「無実」 高杉晋吾さんと往復書簡 「彼はなぁ、本当に正しいんだよ」
【関連記事】袴田さんに検察は求刑どうする 検察組織は変わったのか…OBは語った 
=====================================================

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/328785

袴田巌さんに検察が再び死刑を求刑 再審公判、9月に判決 「5点の衣類」証拠捏造めぐり主張は対立したまま
2024年5月23日 06時00分

 1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で起きた一家4人強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)の裁判をやり直す再審公判が22日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で結審した。検察側は、事件現場近くで見つかった「5点の衣類」は袴田さんの犯行時の着衣と認められるなどとして死刑を求刑。弁護側は、捜査機関が証拠を捏造(ねつぞう)したと主張し、無罪を訴えた。判決は9月26日。


◆検察側 捏造は「非現実的で実行不可能な空論」

 長期間拘束された影響による拘禁症状が残る袴田さんに代わって出廷した姉ひで子さん(91)は最終意見陳述で、「巌を人間らしく過ごさせてくださいますよう、お願い申し上げます」と訴えた。

     (支援者とドライブへ出かける袴田巌さん
      =22日午後2時59分、浜松市内で)

 刑事訴訟法は再審公判について、「無罪を言い渡すべき明らかな新証拠」が認められた場合に開かれると規定。袴田さんも無罪の公算が大きい。

 検察側は論告で、金品を得るための袴田さんの犯行と指摘。最大の争点となった5点の衣類に付着した血痕を巡っては「赤みは残りうる」と弁護側に反論した。証拠を捏造した、との指摘には「非現実的で実行不可能な空論」と否定した。その上で「強固な殺意に基づく極めて冷酷で残忍な犯行」と述べた。検察側は論告に先立ち、「事実を精査し、真実を明らかにしてほしい」との被害者遺族の意見陳述書を読み上げた。

 弁護側は最終弁論で、東京高裁による再審開始決定などを引き合いに「検察側の証拠はすでに否定されているか、ほとんど価値がないものだ」と主張。5点の衣類について「袴田さんを犯人に仕立てあげるために捜査機関が捏造した証拠」と改めて訴えた。

 5点の衣類は事件発生から1年2カ月後、袴田さんの勤務先のみそタンク内で見つかった。確定判決は袴田さんの犯行時の着衣と認定。再審請求審では、長期間みそ漬けにされた血痕に赤みが残っていたことは不自然かが争われ、東京高裁は昨年3月、弁護側の主張を認めて赤みは残らないと判断。捜査機関による証拠捏造の可能性を指摘し、再審開始を認めた。再審公判は昨年10月に始まり、この日は15回目。

 戦後、被告の死刑確定後に再審公判が開かれた4事件では、いずれも検察側が死刑を求刑したが、無罪となっている。(足達優人、佐々木勇輝)


◆検察がこだわった「証拠捏造」への反論

 記者解説 7カ月の審理の末、検察側は56年前と同じ死刑を求刑した。再審公判で袴田さんの有罪立証に改めて取り組んだが、過去の主張の繰り返しが目立った。その一方で、証拠捏造(ねつぞう)の疑いを払拭することには強いこだわりを見せた。

     (袴田巌さんの再審公判で、支援者らに手を振って
      静岡地裁に入る姉ひで子さん(前列左)と弁護団
      事務局長の小川秀世弁護士(同右))

 再審公判は、過去の判決や決定に拘束されない。再審請求審では検察側、弁護側双方の争点は5点の衣類に付いた血痕の赤みに絞られたが、検察側は再審公判で「一から立証し、裁判官に総合判断を求める」と表明していた。

 だが、展開した主張や示した証拠は、半世紀以上前の一審時とほぼ同じ。血痕の赤みについても「残る可能性がある」と従来の主張の域を出なかった

 5点の衣類を捜査機関が捏造した疑いに対しては、当時の状況や発覚のリスクなどから「非現実的で、不可能」と多くの時間を費やして否定した。この日の論告でも、「捏造の主張に合理的な根拠はない」などと否定の言葉を繰り返した。

 弁護側は5点の衣類だけでなく、他の一部の証拠も捏造されたと主張。捏造を認定した上での無罪判決を求めている。再審開始を判断した静岡地裁、東京高裁に続いて三たび裁判所が捏造の疑いを指摘すれば、捜査当局への打撃は計り知れないだろう。(山本真嗣)


◆「有罪の立証になっていない」

 関東学院大の宮本弘典教授(刑事法)の話 1年以上みそ漬けされた「5点の衣類」の血痕には赤みが残らないと判断した再審開始決定で、確定判決の証拠構造に疑いが出た。再審では検察側に「赤みが残る」ことを証明する必要があった。どのような状況であれば赤みが残り、実際にその状況で5点の衣類がみそタンクに漬かっていた事実を証明しなければならなかった。検察側は「赤みが残りうる」という可能性の指摘にとどまった。有罪の立証になっていない


◆「検察側は、捏造は不可能なことを詳細に立証した」

 元検事の高井康行弁護士の話 当時のみそタンク内の状況を再現できない限り、「5点の衣類」の血痕に赤みが100%残らないとは言えない。再審のポイントは、捜査機関が5点の衣類を捏造(ねつぞう)したかどうか。検察側は、捏造は不可能なことを詳細に立証した。赤みが残る可能性も立証しているので、確定判決までの証拠によって(袴田さんの)犯人性は裏付けられる。


【関連記事】袴田巌さんの姉が白いジャケット姿を選んだ理由 死刑求刑にも表情変えず「検察側の都合でやっていること」
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●高杉晋吾氏「彼はなぁ、本当に正しいんだよ」…いつまで《耐えがたいほど正義に反する日々は…続く》のか? 《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん

2024年05月22日 00時00分11秒 | Weblog

[↑ ※袴田事件捜査機関による証拠捏造》…《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]


(2024年05月19日[日])
一体いつまで耐えがたいほど正義に反する日々は…続くのか? 《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん。そして、いまも奔走する姉・袴田秀子さん。(こちら特報部)《対する検察や警察は、担当者が交代して争い続ける後任に引き継げば、歳月の痛みは感じないのか組織も人間らしく対応すべきだ》。
 (筆洗: 2018年6月12日)《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」▼袴田さんの無実を信じる人にとってはどうあっても狼に許されぬイソップ寓話(ぐうわ)の羊を思い出すかもしれない…検察と裁判所を納得させる羊の反論の旅はなおも続くのか事件から五十二年長すぎる旅である》。

   『●鎌田慧さんインタビュー: 「一人の人間として勇気をふるった名判決」
   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。

      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》

 (こちら特報部)《第三者で最初に冤罪を訴えたのが、今は病床にあるルポライター高杉晋吾氏(91)だ》…《高杉晋吾氏写真【ToPICs静岡・東京 袴田さん再審決定に検察が即時抗告 自由と命を奪うな!】、「犯人でっち上げ 権力の自由自在…「犯人づくり」に加担するマスコミの連係プレー」。画期的判決(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/5d4efa73778f16f9497f3dfa6ecb2ed8)》。
 東京新聞の記事【こちら特報部/獄中の袴田巌さんが手紙につづった「無実」 高杉晋吾さんと往復書簡 「彼はなぁ、本当に正しいんだよ」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/327973)によると、《1966年の静岡一家4人強盗殺人事件の犯人とされ、長く死刑囚の身に置かれてきた袴田巌さん(88)。第三者で最初に冤罪(えんざい)を訴えたのが、今は病床にあるルポライター高杉晋吾氏(91)だ。未公開の往復書簡に目を通すと、強要・誘導された疑いが濃い供述調書捜査機関の証拠偽造の可能性に着目し、無実の証明に奔走する様子がうかがえる。22日の再審公判結審を前に2人のやりとりを振り返る。(西田直晃)》。

   『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん、再審開始決定…せめて
    《一刻も早く「無罪」とすべく、検察は不服を唱えるべきではない》
   『●袴田巖さん、袴田秀子さん ――― 《捜査機関による証拠捏造》とまで
     言われているのだ、検察側が特別抗告を断念するのも、当然の結果だろう
   『●袴田冤罪事件: 《「…第三者がみそ漬けにした可能性がある」》《捜査
      機関による証拠捏造》《犯行着衣について捜査機関の捏造とまで…》
   『●<コラム 筆洗>《高裁は捜査機関による証拠捏造の可能性まで踏み
     込んでいる…袴田さんをただ犯人にしたいという卑劣なトリックだろう》
   『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃ
     にした《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる
   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃに
     した《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる
   『●《捜査機関による証拠捏造》…無罪判決を勝ち取り《いまも、死刑囚の
     まま》から脱却できても、「拘禁反応」に苦しめられ続ける袴田巖さん
   『●袴田事件…《検察は…「色合いなどもう1度、調べる」とする動きがある
     …裁判官が“デッチ上げ”と見ている証拠から何を引き出そうというのか》
   『●大谷昭宏さん《袴田事件で審理の引き延ばしを図る検察に、陰湿、陰険、
      姑息、傲慢…などと書いて、一瞬、書きすぎ? と思ったのだが…》
   『●袴田冤罪事件…小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たし
     て人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は…続く》
   『●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井
       さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》
   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
      死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
   『●ニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
        …《法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが…

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/327973

こちら特報部
獄中の袴田巌さんが手紙につづった「無実」 高杉晋吾さんと往復書簡 「彼はなぁ、本当に正しいんだよ」
2024年5月19日 12時00分

 1966年の静岡一家4人強盗殺人事件の犯人とされ、長く死刑囚の身に置かれてきた袴田巌さん(88)。第三者で最初に冤罪(えんざい)を訴えたのが、今は病床にあるルポライター高杉晋吾氏(91)だ。未公開の往復書簡に目を通すと、強要・誘導された疑いが濃い供述調書捜査機関の証拠偽造の可能性に着目し、無実の証明に奔走する様子がうかがえる。22日の再審公判結審を前に2人のやりとりを振り返る。(西田直晃

 たかすぎ・しんご 本名は石川晋吾。1933年、秋田市生まれ。戦時中は満州(現・中国東北部)の鞍山市で過ごし、米軍の爆撃で母と姉を亡くす。早稲田大卒業後、「社会新報」記者を経てフリーに。冤罪のほか部落問題や産業廃棄物、精神医療などをテーマに取材。1981年の著書「地獄のゴングが鳴った 無実のプロボクサー袴田巌」は、2014年に「袴田事件・冤罪の構造 死刑囚に再審無罪へのゴングが鳴った」として復刊された。


◆最初の手紙に「近いうちに面会に行きます」

     (ルポライター高杉晋吾氏)

 〈多くの無実を叫ぶ人々の場合、有罪の判決が出たところで、その有罪の根拠となった証拠そのものが、自白、物証、証言等々、あらゆる偽造が無人の野を行くがごとく、まかり通っている(中略)近いうちに面会に行きます〉

 1979年8月1日。一、二審で死刑判決を受けて上告し、東京拘置所にいた袴田さんに、高杉氏が初めて送った手紙だ。この直後、雑誌「現代の眼」(廃刊)9月号に「袴田事件 元ボクサーの落ちた陥穽(かんせい)」と題した記事が掲載された。

 この記事ですでに、高杉氏はいくつかの不審点に触れている。犯行着衣が起訴時のパジャマから、袴田さんの勤務先のみそタンク内で事件の1年2カ月後に見つかった5点の衣類」に変更されたこと。控訴審での装着実験の際、そのズボンを袴田さんがはけなかったこと。捜査段階の45通の自白調書のうち、1通の検察官調書を除く44通が証拠から排除されたこと…。最高裁で死刑が確定する1年4カ月前のことだ。


◆「権力の魔手に徹頭徹尾かけられ…」

 袴田さんはこう返信し、両者の交流が始まった。

 〈権力の魔手に徹頭徹尾かけられた、いわゆるイケニエにある弱い衆人達の筆舌に尽(つく)せない心底からの憤怒の念を、やがて一掃してくれる〉(同年8月4日)

 〈先(ま)づ、第一にやらなければならないことは、いっさいの虚偽を虚偽として確認することだと思います〉(同年8月20日)

     (日課のドライブに出発する袴田巌さん=4月、浜松市内で)

 袴田さんの再審弁護団が訴える「捏造(ねつぞう)」という文言こそ見当たらないが、証拠のでっち上げが存在したという認識で両者は一致していた。その後の手紙のやりとりは主に、高杉氏の質問に袴田さんが回答する形で進む。証拠採用された66年9月9日付の検察官調書については、こうだ。

 〈本件調書内容のような型で押し付けられたら万事休すの筈(はず)です(中略)検察官は前以(も)って、九月九日付調書の如(ごと)く、その内容のストーリーを自らの大学ノートに書き込んでいたと思われます。その理由は九月九日の取調べの際、大学ノートを書記官に手渡し、何んのことはない丸ごと写させたのです。それ故に、文字通り、矛盾の大集成たる調書が存在する〉(79年9月1日、検察官は実名表記)


◆消火に加わった様子を説明

 往復書簡は現在、高杉氏と親交が深い「袴田巌さんの再審を求める会」の十川正さん(71)=東京都小平市=が中身を精査している。「回答を足掛かりに無実を証明するため、さまざまな質問を袴田さんにぶつけていた。再審支援の井戸を掘った人。他の取材でも同じだが、弱い立場にある袴田さんの目線で動いてきた」と回想。「死刑確定直前の手紙には特に、切迫感に満ち、鬼気迫る袴田さんの思いが伝わってくる」と話している。

     (東京拘置所の袴田さんが初めて高杉氏に宛てた手紙)

 袴田さんは高杉氏への手紙に、「アリバイがない」とされた事件当日の6月30日の行動も記載。出火した被害者宅の消火に加わった様子などを説明していた。

 〈サイレンと、火事だ、近いぞというような声で起こされました。同僚2人が慌てて寮の階段を降りていったようでした。私も跳ね起きて彼等(かれら)に続きました〉

 〈裏口に駆けより扉を探しました。(中略)断片的には、同僚が私に消火品、消火品といっていたこと。ホオスを誰かと共に出し、それに三、四人たかって引張(ひっぱ)り伸したこと。線路の下の石を取り、ホオスをそこに通したこと〉

 〈(土蔵の物干し場に立った)男は土蔵を指差し、この中に人が居るといいました。そして、よしバールを持ってくるといって降りていきました。その男は赤シャツを着ていた〉(いずれも79年12月25日、同僚は実名表記)

     (高杉氏が月刊誌「現代の眼」1979年9月号に掲載した記事)

 捜査官の調書にはこれらの内容は記されず、確定判決では「鎮火に近いころ、被告人が火災現場に姿を見せるまでの間、被告人の姿を何処(どこ)かで見たという者も認められない」と袴田さんの訴えは退けられた。十川さんは「手紙には当日の状況が詳細に描写され、現場にいた人の服装や行動も詳しく書かれている。十分、反証になり得る内容だ」と強調する。


◆袴田さんの行動を細かく質問

 高杉氏はさらに、その後の4日間の行動も細かく尋ねていた。

 〈できれば午前・午後。さらに詳しくは、午前何時ごろは誰々とこう云(い)うしごとを、どう云う場所でやったのかを困難ですが想い出して下さい(中略)これが確定して行けば、(5点の衣類を)味噌(みそ)タンクに仕込む時間が成立しなくなる〉(79年12月12日)

 静岡県警が最初に袴田さんを任意聴取したのは、7月4日。この日の早朝、寮の袴田さんの部屋を家宅捜索し、新聞各紙はこぞって有力容疑者と報じた。以降逮捕される8月18日まで、常に警察やマスコミの監視下に置かれていた

     (ルポライター高杉晋吾氏)

 5点の衣類がタンクに入れられた時期について、二審の東京高裁は事件直後と認定。袴田さんの犯行着衣とすれば、本人が怪しまれずにタンクに隠せるのは7月4日までしかあり得ないと、高杉氏は検証を試みた。袴田さんは同僚の氏名や具体的な時刻を交えながら、どのような仕事をしたか、約70キロ離れた実家にいつ帰省したかなどを返答。高杉氏は「常識で考えて隠せるわけがない」との思いを強くした。

 その後の支援者の検証実験が奏功し、5点の衣類は有罪証拠でなく、無罪証拠に変化しつつある。静岡地裁は2014年、衣類を犯行着衣でも袴田さんのものでもないと指摘し、48年ぶりに釈放。あらためて再審開始を決定した東京高裁は昨年3月、袴田さんが衣類をタンクに入れることは事実上不可能と認定第三者がタンクに隠した疑いに触れ捜査機関の可能性が高いと言及した


◆1989年ごろまで文通と面会は続く

 袴田さんの死刑確定後、高杉氏は「無実の死刑囚・元プロボクサー袴田巌を救う会」を立ち上げ、袴田さんの拘禁症状が悪化する1989年ごろまで文通と面会を続けていた。高杉氏のもとに届いた手紙は280通を超える。90年代以降は直接の支援から離れた。

 数年前に脳梗塞を患い、会話が不自由になっている。今月中旬「こちら特報部」の取材に応じ、「(袴田さんへの思いは)これまでに書いてきた通りだ」と短く語った。再審開始決定が一時取り消された6年前を思い出した様子で、「再審無罪の結果がひっくり返ってしまわないか、心配だ」と話し、涙ぐんで、こう繰り返した。

 「彼はなぁ、本当に正しいんだよ


◆デスクメモ

 袴田さん捜査の矛盾とボクサーの日々を描いた高杉さんは今91歳、袴田さんは88歳ひで子さんは91歳だ。1月に死去した西嶋勝彦弁護士は82歳。対する検察や警察は、担当者が交代して争い続ける後任に引き継げば、歳月の痛みは感じないのか組織も人間らしく対応すべきだ。(本)


【関連記事】被害者が「冤罪の共通点」を語った…袴田事件と大川原化工機事件 半世紀以上変わらぬ長期拘束、自白強要、イジメ
【関連記事】袴田巌さんが獄中でつづった書簡に記した「世界最強のチャンピオン」 長期の拘束はどう精神をむしばんだのか
=====================================================

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●目隠ししているヨーロッパの法律の女神、一方、ニッポンの法律の女神は《目隠ししておりません》…冤罪で死刑執行されてしまった飯塚事件

2024年05月12日 00時00分58秒 | Weblog

(2024年05月11日[日])
真実の解明ではなく、三者三様の《正義》と《真実》。《この国の司法の姿を浮き彫りにしていく》ドキュメンタリー。さて、《この国の司法の姿》はどのようなものか? “吊るせ、吊るせ”的な偏見に満ちた当時の世論、それを作り出した警察やマスコミ。この国の司法はどう応え、死刑確定からわずか2年後に、飯塚が地元の麻生太郎政権の森英介法相がどう判断したか? 百万歩譲って、なぜそんなに短期間での死刑なのか。
 当時、事件報道を先導した西日本新聞の《ある記者は言う。「司法は信頼できる、任しておけば大丈夫だと思ってきたけど、そうではないとこのことこそ社会に知らせるべきだし、我々の使命だと思っています」》。

   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
     大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
       証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
       死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
   『●飯塚事件…《DNA鑑定などを根拠に逮捕された久間三千年は、06年最高
     裁で死刑が確定し、08年に急ぐように執行された。だが...》(政界地獄耳)

 講談社現代ビジネスの記事【「こんなもので鑑定するなよと」「(再審は)絶対に認められないだろう」福岡・飯塚事件「死刑判決」を巡る異例の事態/木寺一孝】(https://gendai.media/articles/-/126028?utm_source=yahoonews&utm_medium=related&utm_campaign=link&utm_content=related)。
 まず、リード部分は以下の通り。《1992年2月21日、福岡県甘木市の山中で、二人の女児の遺体が発見された。遺体の服は乱れ、頭部には強い力で殴打されたことを示す傷が残っていた。二人は、約18キロ離れた飯塚市内の小学校に通う一年生で、前日朝何者かに誘拐され、その日のうちに殺害、遺棄されたものと見られた。
 福岡県警は威信を懸けてこの「飯塚事件」の捜査にあたるが、決定的な手がかりはなく、捜査は難航する。そこで警察が頼ったのが、DNA型鑑定だった。さらに、遺体に付着していた微細な繊維片を鑑定することによって、発生から2年7ヵ月後、失踪現場近くに住む56歳の無職の男、久間三千年が逮捕された。
 DNA型、繊維片に加え、目撃証言、久間の車に残された血痕など、警察幹部が弱い証拠と言う証拠の積み重ねによって久間は起訴され、本人否認のまま地裁、高裁で死刑判決がくだり、最高裁で確定した。しかも、死刑判決確定からわずか2年後、再審請求の準備中に死刑執行されてしまう。
 久間は、本当に犯人だったのか。
 事件捜査にあたった福岡県警の元捜査一課長をはじめ、元刑事、久間の未亡人、担当弁護士、さらにこの事件を取材した西日本新聞元幹部、記者らに分厚い取材を行ったドキュメンタリー『正義の行方』は「ありがちな推断、誘導、泣かせを排斥し、正義を語るに恥じない映像空間が担保されている」(作家・横山秀夫氏)、「ここ数年、いや間違いなくもっと長いスパンにおいて、これほどに完成度が高く、そして強く問題を提起するドキュメンタリーは他にない」(映画作家・森達也氏)と各方面から絶賛されている。書籍版『正義の行方』からその一部を抜粋して紹介する》。
 次に、《山方泰輔元捜査一課長…「…弁護士は証拠をつくる、うん。と(いう弁護士)がまだ、おるとかなと思うてですね。ひっくり返すためには、新しか証拠をつくらんと、裁判所が、「そげな証拠あるなら再審もう一ぺんせないかんな」いうようなのをつくってこないかんですから。…」》…酷い言い分だ。自分たち捜査側にこそ、でっち上げの恐れを感じている、冤罪者を殺してしまったのではないかと感じているのではないのか? 《弁護士は証拠をつくる》、あまりに酷い主張ではないか。
 《日本大学 押田茂實名誉教授(法医学)…「法律の女神(の像)見てください。目隠しをして、ひとつひとつきいて、黒人だから有罪、白人だから無罪というようなことはしないというやっぱりあれで、ヨーロッパから、たまたま手に入れて持ってきたものですけど、日本の法律の女神は、眼があっち向いてほい、こっち向いてほいで見てます。最高裁の玄関のやつを映像を撮って来てほしいと思う。目隠ししておりませんヨーロッパの法律の女神は目隠しをしています。この違いはよく考えていただきたい、と。こういうふうに思います。」》

 同じく講談社現代ビジネスの記事【福岡県甘木市の山中で二人の女児の遺体が発見…手がかりとなるDNA型鑑定には実は「異なる結果」があった/木寺一孝】(https://gendai.media/articles/-/125925?utm_source=yahoonews&utm_medium=related&utm_campaign=link&utm_content=related
 《しかし、実はその後、科警研の鑑定で残った試料をDNA型鑑定の先駆者の帝京大学・石山昱夫教授の研究室で再鑑定してもらったところ、科警研とは真反対の結果が出ていた》、一方、《山方泰輔元捜査一課長…「石山さんが鑑定でけんような、わずかなもの(分量の試料)しか回しとらんとやないかて。科警研が使いすぎてしもうたんじゃないかと。その物件をですね。そういうような感じやったからですね。少なかったということを知っとっと。私は。鑑識課長をしとったから。だから、「先生、ウチが出した物件が良うなかったでしょう」ち。... 「鑑定試料として照合できないようなもんやったんやないですか」と。こういう感じやったですよ。それから私がまた追い打ちかけて、「なら、合わんとやなくて合わせられんやったんですね」ち。最後はそういうようになったと思う。そしたらその通りとなったからですね。それで私はこれでいけるとこう思ったですね。」》…山方泰輔元捜査一課長の発言も酷いと思う。《科警研が使いすぎてしもうた》訳であり、再鑑定に回せないほどに貴重なサンプルを浪費したのは科警研である。無意識か、無能力か、恣意的かは分からないが、明らかな科警研のミスである。人一人を死刑にしているのだ。これをもってして、久間さんが犯人である、となぜ断定できるのか。
 《また、石山研究室のミトコンドリアを使ったDNA型の鑑定は第三者が検体にわずかに触れて手あかが付いただけでも、そのDNA型が検出されてしまう可能性があるほど鋭敏で繊細な方法だった。そのため判決では「採取した物の製造過程で人のDNAが混入した可能性や資料採取時に採取者等のDNAが混入した可能性も否定できない」とも指摘している》…これも変だ。コンタミがあったとしても、たとえ少量のDNAでも検出できるほどに感度が高ければ、久間さんのDNAも検出されるはずだ。久間さんのDNAがサンプル中に在ればだ。検出されていないにもかかわらず、他人の《DNAが混入》の可能性をもってして、何故に久間さんが犯人であると断定できるのか。意味不明だ。

 最後に、『ドキュメンタリー問答』の対談記事【ドキュメンタリー問答『正義の行方』「飯塚事件」を取材した圧巻のドキュメンタリー! 木寺一孝監督をお招きし大島新前田亜紀が作品の舞台裏に迫ります】(https://www.youtube.com/watch?v=I94Rfos-ARI)。

=====================================================
https://www.youtube.com/watch?v=I94Rfos-ARI

ドキュメンタリー問答『正義の行方』「飯塚事件」を取材した圧巻のドキュメンタリー!木寺一孝監督をお招きし大島新と前田亜紀が作品の舞台裏に迫ります
2024/05/03  #飯塚事件 #正義の行方 #大島新



飯塚事件」を取材した圧巻のドキュメンタリー『正義の行方木寺一孝監督をお招きして、たっぷりトーク!『なぜ君は総理大臣になれないのか』『国葬の日』大島新監督、『NO 選挙, NO LIFE前田亜紀監督による<ドキュメンタリー問答>を公開!

作り手たちによる作品論、ぜひご覧ください!

『正義の行方』2024/4/27(土)より[東京]ユーロスペースほか全国順次公開
死刑が執行されたいまも多くの謎につつまれた「飯塚事件
〈真実〉と〈正義〉がぶつかりあう圧巻のドキュメンタリー

1992年に福岡県飯塚市で2人の女児が殺害された「飯塚事件」。DNA型鑑定などにより犯人とされた久間三千年2008年に死刑が執行された。しかし冤罪を訴える再審請求が提起され、事件の余波はいまなお続いている。本作は、弁護士、警察官、そして新聞記者という立場を異にする当事者たちが語る〈真実〉と〈正義〉を突き合わせ、事件の全体像を多面的に描きながら、この国の司法の姿を浮き彫りにしていく

圧巻は、事件発生当初からの自社の報道に疑問を持ち、事件を検証する調査報道を進める西日本新聞社のジャーナリストたち。その姿勢は、マスメディアへの信頼が損なわれ、新聞やテレビなどの“オールドメディア”がビジネスモデルとしても急速に翳りを見せる今日、たしかな希望として私たちの心を捉える。ある記者は言う。「司法は信頼できる、任しておけば大丈夫だと思ってきたけど、そうではないとこのことこそ社会に知らせるべきだし、我々の使命だと思っています」

「飯塚事件」とは何だったのか? 私たちは自ら思考することを促され、深く暗い迷宮のなかで、人が人を裁くことの重さと向き合うことになるだろう。


『正義の行方』公式サイト
https://seiginoyukue.com/

#正義の行方
#飯塚事件 #木寺一孝 #大島新 #前田亜紀
=====================================================


コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●飯塚事件…《DNA鑑定などを根拠に逮捕された久間三千年は、06年最高裁で死刑が確定し、08年に急ぐように執行された。だが...》(政界地獄耳)

2024年05月11日 00時00分11秒 | Weblog

/ (20240430[])
冤罪で死刑執行飯塚事件。本当に漸く報じられるようになってきた。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/検証報道の重要さ知る骨太の映画「正義の行方~飯塚事件30年後の迷宮~」】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202404260000161.html)。《★1992年、福岡県飯塚市で2人の女児が登校中に行方不明になり、翌日殺害された「飯塚事件」。DNA鑑定などを根拠に逮捕された久間三千年(くまみちとし)は、06年最高裁で死刑が確定し、08年に急ぐように執行された。だが、事件は終わらなかった。翌年には冤罪(えんざい)の可能性を提起する再審請求が行われ、事件は再スタートを切った。この事件を警察、弁護士、地元新聞というそれぞれの立場の視点で3部構成にまとめられ放送したのが22年4月にNHKBSのドキュメンタリー「正義の行方 ~飯塚事件30年後の迷宮~」。》

 常に無実を訴え続けた久間三千年さんを冤罪で死刑執行してしまった飯塚事件。こんな理不尽なことが世の中にあるだろうか? 被害者やその遺族にも、あまりに失礼極まるのではないか。こんな正義》が許されるのか。#正義の行方。きちんと確認することもなく、気安く死刑執行にサインしたのは、当時、飯塚が地元の麻生太郎政権の森英介法相だ。《一貫して全面否認だったが、2006年に死刑判決が確定。08年に執行された》。僅か2年後に死刑執行。なぜ《急ぐように執行された》のか。もう一つ、足利事件のDNA鑑定問題との関係…《2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ》⇨《2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行》。なぜ、そんなに死刑執行を急いだのか? なぜ《急ぐように執行された》のか。両事件では同じDNA鑑定手法が使われていた。足利事件の再鑑定結果をなぜ待たなかったのか? 《2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず》。もう一点加えれば、木寺一孝監督「浮かばれないのは被害者の2人死刑が執行されたのに、もし犯人が別に存在するなら、遺族はどうすればいいのか」。真犯人を逃してしまったこと、さらには、被害者や遺族が居た堪れないこと、やるせないこと。検察や警察、政権の大きな罪だ。
 《「飯塚事件」とは何だったのか? 私たちは自ら思考することを促され、深く暗い迷宮のなかで、人が人を裁くことの重さと向き合うことになるだろう》。そして、マスコミ。《事件発生当初からの自社の報道に疑問を持ち、事件を検証する調査報道を進める西日本新聞社のジャーナリストたち》。《◆再審開始なら、死刑執行事件では史上初》。《◆デスクメモ …恣意的な捜査がえん罪を引き起こした最近の大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う》(東京新聞)。


【映画『正義の行方』特報予告(2024年4月27日㊏公開)】
 (https://youtu.be/mlLKQ26ZZzc

   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
     大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
       証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
       死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》

=====================================================
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202404260000161.html

コラム
政界地獄耳
2024年4月26日8時0分
検証報道の重要さ知る骨太の映画「正義の行方~飯塚事件30年後の迷宮~」

★1992年、福岡県飯塚市で2人の女児が登校中に行方不明になり、翌日殺害された「飯塚事件」。DNA鑑定などを根拠に逮捕された久間三千年(くまみちとし)は、06年最高裁で死刑が確定し、08年に急ぐように執行された。だが、事件は終わらなかった。翌年には冤罪(えんざい)の可能性を提起する再審請求が行われ、事件は再スタートを切った。この事件を警察、弁護士、地元新聞というそれぞれの立場の視点で3部構成にまとめられ放送したのが22年4月にNHKBSのドキュメンタリー「正義の行方 ~飯塚事件30年後の迷宮~」。同作は文化庁芸術祭大賞を受賞している。これが一本の映画として27日より東京、大阪、福岡を皮切りに公開される。

★カメラは捜査した福岡県警の警察官、弁護団、それを追い続けた西日本新聞社会部記者のそれぞれの立場の正義と真実を丁寧にひもとき、その時を振り返りながら、もう1度その判断や決定が合理的なものだったかを問う。するとそれぞれの正義と真実が少しずつずれていることに気付く。いずれも正義を担保する真実もあるがかみ合わない。

★30年前、この事件報道をリードしていた新聞記者が、18年から2年にわたり、検証の連載を開始する。何が本当か、何が真実か。正義を貫こうとする三者が三様の思いで事件を振り返る。誰もがそれぞれの仕事を“正義”として受け止め真実を探す努力をしているものの、いくつかのほころびもある。謎に包まれた事件の霧は晴れるのか。渾身(こんしん)のドキュメンタリーとともに、オールドメディアと思われている新聞の検証力と事件は警察からの情報以外に判断材料がない中で記事を出す覚悟や意味まで掘り下げる。現代社会の持つゆがみやずれが映像化されたことで胸に迫る迫力に真実が垣間見える。骨太の映画であり、検証報道の重要さを知った。ドラマのような展開だが、真実を探す映画だった。(K)※敬称略
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●人質司法…《保釈請求…東京地裁も却下。否認を貫く相嶋さんに妻が「うそをついて自白して、拘置所から出よう」と頼んだが、首を縦に振らなかった》

2024年04月13日 00時00分39秒 | Weblog

[↑ 大川原化工機の訴訟 検察・警察の捜査「違法」東京地裁 都と国に賠償命令 (朝日新聞、2023年12月28日(木))]


(2024年03月26日[火])
無罪主張するほど保釈されない人質司法の大罪。相嶋静夫さんのご遺族の主張が認められず…東京地裁・男沢聡子裁判長殿、一体どういうことですか? 何度請求しても、保釈を認めなかった裁判所も、あまりに杜撰で冷酷。勾留後に亡くなった1人の命は戻らない。しかも、東京地裁・男沢聡子裁判長は、《勾留中に判明したがんで死亡した相嶋静夫さん》の《遺族の請求棄却》。《人質司法の残虐性が「病気」ではっきり現れる》。そもそも、推定無罪の原則はどこに行ってしまったのか? しかも、冤罪で不当に囚われ、まともな医療も受けられないのではあまりにデタラメ過ぎやしまいか。

 人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機でっち上げ事件大川原正明社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという青木理さん。不当に長期にわたり囚われ、冤罪が晴らされる前にお亡くなりになった顧問の相嶋静夫さんの命はもはや取り戻せない。「起訴取り消しによる名誉回復すら見届けられず亡くなった」、《人質司法の残虐性が「病気」ではっきり現れる》。冤罪で罪を犯していなければ、《罪を認め》る訳がない…《罪を認めなければ長期に身柄拘束される「人質司法」》の前近代的なデタラメ司法。
 (東京新聞)《保釈請求もしたが、検察は罪証隠滅の恐れがあると主張し、東京地裁も却下否認を貫く相嶋さん妻がうそをついて自白して、拘置所から出ようと頼んだが、首を縦に振らなかった》そうだ。《保釈請求は8回に上ったが認められなかった》…検察と共に、裁判所も本当に酷過ぎる。《長男は相嶋さんの遺影を前に「父はがん判明後も尊厳を踏みにじられ、最悪な最期を迎えてしまった残念だ」と涙交じりに語った》そうだが、検察・裁判所の加害者は何も感じないのかね?

 (鈴木耕さん)《日本司法の異常さが世界からの批判の的になっているということを、国連ですら認めているのだ。よく言われるように「日本の常識は世界の非常識」の実例である》…それ故の犠牲者がまたしても。再審法改正も進まず。低「民度」なニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的代用監獄人質司法》…さらに、司法取引…。

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
       代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
   『●《えっ、じゃあ日本はフランスより民度が高いの?》(鈴木耕さん)
                 …金(カネ)色の五つの輪と刑事司法等々

 東京新聞の【<社説>勾留中の医療 早期の保釈を認めねば】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/317103?rct=editorial)、《「大川原化工機」の冤罪(えんざい)事件を巡り、東京地裁は「被告のまま死亡した同社元顧問の遺族への賠償を認めなかった。元顧問は勾留中に胃がんと判明したが、保釈が認められなかった。刑事施設での医療に第三者監査を入れるなど仕組みを抜本的に改めるべきだ》。

   『●人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機の
     大川原社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという》青木理さん
   『●大川原化工機事件…でっち上げ事件、《勾留後に亡くなった1人を
     含め、会社側は起訴取り消しになっても大きな不利益を被りました》
   『●日刊ゲンダイ【辛口の経済評論家 佐高信氏が「いい会社」と就活生に
     薦めたい企業3社】《城南信用金庫…久遠チョコレート…大川原化工機》
   『●男性警部補「捏造ですね」…とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち
     上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない
   『●大川原化工機事件は公安によるでっち上げ…《警視庁公安部が捜査し、
     公判直前に起訴が取り消された事件…現職警部補が「事件は捏造」と証言》
   『●《警察と検察が事件を捏造して、無辜の人たちを犯罪者に仕立て上げる。
     …大川原化工機の例は、この国がすでに“新しい戦前化”している…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠…《女性検事は淡々と、「起訴当時の判断を
     間違っているとは思っていない。謝罪する気持ちなどない」と答えた》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国賠…《13年前の「正義の検事」が“冤罪”
       事件で謝罪拒む》、実は郵便不正事件当時も《問題検事》だった模様
   『●大川原化工機でっち上げ事件国賠訴訟…当然の勝訴判決ではあるが、《勾留
      後に亡くなった1人》の命は戻らないし、あまりに《大きな不利益》…
   『●大川原化工機捏造事件国賠、謝罪や責任を問うこともなく《国と東京都
     が控訴》…大川原正明社長「あきれた」「やっぱりか」「まだやるのか」
   『●大川原化工機でっち上げ事件:青木理さん《見込み捜査と強い政治性を特徴
     とする警備公安警察のゆがみが如実にあらわれた例として、大きな批判…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠、国と都が控訴…《今回の事件は、日本の警
     察、検察、裁判所がいかなるものかを浮き彫りにしている》(長周新聞)
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
     死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
    《◆デスクメモ …恣意的な捜査がえん罪を引き起こした最近の
     大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う》。

   『●東京地裁・男沢聡子裁判長殿、一体どういうことですか? 大川原化工機冤
     罪事件「起訴取り消しによる名誉回復すら見届けられず亡くなった」のに…
   『●ニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
      …《法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが…
    《◆無罪主張するほど保釈されない「人質司法」問題

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/317103?rct=editorial

<社説>勾留中の医療 早期の保釈を認めねば
2024年3月25日 06時54分

 「大川原化工機」の冤罪(えんざい)事件を巡り、東京地裁は「被告のまま死亡した同社元顧問の遺族への賠償を認めなかった。元顧問は勾留中に胃がんと判明したが、保釈が認められなかった。刑事施設での医療に第三者監査を入れるなど仕組みを抜本的に改めるべきだ。

 元顧問は社長らとともに2020年3月、噴霧乾燥機を不正輸出したとの外為法違反容疑で逮捕された。勾留中に体調を崩し、外部の病院で診察を受けたいと保釈を求めたが、認められなかった

 同年10月、拘置所での内視鏡検査で悪性腫瘍と判明。外部の病院での治療を求めたが、認められたのは8時間の勾留停止だけ。大学病院での診察で「進行胃がん」と診断されたが、その直後の保釈請求も認められなかった

 勾留の執行停止は同年11月。すでに肝臓にがんが転移する末期状態で、翌21年2月に「被告のまま死亡した。保釈請求は8回にも上っていた

 この事件は同年7月、社長らの起訴が異例の取り消しとなり、冤罪だったことが判明。こうした経緯から元顧問の遺族が「拘置所には適切に治療し、早期に入院させる義務を怠る違反があった」などとして国を訴えていた。

 東京地裁は「20年10月1日時点で外部病院と調整を始めている」などとして、拘置所の医師に治療義務などの違反が認められない遺族の訴えを退けた

 しかし、勾留中でも病気なら一般人と同等の医療が受けられるべきだ。拘置所では人的・物的設備に限りがある。「進行がん」と診断されながら裁判所が保釈を認めないのは常識から外れている

 否認すれば長期の身柄拘束が続く「人質司法」により、命が軽んじられたとしたら許し難い。

 拘置所など刑事施設での医療を巡り、かつて日弁連は第三者による検証制度や刑事施設での医療を法務省から厚生労働省に移管するなどの抜本的改革を求めたが、いまだに実現していない。

 すでにフランスや英国では刑事施設での医療の質を向上させるため、監督権限を保健省などに移管したという。日本も見習うべきであり、少なくとも第三者の監査が働く仕組みの導入は不可避だ

 ましてや勾留中は「無罪推定の原則が働く。早期の保釈と適切な医療の保障は、当然の権利と考える。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●誠実さのかけらもない財務省《存否を明らかにせずに不開示決定》、それを支持する裁判所…法的拘束力のない答申ではあるが総務省の審査会が正論

2024年04月07日 00時00分09秒 | Weblog

[※ 2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日というトリガー(『報道特集』、2021年06月26日)↑]


(2024年04月02日[火])
誠実さのかけらもない財務省、《存否を明らかにせずに不開示決定》、そして、それを裁判所が支持する冷酷。

   『●赤木雅子さんが大阪高裁に控訴: デタラメの連鎖…《権力による事実の
      隠蔽》「認諾」、公文書「不開示」、《佐川元理財局長の尋問認めず》
    (東京新聞)【<社説>森友文書判決 「不開示」で真相隠すな】
     《学校法人森友学園を巡る文書不開示決定の取り消しを求めた
     裁判で、大阪地裁は国の対応を適法とした。公文書改ざんの
     真相を闇に埋もれさせる判決だ文書「不開示」は決して
     許されない国有地の約8億円の値引きから始まった森友問題。
     財務省の報告書には改ざんの指揮系統などに関する記載はなく、
     開示された「赤木ファイル」には黒塗り部分が約400カ所も
     
あった。肝心な部分は隠されて不明のままだ

 川内博史さん《裁判所は、権力への忖度をすべきではない権力への奉仕ではなく民主主義に奉仕すべき》と。古賀茂明さんも《あまりにも酷い》《信じ難い判決》《日本の司法は、一般市民の側には立たないことがよくわかる》《この資料を公開すると、どれだけ財務省や自民党政権に都合が悪い情報が出てくるのか》《裁判所が権力のためになりふり構わず尽くす》《やはり自民党政権と霞ヶ関を守る用心棒なのだ》と。
 大阪高裁への当然の控訴。でも、大阪高裁でも絶望的な気分...。

   ●大阪地裁は《検察の捜査手法などが推測されると「同種事件で罪証隠滅が
      容易になる可能性がある」などと指摘し、不開示決定は妥当と結論…》

 デタラメにも、2023年9月、大阪地裁・徳地淳裁判長は《検察の捜査手法などが推測されると同種事件で罪証隠滅が容易になる可能性があるなどと指摘し、不開示決定は妥当と結論づけた》(アサヒコム)。
 再度の引用。山本逸生記者による、アサヒコムの記事【赤木さん妻側、財務相や元検事の尋問請求 森友文書不開示巡る控訴審】(https://www.asahi.com/articles/ASS3W25CWS3WPTIL00LM.html?iref=pc_ss_date_article)によると《雅子さん側はこの日の弁論で、元東京地検検事の郷原信郎弁護士の尋問も請求。文書の内容が公になったとしても、同種事件の捜査に支障は生じないことを明らかにしたいとした。また、俊夫さんが改ざんの経緯をまとめた「赤木ファイル」や、同局の決裁文書などが地検に提出されたことは周知の事実だとし、「存否の回答を拒否することは許されない」と改めて主張した》。

 誠実さのかけらもない財務省《存否を明らかにせずに不開示決定》、そして、それを支持する大阪地裁…法的拘束力のない答申ではあるが、総務省の審査会が正論。《総務省情報公開・個人情報保護審査会が不開示決定を取り消し、存否を明らかにして改めて決定を出すべきだとする答申書を財務省に出した審査会は存否を明らかにしても捜査内容や捜査機関の関心事項が推知されるとは言えないとした》…まさに正論。
 東京新聞の記事【総務省審査会、存否明示せず不当 財務省決裁文書改ざんで答申書】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/318692)。《財務省が2021年10月、決裁文書改ざん問題の関連文書の情報公開請求に対して存否を明らかにせずに不開示決定を出したのは不当として、総務省情報公開・個人情報保護審査会が不開示決定を取り消し、存否を明らかにして改めて決定を出すべきだとする答申書を財務省に出したことが1日、分かった。3月29日付。改ざんを苦に自殺した近畿財務局の元職員赤木俊夫さん=当時(54)=の妻雅子さん(53)が開示請求し、不開示決定を受けて審査請求していた。法的拘束力はなく、財務省は「対応を検討する」とコメントした。審査会は存否を明らかにしても捜査内容や捜査機関の関心事項が推知されるとは言えないとした》。
 山本逸生記者による、アサヒコムの記事【森友文書、財務省の非開示決定は「理由ない」 総務省の審査会が答申】(https://www.asahi.com/articles/ASS413W2TS41PTIL00HM.html?iref=pc_ss_date_article)。《学校法人森友学園国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん問題改ざんを強いられ、自死した近畿財務局職員の赤木俊夫さん(当時54)の妻雅子さん(53)が行政文書の開示を求めたところ、存否も明かさずに不開示とした同省の決定について、総務省の情報公開・個人情報保護審査会が取り消すよう答申したことがわかった》。

   『●またしても、《公文書改ざんを苦に自殺した夫の死の真相を明らかにして
      ほしい――。(赤木)雅子さんの切なる願いは裁判所に届かなかった》
   『●赤木雅子さんが大阪高裁に控訴: デタラメの連鎖…《権力による事実
     の隠蔽》「認諾」、公文書「不開示」、《佐川元理財局長の尋問認めず》
   『●赤木俊夫さんの死の真相の解明を! 森友問題の公文書を開示したり、元
     理財局長・佐川宣寿氏が法廷で証言すると、何か拙いことでもあるのか?
   『●赤木雅子さん《1%でも勝てる可能性があるんだったら、諦めたくあり
      ません。…夫が亡くなった理由を知りたい。ただ、それだけです》
   『●赤木俊夫さんが肌身離さず持っていた「国家公務員倫理カード」には
      「倫理行動規準セルフチェック」として5つの項目が書かれている
   『●赤木雅子さん「また見捨てられたという気持ちがした。夫が受けたつらい、
      つらい思いを考えると負けていられない。裁判を続けるしか私には…」
   『●赤木雅子さん「自民党以外の人が財務大臣になったら、全てを調査し直し
      て、本当のことを明らかにしてもらえる」はずだ…政権交代が希望の光
    《そして、こうも付け加えた。「自民党以外の人が財務大臣に
     なったら、全てを調査し直して、本当のことを明らかにして
     もらえるのではないかと考えることもあります」と。私は、
     その言葉を聞いて、そのとおりだと思った。裏金疑惑で絶体絶命の
     ピンチにある自民党政権が倒れて政権交代が起きれば、雅子さんの
     夢が叶うかもしれない。私は、心の底からそうなることを祈っている

   『●あのタンカが引き金なのに、アベ様は「改ざんのターニングポイントとなっ
     たのは2月17日の発言だったとは手記のなかには(書かれて)ない」と…
    「【ザ!世界仰天ニュース 命をかけた赤木ファイル“文書改ざん”
     の謎/日テレ】…〝2017年2月17日のアベ様のタンカ〟以降、
     何が起きたのか? 日テレで「ニュース」として報じられたことに
     大変な驚き。まさに《仰天》! #赤木俊夫さんを忘れない。」

   ●大阪地裁は《検察の捜査手法などが推測されると「同種事件で罪証隠滅が
      容易になる可能性がある」などと指摘し、不開示決定は妥当と結論…》

=====================================================
https://www.asahi.com/articles/ASS413W2TS41PTIL00HM.html?iref=pc_ss_date_article

森友文書、財務省の非開示決定は「理由ない」 総務省の審査会が答申
山本逸生 2024年4月1日 21時26分

     (故赤木俊夫さんの妻の雅子さん=2022年11月25日
      午後3時36分、大阪市北区、飯塚悟撮影)

 学校法人森友学園国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん問題改ざんを強いられ、自死した近畿財務局職員の赤木俊夫さん(当時54)の妻雅子さん(53)が行政文書の開示を求めたところ、存否も明かさずに不開示とした同省の決定について、総務省の情報公開・個人情報保護審査会が取り消すよう答申したことがわかった。3月29日付で、雅子さん側の代理人が明らかにした。


  赤木さん妻側、財務相や元検事の尋問請求 森友文書不開示巡る控訴審


 雅子さんは2021年8月、財務省が大阪地検に任意提出した文書などの開示を求めたが、捜査への支障を理由に不開示とされたため、同省に不服申し立てをしていた。

 審査会は答申で「存否を答えても、判明するのは財務省が文書を提出した事実の有無などにとどまり、そのことは一般に想定されている事柄だ」と指摘。捜査に支障はないとして、同省の決定には「相当の理由がない」と結論づけた。

 雅子さん側代理人の坂本団弁護士は朝日新聞の取材に、「当然の結論ではあるが、正しい判断をしてくれた。財務省には速やかに不開示決定を取り消し、文書開示をするよう求める」と話した。

 不開示決定を巡っては、雅子さんが裁判でも国に取り消しを求めて係争中。昨年9月の一審・大阪地裁は、同種事件で罪証隠滅が容易になる可能性があるとして決定は妥当と判断したため、雅子さん側が控訴した。(山本逸生)
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●ニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》…《法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが…

2024年04月03日 00時00分42秒 | Weblog

[↑ 大川原化工機の訴訟 検察・警察の捜査「違法」東京地裁 都と国に賠償命令 (朝日新聞、2023年12月28日(木))]


/ (2024年03月24日[日])
人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機でっち上げ事件大川原正明社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという青木理さん。不当に長期にわたり囚われ、冤罪が晴らされる前にお亡くなりになった顧問の相嶋静夫さんの命はもはや取り戻せない。「起訴取り消しによる名誉回復すら見届けられず亡くなった」、《人質司法の残虐性が「病気」ではっきり現れる》。冤罪で罪を犯していなければ、《罪を認め》る訳がない…《罪を認めなければ長期に身柄拘束される「人質司法」》の前近代的なデタラメ司法。
 (鈴木耕さん)《日本司法の異常さが世界からの批判の的になっているということを、国連ですら認めているのだ。よく言われるように「日本の常識は世界の非常識」の実例である》…それ故の犠牲者がまたしても。再審法改正も進まず。低「民度」なニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的代用監獄人質司法》…さらに、司法取引…。

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
       代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
   『●《えっ、じゃあ日本はフランスより民度が高いの?》(鈴木耕さん)
                 …金(カネ)色の五つの輪と刑事司法等々

 山田祐一郎記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/冤罪はなぜ起こる?どうしたら防げる? 無罪判決にかかわった裁判官出身弁護士が異色の学術書「冤罪学」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/316287)。《◆無罪主張するほど保釈されない「人質司法」問題 冤罪を強く意識するようになったのは、大阪地検特捜部が捜査した業務上横領事件で逮捕、起訴された不動産会社「プレサンスコーポレーション」元社長の冤罪事件だ。…事件で元社長が逮捕から保釈まで身体拘束された日数は248日裁判で無罪を主張するほど保釈されない人質司法の問題を目の当たりにした。「努力して得た地位や財産、人間関係が勾留の理由とされてしまった。こんな理不尽なことがあるのか」》。
 《冤罪は最大の不条理》《対立構造だけでなく、捜査機関と弁護側、裁判所が協力し合える部分があるとし、法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが、捜査機関や裁判所にそういう意識があるだろうか?

   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
     死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》

   『●人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機の
     大川原社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという》青木理さん
   『●大川原化工機事件…でっち上げ事件、《勾留後に亡くなった1人を
     含め、会社側は起訴取り消しになっても大きな不利益を被りました》
   『●日刊ゲンダイ【辛口の経済評論家 佐高信氏が「いい会社」と就活生に
     薦めたい企業3社】《城南信用金庫…久遠チョコレート…大川原化工機》
   『●男性警部補「捏造ですね」…とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち
     上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない
   『●大川原化工機事件は公安によるでっち上げ…《警視庁公安部が捜査し、
     公判直前に起訴が取り消された事件…現職警部補が「事件は捏造」と証言》
   『●《警察と検察が事件を捏造して、無辜の人たちを犯罪者に仕立て上げる。
     …大川原化工機の例は、この国がすでに“新しい戦前化”している…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠…《女性検事は淡々と、「起訴当時の判断を
     間違っているとは思っていない。謝罪する気持ちなどない」と答えた》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国賠…《13年前の「正義の検事」が“冤罪”
       事件で謝罪拒む》、実は郵便不正事件当時も《問題検事》だった模様
   『●大川原化工機でっち上げ事件国賠訴訟…当然の勝訴判決ではあるが、《勾留
      後に亡くなった1人》の命は戻らないし、あまりに《大きな不利益》…
   『●大川原化工機捏造事件国賠、謝罪や責任を問うこともなく《国と東京都
     が控訴》…大川原正明社長「あきれた」「やっぱりか」「まだやるのか」
   『●大川原化工機でっち上げ事件:青木理さん《見込み捜査と強い政治性を特徴
     とする警備公安警察のゆがみが如実にあらわれた例として、大きな批判…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠、国と都が控訴…《今回の事件は、日本の警
     察、検察、裁判所がいかなるものかを浮き彫りにしている》(長周新聞)
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
     死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
    《◆デスクメモ …恣意的な捜査がえん罪を引き起こした最近の
     大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う》。
   『●東京地裁・男沢聡子裁判長殿、一体どういうことですか? 大川原化工機冤
     罪事件「起訴取り消しによる名誉回復すら見届けられず亡くなった」のに…

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/316287

こちら特報部
冤罪はなぜ起こる?どうしたら防げる? 無罪判決にかかわった裁判官出身弁護士が異色の学術書「冤罪学」
2024年3月21日 12時00分

 どうすれば「冤罪(えんざい)」を防ぐことができるのか。弁護士の西愛礼(よしゆき)さん(32)は、過去に冤罪となったケースを分析し、原因と再発防止を学ぶ取り組みを続けている。裁判官としても、弁護士としても刑事裁判の無罪判決にかかわり、冤罪に対する問題意識を強めたのをきっかけに昨年、冤罪を客観的、体系的に学ぶための書籍冤罪学 冤罪に学ぶ原因と再発防止」(日本評論社)を出版した。(山田祐一郎

    (「冤罪は最大の不条理」と語り、原因究明と再発防止の
     必要性を訴える西愛礼弁護士=東京都千代田区で)


◆6人に無罪判決「知っているのは法廷の自分たちだけ」という不安

 「同じことが起きるのでないか」。2016年に千葉地裁判事補となり、合議体の左陪席として3年間で計6人に無罪判決を言い渡した。裁判員裁判対象事件もあったが、傍聴人が被害者や被告の関係者しかいない事件もあった。「マスコミもおらず、判例集にも載らない。逮捕した警察も知らないかもしれない。無罪を知っているのはこの場にいる自分たちだけではないか」との思いを抱いた。

 「原因を検証しなければ、被告が味わった苦痛が繰り返される」と思う半面、「自分一人では何もできない」という無力感もあった。6人の無罪判決は、中立的に判断した結果だったが、このときの経験が今の活動につながっているという。


◆無罪主張するほど保釈されない「人質司法」問題

 冤罪を強く意識するようになったのは、大阪地検特捜部が捜査した業務上横領事件で逮捕、起訴された不動産会社「プレサンスコーポレーション」元社長の冤罪事件だ。

 21年に弁護士として活動を始めた西さんは、事件の弁護団に加わった。同年10月、元社長は大阪地裁で無罪判決を受け、検察側が控訴を断念して確定した。

 事件で元社長が逮捕から保釈まで身体拘束された日数は248日。裁判で無罪を主張するほど保釈されない人質司法の問題を目の当たりにした。「努力して得た地位や財産、人間関係が勾留の理由とされてしまった。こんな理不尽なことがあるのか


◆教訓を知識化「学問として客観的・体系的に学べる書籍に」

 事件を機に、冤罪をなくすため、まずは過去の冤罪事件の研究を始めた。「個別の冤罪事件についての論評は多くあるが、それを集積したものがなく、想像していた以上に大変だった」。冤罪が時代を経ても再生産される構造を変えるには、過去の事件から得られる教訓の知識化が必要と感じた。「主観的、体験的ではなく、学問として客観的、体系的に学べる書籍を目指した」と約2年かけて「冤罪学」を書き上げた。

 冤罪は捜査機関が出発点となり、原因の比重は大きいが、弁護士や裁判官が問題となる事案もあるとし、著書ではそれぞれの立場で冤罪を生み出すメカニズムを中立的に解説する。「誰しも先入観や偏見があり、人は誰でも間違えるという前提に立たないといけない。一つの機関だけでなく、すべての機関が危機意識を持つ必要がある


◆法曹三者に期待「冤罪を学び、冤罪から学んで」

 強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審公判が始まったほか、生物兵器製造に転用可能な装置を無許可で輸出したとして、警視庁が外為法違反容疑で「大川原化工機」(横浜市)の社長らを逮捕後、起訴が取り消されるなど、近年も冤罪を巡る動きは絶えない。「いずれの事件もこのまま検証されないのではという懸念がある。また、検証しても個人のミスや一部の部署の内部不正として矮小(わいしょう)されては再発防止につながらない」と強調する。

 「冤罪は最大の不条理だ持っていたものを失う一方で、何もしていないのに疑いを晴らすためには、とてもエネルギーがいる」と冤罪防止の重要性を訴える。対立構造だけでなく、捜査機関と弁護側、裁判所が協力し合える部分があるとし、法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」ことを期待する。


【関連記事】「公安」が受けた警視総監賞「冤罪」で返納 大川原化工機事件で 担当者の処分は否定
【関連記事】被害者が「冤罪の共通点」を語った…袴田事件と大川原化工機事件 半世紀以上変わらぬ長期拘束、自白強要、イジメ
【関連記事】大川原化工機社長「あきれた」そして「やっぱりか」 国と東京都が控訴 警察庁長官が語ったのは…
【関連記事】警察官も新聞記者も「葛藤」を抱えて…死刑執行された飯塚事件 再審請求で示される「正義の行方」は
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●東京地裁・男沢聡子裁判長殿、一体どういうことですか? 大川原化工機冤罪事件「起訴取り消しによる名誉回復すら見届けられず亡くなった」のに…

2024年04月02日 00時00分08秒 | Weblog

[↑ 大川原化工機の訴訟 検察・警察の捜査「違法」東京地裁 都と国に賠償命令 (朝日新聞、2023年12月28日(木))]


(20240322[])
大川原化工機でっち上げ事件。あまりに酷い冤罪事件というか、公安警察・検察によるでっち上げ事件・捏造事件。何度請求しても、保釈を認めなかった裁判所も、あまりに杜撰で冷酷。勾留後に亡くなった1人の命は戻らない。しかも、東京地裁・男沢聡子裁判長は、《勾留中に判明したがんで死亡した相嶋静夫さん》の《遺族の請求棄却》。

   『●人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機の
     大川原社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという》青木理さん
   『●大川原化工機事件…でっち上げ事件、《勾留後に亡くなった1人を
     含め、会社側は起訴取り消しになっても大きな不利益を被りました》
   『●日刊ゲンダイ【辛口の経済評論家 佐高信氏が「いい会社」と就活生に
     薦めたい企業3社】《城南信用金庫…久遠チョコレート…大川原化工機》
   『●男性警部補「捏造ですね」…とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち
     上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない
   『●大川原化工機事件は公安によるでっち上げ…《警視庁公安部が捜査し、
     公判直前に起訴が取り消された事件…現職警部補が「事件は捏造」と証言》
   『●《警察と検察が事件を捏造して、無辜の人たちを犯罪者に仕立て上げる。
     …大川原化工機の例は、この国がすでに“新しい戦前化”している…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠…《女性検事は淡々と、「起訴当時の判断を
     間違っているとは思っていない。謝罪する気持ちなどない」と答えた》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国賠…《13年前の「正義の検事」が“冤罪”
       事件で謝罪拒む》、実は郵便不正事件当時も《問題検事》だった模様
   『●大川原化工機でっち上げ事件国賠訴訟…当然の勝訴判決ではあるが、《勾留
      後に亡くなった1人》の命は戻らないし、あまりに《大きな不利益》…
   『●大川原化工機捏造事件国賠、謝罪や責任を問うこともなく《国と東京都
     が控訴》…大川原正明社長「あきれた」「やっぱりか」「まだやるのか」
   『●大川原化工機でっち上げ事件:青木理さん《見込み捜査と強い政治性を特徴
     とする警備公安警察のゆがみが如実にあらわれた例として、大きな批判…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠、国と都が控訴…《今回の事件は、日本の警
     察、検察、裁判所がいかなるものかを浮き彫りにしている》(長周新聞)
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
     死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
    《◆デスクメモ …恣意的な捜査がえん罪を引き起こした最近の
     大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う》。

 東京新聞の記事【警視庁捜査員を刑事告発へ 大川原化工機側、外為法違反事件】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/316227)によると、《「大川原化工機」の社長らが生物兵器製造に転用可能な装置を無許可で輸出したとする外為法違反罪などに問われ、起訴が取り消された外為法違反事件を巡り、同社幹部の弁解録取書に虚偽の内容を記し発覚後にシュレッダーにかけて破棄したとして、同社側が公文書毀棄などの疑いで捜査当時の警視庁公安部の捜査員らを今月中にも警視庁に刑事告発する方針を固めたことが20日、関係者への取材で分かった。事件を巡っては、東京地裁が昨年末、東京地検と警視庁の捜査の違法性を認定し、国と東京都に計約1億6千万円の賠償を命じた。国と都、同社側が控訴している》。

 東京地裁・男沢聡子裁判長殿、一体どういうことですか? 「起訴取り消しによる名誉回復すら見届けられず亡くなった」、《人質司法の残虐性が「病気」ではっきり現れる》。冤罪で罪を犯していなければ、《罪を認め》る訳がない…《罪を認めなければ長期に身柄拘束される「人質司法」》の前近代的なデタラメ司法。
 山田雄之記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/「拘置所だから」医療の質が低くてもいいのか 冤罪と病に苦しみながら亡くなった男性の息子の涙と怒り】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/315858?rct=tokuhou)によると、《「大川原化工機」(横浜市)の機械輸出を巡る冤(えん)罪事件で、勾留中に体調を崩し「被告」のまま亡くなった元顧問の親族が拘置所医療の改善を訴えて国に損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、東京地裁である。判決を前に、国際的な人道ルールからみて不十分な刑事施設の医療の在り方罪を認めなければ長期に身柄拘束される「人質司法」との関係を考えた。(山田雄之)》。
 東京新聞の記事【「大川原化工機」遺族の請求棄却 拘置所の医療対応、不適切と主張】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/316410)、《外為法違反の罪に問われた社長らの起訴が取り消された「大川原化工機」の元顧問で、勾留中に判明したがんで死亡した相嶋静夫さん=当時(72)=の遺族が、拘置所の対応が不適切だったとして国に計1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(男沢聡子裁判長)は21日、請求を棄却した》。
 ご遺族は《◆「父が死ぬのを待っているんだな」と感じた》そうだ。何度請求しても、保釈を認めなかった東京地裁を庇うがごとくの東京地裁ヒラメ裁判官・男沢聡子裁判長。《「池添徳明氏…。「日本の裁判官は上(最高裁)の方ばかり見ているヒラメ裁判官がほとんどだ」》。《保釈請求もしたが、検察は罪証隠滅の恐れがあると主張し、東京地裁も却下否認を貫く相嶋さん妻がうそをついて自白して、拘置所から出ようと頼んだが、首を縦に振らなかった》そうだ。《保釈請求は8回に上ったが認められなかった》…検察と共に、裁判所も本当に酷過ぎる。《長男は相嶋さんの遺影を前に「父はがん判明後も尊厳を踏みにじられ、最悪な最期を迎えてしまった残念だ」と涙交じりに語った》そうだが、検察・裁判所の加害者は何も感じないのかね?

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/315858?rct=tokuhou

こちら特報部
「拘置所だから」医療の質が低くてもいいのか 冤罪と病に苦しみながら亡くなった男性の息子の涙と怒り
2024年3月19日 12時00分

 「大川原化工機」(横浜市)の機械輸出を巡る冤(えん)罪事件で、勾留中に体調を崩し「被告」のまま亡くなった元顧問の親族が拘置所医療の改善を訴えて国に損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、東京地裁である。判決を前に、国際的な人道ルールからみて不十分な刑事施設の医療の在り方罪を認めなければ長期に身柄拘束される「人質司法」との関係を考えた。(山田雄之


◆「父が死ぬのを待っているんだな」と感じた

     (相嶋静夫さんが拘置所で記録していたメモ。
      「貧血」「便が出ない」と体調不良を訴える言葉が
      並ぶ=相嶋さんの長男提供)

 「ただごとではない状態なのに治療が一向に始まらず、父が死ぬのを待っているんだなと感じた。現在の拘置所医療を追認するようなことはあってはいけないんです」。大川原化工機の顧問だった相嶋静夫さんの長男(50)は3月上旬、判決を前に東京都内で開いた会見でこう語った。

 相嶋さんは2020年3月、外為法違反容疑で社長らと逮捕された。粉ミルクや粉末コーヒーの生産に使われる噴霧乾燥機の開発に技術者として長年携わってきた。逮捕前の任意聴取の段階から「軍事転用はできない」と訴え続けていたという。


◆貧血、血便…がんが分かっても保釈されず

 2度の起訴を経て東京拘置所に勾留されていた9月下旬、相嶋さんに異変が。貧血を発症し、黒い便が出た。もともと高血圧や糖尿病などの既往症があった。本人が拘置所で記録した当時のメモには「体に力が入らない」「少食です」と不調を訴える言葉が並ぶ。

     (相嶋さんの遺影を前に記者会見する長男(右)。
      左は大川原化工機の大川原正明社長=2023年12月、
      東京・霞が関の司法記者クラブで)

 10月1日の検査で胃に大きながんを発見。弁護人が外部病院での診療を拘置所に申し入れたが、なかなか聞き入れられなかった。16日になり、8時間だけの勾留執行停止を受け、大学病院で進行胃がんと診断された。保釈請求もしたが、検察は罪証隠滅の恐れがあると主張し、東京地裁も却下否認を貫く相嶋さん妻がうそをついて自白して、拘置所から出ようと頼んだが、首を縦に振らなかった

 11月5日、ようやく再びの勾留執行停止となり、入院できたが肝臓に転移があり、すでに末期だった。自力で立ち上がれずに車いすで移動する状況で、抗がん剤治療を受ける体力も無かった。21年2月、相嶋さんは「被告のまま72歳で亡くなった逮捕から11カ月保釈請求は8回に上ったが認められなかった


◆「一般と同水準の医療を受けられていたら…」

 死亡から5カ月後、東京地検は「犯罪に当たるか疑義が生じた」として相嶋さんらへの起訴を取り消した。そして東京地裁は昨年12月、警視庁と東京地検の逮捕・起訴を巡る国賠訴訟の判決で東京都と国に賠償を命じた

     (大川原化工機が製造した噴霧乾燥機と大川原正明社長
      =横浜市都筑区で)

 地裁は判決で、体調に異変があった相嶋さんが直ちに医療機関を受診できず、さらに勾留執行停止という不安定な立場で治療を受けざるを得なかったと言及した。直後の会見で、長男は相嶋さんの遺影を前に「父はがん判明後も尊厳を踏みにじられ、最悪な最期を迎えてしまった残念だ」と涙交じりに語った。

 捜査を巡る国賠訴訟に続き22年に起こされていたのが、今回の拘置所医療の改善を求める国賠訴訟だ。長男らの代理人を務める高田剛弁護士は「拘置所で一般の人と同水準の医療を受けられていたら、こんなにも早く相嶋さんは他界しなかったのではないか」と話す。


◆国側「患者の自己決定権制約はやむを得ない」

 訴状などによると、原告側は、拘置所には相嶋さんに適切に治療し、病状などを説明したり、早期に入院させたりする義務を怠る違反があったと主張。裁判で明らかになった相嶋さんのカルテによれば、20年7月の拘置所移送直後の血液検査で既にヘモグロビンの値が世界保健機関(WHO)診断基準で「貧血状態」だったという。長男は「7月時点で精密検査をしていれば、早期に治療できた。拘置所だから、医療の質が低くても仕方ないでは今後も同じような被害が起きる」と訴える。

 一方、請求棄却を求める国側は「拘禁の性質上、医療に関する患者の自己決定権はある程度制約される場合があることはやむを得ない」「必ずしも希望する通りの医療行為がされるものではない」と反論。また相嶋さんのような「貧血状態」の血液の値を示すことは「拘置所の高齢者にはよく見られる」として、精密検査をせずに「経過観察」とした医師の判断には「不合理な点は認められない」としている。


◆拘置所での医療は「受刑に耐えさせるため」

     (相嶋さんが勾留された東京拘置所=東京都葛飾区で、
      本社ヘリ「おおづる」から(2020年5月撮影))

 双方の主張の対立について、拘置所など矯正施設に詳しい龍谷大の赤池一将教授(刑事法学)は「医療の目的が、刑事施設の中と一般社会では全く異なる現状がある」と指摘する。赤池氏は、法務省矯正局の幹部から「施設での医療目的は受刑に耐えさせるための健康維持であって、被収容者本人のためではない」と言われたという。

 赤池氏が特に問題視するのは、被収容者の処遇を定めた刑事収容施設法の62条3項。「刑事施設の長は、やむを得ないときは被収容者を刑事施設の外の病院に入院させることができる」との規定だが、赤池氏は「医療の主体が患者や医師ではなく施設長になっていることは非常に違和感がある。『やむを得ない』との文言も、医療を施設内だけで完結するんだという強い意識を感じる」とみる。


◆日本の刑事施設の医師は外部のチェックなし

 そもそも身柄拘束された人への人道的な処遇は、国際的な約束事だ。20年以上投獄された元南アフリカ大統領のネルソン・マンデラ氏にちなむ国連規則「マンデラ・ルール」では、被拘禁者に対する医療の提供は「国家の責任」で、「地域社会と同水準のヘルスケア」を不可欠とし、「法的地位に基づく差別を受けない」とする。

     (法務省)

 フランスや英国では、刑事施設での医療の質を確保する目的で、監督する権限を厚生省や保健省といった別官庁に移管し、医療スタッフの増加などにより医療が向上したとされる。赤池氏は「日本の刑事施設の医師は外部の監督を受けていない独立した第三者がチェックする制度を設ける必要がある」と訴える。


◆人質司法の残虐性が「病気」ではっきり現れる

 日本の刑事施設の医療の在り方は、罪を認めなければ長期にわたり身柄拘束される人質司法」の観点からも問題視されている。国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」日本代表の土井香苗さんは「人質司法の残虐性が一番はっきり現れるのが病気になった場合だ。相嶋さんのように、長期勾留と刑事施設の医療が相まって悲劇を生んでいく」と警鐘を鳴らす。

 昨年7月の法務省の会議で提出された資料によると、自白した場合は約71%の人が1カ月以内に保釈請求が認められたのに対し、否認の場合は6カ [※ブログ主注: 「6カ月以内」?] でようやく74%に達したという。

 冤罪被害者を支援する団体「イノセンス・プロジェクト・ジャパン」の事務局長を務める甲南大の笹倉香奈教授(刑事訴訟法)は未決拘禁者における問題として「刑事収容施設に入った時点で、一般市民と同じように扱われなくなるのであれば『推定無罪の原則に反している」と指摘。「被疑者や被告の防御権の観点からも、健康は大前提だ。社会水準に満たない医療によって、命が危険にさらされることは許されない

 大川原化工機を巡る冤罪事件 警視庁公安部が2020年3月、同社の噴霧乾燥機が生物兵器の製造に転用可能だとして、国の許可を得ずに中国に輸出したとする外為法違反(無許可輸出)容疑で社長ら3人を逮捕し、東京地検が起訴。21年7月に一転、起訴を取り消した11カ月間、身体拘束された社長らは逮捕・起訴は違法だとして国家賠償訴訟を起こし、証人尋問で捜査を担った警察官が事件を捏造(ねつぞう)」と証言。東京地裁は昨年12月の判決で、捜査の違法性を認め、国と東京都に賠償を命じた。今年1月、原告、被告双方が控訴した。


関連記事】父は被告のまま亡くなった…無念の息子の訴え 罪を認めるまで長期間拘束する「人質司法」これでいいのか
【関連記事】被害者が「冤罪の共通点」を語った…袴田事件と大川原化工機事件 半世紀以上変わらぬ長期拘束、自白強要、イジメ
【関連記事】警視庁公安部が「無理筋」の捜査で繰り返した「独自解釈」 違法判決を受けた暴走はなぜ起きたか
【関連記事】「愚かなことした」末期がん宣告で気付いた命の尊さと罪の重さ 体重20キロ減で裁判を待つ被告、遺族の複雑な心境
=====================================================

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/316410

「大川原化工機」遺族の請求棄却 拘置所の医療対応、不適切と主張
2024年3月21日 13時44分 (共同通信)

     ( 国に損害賠償を求めた訴訟の判決のため東京地裁に
      向かう「大川原化工機」元顧問の相嶋静夫さんの遺族
      (右の2人)ら=21日午後)

 外為法違反の罪に問われた社長らの起訴が取り消された「大川原化工機」の元顧問で、勾留中に判明したがんで死亡した相嶋静夫さん=当時(72)=の遺族が、拘置所の対応が不適切だったとして国に計1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(男沢聡子裁判長)は21日、請求を棄却した。

 警視庁公安部は2020年3月、生物兵器製造に転用可能な装置を中国に不正輸出したとして、相嶋さんや大川原正明社長らを逮捕した。訴状などによると、相嶋さんは勾留中の9月末に重度の貧血で輸血を受け、10月7日までに悪性腫瘍と判明。勾留停止を得て11月に入院、21年2月7日に亡くなった。東京地検は同7月、起訴を取り消した

 遺族側は、拘置所には早期に採血結果の精査や内視鏡検査をする義務があったのに怠り、死期が早まったことで「起訴取り消しによる名誉回復すら見届けられず亡くなった」と主張。一方、国側は貧血時の輸血対応や、がん確定後の診療手配は適切で、治療などの義務違反はなく、がんの早期発見と余命との因果関係もないと主張した。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》

2024年03月07日 00時00分23秒 | Weblog

(20240302[])
常に無実を訴え続けた久間三千年さんを冤罪で死刑執行してしまった飯塚事件。こんな理不尽なことが世の中にあるだろうか? こんな正義が許されるのか。#正義の行方。きちんと確認することもなく、気安く死刑執行にサインしたのは、当時、飯塚が地元の麻生太郎政権の森英介法相だ。《一貫して全面否認だったが、2006に死刑判決が確定。08年に執行された》。僅か2年後に死刑執行。もう一つ、足利事件のDNA鑑定問題との関係…《2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ》⇨《2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行》。なぜ、そんなに死刑執行を急いだのか? 両事件では同じDNA鑑定手法が使われていた。足利事件の再鑑定結果をなぜ待たなかったのか? 《2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず》。もう一点加えれば、木寺一孝監督「浮かばれないのは被害者の2死刑が執行されたのに、もし犯人が別に存在するなら、遺族はどうすればいいのか」。真犯人を逃してしまったこと、さらには、被害者や遺族が居た堪れないこと、やるせないこと。検察や警察の大きな罪だ。
 《「飯塚事件」とは何だったのか? 私たちは自ら思考することを促され、深く暗い迷宮のなかで、人が人を裁くことの重さと向き合うことになるだろう》。そして、マスコミ。《事件発生当初からの自社の報道に疑問を持ち、事件を検証する調査報道を進める西日本新聞社のジャーナリストたち》。
 《◆再審開始なら、死刑執行事件では史上初》。《◆デスクメモ …恣意的な捜査がえん罪を引き起こした最近の大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う》。

   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
     証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》



【映画『正義の行方』特報予告(2024年4月27日㊏公開)】
 (https://youtu.be/mlLKQ26ZZzc
――――――――――――――――――――――――――――――――――
文化庁芸術祭大賞受賞の傑作ドキュメンタリー、ついに映画化
映画『正義の行方』4/27㊏よりユーロスペースほか全国順次ロードショー!

◤イントロダクション◢
これは私たちの「羅生門」
死刑が執行されたいまも多くの謎につつまれた「飯塚事件
〈真実〉と〈正義〉がぶつかりあう圧巻のドキュメンタリー

1992年に福岡県飯塚市で2人の女児が殺害された「飯塚事件」。DNA型鑑定などにより犯人とされた久間三千年2008年に死刑が執行された。しかし冤罪を訴える再審請求が提起され、事件の余波はいまなお続いている。本作は、弁護士、警察官、そして新聞記者という立場を異にする当事者たちが語る真実〉と〈正義〉を突き合わせ、事件の全体像を多面的に描きながら、この国の司法の姿を浮き彫りにしていく。

圧巻は、事件発生当初からの自社の報道に疑問を持ち、事件を検証する調査報道を進める西日本新聞社のジャーナリストたち。その姿勢は、マスメディアへの信頼が損なわれ、新聞やテレビなどの“オールドメディア”がビジネスモデルとしても急速に翳りを見せる今日たしかな希望として私たちの心を捉える。ある記者は言う。「司法は信頼できる、任しておけば大丈夫だと思ってきたけど、そうではないとこのことこそ社会に知らせるべきだし、我々の使命だと思っています」

「飯塚事件」とは何だったのか? 私たちは自ら思考することを促され、深く暗い迷宮のなかで、人が人を裁くことの重さと向き合うことになるだろう。

ーー ーー ーー
『正義の行方』
ーー ーー ーー
2024/4/27(土)より[東京]ユーロスペースほか全国順次公開

監督:木寺一孝 制作統括:東野真 撮影:澤中淳 音声:卜部忠 照明:柳守彦 音響効果:細見浩三 編集:渡辺政男 制作協力:北條誠人(ユーロスペース) プロデューサー:岩下宏之
特別協力:西日本新聞社 協力:NHKエンタープライズ テレビ版制作・著作:NHK 制作:ビジュアルオフィス・善 製作・配給:東風

2024年/158分/DCP/日本/ドキュメンタリー (C) NHK

WEB https://seiginoyukue.com

X   @seiginoyukue
――――――――――――――――――――――――――――――――――

 木寺一孝監督「事件の経過を知り、大変なことだと驚いた死刑が執行されて、もし無罪になれば、法治国家が揺らぐ大問題だと」。《司法の場では、検察官、弁護士、裁判官が証拠をそれぞれ取捨選択》…でも、これは検察官に証拠が偏在し、弁護士サイドに公開されない多数の検察官や警察官サイドに〝不利な〟証拠、被告の無実を示す証拠が開示されないことが問題なのでは。それらの証拠は国費を使って警察や検察が集めた証拠なのではないのか。裁判官が証拠の開示を強く求めない理由は何か? 
 西田直晃記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/警察官も新聞記者も「葛藤」を抱えて…死刑執行された飯塚事件 再審請求で示される「正義の行方」は】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/311256?rct=tokuhou)。《1992年に福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」。元死刑囚の妻による第2次再審請求で、福岡地裁は非公開審理を終え、再審開始を巡る決定が4月以降に出る見通しとなった。同月には、事件関係者に密着したドキュメンタリー映画「正義の行方」の上映が始まる。監督の木寺一孝さん(58)が描いたのは、死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」だった。(西田直晃)》


 何度でも、書く。飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件東電事件)、東住吉事件だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす殺したのは誰か検察庁です」》。

   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
     大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
     証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/311256?rct=tokuhou

こちら特報部
警察官も新聞記者も「葛藤」を抱えて…死刑執行された飯塚事件 再審請求で示される「正義の行方」は
2024年2月25日 12時00分

 1992年に福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」。元死刑囚の妻による第2次再審請求で、福岡地裁は非公開審理を終え、再審開始を巡る決定が4月以降に出る見通しとなった。同月には、事件関係者に密着したドキュメンタリー映画「正義の行方」の上映が始まる。監督の木寺一孝さん(58)が描いたのは、死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」だった。(西田直晃


◆制作期間10年超、それぞれの述懐の「熱量」

 「30年以上前の事件であっても、登場人物の誰もがはっきりした記憶を持ち、自分自身の感情の揺れをそのまま語ってくれた。それでいて熱量もあった」

     (映画「正義の行方」について話す木寺一孝監督)

 インタビューのさなか、木寺さんは10年超の制作過程を振り返りつつ、自らも熱っぽく語った。警察官、弁護士、地元紙の西日本新聞の記者らの述懐により、事件の全体像、今もあいまいな真実の断片を照らし出すよう試みた。


 木寺一孝(きでら・かずたか) 映画監督。1965年、佐賀県有田町生まれ。88年に京都大を卒業後、NHKに入局し、死刑や少年事件などを題材にしたドキュメンタリー番組を制作した。昨年退局。他の監督作品に「”樹木希林”を生きる」。


◆女児2人を殺した罪などで2008年に死刑執行

 事件が起きた飯塚市は、福岡県中部に位置する人口約12万の地方都市。当時、女児2人が登校の途中に行方不明になり、翌日に約20キロ離れた山中で2人の遺体が見つかった。その2年7カ月後、同じ校区に住む久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚=執行時(70)=が死体遺棄容疑で同県警に逮捕された。殺人罪などでも起訴され、一貫して全面否認だったが、2006に死刑判決が確定。08年に執行された。元死刑囚の妻が命日の1年後に再審請求した。

     (久間三千年 元死刑囚(関係者提供))

 木寺さんはこの第1次再審請求から3年後の12年に撮影を始めた。「事件の経過を知り、大変なことだと驚いた死刑が執行されて、もし無罪になれば、法治国家が揺らぐ大問題だと

 再審開始決定後に世に出す予定だったが、機会はなかなか訪れない。「事件の撮影から離れた時期もあった」と明かす木寺さん。転機は、西日本新聞が18〜19年に掲載した独自の調査報道だった。計83回に及ぶ検証紙面に「勇気を得た」といい、取材を重ね、再審請求の行方にかかわらず、世に問おうと決めた。

 第1次再審請求は21年4月、最高裁で退けられたが、22年にBS1スペシャルで3部作のドキュメンタリー番組を放送。今回、それを基に劇場版をまとめた。


◆警察官はつぶやき、弁護士はうなだれた

 「無力やった…」とつぶやく元駐在所員、「俺たちが久間さんを殺した…とうなだれる弁護士、「僕は被告の立場…と述懐する新聞記者。15人ほどの関係者がカメラの前で独白し、スクリーンに浮かび上がったのは三者三様の「葛藤」だった。警察は元死刑囚の自白や謝罪を得られなかったこと、弁護団は再審請求が遅れたこと、新聞社は逮捕前に「重要参考人」のスクープを打ったこと。それぞれが抱える出口のない自問自答をすくい上げた。

     (劇中の一場面。事件を振り返る逮捕当時の
      福岡県警捜査1課長=ⓒNHK)

 「関係者は事件を今まで引きずってきた」と語る木寺さん。「事件当日、被害女児の捜索に携わった小学校の教員でさえ、自分が見つけられていたら…という苦しみを抱えている。その先生は生け花を始め、子ども向けの小説を書くようになった。あの日を起点に人生が左右された人々がたくさんいる

 腰を据えて関係者の胸の内に迫った。元死刑囚が犯人だという心証について、地元での類似事件や元死刑囚の前歴が影響した点を、捜査員自身があけすけに語っている。「裁判は検事と弁護士の芝居」という司法への不信感が見て取れるフレーズも。先行した犯人視報道に「特ダネ競争のプレッシャー」があったと記者は吐露する。「差し向かいで話を聞く中で、予期しない本心がその場で言葉になった」(木寺さん)。仕事への矜持(きょうじ)表裏一体の本音があぶり出されている。


◆「人が人を裁くのがいかに難しいか」

 制作過程を通じ、木寺さんは「人が人を裁くのがいかに難しいか。あらためて痛感した」と強調する。

 「DNA鑑定などの科学鑑定にしても、一つの結論ではなく、二手に分かれて論争の対象になる。司法の場では、検察官、弁護士、裁判官が証拠をそれぞれ取捨選択し、人物の主観が入り込む余地がある。『正義の行方』と題したが、撮影を積み重ねるうちに、正義の行方はさらに混沌(こんとん)としてきた。飯塚事件の白黒も簡単には言えない」

     (劇中の一場面。現場で事件を振り返る
      元西日本新聞の記者=ⓒNHK)

 その上で、現行の司法制度への見解をこう語る。

 「難しいからこそ、本来はもっと慎重に、厳密に精査しないといけない。死刑制度のある日本では特に」と語り、さらに、こう付け加えた。「誤りが分かればすぐに改めればいいのに、なかなか日本では認めたがらない。報道も、司法も。袴田巌さんの事件だって、再審開始が決定後も長々と公判は続いている。間違いが分かっても、そこから逃げている面は否めない」

 女児たちの遺体が発見された雑木林には、2体の小さな地蔵が今も並ぶ。木寺さんは「最終的に立ち返るのはこの現場」と言葉に力を込めた。

 「浮かばれないのは被害者の2死刑が執行されたのに、もし犯人が別に存在するなら、遺族はどうすればいいのか。その点を絶対に忘れてはいけないし、知ってほしいという思いで撮影した」


◆再審開始なら、死刑執行事件では史上初

 飯塚事件で再審が始まれば、死刑執行事件で史上初となる。久間元死刑囚の妻は21年7月、新証拠とともに第2次再審請求をした。弁護団は今月中旬、新証拠の一端を公表した。

 確定判決の根拠の一つは、被害女児2人を最後に目撃した女性の証言だった。ところが、この女性が「事件当日には子どもを見ていない」と、弁護団に対して証言を覆した。女性に対する福岡地裁の尋問も既に行われ、再審可否の争点となるという。

     (久間三千年元死刑囚が妻に宛てた無罪を訴える手紙)

 第1次再審請求審では、被害女児の遺体に付着した血液と元死刑囚のDNA型が一致したとする鑑定結果の信用性が争われた。裁判所は鑑定の信用性の弱さを認めた一方、他の複数の証拠で犯人性は証明されているとして請求を退けた。

 死後再審の例は少ない。再審公判で無罪判決が出たのは、日弁連の支援事件では殺人罪で懲役13年が確定した1953年の「徳島ラジオ商殺し」だけだ。ほかには84年に滋賀県日野町で起きた強盗殺人の犯人とされ、無期懲役となった元受刑者が死亡した「日野町事件」で、2018年に大津地裁が再審開始を決定した。検察側が抗告し、現在は最高裁で争われている。


◆死刑確定後、早い段階で執行された

 飯塚事件について、元東京高裁判事の木谷明弁護士は「DNA鑑定の信用性に疑いが出て、再審請求されるのが確実だったのに、死刑確定の2年後という早い段階で執行された。この事件だけ特に執行を急いだ理由は見当たらず、DNA再鑑定をできなくさせるためと疑われてもやむを得ないせめて、死後でもうやむやにせず、しっかり結末を付けるべきだ」と話す。

 青山学院大の葛野尋之教授(刑事法)は「本人の死後、近親者の死亡や高齢化、事件後の関係悪化で再審請求人が不在になりがちだ。弁護士会などの公益的な立場にある機関が請求人になれる法整備が必要だ」と指摘し、こう続ける。

 「死刑確定後の再審無罪は4件あるが、どの事件も最初から明らかに無罪と分かっていたわけではない。受刑者の死亡後に有力な新証拠が出てくるケースもあり、死刑執行については慎重に吟味しなければならない。飯塚事件の例は、死刑制度と再審制度を並行する限り不可避的に起きる問題をはらんでいる」


◆デスクメモ

 女児らの最後の目撃者とされた女性は「(捜査側から自分の記憶と違う調書を作られた」と語ったという。事実としたらとんでもない話だ過去の出来事では済まされない恣意(しい)的な捜査がえん罪を引き起こした最近の大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う。(北)


  ◇

 映画「正義の行方」の公開は、4月27日から東京都渋谷区の「ユーロスペース」で。全国で順次上映される。158分。


【関連記事】被害者が「冤罪の共通点」を語った…袴田事件と大川原化工機事件 半世紀以上変わらぬ長期拘束、自白強要、イジメ
【関連記事】再審法改正へ高まる機運 現状は裁判所のさじ加減、冤罪被害の救済で世界に遅れ

=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「裏金」「脱税」党の杉田水脈議員…《スナックやキャンプ場で政治活動?》《会合費…政治活動として会合…しかしスナック? バーベキュー?》

2024年02月25日 00時00分45秒 | Weblog

[※ 《#素淮会(そわいかい)…麻生太郎財務相…「会合費」として約二千万円…支払先は料亭や会員制サロンなど》(東京新聞 2018年12月1日)↑]


(2024年02月23日[金])
上脇博之さんのつぶやき:

―――――――――――――――――――――――――
https://twitter.com/kamiwaki/status/1760611311988457952

上脇博之@kamiwaki

<裏金1500万超の杉田水脈議員>の収支報告書を検証 会合費にスナックやバーがずらり キックバック入金は「日付不明」と記載 「説明できないなら辞職すべき」と専門家 これが報告書の写真だ(アジアプレス・ネットワーク)

#Yahooニュース
news.yahoo.co.jpから 【<裏金1500万超の杉田水脈議員>の収支報告書を検証 会合費にスナックやバーがずらり…】

午後7:23  2024年2月22日
―――――――――――――――――――――――――


   『●「公金チューチュー」という揶揄がブーメラン…【杉田水脈氏側への
      「キックバック」は872万円 安倍派が政治資金収支報告書を訂正】

 鈴木祐太氏の記事、アジアプレス・ネットワークの記事【<裏金1500万超の杉田水脈議員>の収支報告書を検証 会合費にスナックやバーがずらり キックバック入金は「日付不明」と記載 「説明できないなら辞職すべき」と専門家 これが報告書の写真だ】(https://news.yahoo.co.jp/articles/0260c2b3a169ab18d226275c4e5312b0d197f724?source=sns&dv=pc&mid=other&date=20240222&ctg=dom&bt=tw_ud)より、《これらの問題について上脇教授は次のように指摘する。「公選法違反の寄付を行なったのではないかとの疑念が生じます。もしその疑念を払しょくしたいのなら、説明責任を果たすべきですが、回答を拒否したということは説明責任を果たす気がないのでしょう。さらに、訂正により書き加えられた支出についても不可解なことがあります。支出した年月日は明記されていますし、何に支出したのかも明記されています。それらが真実であれば、おそらく会計帳簿に記載していたから支出明細が分かったのでしょう。そうであれば、収支報告書の訂正前の提出時になぜ記載しなかったのか、不可解です。記載しても赤字にはならないからでしょう。本当に「なでしこの会」が支払う義務のあった支出だったのでしょうか? 領収書の宛先を知りたいので、領収書を公表すべきです。一方、領収書の宛名が「なでしこの会」であった場合には、明らかに収支報告書の不記載罪が故意に行なわれたことになります」》。
 《スナックやキャンプ場で政治活動?》、《支出先にスナックやバーベキュー施設》、《会合費…杉田議員が政治活動として会合を持つことは、当然法律的には問題がない。しかしスナック? バーベキュー?》 そこで、一体どのような政治活動をやっているのでしょうか? ホシュ的には、ウヨク的には、ヤマト「なでしこ」の面汚しなのではないのですか? (松尾貴史さん)《能力の問題。人格の問題。品性の問題》。品性の問題であり、下品。アホウ節》氏の素淮会方式同様、デタラメな政治資金の使い様。さすが、「利権」「裏金」「脱税」「不明」党の議員だ。

   『●「「愛人」だと報じられた女性がいるバーで
        1回約180万円の支出を政治活動費で賄っている」財務相
   『●「今年も…麻生財相は“愛人のクラブ”に
       745万6150円もの巨額支出」…飯塚の支持者の皆様、正気?
   『●麻生氏の「愛人」だと報じられた女性がいるバーでの「会合」
              …「必要な政治活動をしているから」なのか?
   『●政治資金パーティーによる《荒稼ぎ》…晋和会や素淮会などの
     〝ポケット〟に入り、税金とごちゃ混ぜにして、「会合費」などとして支出

=====================================================
https://news.yahoo.co.jp/articles/0260c2b3a169ab18d226275c4e5312b0d197f724?source=sns&dv=pc&mid=other&date=20240222&ctg=dom&bt=tw_ud

<裏金1500万超の杉田水脈議員>の収支報告書を検証 会合費にスナックやバーがずらり キックバック入金は「日付不明」と記載 「説明できないなら辞職すべき」と専門家 これが報告書の写真だ
2/22(木) 16:10配信
アジアプレス・ネットワーク

     (「裏金ランキング15の杉田水脈衆議院議員。
      衆議院のHPより。)

◆杉田議員は質問への回答を拒否

安倍派(清和政策研究会)に所属する杉田水脈衆議院議員(中国比例ブロック選出)が代表を務める政治団体「杉田水脈なでしこの会」(以下、「なでしこの会」)は、1月末に政治資金収支報告書を訂正し、派閥からの「キックバック」が裏金として、2018年以降の5年間だけで1564万円もあったことを自ら明らかにした。しかし不可解な訂正はそれだけではないことが、その後の調査で分かった。(フリージャーナリスト・鈴木祐太)


【写真報告】 これが実物だ。 政治資金報告書と「文通費」領収書。橋下徹、維新清水参議員などの実物公開(7点)


     (会合の支出先にスナックやバーなどがずらりと
      並ぶ杉田議員の訂正収支報告書。)


◆安倍派からのキックバック「日付は不明です」と記載

杉田議員の「なでしこの会」は過去5年分の収支報告書を1月31日に訂正した。今になって安倍派からの寄付が18年に340万円、19年に252万円、20年に318万円、22年に554万円で、合計1564万円もあったとしている。岸田政権発表の「裏金ランキング15である。

ところが、である。なんと寄付を受けた日付は「不明」と記載されていたのだ。「清和政策研究会からの寄付については裏付ける資料がないため、日付は不明です」と、収支報告書の最終ページの宣誓書欄に追記されていた。

安倍派をはじめ一連のパーティ券の不記載事件を刑事告発してきた上脇博之神戸学院大学教授は次のように指摘する。

「政治資金規正法は会計帳簿を作成し、それに基づいて収支報告書に記載をするよう義務づけていますから、清和政策研究会からキックバックの寄附を受けたのであれば、会計帳簿に寄附の受領日を記載しているはずです。それなのに収支報告書に寄附の受領日を『不明』としたのは、厳密に言えば、収支報告書の不記載罪になります。もしも、会計帳簿にもその受領日を記載していなかったのなら、会計帳簿不記載罪になります。いずれせよ、政治資金規正法違反に該当する可能性があります」


◆スナックやキャンプ場で政治活動? 杉田議員は回答拒否

     (「清和政策研究会からの寄付については裏付ける資料が
      ないため、日付は不明です」と書かれた収支報告書の
      最終ページの宣誓書欄)

今回の訂正で目に付くのは、支出欄でやたらと「品代」「飲食代」「書籍代」が計上されていることだ。品代は20年以降12件で合計118万9493万円に上るが、その半数以上が三越伊勢丹での購入だった。政治資金を使って三越伊勢丹で贈り物等を購入すること自体が違法ではないとしても、この品物を誰に贈ったのかが問題になる。選挙区内の有権者に送っていれば公職選挙法違反になる。

杉田議員の場合、中国地方の有権者に購入したものを贈っていれば違法となる。しかし収支報告書には、無償で贈与(=寄付)したという記載がないので、もし誰かに送っていたとしても不明である。現在の制度では収支報告書に購入先の記載は義務付けられているが、誰に贈ったかを記載する義務はない

書籍も約15万円分を購入したとしているが、これを中国地方に住む誰かに贈っているとすれば問題だ。そこで杉田議員に質問状を送った。品代や書籍代として購入したものを誰かに贈ったか、そうであれば、誰にどういう目的で贈ったのか? しかし杉田議員から回答はなかった。事務所にあらためて電話したところ「回答をする意思がないと拒否した。


◆杉田議員は説明責任を果たす気がない

これらの問題について上脇教授は次のように指摘する。

公選法違反の寄付を行なったのではないかとの疑念が生じます。もしその疑念を払しょくしたいのなら、説明責任を果たすべきですが、回答を拒否したということは説明責任を果たす気がないのでしょう。

さらに、訂正により書き加えられた支出についても不可解なことがあります。支出した年月日は明記されていますし、何に支出したのかも明記されています。それらが真実であれば、おそらく会計帳簿に記載していたから支出明細が分かったのでしょう。そうであれば、収支報告書の訂正前の提出時になぜ記載しなかったのか、不可解です。記載しても赤字にはならないからでしょう。

本当に「なでしこの会」が支払う義務のあった支出だったのでしょうか? 領収書の宛先を知りたいので、領収書を公表すべきです。一方、領収書の宛名が「なでしこの会」であった場合には、明らかに収支報告書の不記載罪が故意に行なわれたことになります」

 

◆支出先にスナックやバーベキュー施設

「なでしこの会」は、22年5月6日に品代として1万8361円を「道の駅阿武町」で購入し、同じ住所の「ABUキャンプフィールド」の施設利用料を支払っている。この施設のサイトによると、豆腐作りなどいろんな体験ができバーベキューも楽しめる施設だ。杉田議員は、いったいここでどんな政治活動をしたのだろうか

不可解な支出はそれだけでない。「なでしこの会」は会合費として、22年3月13日「スナックのん」という飲食店に対して1万6千円を支出している他、バーと思われる防府市の「海中トンネル」に22年4月23日に2万9310円などをはじめ、会合費として9件、計91万1034円の支出を追記という形で訂正している。杉田議員が政治活動として会合を持つことは、当然法律的には問題がない。しかしスナック? バーベキュー? 上脇教授は次のように指摘する。

スナックで政治活動としての会合ができるはずがありませんスナックでの呑み代はポケットマネーから支出すべきであり、政治団体が支出する義務があるとは思えませんので、政治資金規正法違反の収支報告書の虚偽記入罪に該当する可能性があります。たとえ政治団体に支払い義務があり同罪に該当しないとしても、政治的には極めて問題です。」


◆中国地方選出議員の事務所が兵庫の不可解

さて、「なでしこの会」が支出した飲食代は、どれも山口県内でのものだったが、実は「なでしこの会」の主たる事務所の所在地は兵庫県宝塚市であり、兵庫県選挙管理委員会に届け出されている。そこで筆者は、「なでしこの会」の宝塚市の事務所に行ってみた。

届け出されていた事務所が入る建物は、1階がスイーツ店や歯医者などの商業施設、2階以上が住居スペースのマンションであった。しかし、そこに政治家の事務所があると思えるような看板やポスター、事務所の案内などは何もなかった。また裏の駐車場には、街宣用の車らしきものがあったが、政治家の名前は書かれておらず真っ白だった。はたして、本当に杉田議員はここを主たる事務所として活動しているのだろうか? 疑問を感じた。

収支報告書は総務省あるいは各都道府県の選挙管理委員会に届けなければならない。複数の都道府県で活動する政治団体は総務省に、一つの都道府県で活動する政治団体はその都道府県の選挙管理委員会に届け出る決まりになっている。

「なでしこの会」の支出の多くは山口県内でのものであり、収支報告書から見ると山口県選挙管理委員会に届け出をしなければいけない、若しくは複数の都道府県で活動しているとして総務省に届け出なければいけないはずだ


◆杉田議員はまたも回答なし

杉田議員は2012年の総選挙は、日本維新の会の公認候補として宝塚市を含む兵庫6区から立候補し、比例復活で衆議院議員に初当選した。2014年の総選挙では、次世代の党から同じ兵庫6区から立候補し落選、2017年総選挙以降は自民党で比例中国ブロックから立候補し連続当選している。

また杉田議員は、2017年に自民党から立候補するまでは兵庫県を主たる活動場所としていたことがSNSなどから伺われるが、自民党に移ってからは山口県を中心に活動しているように思われる。主たる活動場所が変更になった場合、速やかに変更をするのが通常ではないだろうか。この件についても杉田議員に質問したが、回答はなかった。


◆「裏金作りは議員失格。辞職すべき」と専門家

上脇教授は次のように指摘した。

「なでしこの会の政治活動における支出先を見ると、東京都内と山口県内です。その事務所が選挙区ではない兵庫県内にあるのは全く不可解です。家賃や駐車場などの支出を含む経常経費の支出は明らかに無駄です。

裏金をつくっていたのは主権者への背信行為ですから、議員失格です。これらの様々な問題について、証拠の資料を公表して説明責任を果たさないのであれば議員辞職して二度と立候補すべきではありません

「なでしこの会」は前述した以外に、自動車税、宗学勉強会会合事務局への講師料、新しい歴史教科書を作る会などの団体への会費などの支出を書き加えて訂正もしている。これらは通常の支出だが、このタイミングでなぜ急に新たな支出が出てきたのかも不可解。杉田議員は安倍派からのキックバックだけでなく、こうした支出の訂正も同時に行った。支出からも「政治とカネ」の制度上の問題などいろんな問題が見えてくる。パーティ券の問題だけでなく、不可解な支出の問題も含めた「政治とカネ」問題の改革が期待される。


■ 鈴木祐太 (すずきゆうた)
1981年香川県で生まれ。岡山、大阪で育つ。大学在学中から貧困状態にある子どもたち、特に被差別部落や在日外国人の子どもたちへの支援に関わり、小学校講師、派遣社員などを経てジャーナリズム活動を始める。フロントラインプレス所属。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする