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●スピード感な罰則導入…専門家も罰則を支持? 《『概ね賛成』というかたちでありました》? 隠蔽・ウソ・詭弁もアベ様から《継承》

2021年02月05日 00時00分28秒 | Weblog

[※歴代自民党内閣は「国民のために働」いていなかった!? 縁故主義・政権の私物化もアベ様から《継承》 (日刊ゲンダイ 2020年10月14日)↑]


(2021年02月02日[火])
水井多賀子さんによる、リテラの記事【菅政権がコロナ専門部会の議事録を隠蔽 刑事罰反対が大多数だったのに「専門家も賛成」と嘘! 菅の官房長官時代からの隠蔽改ざん体質】(https://lite-ra.com/2021/01/post-5777.html)。
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/傲慢な新自由主義は日本で無理】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202101300000099.html)。
日刊ゲンダイの記事【「政治とカネ」問題かわす菅首相が10年前に言っていた正論】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/284408)。

 《だが、これがとんだ大嘘だった。27日になって、公開を求めていた野党側には何の連絡もせず、厚労省はこっそりとHPで議事録を公開。そして、その議事録の中身を見ると、罰則に「概ね賛成」どころか、18名の委員のうち罰則に賛成していた委員はわずか3名だけで、8名は反対、3名が慎重意見だったのだ》。

 スピード感満載な刑事罰導入審議。専門家も刑事罰を支持? 《『概ね賛成』というかたちでありました》? 隠蔽・ウソ・詭弁・後手後手等々もアベ様から《継承》した利権漁りカースーオジサン。というよりも、《菅首相は官房長官時代も、「桜を見る会」招待者名簿廃棄があきらかになっているのに「公文書管理法に基づいて対応している」と言うだけで批判をシャットアウトするなど、議事録やデータを徹底して開示せず、都合の悪い情報を出させないようにしてきた隠蔽の張本人》。そして、《2019年に発覚した統計不正問題では、「毎月勤労統計」の調査手法の変更によって賃金伸び率を上振れさせるという「アベノミクス偽装」の疑惑が浮上…つまり、菅首相は自ら“悪い数字”が出ることに業を煮やして厚労省職員をどやしつけていた》ような陰険陰湿強権的な張本人。《こうした過去の事例を考えれば、今回、法案修正の方向に動くまで議事録が公開されなかったことも、ほとんどが反対・慎重意見だったのに「概ね賛成」「概ね了承」と事実が歪められたことも、いかにも菅首相らしいやり口だ》った訳だ。《平気で嘘をつき、情報を隠し、国民を欺く》。
 罰則導入は速攻で可決しようとし…刑事罰は撤回されたが、結局、行政罰は残ったまま。罰則導入審議 ――― そんなことの前にヤルことがあるのでは? 《失敗を国民のせいにして権利を制限する前にすること》があるでしょ? この1年間、自公お維や小池百合子「ト」知事は何をやってきたの?

   『●金子勝さん《抜本的なコロナ対策こそ、最大の経済対策なのだ》…
     検査検査検査・追跡・保護と社会的検査による無症状感染者の炙り出し
   『●《範を示》す能力など無し…【春秋/国民に重い負担、求める側の
     覚悟は】《失敗を国民のせいにして権利を制限する前にすること》がある
   『●厚労相「義務ではない」扶養照会…カースーオジサン、躊躇わずに
     生活保護を申請できるようにしてから「生活保護がある」と言ってくれ
   『●意図的に《検査件数が大きく減っている…東京都は都内の保健所に
      対し、「積極的疫学調査」の対象を絞るよう、通知を出している》
   『●《菅政権は、規制改革を政策の重点事項としている。だったら、
     国民生活を危機に陥れている感染症の利権を最優先の改革対象とすべき》
    「《ずっと即効性があり、コストが安く、確実で、安全だと考え》られる
     ゼロコロナWithoutコロナこそ目指すべき。《政府は緩い自粛を
     続けた後、ワクチン接種による一発逆転に望みをつないでいるようだ
     って、1年間、政権や自公お維は何をやっていたのか?」

 東京新聞の【社説/刑事罰の削除 実効性になお疑問残る】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/83042?rct=editorial)によると、《新型コロナウイルス対策の特別措置法などの改正案が審議入りした。与野党の修正協議で刑事罰が削除された代わりに、行政罰が導入された。罰則を伴う対策に実効性があるのか、なお疑問が残る。政府が閣議決定した感染症法改正案には、入院を拒否した感染者に「一年以下の懲役か百万円以下の罰金」を科す罰則が盛り込まれていたが、自民、立憲民主両党は修正協議で、懲役刑を削除し、刑事罰の罰金も行政罰の過料に改めることで合意した。入院ができない事情がさまざま考えられる中での刑事罰適用は、人権問題にもなりかねない強権的な対応だ。人権に最も配慮することが求められる感染症法の理念に照らしても、削除は当然である。一方、行政罰の過料が妥当かどうかは、さらなる議論が必要だろう。罰則を科すことには変わりはないからだ。政府は入院拒否が感染を広げている具体的な事実や、罰則が感染拡大の防止に効果があるかどうかの根拠を示していない。国会審議の中で示す必要がある。特措法の改正案にある罰則導入も同様だ。営業時間の短縮などの要請に応じない事業者に対し、緊急事態宣言下では五十万円以下、宣言が出される前の「まん延防止等重点措置」の場合は三十万円以下の過料を科す罰則についても、金額を引き下げることで合意した。雇用を守り、経営を維持するために、営業せざるを得ない事業者は少なくない。額が下がったとはいえ、罰則はさらに追い詰めることにならないか。むしろ必要なのは、営業自粛に応じて経営を支える支援策だ》。

 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/傲慢な新自由主義は日本で無理】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202101300000099.html)によると、《国民は前首相・安倍晋三に「悪夢のような民主党政権」と言われ続けたが、その後の安倍・菅政権、ことにコロナ禍後の政治や社会情勢、国民の生活に直接影響する政策やでたらめな税金の使い方に閉口したり、うんざりしたりする国民、ことに民主党政治は悪夢と素直に信じてきた自民党支持者や若者は怒りのやり場に困っていることだろう》。
 アベ様の真の《悪夢》のような政から、利権漁りカースーオジサンの「地獄」…自公お維非支持者や野党支持者こそ、いい迷惑だ。 

   『●「ホンモノの疑惑にメス」は入るか?…
     …何でも許す倫理観無き「責任政党」と手控える批判精神無きマスコミ

 またしてもブーメラン…しかも、小沢事件」って《捜査権力とメディアの共犯》ではないかよ…
 【「政治とカネ」問題かわす菅首相が10年前に言っていた正論】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/284408)によると、《この時の菅氏は政治資金規正法違反で秘書が起訴された「小沢事件」を取り上げ、民主党(当時)の鳩山首相にこう迫っていた》…。《いやはや、まさに「オレは法律だ」「オレに従え」と振る舞っているのは、今の菅政権。菅首相は過去の自身の言葉を思い出し、ご都合主義に陥らず、政治倫理要領に沿って異常事態の自民党の政治責任をただしてほしいものだ》。

   『●下野時の発言がブーメラン…「最低の官房長官」スガ殿は、
           「国民への背信行為」を自分自身で行っている
   『●《悪夢…民主党》総裁選では「全国で遊説することなく、国民に広く
      考えを示さず、政策論争を深めなかった」と当て擦っておきながら…
   『●スガ様の御著書『政治家の覚悟』から「粛々」と、こっそりと
     《「公文書の管理の重要性」を訴える記述》を削除…が意味するものは?
   『●《政治家の覚悟》をかなぐり捨てる――著書から削除・隠蔽すれば
       ブーメランが後頭部に刺さることが無いと思っているオジサン
   『●(永田健氏)《安倍氏が国民が注視する国会であんな答弁をしたのは
      「野党をなめていたから」ではなく「国民をなめていたからだ」…》
    「《疑惑を持たれた政治家は当然、国民への説明責任を果たすべきだ
     …これまたお得意のブーメラン」。
     「ブーメラン…「政治家も責任を取らない結果、政府は無責任体制に
     陥り、国家運営の著しい停滞を招いた」by (当時野党)自民党アベ様」。
     《「安倍氏は政界一のブーメランの名手」と認定》…」

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https://lite-ra.com/2021/01/post-5777.html

菅政権がコロナ専門部会の議事録を隠蔽 刑事罰反対が大多数だったのに「専門家も賛成」と嘘! 菅の官房長官時代からの隠蔽改ざん体質
2021.01.30 07:33

     (厚労省HPにこっそり公開された議事録)

 「隠蔽・改ざん」を繰り返してきた安倍政権を継承した菅義偉首相だが、なんと、新型コロナ対策でも「隠蔽」をおこなって政策を押し通そうとしていたことが発覚した。政府は22日に入院措置を拒んだ感染者への懲役刑などの罰則を新たに設ける感染症法改正案などを閣議決定し国会に提出。最終的には野党の反対で懲役刑などの罰則は削除されたが、まだ法案の修正に応じる前、罰則の是非を話し合った専門家の会議の議事録を隠した上、「専門家も賛成と大嘘をついていたのだ。

 この菅政権による大嘘が判明したのは、27日に公開された厚労省「厚生科学審議会感染症部会」の議事録。この部会は1月15日に開催されたものだが、政府による法案提出時にも公開されず、議論の詳細は不明の状態だった。法改正をしようというのに専門家の議論の中身も明かさないまま法案提出すること自体がありえない態度だが、予算委員会がスタートした25日になっても、なんと議事録は出てこなかった

 実際、同日の衆院予算委員会では、立憲民主党の後藤祐一衆院議員が「議事録を公開するように私ずっと求めているんですけど、出てきませんよ。なんで隠しているんですか。出してください」「専門家はどんな意見だったんですか?」と追及をおこなったのだが、そのとき、田村憲久厚労相はこう答弁していた。

「ここに議事録等々ないわけでありますけど、両方、まあ、ご意見がありました。しかしながら、『概ね賛成』というかたちでありました」

 だが、これがとんだ大嘘だった。27日になって、公開を求めていた野党側には何の連絡もせず、厚労省はこっそりとHPで議事録を公開。そして、その議事録の中身を見ると、罰則に「概ね賛成」どころか、18名の委員のうち罰則に賛成していた委員はわずか3名だけで、8名は反対、3名が慎重意見だったのだ。

 たとえば、山田章雄・東京大学名誉教授は「御提案の罰則等は感染源対策はプロモートできますけれども、感染経路対策にはほぼつながらない」「感染症に対する抑制効果がどのように出てくるのかという科学的根拠がない」と言い、白井千香・大阪府枚方市保健所所長も「対策の実効性が確保できるかといったところで、これが独り歩きするような形になると逆に保健所の仕事が増える」と発言。がん・感染症センター都立駒込病院の今村顕史・感染症科部長は「罰則をつくることによって、かえって従業者の検査行動を妨げる可能性が極めて高い」とし、中山ひとみ弁護士も「刑事罰であれば前科になるという非常に重い刑罰なわけなので、そういうもので感染症の蔓延防止に本当に実効性を担保できるのかというのは、私自身はやや疑問」と述べている。


厚労省は専門家に「国会でも反対の意見があったことを伝える」と約束していたのに逆に隠蔽

 もっともな意見ばかりだが、このほかの委員の発言を見ても、議論は明確な反対意見と慎重意見が大勢を占めており、どこからどうみても罰則に概ね賛成などとは言えないものだったのだ

 しかも、議論の締めくくりでは、厚労省の江浪武志・健康局結核感染症課長がこうも語っている。

「罰則を設けるかどうかということ、それについてどういうものにするのかということについては、国会での審議が必要なことであるということでございますけれども、その際には先生方からいただきました御意見をしっかりお伝えするようにしたいと思います」

 つまり、専門家である委員たちには「国会審議ではいただいた意見をしっかり伝える」と言っておきながら、政府は議事録も公開せずに“隠蔽”し、「概ね賛成」などと事実を捻じ曲げて国会で説明をおこなっていたのである。

 28日の自民党と立憲の国対委員長による改正案修正協議で、自民の森山裕・国対委員長が感染症法改正案に盛り込まれた懲役刑の削除という立憲の安住淳・国対委員長からの要求を受け入れたのも、この議論の中身が判明したことが決定打になったと言っていいだろう。

 国民に大嘘の説明をおこなってきたのだから修正に応じるのは当然の話だが、しかし、信じられないのは自民党の姿勢だ。そもそも政府が法案提出時にこの議事録は公開すべきものだが、厚労省がこのタイミングで議事録を公開したことに対して、自民党幹部は「厚労省は本当にいいかげんだ」「与党の国対委員長としては(両改正案を)修正しなければならなかったのは極めて残念だ」などと怒りをあわらにしているからだ(読売新聞29日付)。ようは、「法案通過まで隠しとけ」ということらしい。

 いや、それ以上にひどいのは、菅首相の態度だ。この“隠蔽”問題があきらかになっても、菅首相は自分たちが虚偽の説明をおこなってきたことについて詫びるどころか、何ひとつ態度を変えていないのだ。

 28日の参院予算委員会では、日本共産党の小池晃議員から議事録問題を追及されても、菅首相は「全体を通じて、概ねの了承が得られたので提出したということであります。私はそういう意味において、この審議会においてそういう報告であれば、それは問題ないと思います」などと答弁した。

 しかし、「全体を通じて、概ねの了承を得られた」というのは、まったくの詭弁だ。問題の専門部会では、最後のほうで座長である脇田隆字・国立感染症研究所所長が「結論は事務局から提案された方針でよしとすると思いますけれども」と議論を打ち切っているが、つづけて「ただ、いろいろな意見はありますので、それも反映していただく必要がある」と発言している。つまり、脇田座長が判断しただけで「全体を通じて、概ねの了承を得られ」てもいないし、委員の意見を反映させる必要にも触れていたのだ。そうした事実が議事録の公開によって明るみに出たのに、菅首相は性懲りもなく大嘘を突き通したのである。


菅首相「隠蔽には当たらない」の釈明でまた大嘘 専門家の意見を封殺したのは官邸

 さらに、昨日29日の衆院本会議では、立憲の長妻昭衆院議員から「昨日、私は(専門部会に)出席した中心メンバーからお話をお伺いしました。『当日の議論はただ実効性を高めるということの必要性は共有したけれども、刑事罰までを是認するということではなかった』というふうにおっしゃっておられます」と部会の委員からの聞き取りの結果を突きつけられたにもかかわらず、菅首相はまたも「1月15日の感染症部会で議論をおこない、罰則を設けることも含め、改正の方向性について概ね了承が得られたとの報告を受けています」と答弁。その上、こう強調したのだ。

「感染症部会は公開の場で議論され、その議事録については委員の確認後すみやかに公表されているものと承知しており、少なくとも隠蔽という指摘はあたらない」

 公開までに約2週間もかかった上、公開される前に法案を国会に提出して「概ね賛成だった」などと事実とは真逆の説明をおこなってきたというのに、「隠蔽という指摘はあたらない」と言い張る……。だが、これはあきらかに“隠蔽”ではないか。

 そもそも、感染症法や特措法を改正して罰則を設けようというのは、菅首相が新型コロナ対策で「後手後手だ」と批判を受けたことから挽回しようとした結果のものだ。

 実際、昨夏に特措法の改正を求める声が大きくなった際もそれを無視し、感染収束後におこなうという姿勢だった菅首相だが、「GoTo」一時停止の判断の遅さなどの「後手後手」批判や「大人数ステーキ会食」に非難が集中するようになると、昨年12月24日に「規制、罰則と給付金はセットで必要なのではないかと私自身は思っている」と述べ、翌25日の総理会見でも「給付金と罰則はセット」と発言。そうしたなかで、感染症法の改正による刑事罰までもが盛り込まれたのである。

 つまり、法改正によって「後手後手」批判を挽回しようと、特措法改正のみならず、菅首相は慎重な議論が必要な感染症法改正までをも突貫で押し進めようとしたのだ。当然、厚労省の専門部会で反対や慎重意見が巻き起こったことも報告を受けていたはずだが、それを「概ね賛成などと事実を覆い隠させたのである。

 厚労省がようやく議事録を公開したのも、「入院すべき人が入院できない状況なのに、これはおかしい」という声が大きくなったことや、日本医学会連合をはじめ最前線でコロナ対策にあたっている保健所長からなる全国保健所長会からも意見書が出されたこと、さらには政権与党の松本純・自民党国対委員長代理と遠山清彦・公明党幹事長代理の“深夜の銀座クラブ通い”が報じられて反発が高まったことから法案修正に踏み切らざるを得ないところまで追い詰められた結果でしかないだろう。ようするに、官邸がまだ懲役刑の罰則を強行する姿勢を貫いていたら、そのまま議事録は隠蔽されていた可能性もある


安倍政権時代から都合の悪い文書廃棄やデータ改ざんを主導してきた菅首相の体質

 実際、菅首相は官房長官時代も、「桜を見る会」招待者名簿廃棄があきらかになっているのに「公文書管理法に基づいて対応している」と言うだけで批判をシャットアウトするなど、議事録やデータを徹底して開示せず、都合の悪い情報を出させないようにしてきた隠蔽の張本人”だ。

 そればかりか、2019年に発覚した統計不正問題では、「毎月勤労統計」の調査手法の変更によって賃金伸び率を上振れさせるという「アベノミクス偽装」の疑惑が浮上したが、この調査手法変更をめぐっては、政府検討会の委員が「サンプルを(全数)入れ替えるたびに数値が悪くなるそれまでのやり方に官邸か、菅(義偉官房長官)さんかが『カンカンに怒っている』と言って厚労省職員は検討会の最初から相当気にしていた」と証言をおこなっていた。つまり、菅首相は自ら“悪い数字”が出ることに業を煮やして厚労省職員をどやしつけていたのである。ちなみに、この検討会では調査手法の変更について「さらに検討が必要」という意見が多かったにもかかわらず、検討会自体が打ち切られ、別の強引な手で調査手法は変更されてしまうのだ。

 こうした過去の事例を考えれば、今回、法案修正の方向に動くまで議事録が公開されなかったことも、ほとんどが反対・慎重意見だったのに「概ね賛成」「概ね了承」と事実が歪められたことも、いかにも菅首相らしいやり口だとしか言いようがない。

 新型コロナという国民の命に直結する問題でさえ、平気で嘘をつき、情報を隠し、国民を欺く。刑事罰が法案から削除されたからといって、この重大な背信行為を見過ごすわけにはいかない。しかも、政府は入院拒否によって感染が拡大した科学的なデータに基づいた事例をいまだに示しておらず、罰則に根拠となる立法事実がない状態であるにもかかわらず、修正案では罰則は残ったままで過料の行政罰が科せるものになっている。特措法改正による罰則規定にしても、政権与党の幹部議員が緊急事態宣言下で深夜に銀座のクラブに繰り出しても役職辞任程度でお茶を濁して終わりなのに、深夜営業で店側は罰せられるのは、どう考えてもおかしいだろう。

 自分たちの行動は顧みないのに国民を縛り付ける強制性だけは発動させ、不都合な事実は覆い隠そうとして透明性をまったく持たない。これだけ批判を浴びてきたのに、菅政権がいまだに新型コロナ対策の先頭に立つ立場として何ひとつまともな態度をとれていないということこそ、もっと問題にされるべきだろう。

水井多賀子
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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202101300000099.html

コラム
政界地獄耳
2021年1月30日9時7分
傲慢な新自由主義は日本で無理

★ネットに「今の野党は8年前とは違う。現政権のおかげで鍛えられた。あとは1つにまとまるだけだ」という書き込みがあった。国民は前首相・安倍晋三に「悪夢のような民主党政権」と言われ続けたが、その後の安倍・菅政権、ことにコロナ禍後の政治や社会情勢、国民の生活に直接影響する政策やでたらめな税金の使い方に閉口したり、うんざりしたりする国民、ことに民主党政治は悪夢と素直に信じてきた自民党支持者や若者は怒りのやり場に困っていることだろう。

★高校1年生、16歳の時に民主党政権から安倍政権になり、あるべき政治は安倍政権だと思っていた人たちも、既に干支(えと)がひと回りして28歳になる。さすがに社会に出て政治とは何か、何が動くとどうなるかの仕組みも分かってきただろう。何を悪夢というのか。民主党政権は悪夢だと思い続ける人もいるだろうが、当時の考えのままだという人ばかりではなくなったのではないか。無論、野党が正しく与党が間違っているなどとは思わない。

★冒頭にあるようにこの8年間の政治で野党のみならず国民はいろいろと鍛えられた。良い部分もあったろうが、格差社会を政治が強く受け入れたのは経済が好調ならそのしずくが社会全体にいきわたるので、不安が薄れるところが格差が広がるだけでその差を縮める方策が政治から出てこない勝ち組に居続けなければ成立しない方策だ。そのころだろうか、上級国民という言葉が生まれたのは。

★新しい政治は、この傲慢(ごうまん)新自由主義が我が国ではなかなか当てはまらないということを理解する政治家を必要としている。55年体制をほうふつとさせる立憲民主党の参院幹部のように与党をギリギリとしめ上げるだけで建設的な議論ができなくてはだめだし、長年敵対してきた政党とは組めないと幼稚な理屈を言い続ける労働組合などを当てにしていたら、そんな政治は生まれない。(K)※敬称略
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/284408

「政治とカネ」問題かわす菅首相が10年前に言っていた正論
公開日:2021/01/27 06:00 更新日:2021/01/28 15:55

     (菅首相(C)JMPA)

 26日の衆院予算委では、公選法違反事件で有罪判決を受けた参院議員の河井案里被告(自民離党)と公判中の夫で、元法相の河井克行被告、鶏卵生産大手「アキタフーズ」グループ元代表から現金を受け取ったとして収賄罪で在宅起訴された吉川貴盛元農相ら自民党に所属した国会議員の「政治とカネ」の問題が追及された。

 この日、質問に立った立憲民主党の本多平直議員が「辞職は当然」とただしたのに対し、「自ら判断すべきだ」と歯切れが悪かった菅首相。ノラリクラリする菅首相の発言にもどかしさを覚えた本多議員が、かつて「政治とカネ」の問題で鳩山政権を厳しく追及していた野党時代の菅首相発言を取り上げ、「この時のあなたはどこにいったのか」と迫ると、「10数年前のことだから、今、即座にそうしたことを思い浮かべることはできない」などと逃げ回る場面もあった。

 菅首相が「思い浮かべることができない」のであれば、記憶を喚起してもらうしかない。本多議員が指摘したのは2010年2月5日の衆院予算委で、質問に立った菅氏の発言だ。

 この時の菅氏は政治資金規正法違反で秘書が起訴された「小沢事件」を取り上げ、民主党(当時)の鳩山首相にこう迫っていた。

「小沢幹事長の元秘書など5人が次々と逮捕されて起訴されているという、極めてこれは異常な事態だと思います。(略)非常に残念なことですけれども、民主党の皆さんから異論や批判の声がほとんど出ていない。民主党に自浄作用・能力がないのではないか、こう言わざるを得ないのであります」

「刑事責任とは別に、政治的道義的責任というのは当然あり得ると思いますけれども、これについて総理はどう考えますか」

 そして鳩山首相が「国会のことは国会でぜひ御議論をいただいて、結論を出していただきたい」と答えると、菅氏は苛立ちながら「それは御都合主義というものじゃないでしょうか」と切り捨て、こう畳みかけたのだ。

「私たち衆参両院議員で、政治倫理綱領というものを私どもは決めています。国会議員の手帳の中にもあります。その内容というのは、疑わしいことがあったら責任を明らかにするように努めていこう、みずから進んで解明しよう、説明をしようということです」

「民主党の代表として総理に指導力を発揮していただきたいというふうに思います。(略)小沢幹事長に対しては、偽証罪のある証人喚問を強く求めたいと思います。(略)小沢首相が誕生することになれば、『オレは法律だ』『オレに従え』と振る舞われるつもりなのか? とても、法治国家の政治家の発言とは思えません。戦時中の統制国家が復活する危機感を感じますよ

 いやはや、まさに「オレは法律だ」「オレに従え」と振る舞っているのは、今の菅政権。菅首相は過去の自身の言葉を思い出し、ご都合主義に陥らず、政治倫理要領に沿って異常事態の自民党の政治責任をただしてほしいものだ。=====================================================

コメント
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●最低の官房長官《“議事録は残さない”と明言したのも…隠蔽をほじくり返されないようにするためだったのではないか…抜け道を悪用》

2020年06月08日 00時00分39秒 | Weblog

[※ 《#ケチって火炎瓶》「選挙妨害を暴力団に発注した方は、素直に挙手願います!東京新聞2018年8月27日)↑]



リテラの記事【安倍政権がコロナ「専門家会議」の議事録を残さないと明言!「37.5度以上4日以上」の相談目安に異論があったことも隠蔽か】(https://lite-ra.com/2020/05/post-5446.html)。
日刊ゲンダイのコラム【立岩陽一郎 ファクトチェック・ニッポン!/議事録を残さないのは議論を隠蔽して闇に葬り去るためか】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/274010)。

 《公文書の改ざんという国家的犯罪を繰り広げた政権が、反省など微塵もなく、新型コロナで情報隠蔽を正当化した。28日、政府の専門家会議の議事録を政府が作成していないと共同通信が伝えたが、菅義偉官房長官は昨日29日、“議事録は残さなくても問題はない”と主張したのだ》。
 《既に驚くことでもなくなっている本当にこの政府は、自らの存在自体が緊急事態と気づくべきだ》。

   『●森ゆう子議員「本気度が足りない」…アベ様は《国民がどれくらい
     コロナに苦しんでいるかの数字ぐらい連日頭に入れておく》べきなのに…
   『●青木理さん「たかが検査なんですよね…検査がこれだけ増えない
     というのは…明らかに政府が無能だからだと思いますよ」と一刀両断!
   『●《スピード感》《やってる感》…《「いまさら」感》、《しかし
     コロナ対策で求められるのは一刻も早い政策実現だ》(西日本新聞)
   『●金子勝さん《PCR検査数が圧倒的に少なければ、何の意味もない。
         …東京の異様な数値は、検査数の圧倒的不足を示している》
   『●《アンダーコントロール》演出…お維や「小池都知事はよくやっている」
             だってぇ? そう見えるのは、《安倍首相がひどすぎるからだ》
   『●内閣支持率は《国会を閉じれば…自然と回復》…「逃げるは恥だし
          役立たず」なアベ様は《今は逃げるが勝ちと判断した》のか?

 《…抜け道を悪用したのだ。実際、安倍首相は森友・加計学園問題自衛隊日報隠蔽問題が発覚しても、「私のリーダーシップの下、公文書管理の在り方について政府を挙げて抜本的な見直しをおこなう」などと述べながら、行政文書の管理に関するガイドラインの改正後は、安倍首相と官庁幹部との面談の際、議事概要などといった打ち合わせ記録が一切、作成していないことは判明》《ガイドラインの見直しによって、公文書を改ざんしたり隠蔽する必要がないよう、そもそも記録を残さないようになってしまったのである》。〝御頭〟は腐りきり、全身にその腐敗が波及。

   『●金平茂紀さん《…政府の方針、頭がクラクラしてきます。ウィルスのせい
              ではありません。魚と組織はアタマから腐ると言われています》

 何度でも引用します。
 金平茂紀さん、「コロナ自粛の最中、賭けマージャンをしていた黒川弘務前東京高検検事長に《訓告》という超軽い処分、さらに、コロナ対策の専門家会議の議事録を作らないという政府の方針、頭がクラクラしてきます。ウィルスのせいではありません。魚と組織はアタマから腐ると言われています。考え直しては如何でしょうか」(報道特集、2020年5月30日)。アタマどころか、本体まで腐りきっている。《既に驚くことでもなくなっている本当にこの政府は、自らの存在自体が緊急事態と気づくべきだ》、アベ様の独裁政権が歴史的緊急事態

 琉球新報の【<社説>コロナ専門家会議 議事録の作成は不可欠だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1131196.html)によると、《政府が、新型コロナウイルス対策を検討してきた専門家会議の議事録を作成していないことが分かった。公文書管理に対する安倍政権の姿勢は不誠実の一語に尽きるコロナ禍で我慢を強いられている国民への背信行為でもある。…そもそも政府は3月、新型コロナに関して国家・社会として記録を共有すべき「歴史的緊急事態」に指定している。行政文書管理のガイドラインに基づく対応だ。歴史的緊急事態は民主党政権下で2011年の東日本大震災に関連する会議の議事録が未作成だった反省から、12年にガイドラインに盛り込まれた野党だった自民党は「政権の隠蔽(いんぺい)体質だ」と未作成を批判した経緯がある。政府は今回、作成していないことについて、政策を決定したり了解したりする会議はガイドラインで議事録作成が義務付けられるが、専門家会議はこれに該当しない―と説明している》。
 《野党だった自民党は「政権の隠蔽(いんぺい)体質だ」と未作成を批判した経緯》…人様の公党を《悪夢》とまでお呼びになるアベ様、壮大なブーメラン。いまや、どちらが《悪夢》なのかは自明。

   『●下野時の発言がブーメラン…「最低の官房長官」スガ殿は、
           「国民への背信行為」を自分自身で行っている
    「南彰記者による記事【自著での主張も記憶にない? 菅官房長官
     「知らない」】…と、リテラの記事【菅官房長官が壊れ始めた!
     会見で「ここは質問に答える場所じゃない」、自分の著書のことを
     「知らない」】…《過去には公文書の重要性を訴えていたのに、
     そのことすら記憶にない――。…菅氏は野党時代の2012年に出版した
     『政治家の覚悟』(文芸春秋)で、「政府があらゆる記録を克明に残す
     のは当然で、議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったこと
     国民への背信行為」と記していた》。《菅官房長官の定例会見…「国会で
     述べたとおりです。国会で述べたとおりだと。ここは質問に答える
     場所では私はないと思います」…もはや語るに落ちたというべきだろう
     …内閣官房長官の定例会見は、ただ政府側の公式発表を垂れ流すための
     場所ではない。…菅官房長官「知りません」と一蹴…
     「これは、官房長官の著作に書かれているのですが」》」

 「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料ですその作成を怠ったこと国民への背信行為」 by 現・最低の官房長官 (当時、野党自民党)。カッコイイですねぇ~。まさに正論。
 【「桜を見る会」推薦者の内訳調査、記録に残さず】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/32785?rct=politics)によると、《菅氏自らが昨年十一月に内閣府や与党関係者らに聞き取り調査を実施していたが「対象者が少数で内容も詳細なものではなかったので記録は残していない」と述べた。菅氏は昨年十一月の国会で調査結果を基に、桜を見る会では首相約千人、副総理や官房長官、官房副長官約千人、自民党関係者約六千人などの推薦枠があったと答弁。一日の会見で調査について「少数の関係者から確認した内容をそのまま国会に報告したと記憶しており、それ以上のものではない。(国会の)議事録に残されている」と述べた》。
 また、同紙の記事【議事録の初回と3回目、速記なし コロナ専門家会議で厚労相】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/32767?rct=politics)によると、《加藤勝信厚生労働相は2日の参院厚生労働委員会で、新型コロナウイルスを巡る専門家会議の初回と3回目に速記者が入っていなかったことを明らかにした。菅義偉官房長官は1日の記者会見で、会議には基本的に速記が入っていると説明していた。政府は議事録を作成することも含め検討に入っているが、これまでの対応の検証がさらに難しくなりそうだ。加藤氏は1~3回の専門家会議に関し「2回目しか速記者を入れていなかった」と語った。現在は議論の内容が記された議事概要が公開されているが、発言者は特定できず、意見に賛否があったかどうかなどを確認できない》。

   『●【黒鉄好 アベノマスクはやはり利権だった!~「疑惑の1社」
     驚愕の事実】《復興副大臣へ「献金」…若松謙維参院議員(公明、比例)》

 《利権》塗れという点でも汚染されているアベノカビマスク
 琉球新報のコラム【<金口木舌>物差しは一つではない】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1130409.html)によると、《今や「アベノマスク」は、政府が配布する布マスクの呼び名として定着した感がある。埼玉県深谷市の市立中は、生徒に渡した文書に「アベノマスク」と明記した着用を確認するといった文言や「忘れた生徒は少人数教室に残る」との記載があり、波紋が広がった ▼保護者から「アベノマスクじゃないと駄目なのか」との問い合わせがあり、SNSでも批判される。学校は謝罪し「どのマスクでも構わない」と訂正した。マスクの有効活用が目的だったというが、強要は許されない》。

 漸く我が家にも6月2日(火)に到着、(ちなみに、〝第1回〟定額給付金の申込書が到着したのは 5月30日(土))…要経日観察…使わなくても、日々どのように劣化していくのか。また、《パニックに乗じてカネを懐に入れた悪党がいたなら…》…その監視も必要。
 【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/昨日、例の奴が届いたのだが…】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/4c2dc9bf6a89772b7288a36988664ee8)によると、《ハンジさん : こ、これが、アベノマスク!?…アニ : どうでもいいけどさ、あたしはいらないから。以上、ひらパーで買ったお菓子の空き缶でした》。



【サービスデザイン推進協議会が経済産業省から受託した全14事業】(東京新聞、2020年6月1日)
 (https://www.tokyo-np.co.jp/article_photo/list?article_id=32435&pid=41467

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https://lite-ra.com/2020/05/post-5446.html

安倍政権がコロナ「専門家会議」の議事録を残さないと明言!「37.5度以上4日以上」の相談目安に異論があったことも隠蔽か
2020.05.30 02:16

     (29日、会見する菅官房長官(首相官邸HPより))

 公文書の改ざんという国家的犯罪を繰り広げた政権が、反省など微塵もなく、新型コロナで情報隠蔽を正当化した。28日、政府の専門家会議の議事録を政府が作成していないと共同通信が伝えたが、菅義偉官房長官は昨日29日、“議事録は残さなくても問題はない”と主張したのだ。

 政府は今回の新型コロナを、3月10日、公文書管理のガイドラインに基づく「歴史的緊急事態」に指定。「歴史的緊急事態」では当然、平時よりも厳格な公文書の作成と管理がおこなわれなければならないが、「政策の決定または了解を行わない会議等」については、議事録の作成が必要ないとされている。

 菅官房長官はこの規定を利用して、なんと専門家会議についても政策の決定または了解を行わない会議等に該当すると主張、議事録が作成していないことを正当化したのだ。さらに、「発言者を明示しないことは最初の会議でメンバーに説明し了解をいただいた」「専門家に自由かつ率直に議論していただくために、発言者は特定されないかたちだが、議事概要は作成して公表している」と述べ、発言者が誰なのかがわからない「議事概要」で十分だとしたのだ。

 これはとんでもない詭弁だ。ご存知のとおり、安倍首相は新型コロナ対応のさまざまな場面で「専門家の意見を踏まえて」判断したと繰り返し述べてきた。その判断のもととなった専門家会議の議論は当然、誰がどんな発言をおこなったのかも含め、すべて国民に公開されなければならないものだ

 しかも、菅官房長官は「自由かつ率直に議論していただくため」に発言者が特定されないかたちにしていると言うが、一方の専門会議のメンバーからは「名前を出して構わない」という声があがっているのだ。

 たとえば、専門家会議メンバーの岡部信彦・川崎市健康安全研究所長は昨日、「事務局が『議事概要を出す』と答えたので、ああそうですねということで終わった。(賛否の)手を挙げたわけじゃないから分からないが、全てではないが別に発言者名が出ても構わないというのが委員の意見だと思う」と述べ、「僕は自分の発言に責任を持ちたいから発言は出ても構わない」と記者団に語っている(毎日新聞ウェブ版29日付)。

 さらに、昨夜おこなわれた会見でも議事録にかんする質問が記者から数多くなされたが、専門家会議の脇田隆字座長は「(名前が出るのは)個人的にはどちらでも構わない」、尾身茂副座長も「政府が決めて名前を出すということになれば私自身は全然問題ない」と答えている。

 脇田座長や尾身副座長の“政府の判断に委ねる”という姿勢は、国民の生命や生活に直結する提言を担う機関の代表として、あまりに自分たちの発言に無頓着と言わざるを得ないが、それでも、専門家会議としては“名前が出ることが議論の妨げにはならない”とはっきり述べているのである。当然だ。名前が非公表だからと無責任な発言がなされているようでは困るからだ。

 だが、安倍政権は発言者の名前が公表され、議論をそのまま書き起こした「議事録」ではなく、「議事概要」で済ませようとしている。これは、専門家が提言していないことや疑義を呈しているものを、政府が無視して無理やり押し切っているということを露呈させないためなのではないのか。

 実際、そうしたことが疑われる問題もある。たとえばそのひとつが、厚労省が2月17日に示した「37.5度以上の発熱が4日以上続いた場合」(高齢者や妊婦、基礎疾患のある人については2日)という政府の「相談・受診の目安」だ。


■専門家会議では異論が出たのに「37.5度以上の発熱が4日以上」を発表した加藤厚労相

 周知のように、「37.5度以上の発熱が4日以上続いた場合」というこの目安は早期の検査を阻み、重症化・死亡するケースを引き起こす大きな要因となってきたが、目安が発表された経緯を振り返ると、政府の独断だった可能性がかなり濃厚なのだ。

 安倍首相が専門家会議を設置したのが国内初の感染者が確認されてから約1カ月後の2月14日、初会合が開かれたのが同月16日。その翌日の17日、加藤勝信厚労相が記者会見で「風邪の症状や37.5度以上の発熱」「強いだるさや息苦しさがある」といった症状が4日、重症化のリスクのある人は2日続いた場合という「相談・受診の目安」を発表している。

 時系列だけを見ると、これは前日の専門家会議の初会合で決定され、それを加藤厚労相が発表したかに見える。実際、専門家会議の冒頭で安倍首相は「国民のみなさまにわかりやすい受診の目安の作成などについて議論をお願いしたい」と述べ、この初会合の議事概要には〈普通の風邪だと症状のピークは3~4日だが、新型コロナウイルス感染症では7~10 日でも治らない。“普通の風邪”とずれていると気づけるような内容があるといい〉〈風邪の症状があれば自宅で安静にして、症状が長引けば相談センターに連絡してもらうという流れが望ましい〉といった意見が記載されている。

 しかし、この初会合の結果を伝えた読売新聞によると、じつは初会合では、〈受診や相談の目安を示す予定だったが、専門家の間で議論がまとまらなかった〉というのだ(2月17日付)。

 議論がまとまっていなかったというのに、なぜ、加藤厚労相は17日に目安を発表したのか。ようするに、専門家会議で異論が出たにもかかわらず、政府がPCR検査を抑え込むために押し切った可能性が高いのではないか──。実際、加藤厚労相は17日の会見で、目安について、専門家会議の正式な見解という言い方をせず、「最終的に専門家の座長と相談してこういう数字を決めさせていただいた」と説明している。

 この重要な問題について、一体、この日の専門家会議ではどんな議論がかわされたのか。しかし、議事概要ではそれが正確に掴めない状態になっているのだ。

 しかも、安倍首相の新型コロナ対応では、もっとも公開されるべき議論の議事録が残されていないという問題もある。それは、安倍首相と関係閣僚らが意見交換する「連絡会議」だ。

 安倍首相は一斉休校を決めた際、専門家に意見を求めることなく、実質的にはこの「連絡会議」で決定したとされている。だが、こうした重要な決定プロセスが具体的に明かされていない。この「連絡会議」の記録について、安倍首相は3月27日の参院予算委員会で「まだ作成されていない」と答弁。専門家会議の議事録を残さないことを正当化した菅官房長官と同じように、この「連絡会議」が「政策の決定・了解を行う会議」には当たらない、と主張したのである。


■森友・加計学園問題や自衛隊日報隠蔽問題後、打ち合わせ記録を作成しない体制に

 今回、菅官房長官が“議事録は残さない”と明言したのも、こうした隠蔽をほじくり返されないようにするためだったのではないか。ようするに、新型コロナを行政文書の管理に関するガイドラインに規定する「歴史的緊急事態」に該当するとして、議事録の作成・公表が義務づけられない「政策の決定または了解を行わない会議」という抜け道を悪用したのだ。

 実際、安倍首相は森友・加計学園問題自衛隊日報隠蔽問題が発覚しても、「私のリーダーシップの下、公文書管理の在り方について政府を挙げて抜本的な見直しをおこなう」などと述べながら、行政文書の管理に関するガイドラインの改正後は、安倍首相と官庁幹部との面談の際、議事概要などといった打ち合わせ記録が一切、作成していないことは判明(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2019/06/post-4751.html)。ガイドラインの見直しによって、公文書を改ざんしたり隠蔽する必要がないよう、そもそも記録を残さないようになってしまったのである。

 そして、安倍首相自身が「100年に1度の危機」だと言う新型コロナの対応でも、その対応について検証するための材料となる議事録を残そうとせず、歴史的検証を不可能にしようとしている──。「桜を見る会」問題でも、共産党議員が国会質問のために資料の提出を求めた当日に今年分の名簿をシュレッダーにかけ、「サーバーのデータは復元できない」と強弁するなど、その隠蔽体質に拍車がかかっていたが、そうした問題が有耶無耶になってしまった。そしていま、このような歴史的な国民の生命と生活に直結する問題でも、安倍政権は同じことを繰り返そうとしているのである。こんな政権に、これ以上、新型コロナ対応を任せることなどできないだろう。

(編集部)
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/274010

立岩陽一郎
ジャーナリスト、1967年生まれ。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て2016年12月に退職。現在は調査報道を専門とする認定NPO運営「INFACT」編集長。アメリカン大学(米ワシントンDC)フェロー。毎日放送「ちちんぷいぷい」レギュラー。


ファクトチェック・ニッポン!
議事録を残さないのは議論を隠蔽して闇に葬り去るためか
2020/06/03 06:00

     (専門家会議の尾身茂副座長と脇田隆字座長(C)日刊ゲンダイ)

 既に驚くことでもなくなっている本当にこの政府は、自らの存在自体が緊急事態と気づくべきだ。

 新型コロナウイルスの対策を検討している専門家会議について議事録を作成していないという。共同通信の情報公開で明らかになった。議事録を作成しないことについて、政府は、専門家に率直に議論していただくためだと話した。発信者が特定されない形で議事概要を作成しているから十分だという。

 その「十分だ」とする議事概要を読み続けているが、一度として十分だと感じたことはない。例えば、3月2日の専門家会議の議事概要。その日の出席者は脇田隆字座長、尾身副座長を含めて16人だが、議事概要に記されている発言はわずか12だ。それもどのような文脈で出た発言なのかもわからないそもそもそれは「概要」にさえなっていない

 また、この議事概要には隠蔽の疑いもある。例えば、PCR検査については、この議事概要はほとんど書かれていない。では、専門家会議はPCR検査について議論してこなかったのか? そうではないことを、尾身副座長が5月4日の記者会見で明らかにしている。この会見で尾身副座長は、PCR検査の拡充が遅れたことについて次のように話した。

「さまざまな理由があって、これは根深い。制度的な、歴史的な背景があって、一朝一夕には変えられない……ところが、だんだんと3月になって、PCR検査ができないために重症化するという報告が出てきた」

 その結果、3月に入って政府にPCR検査の拡充を求めたという。尾身副座長は、それまでもPCR検査について議論をしてきたと話した。そして2月24日の専門家会議で、どう検査体制を拡充するか議論したことを、「よく覚えています」と語った。そして、その結果として、「さまざまな制約があるので、重症化を防ぐということに集中せざるを得ない」という結論になったと話した。

 では、その議論の中身はその日の議事概要にどう書かれているのか? 2月24日の議事概要を見ると、約2時間にわたって議論が行われていることがわかる。そして、人々が閉鎖空間を避けることや、無症状感染者からの感染に注意を促すことなど今後の基本方針について議論されていることがわかる。他の日の議事概要に比べれば記述は多い。しかし、PCR検査について議論した内容は書かれていない。PCR検査については、「全国的には余裕があるものの、一部地域では検査が追い付かない状況となっている」との状況が書かれているだけだ。

 これで、何が「十分」なのだろうか? 十分どころか、議論を隠蔽しているとみられても仕方のない内容だ。議事録を作成しないという政府の判断には、専門家会議のメンバーからも異論が出ているという。当然だと思う。

 尾身副座長がPCR検査について語った「さまざまな理由があって、これは根深い。制度的な、歴史的な背景があって、一朝一夕には変えられない」。これは今回の政府の対応の全てに言えることかもしれない。議事録を残さないとは、その根深いさまざまな理由を闇に葬り去る取り組みにしか思えない。

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