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●再・小沢一郎氏陸山会事件: 採用された証拠は一つでオッケー!?

2012年03月24日 00時00分39秒 | Weblog


山岡俊介さんの『アクセスジャーナル』(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、3月17日、18日の記事)。記事の前半は、やはり安心できない状況であるとのこと。

   『●小沢一郎氏陸山会事件: 採用された証拠は一つでオッケー!?
   『●続・小沢一郎氏陸山会事件: 採用された証拠は一つでオッケー!?

 TMでのやらせの実績のある最高裁。この記事にある『サンデー毎日』の記事の中身を知らないのですが、最高裁事務総局に官製談合疑惑が浮上しているらしい。

   『●マスコミと癒着する「司法・最高裁」の堕落ぶり
   『●『つぶせ! 裁判員制度』読了
   『●『官僚とメディア』読了(3/3)

 記事は、例えば、”http://socialnews.rakuten.co.jp/link/%E6%9C%80%E9%AB%98%E6%A8%A9%E5%8A%9B%E6%A9%9F%E6%A7%8B%EF%BC%9F%E5%8F%B8%E6%B3%95%E5%AE%98%E5%83%9A%E3%81%AE%E7%B7%8F%E6%9C%AC%E5%B1%B1%E3%80%8C%E6%9C%80%E9%AB%98%E8%A3%81%E4%BA%8B%E5%8B%99%E7%B7%8F%E5%B1%80%E3%80%8D%E3%81%AB”によると、以下のような内容のようです。

   「最高権力機関?司法官僚の総本山「最高裁事務総局
                  官製談合」疑惑が浮上(サンデー毎日)
    
・・・・・・。サンデー毎日3/11号のトップ記事で
     《最高裁に浮上「官製談合」疑惑》
     と題して、裁判官人事や予算編成などを牛耳り事実上の司法官僚の
     総本山「最高裁事務総局」が作成したシステム関連の調達状況を
     まとめた文書を入手したという。
     その中に司法機関にあるまじき「官製談合」疑惑が浮上した。
     通常、予定価格に対する落札価格の割合(落札率)が90%を超えると
     談合の疑いが濃厚とされる中、最高裁事務総局がシステム関連で
     調達した155件のうち、落札率90%以上が123件で、
     全体の79%を占めている
     そのうち、落札率100%というのが、なんと19件もあったという。
     明治大学の西川伸一教授も目を丸くして次のようにいったという。
       「最高裁事務総局が入札者を調整して予定価格を伝えていなければ、
        これほど高い落札率はあり得ないのではないか」
     これに対して「調達は適正に行われている」と、最高裁事務総局広報課が答えているという。
     最高裁事務総局は、今の日本の最高権力機構と見る向きもある。」

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http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、3月17日の記事】

2012/03/17
「小沢一郎有罪」に躍起になる「最高裁事務総局」の官製談合疑惑(7社の実名をスッパ抜く)

 本紙は今年1月12日、「検察と裁判所との『小沢一郎有罪』デキレースの暗黒システム」なる解説記事を報じている。
 わが国の立法(国会)、行政(法務省、検察庁、財務省など)、司法(「最高裁事務総局」を頂点とする裁判所)は建前上、3権分立となっているが、実際は起訴する検察と、判決を出す裁判所は連んでいる
 そして、その一方の司法において、裁判官の人事や報酬額などの権限を握っているのが「最高裁事務総局」なので、この4月に予定される判決で小沢一郎元民主党代表が有罪になる確率が高いと報じた。
 2月17日の公判で、小沢氏有罪に有利な石川知裕元秘書らの大半の供述書を採用しないことになり、小沢氏無罪の見方が有力になっているが予断を許さない
 こうしたなか、判決を待っていても仕方ないと、3月に入り、小沢氏は「反増税」「歳入庁創設」などを訴え、精力的に動き出している。
 これに対し、何としてもこれを阻止したい検察・財務省などは、「小沢無罪」も想定し、次なる策として、東京国税局に特別班を作らせ、今度は脱税でお縄にしようと動き出したとの一部報道もある。

 それはともかく、2月28日に出た『サンデー毎日』(3月11日号)に実に興味深い記事(冒頭写真)が出ている。
 やはり、先の「裁判官人事牛耳る司法官僚の総本山『最高裁事務総局』」(同記事小見出しより)に、官製談合疑惑が浮上していると、巻頭特集記事で報じている。
 内部資料を入手したとして分析しているのだが、残念ながら、社名までは明かしていない。

・・・・・・。
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http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、3月18日の記事】

2012/03/18
<主張>小沢一郎事件に見る「司法も腐敗している」実情

 警察は不祥事や汚職事件が続々出ているから信頼できないと思っていても、未だ裁判所ぐらいはそれなりにまともに機能していると思っている人は多いのではないだろうか。
 だが、それもやっているのは同じ人だ。最近になり、村木事件陸山会事件などを通じ、「検察神話」も崩壊した。一皮剥けば、特捜部検事も自分の出世のため、上司の言いなりになり、容疑者や被疑者を脅しすかし、証拠や調書をねつ造し、警察以上にひどい捜査をやっていたことがわかって来た。そんななか、裁判官だけが特別にまともなわけがないだろう。
 もっとも、裁判官は捜査機関の警察や特捜部と違って、基本的には他の者が提出した捜査資料などを見て白黒を下す。だから、恣意的な操作は難しいと思っている方は多いかも知れない。また、司法権の独立が憲法でも謳われていると……
 だが、推認に推認を重ね、陸山会事件公判で石川知裕代議士らを有罪とした一審裁判官のように、実はその気になれば、“解釈の違い”でいくらでも恣意的に操作(判決)は可能なのだ。
 では、なぜそんなことをするのか? それは、裁判官も警官や検事と同じで出世などで有利になりたいからだろう。そして、その裁判官の報酬決定や人事権まで握る「最高裁事務総局」が、検察や法務省と癒着していることは本紙既報の通り。
 だから、政治的な案件で、しかも現体制に不都合なものであるほど、客観的な証拠に反し、現体制を不利にしない判決が下され得る。また、地裁の判決が、高裁、最高裁と上級裁判所になるとよくひっくり返る
 国民の側より、上層部の顔色を伺う“ヒラメ裁判官”ほど出世するから、上級裁判所ほど“ヒラメ裁判官”が多いからだ。
 そんなわけで、本紙は2月17日の公判で、石川知裕代議士らの大半の供述書が採用されなくなったものの、未だ小沢一郎元民主党代表が政治資金規正法違反(虚偽記載)で有罪になる可能性は高いと思っている。
 昨日、その司法の場でも、官製談合疑惑が出ているとして、その7社の実名をスッパ抜いたが、このように残念ながら司法も例外ではない。ほとんど報道されないだけで、警察、検察同様、他にも疑惑はいろいろあるのだ。
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●小沢一郎氏陸山会事件判決を目の前に控え: 検察審査会の罪深さ

2012年03月22日 00時00分02秒 | Weblog


gendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/135575)。

 この記事を読んでも、それでも心配。「採用された証拠は一つでオッケー」が頭に引っ掛かってしょうがない。

   『●小沢一郎氏陸山会事件: 採用された証拠は一つでオッケー!?

 ご存じのように検察・検察審査会サイドの指定弁護士の求刑は禁固三年。この〝事件〟発生時、マスコミが騒ぎ始めた当初の目的は十分に達成された。あの日に戻れないし、あの日の前の状況に戻すことも不可能だ。民主党は崩壊し、政権交代の意義は失われた。小泉純一郎政権時代の暗黒の政治に逆戻り。橋下徹氏の〝ハシズム〟人気でバカ騒ぎする哀しい政治状況。

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http://gendai.net/articles/view/syakai/135575

だれもヤル気がない小沢裁判 続ける意味があるのか
2012年3月9日 掲載

きょうの論告求刑も苦し紛れで中身なし
<検察、検察審、指定弁護士、大マスコミの自滅と敗北>

「小沢一郎は悪だ。罰しなければならない」――そんな思惑と悪意で進められてきた小沢裁判は、9日、論告・求刑が行われた。検察官役の指定弁護士は「審査手続きの違法性と検察審の議決は次元が異なる」「検察審の議決を経た強制起訴は適法」と指摘したが、これほどバカバカしい話もない。強制起訴した前提が大きく崩れているのだから、むなしい“形だけ求刑”だ。
   ◇    ◇
 8日、9日の朝刊各紙はこんなふうに小沢求刑公判の予定記事を書いていた。

   「大善文男裁判長は公判で、元秘書の石川知裕衆院議員が小沢元代表に
    虚偽記載を“報告し、了承を得た”と認めた検察調書をすべて採用しない
    と決めた。共謀を示す直接証拠の中で最も重要な柱を失ったことで、
    指定弁護士は状況証拠を積み上げ、論告で有罪の意見を述べる予定だ」

 検察調書とは、例の東京地検特捜部の田代政弘検事が捏造した石川知裕元秘書の調書などのこと。それが証拠採用されないとなった今、小沢を総攻撃してきた大マスコミも、「こりゃあ、有罪に持ち込むのは無理だ」と思い始めている。それで言い訳の記事を書き始めたのである。実際、指定弁護士の論告求刑の苦しかったこと。

   「間接証拠を並べて推論に推論を重ねて、小沢有罪論を展開するシナリオです。
    証拠がある簡単明瞭な事件なら、要点羅列だけで済むが、今回の論告は逆。
    決め手の証拠がないから、外堀のさらに外から埋めていって、
    やっと本丸にたどり着くことになる。だから公判で読み上げる指定弁護士の
    文章量はとてつもない。中身がない事件ほど、ダラダラした論告
    なるものですが、その典型例です」(司法記者)

 スカスカの中身なしの論告求刑をして、あとは裁判官にバトンタッチ。そういうことなのである。
 前回の証拠採用公判で大善裁判長から「違法」「不当」とケチョンケチョンに批判された東京地検特捜部はメンツ丸つぶれで、もはや戦意喪失。その検察の捏造調書をもとに強制起訴を議決した第5検察審査会のシロウト11人もバカ丸出し。そして徒手空拳で戦うしかなくなっている指定弁護士……。みんな、この小沢裁判には困っているのだ。最終的判断を押し付けられた大善裁判長だって、逆立ちするくらいの推論を積み重ねないと「有罪判決」に持ち込めないことは分かっているから、気が重いだろう。事ほどさように、だれひとりとして積極的に関与したくないのが小沢裁判なのである。

   「この裁判で明らかになったことは、検察捜査のひどい実態。検察審査会が
    検察の補完機関に使われていたこと強制起訴制度に欠陥があること。
    それが分かったことだけに意義があった」

 司法ジャーナリストの魚住昭氏がこう皮肉ったが本当だ。エラソーに小沢を裁こうとした連中が、大マスコミも含めて、次々とデタラメがばれて自滅なのだ。喜劇というかマンガである。こんな裁判を続けることに、何の意味もない。
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●小沢一郎氏裁判、司法の信頼回復の好機 ~大善文男裁判長への期待~

2012年03月21日 00時00分16秒 | Weblog


魚住昭さんの『魚の目』の記事(http://uonome.jp/read/2369)。

 どちらに転ぶのか、揺れ動いている。魚住さんも、無罪判決と言い切る自信を失っておられるようだ。これは検察への失望に次ぐ、司法・裁判所への信頼の喪失にも理由がある。

   『●小沢一郎氏陸山会事件: 採用された証拠は一つでオッケー!?
   『●続・小沢一郎氏陸山会事件: 採用された証拠は一つでオッケー!?

 ただ、東京地裁の登石郁朗推認〟裁判長とは、大善文男裁判長はかなり違うようである。魚住さんの云うように、ここまで地に落ちた司法の信頼を、これは取り戻す好機なのかもしれない。大善文男裁判長の責任はとても重い。

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http://uonome.jp/read/2369

「大善決定」が示す小沢裁判の行方
NEW!2012 年 3 月 7 日 魚住 昭

 昨年末、知り合いの記者から「小沢一郎氏の判決はどうなるのか?」と聞かれた。私は考え込んだ挙げ句にこう答えた。

   「証拠に照らせば無罪でしょ。でも裁判官の中には『推認だけで判決を
    書く人がいるからまだ分からない。あえて言えば7対3か6対4で無罪ですかね」

 我ながら歯切れの悪い答えだった。昨年9月、東京地裁の登石郁朗裁判長が石川知裕衆院議員らに下した判決のショックが尾を引いていて無罪だと言いきる自信がなかったのである。

 登石裁判長は昨年6月の証拠決定では石川議員の取り調べで「特捜部は恐ろしいところだぞという威迫があった」として石川調書を証拠採用しなかった。不当な捜査が明らかになったののだから、石川議員らの量刑は無罪とはいかなくとも大幅に軽減されてしかるべきだろう。

 しかし登石裁判長は判決では検察側の筋書きを全面的に認め、石川議員ら3人に対し、ほぼ検察の求刑通り禁固1~3年(執行猶予付き)を言い渡した

 自ら指摘した捜査の欠陥を極小化し、証拠の欠落をすべて「推認」で埋めるという乱暴極まりない事実認定だった。私は判決要旨を読んだ時の背筋が凍るような思いを今も忘れられない。

 今月17日、検察審査会の議決で強制起訴された小沢氏の証拠決定があった。大善文男裁判長の決定は石川調書の任意性を否定した点では「登石決定」と変わらない。だが、その内容にはかなり重要な違いがある。

 その第1点は、検審の起訴相当議決(1回目)を受けて田代政弘検事が行った石川議員の取り調べ (石川議員が隠し録音していた)に対する評価である。

 登石決定は「威迫ともいうべき心理的圧迫と利益誘導を織りまぜながら巧妙に誘導し」たと認定したものの、取り調べを違法とまでは言い切っていない

 一方、大善決定は田代検事が「小沢の関与を認める供述を覆すと、検察内部の強硬な考えの持ち主が小沢の起訴に転じるよう主張する」と述べたのを捉え、これは「強力な利益誘導」で「虚偽供述に導く危険性の高い取調方法」だと非難している。

 さらに田代検事が石川議員の再逮捕を示唆し「供述を覆すことを困難にするような強力な圧力」をかけたと指摘。「このような取調方法は違法不当なものであって、許容できないことは明らか」と断じた違法な証拠で起訴された者に有罪は言い渡せない。これは法の常識である。

 大善決定が登石決定と大きく違う点がもう1つある。それは石川議員の勾留中にフェアな取り調べをしたという趣旨の田代検事の法廷証言に「深刻な疑問」を表明したことだ。(登石決定は田代証言に言及していない)

 大善裁判長がそこまで言い切ったのは、石川議員の再聴取後に作られた捜査報告書の嘘の数々が小沢法廷で暴かれたからだ。報告書によると石川議員は再聴取の際、こう述べたという。

   「勾留中に田代検事から『やくざの手下が親分を守るため嘘をつくのと
    同じようなことをしたら選挙民を裏切ることになる』と言われ、
    堪えきれなくなって小沢氏の関与を認めた」

 だが、こんなやりとりは隠し録音には一切ない。田代検事は法廷で「記憶の混同 」と釈明したが、大善裁判長はそれを「信用できない一蹴した

 さらに大善裁判長は、特捜部の副部長が石川議員の目の前で取り調べメモを破ったり別件で石川議員の政策秘書を厳しく取り調べたことなどを指摘。複数の検察官による組織的な圧力により石川議員が小沢氏の関与を認める調書に署名させられた疑いがあると述べている。

 つまり大善決定は登石決定より1歩も2歩も踏み込み、田代検事の“偽証”まで問題視しているのだ。となると4月に予定される判決は無罪しかないだろう。私は登石判決のような悪夢はもう見たくない。失われた司法への信頼を取り戻すため、証拠に基づくまともな判決が言い渡されるのを心から願う。(了)

(編集者注・これは週刊現代「ジャーナリストの目」の再録です)
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●続・小沢一郎氏陸山会事件: 採用された証拠は一つでオッケー!?

2012年03月20日 00時00分07秒 | Weblog


gendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/135461)。

   『小沢一郎氏陸山会事件: 採用された証拠は一つでオッケー!?

 日刊ゲンダイの見立ても、やはり、悲観的だ。郷原信郎氏は検察を変える最初で最後のチャンスと見ておられて、一方、記事自体は、それさへも難しいというトーン。東京地裁大善文男裁判長への検察からの無言のプレッシャーは相当なものなのだろうか。だからこそ、「採用された証拠は一つでオッケー」というサインを検察に送っているのだろうか。小沢氏有罪による政治的生命抹殺へと向かっているようで、検察やマスコミ等によるこんな不条理なことが許されていいのだろうか、大いなる疑問である。

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http://gendai.net/articles/view/syakai/135461

小沢「有罪」裏取引
2012年3月3日 掲載

どこまで検察は腐っているのか!

<背後に潜む一大謀略>
 検察の組織的犯罪が決定的となった。小沢元代表を強制起訴に導いた「虚偽報告書」が、東京地検の手で1年間も放置されていた。とうに不正を把握していながら、小沢弁護団が公判で指摘するまで、シラを切り通すつもりだった腐った隠蔽体質。フザケたことに検察サイドは、今回のデタラメすら「小沢有罪」に向けた裏取引に利用しようと企んでいる。

<突然、発覚した「虚偽」報告書隠蔽の実態>
 東京地検が捜査報告書の虚偽記載に気づいたのは、昨年1月上旬。きっかけは、石川知裕衆院議員(38)ら小沢の元秘書3人の弁護側が、例の石川録音テープの中身を証拠開示したこと。10年5月に元特捜部の田代政弘検事(45=現・新潟地検)による再聴取のやりとりがバッチリ記録されており、田代検事が作成した報告書と比べれば、内容が食い違うことは一発で分かる。
 問題は、東京地検が不正を把握した時期だ。大阪地検特捜部証拠改ざん事件を受け、最高検が再発防止策を発表した直後だった。改ざん事件を機に設立された「検察の在り方検討会議」のメンバーで、元検事の郷原信郎弁護士は「我々が検察再生の議論を重ねる中、東京地検は組織防衛のために偽造報告書を隠蔽したとしか思えません」と、こう憤慨する。

   「田代検事個人の不正なら、東京地検も即座に処罰できた。
    ところが、いまだに田代検事を処罰せず、組織に抱えたままです。
    この事実こそ、今回の不正が組織ぐるみだったことを物語っています
    田代検事の上司など複数の幹部が不正に加担した“組織犯罪”だから、
    発覚を恐れた。当時、明るみに出れば、東京地検は特捜部解体まで
    追い込まれたでしょう。隠蔽は、そのためです」

 市民団体から「虚偽有印公文書作成容疑」での刑事告発を受け、東京地検はアリバイ的に田代検事の聴取を重ねてきた。しかし、組織的隠蔽の露呈により、田代逮捕で一件落着を図る可能性が高まっている。上司だった特捜部の吉田正喜副部長や佐久間達哉部長(いずれも当時)らも無傷では済まないだろう。
 常識で考えれば、これで小沢はまた一歩、「無罪」に近づいたようにみえる。だが、検察組織は非常識。小沢周辺も警戒を強めているという。

   「この国の検察と裁判所は表裏一体です。検事の一斉処分となれば
    “これだけ詰め腹を切らせた以上、もう恥をかかせるな”と暗黙の了解で、
    裁判所への無言の圧力になる。虚偽報告書の隠蔽発覚は、
    読売新聞が2日付1面でスクープしたもの。記事は複数の検察幹部による
    リーク情報を基に書かれていました。『小沢無罪』説が強まる中、
    検察がわざわざ身内の不祥事をさらけ出すのは異例だし、不気味です」(民主党関係者)

 肉を切らせて骨を断つような「小沢有罪」に向けた裏取引――前出の郷原氏は「ここで徹底的にウミを出さないと、検察組織は再生できない」と言ったが、検察は懲りていない。注目の判決は来月26日前後とされる。検察の重圧に屈せず、東京地裁は常識的な判断を下せるのか大善文男裁判長の胆力が問われる
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●小沢一郎氏陸山会事件: 採用された証拠は一つでオッケー!?

2012年03月18日 00時14分45秒 | Weblog


来栖宥子★午後のアダージォ/さながら水面に浮かぶうたかた、手すさびのようなもの』の記事(http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/4a8db56c40e17e6c28d5755d081a15a5)のうち、「〈来栖の独白2012/02/19 Sun.〉」の部分を引用させていただきます。

 私も、すんなり無罪になるようには思えない。

   『●魚の目: 陸山会事件、魚住昭さんの〝目〟
   『●続報=水谷建設裏金問題、小沢一郎氏でなく自民党議員だった!?
   『●水谷建設裏金問題、小沢一郎氏でなく自民党議員だった!?
   『●推認裁判官よりはまともか?
   『●小沢一郎氏関連冤罪事件、推認に推認を重ねた裁判長

 「被告人を有罪とするに証拠は多くは要らぬ。1つあればよい」の部分にひどく唸らされた。全く仰る通りである。やはり、先行き厳しいと見ておくべきで、東京地裁大善文男裁判長の判決後、またしても、マスコミのバッシングが見えるようだ。はたして大善文男裁判長は〝犬〟か、それとも、〝犬〟になれない裁判官だろうか? 死刑判決が出るような裁判ではないけれども、小沢氏の〝政治的抹殺〟へと導くものであり、熊本典道さんの苦しみを感じ取れる裁判官であろうか?

   『●〝犬〟になれなかった裁判官
   『●『美談の男』読了
   『●マスコミと癒着する「司法・最高裁」の堕落ぶり
   『●原発裁判はどれも完敗: 井戸謙一元裁判官と小出裕章さんの対話
   『●そりゃぁ、東京電力原発人災以降を見ただけでも、「司法」にも絶望するよな
   『●東京電力、「お前のモノだろう!」
   『●井戸謙一元裁判官再び: 最高裁は常に国側に、そして、努力は無駄に
   『●金沢地裁原発差し止め判決: 井戸謙一元裁判官

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http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/4a8db56c40e17e6c28d5755d081a15a5

小沢一郎氏裁判/有罪とするには、採用された池田光智被告の1つがあればよい/小沢氏の政治生命は断てる

・・・・・・。

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〈来栖の独白2012/02/19 Sun.
 裁判とは、怖いものだ。石川知裕議員の披露宴に出席している鈴木宗男氏の顔(画像)を見ていて、ふと小沢一郎氏の裁判、裁判長大善氏の目論みを思った。
 そもそも小沢氏の強制起訴は、愚かな市民(委員)を操って、国と検察、そして政界が既得権益を守らんがために小沢氏を葬ろうとでっち上げたもので、メディアを走狗としてフルに使った。
 今月17日金曜日、東京地裁大善裁判長は、検察側証拠書類の大半を信用できないとして却下。しかし、楽観できない。小沢無罪を言い渡すことは、検審会の存在意義が問われることであるし、司法官僚の受けも決してよいはずはない。大善氏の将来(出世)を考えれば、氏の得点になるとは考えにくい
 いや、そのようなことよりも何よりも気になってならないのは、証拠却下されたのが「大半」であって、「全部」ではないということだ。池田光智被告の調書は採用されている。被告人を有罪とするに証拠は多くは要らぬ。1つあればよい。池田光智被告の1つによって有罪になれば(微罪で執行猶予でも)、その瞬間に(確定の瞬間に)小沢一郎さんの政治生命は断たれる選挙権及び被選権が停止される。鈴木宗男氏がそうだ。「微罪でよい。執行猶予も付けてやろう」、大善氏は有罪の青写真を描いたうえで---小沢氏の息の根を止める手はずを整えて---大半の証拠を却下、身内同然の検察に「これからは気をつけなさいよ」と余裕で、たしなめて見せたか。
 振り返ってみれば、このようにして(特捜)事件は造られ、権力の側に好いように判決されてきた。小沢排除を狙って、このこと(~強制起訴)を仕掛けた検察が、最後の矢を外すとは思えない。小沢無罪は奇跡に近い。胸が騒ぐ。騒いでならない。

・・・・・・。
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●光市母子殺害事件最高裁判決: 神保哲生さんらの〝目〟

2012年03月12日 00時04分33秒 | Weblog


神保哲生さんのvideonews.comの記事(http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002316.php)。三つの問題点を指摘。

 安田好弘弁護士へのバッシング、検察や裁判所の〝安田憎し〟〝安田抹殺〟の視点は、やはり一連の光市母子殺害事件の判決では無視できないと思う。マスコミはバカ騒ぎするだけで、一連の裁判の過程の背後で何が起っていたのか、に目を向けようとしていない。死刑存置派としての視点で、安田さんらに、この裁判とは関係のない死刑廃止派弁護士とのレッテル貼りに終始、バッシングに夢中。「死刑のスイッチ」を押すことへの自覚がなく、「吊るせ、吊るせ」と大合唱しているに等しいことに気づいてもいない。

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http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002316.php

ニュース・コメンタリー (20120225日)
光市母子殺害事件の最高裁判決をどう評価するか

 1999年の山口県光市母子殺害事件の差し戻し審で最高裁が被告の上告を棄却したことで、犯行当時181カ月の元少年の死刑が事実上確定した。この判決については、メディア上でも多くの議論が交わされているが、何点か指摘しておくべき問題があるように思う。

 まず、最高裁は上告を却下せざるを得ない理由として、被告が殺意について途中から自分の主張を変えたことが、誠意や反省の欠如と判断される点を、主たる理由の一つとしてあげているが、これについては一定の懸念を持たざるを得ない理由がある。最高裁上告の直前に被告の代理人となった安田好弘弁護士によると、少年は取り調べ段階で、殺意を認めれば極刑は回避してやるとの警察・検察の裏取引に応じ、殺意を認めていたという経緯があったのだという。しかし、検察は一審、二審ともに死刑を求刑していた。(一審、二審は求刑は死刑だったが、判決はともに無期懲役だった。)これが本当だとすれば、少年やその代理人が裏取引が守られていないと判断し、途中から殺意の否定に主張を変えることは十分あり得ることだ。しかし、そもそもそのような裏取引があったという証拠は、取り調べが録音も録画もされていない上、弁護士の立ち会いも認められていないため、何一つ証拠は存在せず、これが単に不誠実な態度と受け止められてしまっている
 そもそもそのような裏取引はあるべきものではないが、実際にそのようなことが密室の取り調べで横行していることは、昨今の検察不祥事でもたびたび指摘されている。先般も陸山会事件で、そのようなやりとりの下で行われたの石川知裕衆院議員に対する取り調べの調書の採用が却下されたばかりだ。あの時はたまたま石川氏が取り調べを密かに録音していたために、供述の強要や誘導が白日の下に晒されたわけだが、これだけ検察の取り調べに対する社会の不信感が高まる中にあって、このような衝撃的かつ悲劇的な事件では、その疑問が丸ごとどこかに吹き飛んでしまうのは残念でならない

 また、最高裁は上告棄却の理由として、遺族の処罰感情の峻烈さを挙げている。殺人事件に限らず、事件や事故の際の遺族や関係者の辛苦には、部外者の想像を超えたものがあることは言うまでもない。しかし司法のあり方として、遺族の処罰感情を判決の主たる理由に据えることの妥当性については、議論の余地があると同時に、注意が必要ではないか。今回の最高裁判決ではそれを判決の理由とすることが、あたかも当然かつ自明のことであるかのように語られているが、被害者の感情的回復を優先するあまり、司法のその他の機能が蔑ろにならないよう監視をしていくことも、市民の重要な務めとして受け止めていきたい。


 そして、最後にこれはメディアでも多くが指摘している点だが、死刑が全会一致ではなく多数決の決定だったことも、やはり疑問が残る。
5人の最高裁小法廷判事のうち1人は下級審の審理に関わっていたとの理由から最高裁での審理からは外れ、4人の判事が判断を示したが、3人が上告棄却としたのに対し、弁護士出身の宮川光治判事は、「当時の被告の精神的成熟度が18歳より相当低ければ、死刑を回避する事情に当たる」として、死刑判決を破棄してさらに審理すべとする、反対意見を表明している。
 現行の制度では最高裁小法廷では5人の判事の合議制によって多数決で判決が決まることになっているので、制度上は一人の反対意見は少数意見に過ぎない。しかし、一旦執行されてしまえば、後戻りができない死刑の不可逆性を考えると、今後、死刑判決については全会一致を条件とすることも検討に値するのではないか。ましてや、裁判員制度が導入された今、裁判員裁判で死刑が確定することもあり得る。多数決によって死刑が決まることになると、たった一人の裁判員の評決が判決を左右してしまうかもしれない。これは一般市民から選ばれた裁判員にとっては、あまりにも過重な負担と言えるのではないか。

 光市母子殺人事件の最高裁判決をジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
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●魚の目: 陸山会事件、魚住昭さんの〝目〟

2012年03月07日 00時20分25秒 | Weblog


魚住昭さんの『魚の目』の記事(http://uonome.jp/read/2013)。

 当初からこの事件の無茶苦茶さを指摘していた魚住さん。

   『●小沢一郎氏検察審査会は機能していない
   『●魚住昭さんが記者生命をかけて断言 ~小沢一郎氏関連裁判~
   『●魚住昭さん: 検察の愚劣捜査が国政を歪めた!
   『●小沢一郎氏に対してのバカ騒ぎのその後
   『●魚住さんの最高検報告書批判

 まだまだ、裁判の行方は不明。登石郁朗推認〟裁判長による〝推定有罪〟のようなこともあるので、油断はできない。
 それにしても、小沢一郎氏どころか、石川知裕議員らどころか、民主党議員どころか、自民党議員が噛んでいたのではないかという指摘について、なぜマスコミはバカ騒ぎしないのか? まさか、選挙が〝近い〟から、なんて言わないでしょうね!? 特捜検察も腐っていて、裁判所も機能しない、マスコミも小沢憎しのバカ騒ぎ。魚住さんのような優れた〝目〟を持つジャーナリストが一人でも多くより一層出てきてほしいものです。

   『渡邉恒雄 権力とメディア
   『野中広務 差別と権力
   『だまされることの責任
   『特捜検察の闇
   『沈黙のファイル ―「瀬島龍三」とは何だったのか
   『官僚とメディア
   『冤罪法廷 ~特捜検察の落日~

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http://uonome.jp/read/2013

前田元検事が語った陸山会事件の深層
2012 1 10 魚住

 小沢一郎・元民主党代表が強制起訴された陸山会事件に興味をお持ちなら、法廷尋問の詳細をほぼリアルタイムでネット配信しているMSN産経ニュース(無料)を是非お勧めしたい。
 
 昨年12月16日にあった前田恒彦元検事(証拠改竄事件で服役中)の証人尋問の内容もMSNを読むとディテールまでよく分かる。臨場感もあって下手な小説よりはるかに面白い。『神は細部に宿り給う』とはこのことだろう。
 
 MSNが伝えた前田証言の核心に迫ってみよう。彼は陸山会事件の強制捜査が始まって1週間後に大阪地検から応援に駆り出され、大久保隆規紀・元公設秘書の取り調べを託された。
 
 その際、主任検事が『この件は特捜部と小沢の全面戦争だ。小沢をあげられなければ特捜の負けだ。恥ずかしい話だが、東京には割り屋がいない。だから大阪に頼ることになった』と言い、4億円の土地購入資金の原資解明を命じたという。
 
 早速前田元検事は他の検事らに「ご用聞き」して回った。結果、5千万円は石川知裕衆院議員が水谷建設から受け取り、1億円は○○建設から…と、業者からの裏金が土地購入資金になったとの見立てで捜査が進んでいることが分かった。だが、各ゼネコン・下請け業者を調べている検事らはうまく裏金の話を聞き出せていないようだった。
 
 大久保氏は既に水谷建設から百万単位の金を個人的にもらったことを認めていた。だがこれは小沢氏に報告しておらず、額も想定より一ケタ少なかった。
 
 大久保氏は前田元検事の追及にも個人的な金以外は認めなかった。まるで「『コンクリートの塊』で、呼ばれて間もない私に『割ってくれ』と言われて割れる状況ではなかった」という。
 
 小沢氏の聴取があった翌日、特捜部長らが拘置所に陣中見舞いに来て「大久保はどう?」と聞いた。前田元検事は「頑張ってみますけど難しいです」と答えた。石川議員担当の田代政弘検事も同じような返答をした。
 
 その場で部長は「小沢は当然分かっている」と言った。ダム工事の謝礼を秘書個人に渡す訳がない。そんな金だから収支報告書の虚偽記載で隠すとの見立てである。だが土地購入の原資が裏献金でなかったらこの見立てはあっさり崩れてしまう。
 
妄想」かもしれないと前田元検事は思った。何十人もの検事が業者を調べても裏金が出てこない。石川議員を調べた田代検事と吉田正喜副部長も「石川さんが5千万円を受け取った事実はないんじゃないか」と言った。
 
 初めからこの捜査には問題があった。購入原資を裏献金と決めつける前に「もっと小沢先生周辺や奥様の資金周りを調べるべきだと思いましたが、それができていなかった。4億円が企業からの献金と『妄想』する人もいたが、正直ついて行けなかったし、ついて行かなかった」
 
 調べの現場は厭戦ムード裏献金で小沢氏を立件するのに積極的だったのは、特捜部長や主任検事など一部だけだった。結局、小沢氏は不起訴になったが、その後、検察審査会に証拠を提出する際に「証拠隠し」が行われたと前田元検事は言う。
 
 その1つは石川議員の取調中に弁護人から繰り返し出された抗議文書。もう1つはゼネコンや下請け業者らの供述を記したメモだった。特捜部では見立て(小沢氏側への裏献金)に合わない供述は調書化せず、ワープロでその要旨を整理していた。
 
 もし検審にそれらが示されていたら石川調書の信用性も「水谷建設の裏献金の信用性も、減殺されていたはず。想定に合わなければ証拠にならないというのがこれまでの検察で、私も感覚がずれていて、厚労省の(証拠改竄)事件を起こすことになった」と前田元検事は言った。
 
 冤罪はこうして作られ、検審もこうして騙される。「私の件をきっかけに大きく検察組織を変えるなら、検察だけの判断で『この証拠は出さない』というのはやめるべきです」。前田元検事ならではの至言だろう。(了)
 
(編集者注・これは週刊現代「ジャーナリストの目」の再録です
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●推認裁判官よりはまともか?

2012年02月29日 00時00分20秒 | Weblog


山岡俊介さんのアクセスジャーナルの記事(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、2012年2月16日)と東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012021790135643.html)。

 こちらの東京地裁の裁判官はまともか。推認に推認を重ねた、石川知裕代議士の判決を下した裁判官は酷かった。マスコミ報道も相変わらずであり、この先どうなるかはまだまだ不明。

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http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、2012年2月16日】

2012/02/16
関係者が激白ーー「小沢一郎への1億円闇献金は察の作文」。これだけの不可解証言内容
執筆者
: Yamaoka (5:30 pm)

  明日、政治資金規正法違反(虚偽記載)で強制起訴された民主党元代表・小沢一郎氏の公判で、東京地裁は、石川知裕代議士ら元秘書3人の供述書などを証拠採用するかどうか決定する。
 それを目前に、改めて、検察側が最大の疑惑と主張している、水谷建設側が計1億円闇献金したとする根拠の薄さにつき、小沢氏側関係者が激白した。
 この件、振り返ると、闇献金したとする時期は041015日と、05年4月中旬。04年の方は石川秘書(当時)に、05年4月の方は大久保隆規秘書(同)に、当時、社長だった川村尚氏が各5000万円を、東京都港区の「全日航ホテル」(=下写真。現ANAインターコンチネンタルホテル)で渡したとされる。

関係者「先の石川さんらの一審判決で、裁判長は裏献金の事実を推認による推認で認めましたが、川村尚(水谷建設)社長が大久保秘書に渡したとする方は日にちさえ特定されてないんですよ。それで、なぜ1審で有罪なんですか? これでは、渡したとする相手が偽証すれば、いくらでも貶めることができますよ」(以下、カッコ内すべて同)

ーーですが、川村社長に偽証する動機があるのか?
「それが大いにあるんですね。こちらの調べだと、川村社長には愛人がいて、実は小沢さん側に渡したとするカネはそちらに行った可能性がある。そのカネで、塩田大介が連れていった」韓国の同じカジノにも愛人と行っていたようです。

 その疑惑が特に高いのが、石川さんに渡したとする方ですね。1人で渡しているから」

ーー水谷建設元会長は、部下に闇献金させる際は必ず信頼する同行者を付けていたそうですね。
「そうです。ところが、石川さんに渡したとする方はなぜか川村社長1人。しかも、川村社長の運転手は、渡したとする日、全日空ホテルには行ってないと供述している。日報にも記載がない。ところが、重要な証言でも、そういう検察側に不利な供述は出さない
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012021790135643.html

小沢元代表公判 共謀供述 証拠採用せず
2012217 1356

 資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で強制起訴された民主党元代表小沢一郎被告(69)の第十四回公判が十七日、東京地裁であった。大善文男裁判長は、元秘書石川知裕衆院議員(38)が小沢元代表の関与を認めた捜査段階の供述調書について、「違法な取り調べがあり、信用できない」として証拠採用しないことを決めた。池田光智元秘書(34)が元代表への報告を認めた調書も一部を除き証拠採用しなかった。
 元秘書らの供述調書が小沢元代表の共謀を示す唯一の直接証拠としていた検察官役の指定弁護士にとって、厳しい結果となった。
 大善裁判長は、石川議員が隠し録音していた保釈後の取り調べで、小沢元代表の関与を認める供述を維持すれば元代表は不起訴となる、と検事がもちかけたと認定。「強力な利益誘導があり、虚偽供述に導く危険性の高い取り調べだった」と東京地検特捜部の捜査を批判した。
 石川議員の供述調書は十三通のうち八通が全面的に不採用。この中には石川議員が土地購入費の四億円を報告書に記載しないと報告し、小沢元代表が「そうしておいてくれ」と答えたとする捜査段階の供述も含まれる。
 池田元秘書の供述調書は二十通のうち八通は全体を不採用。土地購入に関して二〇〇五年分の収支報告書に計上することを小沢元代表に報告した部分は採用されたが、「虚偽記入について了承を得た」とされる部分は不採用となった。
 これまでの証人尋問で、石川議員らは供述調書の内容を否認。「検事の作文」「検事から調書に署名しても元代表が起訴されることはない、と説得された」と強調し、小沢元代表も一貫して関与を否定している。
 指定弁護士側は、小沢元代表がいる法廷では石川議員らは強い圧力を受け、元代表に迎合した不自然な供述をしているとして、捜査段階の供述調書を信用するべきだと主張。弁護側は「取り調べは威迫や違法な誘導があった」として、供述調書を証拠採用しないよう求めていた。

(東京新聞)
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●小沢氏冤罪に関して東京新聞の見方が変わった?

2012年02月01日 01時01分04秒 | Weblog


少し前になりますが、東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012011102000054.html)。

 ンッ? 東京新聞の見方が変わった? 検察批判や裁判所批判など、今まであまり記事になっていなかったように思います。検察の行いや裁判官の「推認」判決などに何の批判もなく、小沢バッシングのみに夢中になるマスコミの姿は異常で、この件に関しては東京新聞も同じようなものかと思っていました。少し変わってきたのでしょうか。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012011102000054.html

小沢元代表公判 4億円の説明をもっと
2012111

 民主党元代表小沢一郎被告が法廷で「政治団体の仕事はすべて秘書任せ」と述べた。無罪をあらためて強調したわけだ。問題の四億円について納得いく説明こそ、政治家の信用回復の鍵となろう。
 初公判から約三カ月間に、検察の捜査に疑問符が付いた。一つは事実と異なる捜査報告書の問題だ。「(元秘書の石川知裕衆院議員が)議員なのにウソを言ってはいけないと言われた。あれが効きました」と書かれている。作成した検事は法廷で「その通りのやりとりはなかった」「記憶が混同した」と答えた。
 問題なのは、この報告書が小沢元代表が陸山会事件に関与したとする石川議員の供述調書の裏付けとなっていることだ。市民による検察審査会が強制起訴に持ち込む根拠となった可能性がある。
 もう一つは、捜査に加わった大阪地検元検事の証言だ。建設業者の取り調べメモでは、一億円を渡したとする水谷建設以外は「小沢元代表側に現金を渡していない」という業者ばかりだったと述べた。「渡していない業者」のメモは検察審のメンバーには明らかにされていない。つまり、検察があえて、検察審に起訴議決を促そうとする、きわどい手法をとったとの見方も浮上するのだ。
 もともと小沢元代表は「国家権力の乱用だ」と訴えていたが、陸山会事件そのものが、はじめに「筋書きありき」の捜査ではなかったかという想像すら湧く。
 石川議員ら元秘書三人に対する判決では、土地取引の原資となった四億円を隠蔽(いんぺい)しようとしたと推認し、三人が共謀したことも推認するなど、推測を重ねて有罪に導いたとも批判されている。
 小沢元代表の裁判では、裁判官は一切の予断を排し、厳格な事実認定に基づいて、四月に予想される判決に臨むべきだ。
 小沢元代表もさらに説明を尽くさねばならない。四億円の問題は政治資金収支報告書の虚偽記載の動機に直結するポイントだ。
 その説明が政治資金から銀行融資、個人資産などと変わった。どれが正しい答えなのか、なぜ変遷するのか。国民が納得しないのは、小沢元代表の姿勢にも原因がある。
 陸山会事件後は沈黙状態にあった小沢元代表は、現政権を強く批判し、自らの派閥を糾合し「動く小沢」に変わってきた。政治活動に信頼回復を目指すなら、それを支える政治資金の明朗化こそ、越えるべきハードルである。
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●捏造証拠、脅迫調書、ウソ報告書・・・さて、検察本体は?

2012年01月04日 02時01分32秒 | Weblog


asahi.comに出ていた社説(http://www.asahi.com/paper/editorial20111218.html

 いやいやいや、こんなことで、どんなメンバー構成かさへも良く分からない検察審査会がバカ騒ぎをして、起訴までした訳だ。マスコミに依るミスリードもあるのだろうけれど、検察審査会のメンバー構成さへも何かの意図を感じるし、そもそもちゃんと審査したのかさへ疑わしくなってくる。この件では、ようやくasahi.comも検察批判に転じたように思われるが、この検察審査会も批判されて当然ではないのか。
 それにしても検察は一体どうなっているのだろうか。真実の解明ではなく、特定の政治家を意図的に失脚させたり、容疑者を罪に陥れることばかりを考えてはいないか。狙われた政治家や容疑者はたまったものではない。検察の暴走を監視すべき裁判所やマスコミ、一体何をしているのか!? 暴走を助け、煽っているだけではないのか。

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http://www.asahi.com/paper/editorial20111218.html

20111218日(日)付
うその報告書―検察は経緯を検証せよ

 驚き、あきれてしまう事実がまたも明らかになった。

 小沢一郎・民主党元代表の政治資金をめぐる裁判で、秘書だった石川知裕衆院議員を取り調べた東京地検の検事が、事実と異なる捜査報告書を上司に提出していたことを認めた。


 石川氏は昨年1月に逮捕されたとき、「政治資金収支報告書にうそを書くと元代表に報告した」と認める供述調書に署名した。元代表を「起訴相当」とした検察審査会の1回目の議決を受け、この検事は改めて5月に石川氏から事情を聴いた。その際、あえて不利なことを認めた理由として氏が語ったという、報告書の中の生々しい言葉は、実は架空のものだった。


 捜査員がねじまげた調書を作ることが問題になっている。それでも調書の場合、調べられた当人が署名しなければ証拠にならない。だが報告書は部内資料のためルールは甘く、捜査員が署名するだけだ。そこにうそを書く。ある意味で、調書のねじまげより罪深いといえる。


 なにより真実でない報告を受ければ、上司は捜査の方針を誤るだろう。この検事は「別の取り調べの時と記憶が混同した」などと弁解したが、本当ならばそれだけで検事失格だ。


 自覚と緊張感のなさは、報告を受けた側も同様である。


 元代表の刑事責任の有無を考えるうえで、石川氏はカギを握る重要人物だ。再聴取の様子をしっかり確認していれば、今になって「報告書は事実と違う」という話が出てくることなど、およそなかっただろう。


 結局、起訴に向けてさらに捜査を尽くせという審査会の指摘には正面から向き合わず、一方で、自分たちの調べに問題がなかったことを組織内で確認しあって再捜査を終わらせた。はた目にはそのように見える。


 素人である検察審査会の審査員や裁判員に正しい判断ができるのか、という声はくすぶる。


 もちろん絶対に間違えないとは言わない。だが国民の能力をうんぬんする以前に、専門家の手で正しい証拠が隠されたり、不当な誘導がされたりすることが、誤った結論をもたらす。この当たり前のことを、いま一度確認しておきたい。


 今回の問題が元代表の裁判にどう影響するかは軽々しく言えない。確かなのは、検察不信がまた深まったということだ。

 なぜうその報告書が作られ、チェックもできなかったのか、経過を解明・検証して国民に説明する作業が欠かせない。「公益の代表者」の名が泣いている。再生の道は、はるか遠い。
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●日刊ゲンダイへの嫌がらせ ~宮崎学氏の「推認」~

2011年12月03日 00時30分46秒 | Weblog


THE JOURNALに出ていた宮崎学氏の記事(http://www.the-journal.jp/contents/miyazaki/2011/11/post_119.html)。

 恣意的なキナ臭さを感じていた日刊ゲンダイへのガサ入れ。いったい警察は何をやっているのか。嫌がらせとしか思えず、

   『●本当か?? 東日本大震災下の警察裏金問題

といった身内の不祥事にこそ目を向けてはどうなのか?

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http://www.the-journal.jp/contents/miyazaki/2011/11/post_119.html

日刊ゲンダイのガサ入れの裏に「ジェラシー」ありき

 1027日、「違法な風俗店の広告」を掲載したとして広告代理店社長が逮捕され、日刊ゲンダイ本社に家宅捜索が入った。ガサ入れの様子は大々的に報道されたので、見た人も多いと思う。
 当日にテレビカメラが入るということは、事前に記者クラブにブリーフィングがあったということだ。同じメディア業界の者たちが特定のメディアにダメージを与えるような報道をすることに私は強い違和感を覚えた。それと同時に、この種の報道をした「記者たち」が「ざまあみろ」と感じたかどうか、問うてみたいと思った。
 なぜこのような事態になったのか。事件について自分なりに「推認」してみたい。まず、石川知裕議員の有罪判決で有名になった「推認」なる言葉は、デジタル大辞泉には

すい‐にん【推認】 [名](スル)これまでにわかっている事柄などから推し量って、事実はこうであろうと認めること。「密約文書が保存されていると―する」

 とあるが、言葉としては普段は使われない。
 法律学小辞典(有斐閣)には「推定」はあるが、「推認」は載っていないのだが、法律関係者によると、「推認」とは「裁判官用語」とのことである。裁判官や法廷に出る弁護士、検察官が好んで使う用語であって、日本語としてはなじみが薄いのである。
 前置きが長くなったが、今回の家宅捜索を私が「推認」すると、二つの「男の嫉妬」が見え隠れする。
 まず、一つめ。この出版不況にあっても日刊ゲンダイは発売部数を伸ばして健闘してきた。部数がそこそこいいことに対するメディア特に新聞業界のジェラシーがある。特に日刊ゲンダイは、他紙と違って「反小沢」ではない。小沢叩き一色の業界の中で横並び報道を排した冷静な報道をしてきた稀有な存在だ。だから部数も伸びていたのだと「推認」できる。多様な意見を取り上げるのがメディアの役割であるのに、人気が出ると異端視して排除したがるのが既存メディアなのである。
 そして、二つめのジェラシー。昨今の暴力団排除で目立っている警視庁のマル暴こと組対(組織犯罪対策部)4課に対する生安(生活安全部)のジェラシーである。
 もともとヤクザ相手の組対4課とは、警視庁の中でもバカにされていたと「推認」される部署なのだが、最近は条例だ法改定だと、ちょっと雰囲気が違ってきた。そこで、エロの取締まりなどを担当する生安が「マル暴だけが目立ちやがって。俺たちもいっちょ行っとくかと存在感を示したかったと「推認」している。
 「警視庁は今回の事件を受け、日本新聞協会など7団体に対し、違法広告を掲載しないよう確認の徹底を要請していて、今後、取り締まりをいっそう強化する方針です」とTBSが報道していたが、「ヤクザの次はエロで行くぜ」と強硬策に出たのだと「推認」している。
 これにより、他のメディアもエロに対して委縮するはずだ。こうした状況は、私のコンビニ訴訟で実話誌の腰が引けていたことからも「推認」できる。今後は記者クラブのあり方を含め、いろんな議論をしなくてはならない。
 今回の件も事件としては大きくないが、根深い問題がある。

「推認」と「特定」
 さて、「推認」についてもう少し考えてみよう。
 来年の国会で成立が予定されている暴対法の「改正」では、「実行犯が特定されない段階でも、脅迫電話などの捜査から攻撃した組がほぼ特定されれば、規制に踏み切る」(1013日付け読売新聞電子版)としている。状況証拠で何でもアリにするという話で、各紙がほぼ同様の報道をしている。
 つまり、これも「推認」だ。確たる証拠がなくても、周囲の事情を見て、脈絡から「特定」する。非常に恐ろしい、恣意的な判断である
 石川判決でも明らかなように、「推認」は、刑事裁判の大原則である「疑わしきは被告人の利益にをまったく無視しているのだが、それがどんどん拡大する傾向にある。
 ちょっと話はそれるが、かつて社会主義国の法律を研究する「社会主義国法」というのがあった。学生時代にその権威であるF教授の講義をこっそり聞きに行ったことがある(登録してなかったからな^^;)。
 教授によると、「推認」や「みなし」という言葉を最も頻繁に使ったのは旧ソ連など社会主義国家であったという。国家に不都合な「違法行為」を取り締まるために、いろいろと拡大解釈して、たくさんの人をシベリア送りにした。
 いわゆる「革命的適法性」である。革命の為なら何をしてもいいというもので、極めてザツな、法とは言えない法の適用であった。
 現在の「推認」は、まさに同じではないか。
 個人の自由が、暴力団排除という極めてわかりやすいロジックで狭められているのだ
 そもそも自由(freedom)については、さまざまな形で弾圧を受けてきた左翼が最も大切にしなくてはならない概念である。
 しかし、ことヤクザに関しては何の反応もないどころか「ヤクザなど弾圧されて当然」という態度である。結局、基本的人権だとか自由とか言っている左翼言論には「ただしヤクザを除く」という但し書きがついているのだ。

     「私は君の言うことに賛成しないが、君がそれを言う権利は死んでも守るつもりだ
                            (S・G・タレンタイア『ヴォルテールの友人』より)


 そんな言葉は、もう死語となってしまったのだろうか

投稿者: 宮崎学 日時: 201111 4 23:04
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●魚住昭さんが記者生命をかけて断言 ~小沢一郎氏関連裁判~

2011年10月08日 00時08分12秒 | Weblog


魚住昭さんのWP『魚の目』(http://uonome.jp/)に出ていた最新記事(http://uonome.jp/read/1990)。

 検察に踊らされた、反省なきマスコミの小沢バッシングのバカ騒ぎを信じるか、記者生命をかけてもよいとまで言い切る魚住さんの検察批判を信じるか? 私はもちろん、村木厚子 冤罪事件安田好弘さんの嫌がらせ逮捕などからも、魚住さんの言説を絶対に支持します。
 これは先日の東京地裁の判決前に書かれたもので、それでも「記者生命をかけても」とまで仰っている訳ですが、やはりこの高裁判決には相当に問題があります。例えば、THE JOURNAL(http://www.the-journal.jp/)の山口一臣さんの三つの記事(判決要旨を読んで(その1)http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/10/post_802.html判決文コピペ事件http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/10/post_803.html判決要旨を読んで(その2)http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/10/post_804.htmlを読むだけでもこの判決文の問題点が良く分かります。検察やマスコミの問題と同程度に、裁判官にも非常に大きな問題があります。
 あ~、それにしても、なんで私が小沢氏を擁護してるのか・・・。それほど、検察やマスコミ、裁判官が酷過ぎるということかな

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http://uonome.jp/read/1990

「陸山会事件」判決 記者生命をかけても私が言いたいこと
NEW!2011 年 10 月 4 日 魚住 昭

 石川知裕著『悪党―小沢一郎に仕えて』(朝日新聞出版刊)が売れている。発売直後で9刷5万部だからベストセラーだ。
 誰も知らなかった小沢一郎の実像が絶妙の距離感で描かれているから売れるのも当然だろう。数多の小沢本(大抵はヨイショ本か、暴露本だ)が皆駄作に思えてしまうほど良質な作品だ。
 
 石川さんは陸山会事件で政治資金規正法違反の罪に問われている。この原稿が読者の目に触れるころには東京地裁の判決が言い渡されているだろう。(筆者注・この原稿は判決数日前に書きました
 
 判決内容がどうあれ、私は陸山会事件の取材者として伝えておきたい事実がある。この事件は「小沢潰し」のため仕組まれたものだ断罪されるべきは検察の不当で低劣な捜査だ
 
 私 がそう言い切る理由は以下の通りだ。もともと陸山会事件の本丸は水谷建設のヤミ献金だった。04年10月、岩手・胆沢ダム下請け工事受注の謝礼として水谷建設が小沢側に5千万円を渡したという疑惑である。
 
 特捜部の調べに水谷建設の元社長は「六本木の全日空ホテルのロビーで石川秘書(当時)に5千万円入りの紙袋を渡した」と供述した。これが事実なら悪質犯罪だ。小沢本人も逮捕できると特捜部は色めき立った。
 
 だが、このヤミ献金容疑は証拠が希薄すぎた。まず、元社長の供述を裏付ける現金授受の目撃者がいなかった。当日、元社長を全日空ホテルに運んだという水谷建設の運転手の供述も曖昧だった。さらには石川さんが受け取ったはずの5千万円の行方も特定できなかった
 
 1 8年前のゼネコン汚職で特捜部は自民党の梶山静六・元幹事長を逮捕しようとしたことがある。ゼネコン幹部が「1千万円を渡した」と供述したからだ。だが強制捜査は直前になって中止された。ゼネコン幹部がそのカネを自分の懐に入れていたことが判明したためだ。この例でわかるように業者の供述を裏付ける証拠もなしに現職代議士の石川さんを逮捕できなかった
 
 となると残る手段は別件逮捕しかない。そこで浮上したのが不動産購入をめぐる政治資金収支報告書の“虚偽記載”だ。ヤミ献金に比べるとカスみたいな「形式犯」だが、購入時期のズレや、小沢氏個人からの借入金の不記載といった外形的事実の立証は容易だった。これを入り口に石川さんらを逮捕し、ヤミ献金受領を自白させて小沢氏の逮捕に漕ぎ着ける―それが特捜部の描いたシナリオだった。
 
 しかし石川さんは昨年1月15日に逮捕されてからヤミ献金受け取りを否認し続けた。
 
 彼の獄中日記には「アリバイを証明して断固戦う」(1月20日)「副部長から水谷についても立証できると言われた。本当にとんでもないことだ。検察は事件を作るといわれているが、本当だ」(1月27日)「副部長は小沢事務所が何千万円もゼネコンからもらったと思い込んでいる。何を言っても無理だ」(2月1日)と調べの模様が克明に記されている。
 
 結局石川さんの「自白」を得られず、特捜部は本丸のヤミ献金立件と小沢氏の起訴を断念せざるを得なかった。戦後検察史でも例のない大失態だった。
 
 そのうえ裁判では水谷建設が胆沢ダムの下請けでメリットのあるスポンサー(幹事社)をとるのに失敗していて、小沢事務所に謝礼を払う理由がなかったことが分かった。水谷建設の元会長も「裏金を渡すとき必ず『見届人』を同席させて相手方への現金交付を確認させるのがウチのルールだが、それをしていないのが解せない」と元社長の私的流用を示唆した。
 
 私の記者生命をかけて言うが、石川さんは嘘をついていない。5千万円のヤミ献金は検察が作り上げた幻だ。たとえ判決が有罪でも石川さんには政治家を続けてほしい。泥にまみれても不条理と闘い続ければ、共感の輪は大きく広がっていく。真実より強いものはないということがきっと証明されるはずだ。(了)
 
(筆者注・これは週刊現代「ジャーナリストの目」の再録です)

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●村木厚子氏冤罪事件で学んだはず

2011年09月29日 00時00分02秒 | Weblog


昨日(『●小沢氏元秘書東京地裁判決、どこまで信頼すれば?』、
http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/7f4b02d131ac0970996c08ec202fb6e2)に続いて。THE JOURNALの記事(http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2011/09/post_276.html)。

 新聞やその他のマスコミと違って、電脳上ではそれほどには無条件な小沢氏批判記事であふれていない状況は少し救いかな
 以下のこの記事も、「小沢教信者」・「小沢シンパ」とひとくくりにして良いとは、私には思えません。
 数年前ならば、私も「小沢教信者」・「小沢シンパ」的なことを書いたりすることなんて、想像もできませんでした。何せ、氏は、私の大嫌いな自民党田中角栄的土建政治、金権政治の脈流を引き継ぐ人ですから。氏を、決して潔白な「真っ白なハト派」と思っている訳ではないです。どう考えても「タカ派」だと思うし。でも、嫌いだと言うだけで、証拠もなく、検察の作文・空想を基に、裁判官の想像・願望だけで「灰色の政治家」を「真っ黒な政治家」と結論づけてはいけない、と思うだけなんです。
 ましてや証拠が捏造までされた村木厚子冤罪事件の教訓を、今こそ、思い出すべきではないのでしょうか。あれも、当初、(日程帳の記載でアリバイの立証された)民主党代議士の関与という妄想的で政治的なバイアスが根本にはありました。検察の異常な暴走があった訳です。政治家に対する好き嫌いだけで、告訴や判決内容が左右されたり、マスコミが恣意的に報じてはいけない、と思ってるだけなんです。

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http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2011/09/post_276.html

田中良紹の「国会探検」

またか

 「ほー」と思わせる判決だった。「陸山会事件」の一審判決で東京地裁の登石郁郎裁判長は、大久保隆規元秘書が公共工事の談合で「天の声」を出す当事者であり、石川知裕元秘書と共に水谷建設から裏金1億円を受け取ったと認定した。そしてそれを隠蔽するため政治資金収支報告書に嘘の記載をしたとして3人の元秘書に執行猶予付きの禁固刑を言い渡した。それならこれは虚偽記載事件と言うより贈収賄事件である。

 東京地検はなぜ贈収賄事件として贈賄側を逮捕し、次いで収賄側の立件に至らなかったのか。一連の事件には初めから不可解な点が纏わりついている。まず政権交代がかかった衆議院選挙直前の3月に「西松建設事件」で大久保秘書が政治資金規正法の虚偽記載容疑で突然逮捕された。形式犯とも言える容疑での強制捜査は前例がない

 しかも時期的に総理になる可能性の高い政治家に対する捜査である検事総長以下最高幹部が意思統一し捜査に臨むのが決まりである。ところが「検察首脳会議」は開かれず、「若手検事の暴走」という形で強制捜査が行われた。私が担当したロッキード事件で、東京地検は田中逮捕の前に「福島の天皇」と呼ばれた高齢の知事を逮捕して世論の動向を探るなど慎重に準備を進めたが、今回の捜査にはその片鱗もない

 「西松建設事件」の収賄側には自民党議員の名前が多数挙がっていて、中には事件発覚後に秘書が自殺した者もいた。しかし当時の官房副長官は自民党に事件は及ばないと断言し、その通り自民党議員は立件の対象にならなかった。「若手検事の暴走」という形にした事や政権交代の推進力である小沢一郎氏に的を絞った捜査は、通常の検察捜査というより政治的色彩の強い捜査と見られた。大阪地検も同時期に民主党副代表をターゲットにする「郵便不正事件」に着手したから狙いは政権交代阻止と見られた。

 大久保秘書の容疑は西松建設が政治献金をするために作った組織を西松建設本体と認識していたというもので、これが虚偽記載に当るというのである。犯罪と騒ぐような話かと思ったが、いつものことながら政界とメディアに「政治的道義的責任」を追及する大合唱が起きた。ここで小沢氏が非を認め、代表を退けば、検察は形式犯でしかない大久保元秘書の起訴を見送る公算が強いと私は見ていた。

 ところが小沢氏は非を認めず、検察に対して闘争宣言を行なった。検察は大久保元秘書を起訴せざるを得なくなり、「西松建設事件」だけでは有罪が難しいため、慌てて小沢捜査に力を入れ始めた。過去にさかのぼりゼネコン関係者からの聴取が行なわれた。

 その結果摘発されたのが「陸山会事件」である。検察は秘書らが住む事務所棟建設の土地購入に関して4億円の記載ミスがある事を発見した。一方で水谷建設から1億円の裏金提供の話を得る。この二つがどのように結びついているのか不明だが、ともかく二つの情報が流れればそれで目的は達する。国民には贈収賄事件の心証を与え、しかし検察は贈収賄事件の立件をしない。立件すれば証明しなければならないが、心証を与えるだけで政治的効果は十分だからである。

 一方で大阪地検の「郵便不正事件」は検察の大失態となった。担当検事が供述調書を改ざんして逮捕され有罪となり、事件の構図は崩れた。検事の取調べは信用できなくなった。そのため「陸山会事件」でも裁判所は供述調書を証拠として採用しない事にした。証拠に代わって判決の骨格を成したのは「推認」である。裁判所が被告と検察の言い分のどちらを「自然と見るか」という事で、客観より主観が優先される。

 今回の判決で裁判所は全面的に検察側の主張を受け入れた。3人の元秘書や小沢氏はすべて嘘を言ってきた事になる。ロッキード事件以来、数々の「でっち上げ」を見てきた私には「またか」という思いがある。ロッキード事件で田中角栄氏に一審有罪判決が下った日、私は官邸で後藤田官房長官を担当する政治記者だった。中曽根総理も後藤田官房長官もその日は裁判に一言も触れなかった。

 野党が「田中角栄議員辞職勧告決議案」を提出すると言って騒ぎ始めると、二院クラブの参議院議員であった作家・野坂昭如氏が、「選挙民が選んだ議員を国会が辞めさせるのはおかしい。それでは民主主義にならない」と私に言った。「その通り。辞めさせたかったら選挙で辞めさせるのが民主主義です」と私が言うと、しばらくして野坂氏が「田中角栄に挑戦する」と言って新潟3区から立候補を表明した。

 1993年に田中角栄氏が亡くなりロッキード裁判は控訴棄却となった、その2年後に最高裁はロッキード社幹部に対する嘱託尋問調書の証拠能力を否定する判決を下した。嘱託尋問調書は田中角栄氏がロッキード社から受託収賄した事を裏付ける証拠である。真相がほとんど解明されていないロッキード事件は、しかしメディアによって「総理大臣の犯罪」とされ、その後の日本政治には「政治とカネ」のスキャンダル追及が付きまとう事になった。

 今回の裁判で有罪判決を受けた元秘書は不当な判決だとして控訴した。小沢氏本人の裁判も来週から始まる。かくなる上は裁判の行方を見守るしかないのだが、「またか」と思うようにメディアや政治の世界が「政治的道義的責任論」を叫び始めた。政局に絡ませようと言うのである。しかし大震災からの復興予算を作らなければならない時に、立法府がやるべきはスキャンダル追及ではない。司法の問題は司法に任せる事が民主主義の基本なのである。


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●小沢氏元秘書東京地裁判決、何処まで信頼すれば?

2011年09月28日 00時01分02秒 | Weblog


朝日新聞では、江川昭子氏のコメント以外はほぼ「小沢叩き」に終始している。他のマスコミも同様。
 東京新聞(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2011092702000016.html)、videonews.com(http://www.videonews.com/press-club/0804/002085.php)、gendai.net(http://gendai.net/articles/view/syakai/132827)より。

 正直言って、意外な判決だ。裁判所は、検察の言い分を鵜呑みにし過ぎていないのか? ましてや、検察の主張以上の判決とはなっていないのか? 証拠に基づかない、裁判官の単なる推測や憶測、希望的観測。憶測でならば、何でも言えると思うのだけれども。

 大半のマスコミや野党が鬼の首をとったかのごとく異常な「小沢叩き」が行われているが、本当にそれでいいのか? きな臭くてしょうがないのだけれども。言い過ぎは百も承知だが、そもそもそれほど大きな事件であるのか疑問だし、何の政治的なバイアスなしにこの判決を信頼して良いのかな・・・。何度か書いたけれども、小沢氏や元秘書三名に何らかの落ち度はあったかもしれないとは思われるけれども、また、真っ白な政治家であるとは思いはしないが、マスコミや野党、民主党の嫌小沢派の騒ぎ方や検察・裁判所・検察審査会の対応は傍目・素人目にも異常だと感じる。

 非常に短時間ではあるが、Web Iwakami(http://iwakamiyasumi.com/archives/12712#more-12712)に石川氏の記者会見映像があります。同所に文字起こしされたものもあり。その映像の最後に収められている岩上安身氏のコメントにも耳を傾けて頂きたい。単なる「小沢信者」・「小沢シンパ」の戯言で切り捨ててよいのか?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2011092702000016.html

【コラム】

筆洗

2011927

 「小沢一郎はいつ総理になるんだ?」「チャーチルも六十五歳で総理になったんだから待ってください」。秘書だった石川知裕衆院議員は、岩手の選挙区で支持者から聞かれると、こう答えた、と自著『悪党』に書いているきのうの判決は、六十九歳になった小沢氏の政治生命を大きく左右するのだろうか。小沢氏の資金管理団体「陸山会」の土地取引に絡む政治資金規正法違反事件で石川議員ら元秘書三人に執行猶予付きの有罪判決が下された元社長は、確かに金を渡したと公判で明確に証言したが、運転手は「その日、社長を送った記憶はない」と語った。金を渡すことを了承した元会長は、授受の現場に「見届け人」がいなかったのを「ちょっと考えづらい」と首をひねる中堅ゼネコンの水谷建設から、実際に計一億円が小沢氏側に渡ったのか。裁判への国民の関心はそこに尽きたが、判決は検察の言い分をそのまま追認した。検察が主張していない点まで踏み込んだと、弁護側は「独断的臆測」の認定と批判を強める判決は公共事業への影響力を背景に多額の献金を強いたと、ゼネコンとの癒着にも言及した。小沢氏は自らの集金システムについても語るべきだろう石川議員は本紙に「政治家小沢一郎を狙い撃ちした」と語っていた。同じ印象を持つ国民は多い。捜査不信の根深さを検察は自覚してほしい
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http://www.videonews.com/press-club/0804/002085.php

プレスクラブ (2011年09月26日)
「不当な判決なので、議員として政治活動は続ける」
石川知裕議員が判決後記者会見


 民主党の小沢一郎元代表の政治資金の収支報告をめぐり、3人の元秘書が虚偽の報告をした疑いで執行猶予つきの有罪判決を受けた問題で、判決のあった26日夜、被告の石川知裕衆院議員が記者会見を行い、判決への不満をあらわにした。
 石川氏は、判決は「到底受け入れることはできない」と、控訴の意思を示すとともに、「不当な判決なので、議員として政治活動を続けることに変わりはない」と、今後も議員活動を継続していく意向を明らかにしました。
 この事件は、小沢元代表の資金管理団体が、政治資金収支報告書に嘘の記載をしたとして、石川氏を含む小沢氏の当時の3人の秘書が、政治資金規正法違反の罪に問われたもの。  検察は3人の被告が、建設会社からの裏金などの事実を隠すために虚偽の報告をしたと主張したのに対し、石川議員らは建設会社からの裏金の存在を否定し、虚偽記載についても全面的に争っていた。
 東京地裁は26日午後、3人の被告の主張を退けるとともに検察の主張をほぼ全面的に認め、石川議員に禁錮2年、執行猶予3年、他の秘書2人に禁錮1年~3年、執行猶予3年~5年の判決を下した。
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http://gendai.net/articles/view/syakai/132827

【これまでとこれからの「小沢一郎」の話をしよう】石川議員独占インタビュー
2011927 掲載

「こんなウソだらけの判決は絶対に受け入れられない」

 9月26日、陸山会事件の判決が言い渡されました。無罪を信じていましたが、結果は厳しいものでした。
「被告人・石川知裕を禁錮2年に処する。この裁判が確定した日から3年間、刑の執行を猶予する」――
 主文を聞いた瞬間は愕然、茫然自失です。数日前から報道では厳しい観測が流されていたので、ある程度は覚悟もしていました。
 でも、やはり驚きと脱力感で頭がクラクラしましたね。拘置所で田代検事に言われた「事実と裁判の結果は違う」という言葉の重さを噛みしめています。
 ただ、今回の判決は、まさしく司法の危機だと思います。検察が起訴できなかった水谷建設からの裏ガネが、裁判所の独断と偏見で認定されてしまった。
 その根拠となったのが、水谷建設の川村元社長の証言。私が彼と会ったことを裏付ける物証は何ひとつないのに、「渡した」という川村元社長の証言だけで、裁判所が「推認」してしまった。本当に私が5000万円を受け取ったというなら、そっちの罪で裁けばいいじゃないですか。
 川村元社長に聞いてみたい。どうして、こんなウソをついたのか。ウソで冤罪に陥れて、何とも思わないのか。死ぬ前に、一度でいいから真実を語って欲しい。これが、私の一番の願いです。
 ウソだらけの川村元社長の証言を「自然だ」と判断した裁判所の感覚も、私には分かりません。普通、顔も分からない人間に、5000万円もの大金を渡しますか?裁判官は、あまりに世間知らずですよ。社会経験がなく、閉鎖的な世界にいると、そうなってしまうのでしょうか。
 判決後、検察官とも挨拶を交わしたのですが、彼らはニヤついていて、やけにうれしそうでしたね。
 私の裁判の結果について、まだ小沢氏と話をしていないし、何も報告していません。判決後、報道陣から小沢氏のことを聞かれて、内心では「今ごろ、囲碁でも打っているんじゃないかなぁ」と思っていました。小沢氏は、こういう重大な局面で、囲碁を打ちながら待つことが多いんです。きっと、嫌なことも忘れられるんでしょうね。実際は、夕方から「チュリス赤坂」の事務所で、弁護士資格を持つ階猛議員や弁護団の先生らと協議をしていたみたいですが。
 10月6日からは、小沢氏自身の裁判が始まります。私も証人として出廷することになり、精神的にキツいですが、控訴して闘っていきます。小沢氏にも、必ず嫌疑をハネ返して欲しいですね。
 地元でも判決の反響は大きくて、事務所の電話が鳴りっぱなしだったそうです。午後6時の時点で、すべて激励の電話だったと聞き、ありがたくて涙が出ました。元外務省主任分析官の佐藤優氏からも励ましの電話をもらいました。みなさんに支えられていると実感し、「これから闘っていくんだ」と闘志を新たにしています。
 こんなウソだらけの判決は、到底受け入れられないし、絶対に許しちゃいけない今回のようなケースがまかり通れば、狙い撃ちされた政治家はひとたまりもないからです。政界全体のためにも、ここで私が踏ん張るしかありません。

いしかわ・ともひろ 1973年生まれ。早稲田大学卒業後、小沢一郎氏の秘書を経て、07年から衆議院議員。陸山会事件で起訴され、民主党を離党。今年7月に出版した「悪党 小沢一郎に仕えて」(朝日新聞出版)は5万部のベストセラーになっている。メルマガも好評配信中。
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●魚住昭さん: 検察の愚劣捜査が国政を歪めた!

2011年08月24日 04時51分26秒 | Weblog


魚住昭さんの『魚の目』より(http://uonome.jp/read/1982)。

 小沢一郎氏が総理やこの国のリーダーになるべき、と考えている訳ではないが、このような違法捜査や違法裁判を許すことは出来ない。小沢氏が〝黒い〟政治家であるから、と云ってこのような検察や裁判所の肩を持つことはとてもできないのだ。ニッカンゲンダイなどのごく一部を除き、マスコミの多くが小沢叩きばかりに夢中になっていて大丈夫なのか? 村木厚子氏冤罪事件の教訓は?? 検察審査会や検察が、「政権交代の意味さえも破壊」した。

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http://uonome.jp/read/1982

愚劣な捜査がこの国の政治をねじ曲げた
2011 7 25 魚住

 6月30日、検察庁を激震が襲った。東京地裁が小沢一郎氏の資金管理団体・陸山会を巡る事件で、東京地検特捜部の検事が作成した調書の多くを証拠採用しない決定を下したからだ。
 なかでも衝撃だったのは、「小沢氏に4億円の虚偽記載を報告し、了承を得た」という石川知裕衆院議員の調書の任意性が「検事の威迫や利益誘導によって作られたものだ」として全面否定されたことだった。
 これで検察側が描いた事件の構図は瓦解し、検察審査会の議決で強制起訴された小沢氏の無罪がほぼ確実になった。

 決定理由の要点を紹介しておこう。まず問題になったのは石川議員が逮捕される前日の昨年1月14日に作成された調書だ。このとき石川氏は田代政弘検事の調べに、初めて政治資金収支報告書への「故意の虚偽記載」を認めたとされていた。
 ところが石川氏は公判で「特捜部は恐ろしいところだ。何でもできるところだぞ。捜査の拡大がどんどん進んでいく」と脅され、小沢氏に累が及ばぬよう署名せざるをえなかったと主張。田代検事は「そんなことは言っていない」と反論した。
 どちらの言い分が正しいのか。地裁の判断を決定づけたのは、昨年5月、検察審査会の議決後に石川氏が田代検事の再聴取を受けた際、ICレコーダーに録音したやりとりだった。

 石川議員「ここは恐ろしい組織なんだから、何するかわかんないんだぞって諭してくれたことがあったじゃないですか」
 田代検事「うんうん」
 さらに田代検事は「ちゃんと12月に出頭してれば捕まってないんだから…あそこで対決姿勢を示さなければ」と石川氏が特捜部の呼び出しに応じていれば逮捕がなかったかのように言ったり、「検察が石川議員再逮捕しようと組織として本気になったとき、まったくできない話かというとそうでもない」と再逮捕の脅しをかけたりしていたから言い逃れできなくなった。

 石川氏が虚偽記載を小沢氏に報告し、了承を受けたのを認めたとされる昨年1月19日付調書についても同じだ。石川氏は公判で「再逮捕の脅しに加え、これぐらい書いても小沢さんは起訴にならないから」と言われたのでやむなく署名したと述べ、地裁は彼の言い分を全面的に認めた。その根拠になったのもICレコーダーの記録だ。

 田代検事「要するにさ、僕は石川さんに色んな技を授けて調書にした部分もあるけどね…法律家であれば、ちょっと(小沢氏の)共謀の認定としてはきついよね、という位の話はしたじゃない。で、うちの方はうまい具合に想像した通り(小沢不起訴に)になったわけでしょ」

 地裁の決定書は「特捜部は恐ろしいところだという威迫ともいうべき心理的圧迫と小沢の不起訴見込み判断という利益誘導、まさに硬軟両面からの言辞がなされたことにより石川被告は調書に署名押印したものと推認される」と述べ、特捜部の捜査手法を痛烈に批判した。

 さらに地裁は会計責任者だった大久保隆規氏の虚偽記載への関与を認めた石川・大久保両氏の調書が「切り違い尋問」で作られたと指摘した。特捜部は大久保氏に「石川が報告したと供述した」と偽って自白させ、つづいて「大久保が認めた」と言って石川氏に大久保氏への報告を認めさせていた。これは典型的な違法捜査である。

 決定書からは特捜部の捜査への怒りや不信感がひしひしと伝わってくる。小沢氏本人の公判はこれからだが、陸山会事件が検察史に深刻な汚点として残ることはもう疑いようがない。
 しかし、それ以上に深刻なのは、陸山会事件が政治をねじ曲げてしまったことだ。事件がなければ参院選での民主党の惨敗もなかっただろうし、小沢氏の強制起訴もむろんなかった。愚劣な捜査が政権交代の意味を台無しにしたのであるまるで悪夢を見ているような気分だとしか言いようがない。(了)


(編集者注・これは週刊現代連載「ジャーナリストの目」の再録です)
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