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●青木理さん✕安田浩一さん対談 ―――《「この国」には、いったいいつから、どういう理由で「憎悪と嘲笑」に満ち溢れてしまったのか》?

2021年09月08日 00時00分09秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・元最低の官房長官と学商 (日刊ゲンダイ 2020年9月7日 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/278353)↑]


(2021年08月28日[土])
マガジン9のコラム【こちら編集部/「この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体」とは何か? 青木理さん×安田浩一さんのお話を聞いてきた(マガジン9編集部】(https://maga9.jp/210804-6/)。

 《青木さんと安田さんの対話をもとにつくられた『この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体』では、今のこの国の社会を覆っている排他的で不寛容な空気の深層をお二人が掘り下げ、解き明かしています》。

   『●《国民の2割強しか支持を得ていない政治勢力が国会の3分の2を
     支配できているところに問題がある》…#投票倍増委員会 会員として…
    「青木理さんと安田浩一さん。《「この国」には、いったいいつから、
     どういう理由で「憎悪と嘲笑」に満ち溢れてしまったのか》?」

 カースーオジサンの取り巻き連中も酷いねぇ。
 リテラの記事【高橋洋一はこの状況でも「さざ波」発言を正当化!「予測はほぼ当たってる」「さざ波よりちっちゃい」とフェイク連発】(https://lite-ra.com/2021/08/post-5989.html)によると、《しかし、こうした状況になって改めて浮き彫りになったのが、「コロナなんてたいしたことがない」と五輪強行や有観客開催などを主張してきた連中の無責任さだ。とくに、〈日本はこの程度の「さざ波」。これで五輪中止とかいうと笑笑〉とツイートし、辞任に追い込まれた元内閣官房参与・高橋洋一無責任・出鱈目ぶりについては改めて、指摘しておく必要がある。…8月7日に公開された、高橋氏の師匠である竹中平蔵・パソナグループ会長との対談動画でのこと。この対談では竹中氏の発言もひどく、「重症者はちょっと増えて500人台でしょ。ピーク時の3分の1。史上最大の感染だって言ってるけど……」などとでたらめを口にしていたのだが(この動画が公開された8月7日時点で重症者は1000人を超えていた)、これに高橋氏も我が意を得たりと、こう発言したのだ。「全然たいしたことない。私、さざ波って言って怒られたでしょ。まさしく正しいんだけどね。世界から見れば。さざ波よりさらにちっちゃくなっちゃって」》。
 《悪魔のような対談》のお相手、《過去には…書類送検された経歴もある》…アノ元内閣官房参与も相変わらずの醜悪さ。その後釜・岸博幸氏もねぇ…。竹中平蔵氏・高橋洋一氏・岸博幸氏、一体どんな系譜?

   『●内閣官房参与は《過去には…書類送検された経歴もある》…《菅首相が
      任命拒否した学術会員候補6人の方が…社会的な信用性》は遥かにあり
   『●《私たちの艱難辛苦は、ひとえに五輪で巨万の富を得る貴族らと
     グローバル巨大資本、その走狗たる日本の傀儡権力のために捧げられるのだ》
   『PCR検査抑制論者の皆さんの沈黙 ――「検査の能力あるんですか?
      仮にあるとして、じゃあ一般の感染者の検査どうするんですか?」
   『●大見得・啖呵「議員辞職」を有言実行しない
      《病的な嘘つき》アベ様…全てのアベ様の「政」のデタラメさ
    《室井 前川さんは会った人から嫌われないでしょうね。
     あったかい感じがするもん。嫌いだって言ってる人って、高橋洋一さん、
     八幡和郎さん、岸博幸さんとか、安倍応援団か国家戦略特区の利権に
     関係している人たちばかりですもんね。》

   『●《政府の新型コロナウイルス対策が国民の理解や共感を得られない
     背景には、政治家の発信力不足だけでなく、政策決定過程の不透明さが》
   『●五輪貴族から《菅総理と小池都知事に功労章が贈られるなんて、
        「儲けさせてくれてありがとう」っていうこと》(ラサール石井さん)

 《…鏡に映っているのは今の日本社会の姿》。
 本田コッペ氏による【生活保護攻撃と弱者排除はDaiGoだけではない! 片山さつき、世耕弘成、麻生太郎、石原伸晃ら自民党政治家も同罪だ】(https://lite-ra.com/2021/08/post-5988.html)によると、《人の命に優劣をつけ、自分にとって“価値のない”者の命は殺されてもかまわないというその発言は優生思想そのものだ。しかも現実にホームレスが襲撃されたり殺人される事件は多数起きているなか、DaiGoの発言はこうしたホームレスや生活困窮者に対するヘイトクライムを誘発しかねない非常に危険なもので、断じて許されるものではない》。
 《小泉首相から安倍首相へと引き継がれてきた新自由主義政策は、公的な責任を個人の責任へと転嫁する「自己責任論」を振りかざし、人の価値をコストで推し量るものだ政治家たちが責任転嫁のために行った扇動が優生思想まがいの弱者排除を社会に浸透させ、弱者である国民がより弱者の国民を攻撃するというグロテスクな状況を生み出した》。

   『●選挙制度の不備に加えて、大企業を巻き込みながら
     《極右のタニマチ》が《組織的な選挙運動》を展開…
    《調べてみると、勝兵塾の「講師・特等生」リスト…には56名の
     国会議員が入っており、そのほとんどが自民党だった。
     …参院議員では生活保護バッシングのデマゴーグ・片山さつきや、
     “ネトウヨのお母さん”と呼ばれる中山恭子(希望)、そして、
     安倍首相と日本会議系人脈を繋いだとも言われる側近の
     衛藤晟一らが加入している》

   『●リテラ《弱肉強食の新自由主義政策と安倍政権下でエスカレートする
     差別主義が合体した結果、起きた…「安楽死」の名を借りた殺人事件》

 正論・事実報道《感染急拡大の原因はデルタ株と首相》。
 リテラの記事【菅首相のコロナ対策ブレーン・岡部信彦内閣参与が暴言!「24時間楽しめる世の中こそ是正が必要」「コロナは静かな夜に戻すための鉄槌」】(https://lite-ra.com/2021/08/post-5991.html)によると、《ところが、この発言が思わぬ盛り上がりを見せた。というのも、この菅首相の発言を共同通信は「感染急拡大の原因はデルタ株と首相」とタイトルに打って配信。共同としては「『感染急拡大の原因はデルタ株』と首相(が発言した)」という意味でタイトルにしたのだろうが、「感染急拡大の原因は“デルタ株と首相”」とも読めるため、ネット上では〈おお!確かに、感染拡大の原因は「デルタ株」と「首相」で間違いない〉〈うん。そうだね。デルタ株と首相だね〉〈そのとおり。デルタ株と、何も有効策を講じない菅首相が原因〉という声があがったのだ。共同にとっては予期せぬ事態だったろうが、しかし、まさしくこれこそが事実だろう》。

 cakesのコラム【ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜 武田砂鉄/​メンタリストDaiGoの主張を読む】(https://cakes.mu/posts/34362)によると、《生活保護やホームレスの実情を知ろうともせず猫の命と比べた「シンキング」には、「クリティカル」が欠けていなかっただろうか。…「1日に10冊~20冊の本を読んで」いるDaiGoからすれば、私が読んだ5冊なんて、ごくわずかな冊数かもしれないが、彼の本をたった5冊だけ読んでみて感じ取ったのは、とにかく、時間をかけてひとつの物事を考えることを回避する姿勢だ。それは当然、ひとつの物事をじっくりと考えてきた人を軽視する態度によって構築される議論である。反省しました、では、続きまして、ずっと支援してきた人に話を聞きますね、という素早さは、反省ではなく、彼のこれまでの考えの延長にある。「(1)目の前の問題に関する証拠と論理の流れを正しく把握し、そこに関わる人たちの感情も適切に解釈する」「(2)自分が考える論理や証拠の集め方に偏りがないかを確かめる」という、DaiGoが提唱してきたクリティカル・シンキングが、DaiGoに足りていないと思う》。

 日刊ゲンダイのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/誹謗中傷や差別を繰り返す人のアカウントをなぜ凍結しないんだ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/293571)によると、《嘘つけ。今も昔も、あたしは散々中傷されまくっていますけど。山崎さんのいうように、銭のためならヘイトも放置だろ。これはヤフージャパンだけじゃなく、ツイッタージャパンにも、ユーチューブにもいえる。誹謗中傷や差別をくり返す人のアカウントをなぜ凍結しないんだ。銭のためというのじゃなくて、むしろそっちを応援しているようにも見えんぞ。最近、話題になった有名人のホームレス叩き。謝罪したからいいじゃんって、この人謝罪動画でもPVを稼いでんじゃん。でもって、遡って調べてみたら、何度もヘイトをくり返してるじゃん》。

 最後に、一点、言いたいことがある。
 違和感しかない記事…。どの口で言っているのだろうか…。【注目の人 直撃インタビュー/渡邉美樹氏「国会議員はなぜ働かないのか、憤りを感じています」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/293564)によると、《…84年、ワタミを創業。2000年、東証1部上場。13年、自民党公認で参院選(全国比例区)に初当選し、1期で引退。》

   『●ワタミ過労死自殺訴訟和解: 問題は、そんなダークな
            企業の会長が自民党の政治家になったこと
   『●高度プロフェッショナル制度導入の社会的事実
      「立法事実」を支えるのは…たった1人の調査対象者の声!?

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https://maga9.jp/210804-6/

こちら編集部
「この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体」とは何か? 青木理さん×安田浩一さんのお話を聞いてきた(マガジン9編集部)
By マガジン9編集部 2021年8月4日

 リベラルなニュース解説を配信しているインターネットメディア「デモクラシータイムス」の「著者に訊く!」は、マガジン9のコラム「言葉の海へ」でおなじみの鈴木耕さんが司会をつとめ、話題の新刊の著者にお話を聞く番組です。
 7月30日には『この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体』(講談社+α新書)の著者、ジャーナリストの青木理さんとノンフィクションライターの安田浩一さんがゲストに登場。その収録の場にお邪魔させていただきました。そこでのお話の一部を以下にご紹介します。

 青木さんと安田さんの対話をもとにつくられた『この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体』では、今のこの国の社会を覆っている排他的で不寛容な空気の深層をお二人が掘り下げ、解き明かしています。番組の冒頭、鈴木さんがこの本のテーマとも関わる最近の話題、オリンピックの開会式をめぐる辞任・解任騒ぎについて、お二人にどうとらえたかをたずねました。

 今年に入って、森喜朗東京オリンピック・パラリンピック組織委員会前会長と開閉会式の演出総括担当だった佐々木宏氏の女性蔑視・侮蔑発言が続き、さらに開会式の作曲担当、演出担当として関わる小山田圭吾氏と小林賢太郎氏が過去に障がい者へのいじめを雑誌で語っていたり、ナチスドイツによるジェノサイドを笑いのネタにしたりしていたことが発覚しました。
 青木さんは、政治家や著名人による排外主義や歴史修正を容認する発言が許されてしまうこの国で、オリンピック開幕直前にこのようなトラブルが起きたのは「必然的帰結。日本の現状が等身大であらわれた」と指摘します。
 安田さんも「森、佐々木、小山田、小林だけの問題ではなく、差別的な言動を問題視しない人がこの国にはたくさんいる。社会全体がヘイト化している。日本らしいありのままの姿がみごとにあぶり出されたのだと思う」と言います。

 この20年ほどの間に、韓国、北朝鮮、中国といった近隣の国々や弱者、マイノリティを差別、嘲笑する言説がネット上で広がってきました。ネットだけではなく、テレビなどのマスメディアでも出演者が問題発言を軽々と口にし、批判されると謝罪するということが繰り返されています。こうした「この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流」はいつから社会の中に流れ、どのようにして勢いを増していったのでしょうか。番組の中では、お二人がそれぞれの豊富な取材経験をもとに、その経緯を解説してくれました。

 2002年から2006年まで共同通信社のソウル特派員だった青木さんは、「2002年の日朝首脳会談がひとつの分岐点になった」と話します。当時の小泉純一郎首相と金正日総書記の会談では、北朝鮮が長年否定していた日本人拉致の問題を初めて認めました。朝鮮半島との関係において、戦後、日本は戦争中の侵略、支配に対して常に謝罪を求められてきた。ところが、拉致問題が明らかになったことで、日本は初めて被害を訴える側に立った。そこから北朝鮮には何を言ってもいい、罵倒してもいい、冷笑してもいい、蔑んでもいいという風潮が広がり、さらに韓国、中国の経済成長と日本の景気低迷が重なり、近隣諸国へのヘイト言説があふれてきた、というのが青木さんの見解です。
 さまざまな差別の現場で取材を重ねてきた安田さんは、2002年に日韓共催ワールドカップが開催されたことにも触れて、「日本人はあのとき、それまで極東の遅れた隣国だと思っていた韓国のパワーを発見し、それをきっかけに嫌韓の波が起きた」と述べます。
 2005年にはマンガ『嫌韓流』が発売され、2006年には「在日特権を許さない市民の会(在特会)」が発足。街頭で日章旗、旭日旗を掲げて、在日コリアンや隣国を罵るヘイトスピーチが繰り広げられるようになりました。やがてヘイトの対象は、国内の沖縄やアイヌ、障がい者、LGBT、生活困窮者などへと波及していきます
 後半では、大手出版社で長く編集者としてつとめてきた鈴木さんも加わり、差別や排他を煽ってきたメディアの責任にも言及。日韓問題、沖縄問題を中心に、政治、歴史、外交、文化、報道など、多角的な視点でこの国が抱える問題点に切り込んでいきました。

 安田さんが言うように、いまやヘイト言説は普通の人々に浸透し、うっすらと、しかし確実に日本の社会を覆っています
 『この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体』には、番組でお二人が語ってくれた内容が詳しく記されています。番組の最後、ヘイトと排他と不寛容が蔓延している中でオリンピックが開かれている、そんな時代の空気を「読み解くには最適の本です」と鈴木さん。今、何が起きているのか、なぜこんな社会になったのかを知るために、番組の動画を見て、本を読み、一人ひとりが考えるきっかけになればと思います。

(マガジン9編集部)



 「デモクラシータイムス」での放送内容は、こちらから見られます。


【青木理×安田浩一 この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体【著者に訊く!】 20210722】
 (https://www.youtube.com/watch?v=knOX-CJusSY
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https://lite-ra.com/2021/08/post-5988.html

生活保護攻撃と弱者排除はDaiGoだけではない! 片山さつき、世耕弘成、麻生太郎、石原伸晃ら自民党政治家も同罪だ
2021.08.15 10:48

     (謝罪動画をアップしたDaiGo)

 メンタリストのDaiGoが、生活保護受給者やホームレスについて「必要のない命」などと発言したことが大きな問題になっている。

 当然だろう。「僕は生活保護の人たちに、お金を払うために税金を納めてるんじゃない」「生活保護の人に食わせる金があるんだったら猫を救ってほしい」と生活保護受給者を完全否定した上、「ホームレスの命はどうでもいい」「どちらかというといないほうがよくない、ホームレスって?」「正直。邪魔だしさ、プラスになんないしさ、臭いしさ、治安悪くなるしさ、いないほうがいいじゃん」などと、ホームレスに対する排除までを肯定したDaiGo。

 人の命に優劣をつけ、自分にとって“価値のない”者の命は殺されてもかまわないというその発言は優生思想そのものだ。しかも現実にホームレスが襲撃されたり殺人される事件は多数起きているなか、DaiGoの発言はこうしたホームレスや生活困窮者に対するヘイトクライムを誘発しかねない非常に危険なもので、断じて許されるものではない。

 DaiGoはその後、2度にわたる謝罪動画をアップしたが、自身の発言の問題が何なのか理解し反省しているとは到底思えない。動画のプラットフォームであるYou Tubeや、DaiGoを起用しているメディアも、差別発言に対して明確に否定するメッセージを発信する責任があるだろう。

 しかし、DaiGoの一件であらためて指摘しておかなくてはならないのが、生活保護受給者やホームレス攻撃が、DaiGoだけの思想ではなく、現在の日本社会で広くはびこっているものであるということだ。

 しかも、自民党の政治家たちこそが近年、生活保護バッシング・弱者バッシングを扇動してきたことを見逃してはならない

 その筆頭格が片山さつき・元総務相だろう。現在も続く生活保護バッシングの嚆矢となったのが、2012年にもちあがった次長課長の河本準一の親族による生活保護問題だった。このケースは不正受給など違法にあたるものではなかったが(後の法改正で扶養義務が強化されることになる)、この河本の問題を利用して、生活保護バッシングを仕掛けた急先鋒が参院議員の片山さつき氏だった。


■生活保護バッシングの仕掛人・片山さつきは「生活保護を恥だと思え」という趣旨の発言まで

 片山さつきはこの河本の母親の生活保護問題で連日のようにテレビ、雑誌に出演。不正受給だけでなく、「生活保護は、親族扶養や血縁者による支え合いなど日本の伝統的モラルを破壊している」「生活保護は、権利ばかり主張して義務を果たさない人々を生み出す」「生活保護は働けるのに働かない人々を生み出す」などと生活保護制度を全面否定し、さらには「生活保護って他人が払った税金で食べさせてもらっているってこと」「ずっと誰かに養われ続ける人をそんなに作りたい理由はなに?」「生活保護を恥と思わないのが問題」と、生活保護受給者の人格まで否定するような差別発言を行っていた。

 また、片山議員は2016年の『NHKニュース7』に端を発した“貧困女子高生”バッシングのときも騒動に乗っかり、ツイッターで“貧乏人は贅沢するな!と言わんばかりの批判を公然とおこなっている

 しかし、こうした発言は片山議員だけではない。この時期、安倍前首相の側近である世耕弘成参院幹事長も生活保護バッシングに加担。雑誌で「税金で生活を見てもらっている以上、生活保護受給者の権利が一定程度制限されるのは仕方ない」というどう考えても憲法違反としか思えない主張をしている。

 また、自民党の国会議員ではないが、橋下徹氏も大阪府知事・大阪市長時代に徹底した生活保護バッシングを展開している。不正受給でもなんでもない生活保護の申請者に違法な圧力を加えるなどして、生活保護費を圧縮。2014年には「生活保護受給者にも一定の負担はお願いする」「働ける人に働いてもらうのは当たり前」「日本のルールは甘すぎる。憲法25条の改正も必要」などという発言までしている。

 いまさら言うまでもないが、生活保護は憲法25条で保障された当然の権利だ。ところが、こうした政治家の言動により、「生活保護は税金泥棒」「生活保護は恥」という空気が社会に広がっていった

 そして、2012年12月の衆院選で自民党・安倍晋三総裁は「生活保護の給付水準を10%引き下げる」という公約を掲げて政権に復帰。生活保護費の削減を断行し、13年には生活保護の申請厳格化という「水際作戦」の強化ともいえる生活保護法改正と生活困窮者自立支援法を成立させてしまったのである。


■麻生太郎は高齢者に「いつまで生きてるつもりか」、石原伸晃は胃ろう患者を「エイリアン」

 政治家が攻撃を仕掛けてきたのは生活保護受給者だけではない。障がい者、高齢者など社会福祉の当然の対象である弱者に対しても、こうした露骨な差別や排除発言が向けられてきた。

 石原伸晃・元幹事長は、2012年2月に胃ろう患者が入院する病室を視察した際に、「エイリアンが人間を食べて生きている」と発言。また、2012年12年9月に出演した『報道ステーション』(テレビ朝日)では、社会保障費削減について問われると、生活保護をネット上の蔑称である「ナマポ」という言葉で表現した上、「私は尊厳死協会に入ろうと思っている」と発言、延命治療をやめて尊厳死を認めることで医療費がカットできるといった考えを露呈させた。

 きわめつきは麻生太郎副総理だ。老後を心配する高齢者について「いつまで生きているつもりだよ」と発言したり、「たらたら飲んで、食べて、何もしない人(患者)の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」「飲み倒して運動も全然しない(で病気になった)人の医療費を、健康に努力している俺が払うのはあほらしくてやってられんと言っていた先輩がいた。良いことを言うなと思った」などと国民皆保険制度を否定するようなことを繰り返し発言してきた。

 そして、自民党の政治家やその支持者であるネトウヨたちによるこうした弱者バッシング・弱者排除の空気をエスカレートしていくなかで起きたのが、2016年の相模原障害者殺傷事件だった。

 そういう意味では、生活保護バッシングやヘイトクライムはたまたま起きたものではない。

 小泉首相から安倍首相へと引き継がれてきた新自由主義政策は、公的な責任を個人の責任へと転嫁する「自己責任論」を振りかざし、人の価値をコストで推し量るものだ

 政治家たちが責任転嫁のために行った扇動が優生思想まがいの弱者排除を社会に浸透させ、弱者である国民がより弱者の国民を攻撃するというグロテスクな状況を生み出した


■DaiGoの生活保護・ホームレス差別・排除発言も新自由主義台頭の延長線上に出てきた可能性

 そして、この状況は今も変わっていない。日本政府は国連の社会権規約委員会から〈生活保護につきまとうスティグマを解消〉するようにという勧告さえ受けているが、菅政権にもこれを是正する動きはない。

 それどころか、コロナ禍で生活に困窮している人が増えているのに、菅首相は「自助」を掲げ、自己責任を押し付け続けている。

 実際、コロナ以降も、生活保護受給者がほとんど増えておらず、昨年、10万円の一律給付がおこなわれた際は、橋下徹・元大阪市長や百田尚樹らが生活保護受給者への給付は必要ないと大合唱した。

 そういう意味では、今回、DaiGoの生活保護、ホームレス差別・排除発言がこうした政治の動きの延長線上に出てきたと考えるべきだろう。この数年、政治家の弱者排除と自己責任論がエスカレートする一方で、それに呼応するように、堀江貴文らのネオリベ自己啓発ビジネス本がブームになっていった。その多くは社会全体の構造的な問題を個人の責任に矮小化し、弱者切り捨ての自己責任論をぶつものだが、DaiGoはまさに、そうした自己啓発ビジネス本の著者の一人である。

 もちろん、こうした政治的背景によってDaiGo自身の発言の危険性や罪がいささかも減じられるわけではないことは言うまでもないが、同時に10年近くに渡って生活保護バッシング・困窮者バッシングを扇動してきた自民党政治家たちの責任も、あらためて問う必要があるだろう。

(本田コッペ)
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●弱い者イジメ…「『低所得世帯の生活水準が下がった』なら、『貧困は改善』は嘘で、アベノミクスは失敗」

2018年02月24日 00時00分47秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



週刊朝日のコラム【室井佑月「問題はやはりアベよ」】(https://dot.asahi.com/wa/2018020700012.html)。

 《志位委員長の質問が、素晴らしかった…「今回の生活保護削減予算は160億円。米軍への『思いやり予算』など米軍経費の来年度の増加分195億円をあてればおつりがきます政府がまず思いやるべきはどちらなのか?」》。


   『●「誰のための政治…誰のための税金なのですか。

        税金は安倍総理のポケットマネーではありません」!
    「でも、最も呆れたのは「安倍政権の、諸外国に対する援助について」の質問。
     第2次アベ様政権のサツタバ害遊・害交のその推計総額。
     弱い者いじめで160億を削る一方で、サツタバ害遊・害交は
     「35億」ならぬ「54兆」。福島瑞穂さん(福島みずほ議員)は、
     《誰のための政治なのですか。誰のための税金なのですか税金は
     安倍総理のポケットマネーではありません》…仰ること、御尤もです」

 《誰のための政治なのですか。誰のための税金なのですか。税金は安倍総理のポケットマネーではありません》! 《日本国憲法が規定する生存権表現の自由幸福追求権個人の尊重法の下の平等などを実現していく政治》を否定するアベ様ら、与党や癒党を支持する人達って、一体何を考えているの? 《政府がまず思いやるべきはどちらなのか?》、彼/彼女らは答え得るのか?

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https://dot.asahi.com/wa/2018020700012.html

室井佑月 問題はやはりアベよ
連載「しがみつく女」
2018.2.8 11:30 週刊朝日 #安倍政権 #室井佑月

 室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中


この記事のイラストはこちら】(https://dot.asahi.com/print_image/index.html?photo=2018020700012_2
(c)小田原ドラゴン

 国会で行われた安倍晋三首相に対する各党の代表質問。作家・室井佑月氏は、共産党・志位和夫委員長の質問を称賛する。

*  *  * 

 1月25日に行われた衆議院本会議での代表質問。共産党の志位委員長の質問が、素晴らしかった。40分間足らずという短い時間に、国政私物化、暮らしと経済、原発、沖縄、憲法について、すべてをわかりやすく取り上げた。

 難しい言葉なんて一切使わない。例題にあげる話も、一般国民の目線に沿ったもの。ほんとうに頭の良い人なんだなぁと思う。

 矛盾をつくときに、これは言い訳できないだろ、というような、高度に意地の悪い質問の仕方も素敵。

 たとえば、政府は生活保護費の削減を決めたが、その理由を「生活保護を利用していない低所得世帯の生活水準が下がったから」としている。

 そのことについて志位さんがつっこんだ。

   「総理は『安倍政権になって貧困は改善』と宣伝してきたが、
    『低所得世帯の生活水準が下がった』なら、『貧困は改善』は嘘で、
    アベノミクスは失敗と自ら認めることになりませんか?」

 そして、こうつづける。

   「今回の生活保護削減予算は160億円。米軍への『思いやり予算』など
    米軍経費の来年度の増加分195億円をあてればおつりがきます
    政府がまず思いやるべきはどちらなのか?

 安倍政権は米国の顔色ばかりみているトランプ大統領にいわれるまま武器の大人買いをしたりして。その結果、この国の弱者の救済がおろそかになっているといわれても、反論できなかろう。高齢化で社会保障費が増えているといっても、防衛費もありえないくらい増えているのだ。

 そして、この国の弱者の命と生活を守る生活保護費を削るといえば、あれだけうまくいっていると豪語していたアベノミクスがうまくいっていないことを吐露することになる。

 いやぁ、志位さん、見事。蟻地獄のような質問だわ。

 ズバッということはズバッというしな。政府の進める「働き方改革」は、労働者側ではなく、財界側の立場に立った働かせ方大改悪」だ、とかさ。廃炉の費用、「核のゴミ」の処理費用など子々孫々まで巨額の費用を押し付けるのが原発だ、とか。

 年明けに立てつづけに起きた沖縄での米軍機事故については、学校、保育園、病院などの上空は一切飛行しないことを厳重に約束させるべき、そうはっきり言い切った。米軍の言い分をうのみにし、飛行再開を容認しつづけてきたことに対しては、「総理、これで主権国家の政府といえますか!」と。

 志位さんの質問に対し、安倍総理は始終、ごまかし回答。ま、いつものこと

 NHKは安倍さんと仲良しなんだから、安倍さんに登場していただいて、質問にきちんと答えさせる番組をやってよ。国民のために。

 その際、今回の志位さんの質問は、短くて的確で、使いやすいと思う。使わせてとお願いしたら、気軽に「どうぞ」といってくれるんじゃないか。……問題は、やはりアベだな

※週刊朝日 2018年2月16日号
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