アルパインクラブ モルゲンロート

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奥秩父 西沢渓谷(2019.5.11)

2019-05-11 20:21:17 | 会山行(2015~2022年度)

道の駅みとみからスタート。

 

二俣吊り橋を渡ります。私たちも緑に染まりそう。

 

Tさんの地学講義。

 

三重の滝 アイスブルーの水は見つめていると引き込まれそう。

 

カエル岩 空を見上げてるよう。

 

七ツ釜五段の滝 どこから来るのか水量も豊富。

 

道々、様々な植物も見ることができました。

サルノコシカケの仲間。まん丸でかわいい。

 

ハシリドコロ。可憐な花でも毒がある。

 

今回のお目当て、シャクナゲもところにより咲いてました。

大久保沢を渡る。谷を渡る橋も多く、なかなかスリリング。

 

 

前半はすばらしい景観のみち、後半は先人の労苦を偲ぶ歴史のみち。

晴れたり曇ったり雨降ったり。天気も木々の緑もバリエーション豊かな西沢渓谷。

教養あふれるTさんIさん、優しさあふれるOさんと歩いた一日。リフレッシュできました。

 

メンバー 田、井、岡、山幸(記)


北ア 涸沢ベースⅡ(遭遇した雪崩について)(2019.4.28)

2019-05-01 07:43:04 | 会山行(2015~2022年度)

春合宿その2 雪崩事故(428日)

雪崩直後、生きてる実感

 

 雪崩に巻き込まれるなんてそう簡単にあることではない、無事帰って来たことだし貴重な経験としたい。そして、今後に活かすんだ。

前日は氷点下10℃前後の寒さに降雪20㎝くらいはあったのか、そして今日の暖かさ。登っていると、下着にシャツとベストだけでも汗が出る。

雪崩直前の休憩中、続々と登って来る人たち

 

手前はメンバー、その向こうは後ろ向きに下る二人組。雪を落としながら下りて来る。正に、雪崩直前

 

 テン場スタート2時間チョッとのザイテングラート右の沢筋を登って穂高岳山荘まで30分くらいの処で、4回目の休憩を取っていた。誰かの「雪崩っー」の声に上方を見ると、2030m先で白い雲の塊のようなものが迫ってくる。ザックを下ろしピッケルも外していたので咄嗟にピッケルを手にしてうつ伏せに這う。が、あっという間に塊に呑み込まれ逆さまに流される。ピッケルでブレーキを掛けようと思うも逆さの滑落状態では思うようにコントロールできない。

 何度も回転するうちに頭が上向きになりピッケルを刺すも効き目なく、ただ流されるだけ。そのうちスピードも緩めになりピッケルブレーキも効いて漸く止まった。流されたのは100m以上あったか。この間、意外と冷静だった。我々パーティー9人の他、後続パーティーの10人以上も一緒に続いていたため30人以上は流された筈。

 止まってまずした事。息が出来るかを確認し、上を見ながらポケットのカメラを取り出し現場の状況を撮り出す。

100m以上流された後に先ずしたのは、息の確認とポケットからカメラを取り出すことだった

 

下の方の黒い塊は人、8人は居る。右の岩塊は無事スルー

 

その内に廻りはザワザワし出し、パーティー間や仲間同士で「〇〇さん」「□□さん」とメンバーの安全確認が始まり、ほぼ全員無事のようだったが二人組の1人が「△さんが居ない、青いヘルメットの男性です。居ませんか」、「△さんっー」と大声で呼んでいた。そして、後続パーティーはトランシーバーでヒュッテの県警と取り合っている、「一人行方不明だが、他は無事」って。

パーティー間で点呼、中央はトランシーバ―で県警と通話中

 

事故後、殆どが下山に掛かるが、メンバーの樺さんは眼鏡を探しに登って来た

 

中央、メンバーの山さんもザックを探している

 

皆必死に下っている、後ろ向きになって

 

そんな中、傍を登る人も

 

 行方不明者はかなり下の方まで流され、少し時間が経って確認できたがどうやら腰の骨を折ったようだ。でも生きてるだけでも良かった、そんな中でも傍を登り行く人達がある。

この人はまだじっとしていた

 

メンバーの山さんも下る

 

デブリの下りに、その脇を登る人

 

大きく見えるのは殆どが雪崩に遭った人たち

 

 今回は表層雪崩、幸いにも雪崩れた量が少なく完全に人が埋もれるほどでなく30人以上が数十mから100m以上流されただけ。そして途中に岩や木立もなく、ピッケル・アイゼンの切り傷などの大ケガもせず幸いにも大事に至らず。

左手のこの程度の傷で済んだ、幸運だったと思う

 

 

涸沢カールのデブリ、雪崩は起こって当たり前ってことか

 

 過去と云うか例年はザイテングラート左のあずき沢を登っているが、今回は右の沢ルートを登っていたがここで雪崩れた。このルート判断が間違いと思っていたが、今日5時過ぎに撮っていたザイテングラート付近の写真を拡大して見ると、あずき沢の数人は態々引き返してザイテングラートの右に廻って来ようとしている。だから、今日のザイテングラート右のルートは間違いだと思われない。

28日、5時過ぎ。あずき沢から戻って来ようとしている数名

 

29日、6時頃。大勢の人が昨日雪崩があったルートを行っている

 

 前日の雪と今日の暖かさが表層雪崩が起きる条件と云うのは本で読んで知識としてあるが、体験して初めて学習する。僕って云う人間って本当に馬鹿かも知れないが、これを事前に判断し引き返すって云う人 100人のうち1人でも居るのかなって思う。

 現場からの下り、県警の人たちが僕を見て「ヘルメットは飛ばされたの?」と聞く。滑落リスク大ではヘルメット着用が必要なんだなと、気づかされる。

 今回の事件、家族(嫁さん)には黙って置こう。まだ山には行きたいので。

 

メンバー:會、片、川、河(記)、樺、菊、田、山t(L)、山y


北ア 涸沢ベースⅠ(2019.4.27~29)

2019-05-01 06:36:42 | 会山行(2015~2022年度)

春合宿その1 北アルプス涸沢ベース(42729日)

前穂高岳の先には彩雲、吉兆?とんでもなかった

 

27日:上高地~涸沢(7時間55分)、28日:涸沢~ザイテングラート辺~涸沢(3時間50分)、29日:涸沢~上高地(6時間10分)

 

 今年11214日の鳳凰山、夜叉神峠(1370)から南御室小屋(2435)6時間ちょっとは個人装備と共同装備のザックが重く悲鳴を上げていたが、翌日稜線上(砂払岳~薬師岳~観音岳)からの北岳や富士山が青い空に一片の雲もなく本当にキレイで、苦しさの見返りはただただ胸にジーンとさせる廻りの景色だった。

 今回予定も同じ34日。装備も前回並みだし、上高地(1505)から涸沢テン場(2309)までは高低差800mで積雪は多く前回と同様のキツさだった。

涸沢のテン場、カラフルで写りが良い

 

初日(27)

装備品の振り分け @仮泊地

 

スタートは小雨混じりの上高地観光センター、河童橋から見上げる岳沢方面はガスで白い。少しして今年2度目の鶯声の中、清流に廻りの木立やフキノトウなどを目に入れながら、まだ上高地散歩気分で余裕あり。

スタート5分、まだ余裕のメンバー @河童橋

 

河童橋奥の岳沢や穂高連峰はガスで白い

 

横尾から30分ほどで登りも出始めてアイゼン着、ここから本谷橋までは単調の歩き。それだけ意外と時間も掛かり、本谷橋から涸沢までは2時間以上の登りを必死の思いで歩を進む。

徳沢で29日夕&30日朝の食料9人分をデポ

 

落石注意の看板の先、、ルート上に突然ザザーっと雪が崩れて来た

 

本谷橋へ下って来るメンバー

 

本谷橋からはキツイ登りが待っている

 

上高地から8時間弱掛かって着いた涸沢テン場、待っていたのは台風並みの風雪と-10℃前後の寒さ(まるで、ブリザード状態)。幕営する間、冬用手袋を出すのに素手でいた1020秒で指先はムラサキ色で痛くなる。20分くらいマッサージしていたがジンジンと痺れる。

やっと設置したテントは風で撓う、でも中は暖かい。外と違って、天国だ。3ℓワインでの夕食を終え9時頃には床に就く。

 

二日目(28)

モルゲンロートのあずき沢

 

ブルザード並みの前日とはうって変わって、風もなく快晴の朝。5時過ぎモルゲンロートの穂高連峰を見ているともうかなり上の方に人が居る。

北穂高岳へ登る人たち

 

奥穂高岳へ登る人たち、我々もこのルート

 

そして、奥穂高岳がキリっとしている

 

我々も7:15テン場スタート。

登りのメンバー

 

休憩中のメンバー、左上尖がりは常念岳

 

正面は 涸沢岳&涸沢槍

 

続々と登りの人たち

 

メンバーも続く

 

例年のあずき沢でなく、ザイテングラート右側の沢を登ってあと30分で穂高岳山荘と云う処で休憩中の9:30過ぎ、雪崩に巻き込まれた(詳細は次項のⅡ(遭遇した雪崩について))。

休憩中、これから行く奥穂高岳を見上げていたんだが

 

30人以上が巻き込まれ数十mから100m以上は流されたか。前日の降雪が少なかったことから埋没する人もなく、岩やピッケル・アイゼンでけがする人も居なく、現場で確認する限り大けがも無かったようだ(その後、腰骨骨折の人ありとのこと)

雪崩直後

 

事故現場から1時間以上掛けて下ったテン場、再度一人一人の無事を確認して一つのテント内に集まり、缶ビールで全員無事の祝杯後明日の予定を打合せる。北穂ルートもまた雪崩リスクもあるし、僕は近眼用メガネを一人はアイゼン片方を無くし、装備不充分もあり。結果、北穂高岳は止めて下山することに。

29日登る予定だった北穂高岳

 

彩雲だけでなく、日雲も

 

遭難者回収の県警ヘリ

 

後ろは前穂高岳

 

遭難者を運び込んだ処

 

こうして見ると、ヘリも危険な処を運転している

 

もう午後過ぎなのに涸沢カールを登って行く人がいる

 

陽が山際に隠れかけている

 

そして、テン場にも灯りがポツリ

 

三日目(29)

6:30涸沢スタート。

南岳と横尾本谷を行く二人組 @休憩中の本谷出会

 

途中デポの食料(5)を徳沢で回収し、増えた荷物で廻りの景色を楽しむ余裕もなく人で溢れた河童橋まで来て漸く心落ち着く。

河童橋には大勢の人

 

雪崩に遭って生きて帰って来たこともあり、今回事故を貴重な体験と呼んで良いのか分からないが、雪崩に流される中、雪上滑落訓練で逆さに落ちながらのピッケル操作などで必死にあがいていたのは訓練の御かげ、冷静でいられたからと思う。

そして、もう雪山 懲りたって? まだまだそうは思わないんだ。

 

 

メンバー:會、片、川、河(記)、樺、菊、田、山t(L)、山y