アルパインクラブ モルゲンロート

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八ヶ岳 赤岳 (2020.1.11~12)

2020-01-16 22:19:51 | 個人山行(2015~2022年度)

鎖に連なるリング状のつらら(風と氷の不思議な造形物

森林限界を超え、強風にさらされる稜線に出ると時々不思議な物に出会います。

1月12日

赤岳鉱泉BCより、赤岳チームはAリーダーと私の2名で出発。

当日は午後より降雪予報。早いうちに赤岳山頂をやっつけてしまおう作戦。

4時起きで暖かいうどんをたらふく頂き、腹も納まり、6時に出発!予定通りだ。

ヘルメットとアイゼンを装着すると気持ちが引き締まる。

ヘッドライトを付けて暗い樹林帯をアイゼン効かせて歩いているとテンションも上がってきた。

今回は地蔵尾根から主稜線に出て、天望荘を抜けて赤岳山頂を目指し、文三郎尾根を下ります。

地蔵仏に安全祈願をして先を急ぐ。(待ってくれないAさんを必死で追いかける)

 

赤岳天望荘が見えてきた。

 

地蔵の頭。顔面に張り付いた氷が痛々しい。

 

主稜線に出るとさすが赤岳、20m級の強風に体が振られ、耐風姿勢でしばしやり過ごす。

 

富士山と赤岳と後ろ姿が凛々しいAリーダー。山頂が見えてきた。

 

8時5分赤岳山頂。

やけにきついなと思ったらかなりハイペースでしたね、Aリーダー。

 

下山の文三郎尾根。危険箇所は鎖が張られているがやはり気は抜けない。

 

9時45分 赤岳鉱泉に到着。

天気予報通りしばらくすると雪が降ってきた。

やはり山は朝駆けに限るという事ですね。

メンバー:會(L)、山t(記)


八ヶ岳 硫黄岳(2020.1.11~12)

2020-01-13 20:41:39 | 個人山行(2015~2022年度)

山行前夜の1月10日、拝島駅前22:30集合。八ヶ岳パーキングエリアで仮眠のうえ、美濃戸口7:30頃到着。美濃戸口から美濃戸までは隊員の事前確認によるとかなりの凍結具合。行っている車もなくはなかったのですが、チェーンを巻いても難しいだろうということで、美濃戸口から歩くことにしました。荷物の分担と軽く準備体操をして出発します。

駐車場はいっぱいです。

この車の数をみて、これはテント場所がいっぱいになりそう・・・ということで、男性陣2人がテント場確保のために先陣をきって出発します。

美濃戸口から出発してすぐに路面が凍結していたので、すぐにアイゼンをつけることにしました。・・・すると・・・

「・・・どうしましょう。」という仲間の声がします。プラスチックの経年劣化で、セミワンタッチアイゼンのつま先の金属とプラスチックの接合部分のプラスチックがパッキリと割れてしまったのです。Tさんがそれをみて、まったく慌てることもなく、「待ってね、私に任せなさい・・・」と荷物紐をほどき、くるりと輪をつくり、ポケットからナイフを取り出しました。

アイゼンの前爪にかけて少し締めてから靴に固定し、余分な紐をカットして、プラスチックが欠けたつま先部分を補強できました。「・・・すごい!!」その場にいた女性陣4人は、紐を知り尽くしたTさんの技に大感動です。元気づけられて再出発します。

11日の天気予報は快晴。「翌日の天気が少々気にかかるね」と話しながらも気持ちの良い朝日です。心配していた雪もまずまず有ることが確認できます。

堰堤広場10:20頃到着。ちょっと休憩。・・・と仲間から行動食のテイスティングをいただきました。なんと自家製夏ミカンピールのチョコレートがけ。カカオ99%を使用したコーティングは、ほろ苦くて甘いピールとぴったりです。自分に合う行動食を研究されていらっしゃるようです。

冬の行動食って体温も気温も下がる中、素早く食べられて消化吸収が良いものが重要というのはよく言われますが、数年前までは受け付けていたものが加齢のせいか食べると体調が悪くなる・・・というものも出てきます。自分の身体と向き合い、研究を重ねるって重要・・・思わず仲間の姿に加藤文太郎の行動食研究のシーンを重ねながら、夏みかんチョコを美味しくいただきました。

 

赤岳鉱泉到着は11:30頃。立派なアイスキャンディーが育ってます。

先行隊が既にテントを設営してくださっていたので手伝います。

まずはテント場ではアイゼンを脱ぎ、私達の隊の、もしくは他の隊のテントを踏んで破かないように注意するのがマナーとのこと。雪山テント泊が初めての私はこういったお作法から勉強です。

「さて天気の良いうちに今日登るか、やっぱり明日登るか・・・」みたいな話をしながら、雪をなるべく平らにして荷物の仕分けを進めます。

結論としては、今日は中山展望台へ行き、コンティニュアスの勉強時間に充てようということになりました。

中山展望台からの絶景です。風もほとんどなく、青い空とのコントラストが最高です。

赤岳は何回かお邪魔していますが、展望台は初めてでした。行程に余裕がないと、難しいということなんだな、本当に贅沢な景色なのだな・・・と思いながら、「スプーンをさして食べたい・・・(ような山だね)」と隣の仲間とつぶやきます。

翌日赤岳に行く2人は、お互いに止め合うコンティニュアス技術のセッティングを勉強します。東京コンテと大阪コンテの違いです。肩がらみ確保の変形で止めるのが大阪コンテらしいのですが、肩がらみで止めるので防寒具が溶けてビリビリになるらしいです。また、セッティングが若干面倒なので、ロープがからみやすく、相当な訓練を積まないと難しいとのことでした。コンテの訓練をするときはビリビリになってもよい防寒具を用意して練習するらしく、Tさんも練習用の防寒具を1つとっているんだとのこと。また、初心者をコンテでつれていくときの方法としては、常に相手より上部にいて止める方法もあるよとのことでした。誰とどういう山に登るのかによって、使用する技術も違ってくるんだなと改めて思いました。

川からお水を汲んできて夜はお鍋です。

荷物が多い冬のテントの中では、ちょっとした身動きが危険だったりもします。

・・・と思いつつ静かに座ってたら、どこからお手伝いしたらよいのか今ひとつつかめず、あまり役に立たない、ご馳走になるだけの人になってしまいました。静かにてきぱきと、Tさんをフォローされる隣の仲間の動きを見つつ勉強になりました。

夜のうちにテルモスにお湯を入れて、翌日のルート、危険個所、赤岳隊と硫黄岳隊、ベース隊の合流予定時間等の確認ミーティングをして、翌朝4:00起床に備えます。

翌朝12日、赤岳隊の出発を見送り、硫黄岳隊は、朝6:30過ぎに出発します。青空というわけではありませんが、周囲の山々の稜線もはっきりと確認でき、風もそれほどないので、天気はまずますです。でも、天気予報では9:00頃から登山指数B、稜線に出る前の最後の休憩で衣服を整えます。

8:30 硫黄岳を望む。

直下のトラバースは注意の上、9:00登頂。山頂はかなりの風で、写真撮影もそこそこにすぐに下山。

2,500m近い冬山の木々の美しいこと、気高いこと。細い枝は薄い氷を纏い、さながら美しいレースのようです。山頂からおりてきてすぐに、ふんわりとした雪を確認しながら樹林帯を楽しみました。

テントを撤収し、赤岳鉱泉からの下山は、静かに舞う雪の中の下山となりましたが、風もなく、おしゃべりしながら林道を歩き14:00過ぎに美濃戸口駐車場に着き、無事下山いたしました。

メンバー(硫黄岳隊):秋、片、北(記)、田(L)、山幸
      ※赤岳隊:曾(L)、山徹 
      ※赤岳鉱泉ベース隊:松