アルパインクラブ モルゲンロート

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南佐久 御座山(2018.5.20)

2018-05-21 11:07:30 | 会山行(2015~2022年度)

  神ならぬ、女性(にょしょう)の座す山、それが今回の御座山だった。

 

神座す、女性(にょしょう)

 

登山口案内板に「東信地方の最高峰をなす御座山は佐久の幽境とも・・」と云われ、神座す山を指す、御座山(おぐらさん)と呼ばれている。

 

「長者の森ルート」の案内板

 

 一昨年10月のモルゲンロート山行(男山~天狗山)時、天狗山から仰ぎ見る、全山紅葉と云っていいほどに染まった見映えの良いどっしりとしたその山容を目の前にして、今回の山行となった。(去年計画も、天候不良で中止)

 

一昨年10月に仰ぎ見た御座山、これを見たら次は行きたくなるでしょう、ね。

 

 先週来の夏本番を思わせる蒸し暑さも、ガラリと変わっての昨日今日。19日()前夜泊、寒さに備えて冬用シュラフに長袖のネルシャツ・フリース・ライトダウンに雨具の上下を着込んで寝たが、やはり寒かった。それでも3時間(就寝130、起床430)、ウトウトしながらも眠れたのは幸い。

 

天候急変なんだ。これ見にくいが、白い粒は登山の途中で降った雹か霰

 

 長者の森登山口を予定より1時間以上早く、6時前には出発。林道を歩くこと20分。林道終点には1台の車(ここまで車で来られる、あと2~3台のスペースあり)

 

登山口近くの林道

 

 昭文社の地図では、1450m手前から高度差100m以上の直登が続くことになっており、休憩を取り備えたが、実際は九十九折りの整備された緩やかな道。

 

地図では等高線の狭い直登表示だが、実際はこの通り九十九折れ

 

 ここを登りきった処で、今日初めてのシャクナゲに出会う。今回二番目にしている楽しみだ(一番目は何といっても山頂からの360度の展望)。

 

シャクナゲも今日の目的の一つ

 

 トラバース道を一旦下って行くと、赤白の巨大な鉄塔がある。この鉄塔の真下を通って行くんだが、とてもデカい。今まで見た中で、一番の大きさだ。

 

鉄塔の柱の基に立つIさん

 

 見晴台(1800m)手前の急登部から、見晴台~前衛峰の肩までシャクナゲの白やピンクに加えて赤が迎えてくれる。盛りを過ぎたもの未だ蕾のものもあるが、全体から見て今頃がピークかも知れない。

 

白やピンク

 

シャクナゲのトンネル

 

この美しさは写真では伝えきれない

 

 

うだの沢のトーミから見上げる空は青い、そして爽やかな5月の風

 

うだの沢のトーミを過ぎると苔むした、根っこのある急な登りが待っている

 

 そして急登を経て樹林帯を抜け出した先、そこはもう頂上と石岩が連なる山頂部だった。

 

山頂部、いきなりの絶壁が目の前

 

 南北に細長い頂上の岩場、左はすっぱり切れ落ちている。その切れ落ちた露岩の先に、山頂標識はある。

 

絶壁の右側を行く、Iさん

 

南北に細長い山頂岩場を更に進んで行く、Kさん

 

お家でも、カミさんですか?

 

 御座、神座す山と云うと、女人禁制?と考えてしまうが、そんなことはない。神ならぬ、女性(にょしょう)が座している。

 

 山頂部の下、ひっそりとイワカガミです

 頂上は遮るものもない360度の展望。でも、北の浅間や西の八ヶ岳には雲あるものの青い空の下、男山の先にある甲斐駒や両神など山岳展望を充分楽しませてくれた。

 

秩父方面、右 両神山

 

山頂、目の前の岩峰

 

男山と後ろ、甲斐駒

 

下山時、見晴台から漸く見えた北八ヶ岳、左に東天狗から右に蓼科 

 

 帰りも同じルート。その分シャクナゲだけでなく野草などの廻りの景色を確かめながら、山ウドやタラの芽の山菜採りも楽しんでの下山。それで登りの時間と余り変わらなかったんです。

 

 ヤエヤマブキ

 

二輪草と

 

シダ類のほか山菜も

 

メンバー:井、河(L、記)、川、北、田、菊


西上州 秋葉山、ゴシュウ山(2018.5.12)

2018-05-19 09:31:55 | 個人山行(2015~2022年度)

5月12日(土)晴れ 下仁田町 馬居沢

半年ぶりに西上州に詳しいOさんと鹿岳の近くにあるゴシュウ山近辺を探索することになりました。

まずは地図上にある861mを目指します。

馬居沢に沿っていく林道から入る。

先を行くOさん。

しばらくすると沢が二手に分かれます、貯水蔵あとが目印です。

右手の沢沿いを登っていきます。

しっかりと道が付いています。

2本の大木にしめ縄が張られていました。何かを感じさせてくれます。

林道が終了して道が不明瞭になってきたので右上の尾根にこの辺で取り付く。見た目より急登です。

赤テープがチラチラ出てきました。

861mの裾野 岩稜地帯が見えてきました。

沢沿いの林道から尾根に取り付き861mの鞍部に出たところ、右秋葉山、左ゴシュウ山標識を右にまずは秋葉山に登ります。

沢にあるような岩場を通ります。何万年前の海底火山地層のようです。

秋葉山、最後の登り。

意味深な石像三体と奥に観音様。

頂上部にはやはりしめ縄が張られていて昔からの信仰の歴史を感じさせます。

後ろを振り返ると妙義山 北方面。

これから登るゴシュウ山。南側 近い。

秋葉山から見た 鹿岳。後で行く木々岩峠を挟む。

秋葉山からゴシュウ山に行く途中のピーク、ここにも石像 水天宮と記しているようだ。

昔の人はここまで登ってきて祈願したのだろう。

細尾根が続く、両サイドは切り立っている 険しい。

約30分でゴシュウ山に到着、市町村界線上のピークにあります。

やはりここにもありました。仏石と祠。

ゴシュウ山を西に市町村界線上を下ります、この辺は一歩間違えると急峻で危険です。

急斜面を下降して林道に抜けました。ぐるっと回りこんで馬居沢におります。

下から見たゴシュウ山。

ゴシュウ山と鹿岳の稜線に木々岩峠がある。実はこの峠印が少し東に動いたようだ。

古いプレートがあり北側の馬居沢に道が付いていた。現在は南の上高原に向かっています。

その時々の人の行き来が変わって行ったのでしょうか?

最後に残念のお知らせ、地図には載ってない大きな車道ができてます。市町村界線を真っ二つに。

下からも。

メンバー:會(記)、他


奥秩父 タツマノ尾根・シャクナゲ尾根(2018.5.4~5)

2018-05-06 19:54:31 | 個人山行(2015~2022年度)

5月4日 GW後半 晴れ 中津川バス停

以前より気になっていた中津川~白泰山に南下する破線(タツマノ尾根、シャクナゲ尾根)を歩いてみた。

車道からすぐのところでつり橋を渡ります。

展望小屋の表示を1時間ぐらいのぼります。

通行止めのロープが張られておりそこが入口です。

落ち葉と倒木で道らしき道は見つからない。入口から数十メートルでいきなりルートファイト。

やがてはっきりとした道が現れた。タチマノ尾根を左にトラバース状に進んでいる。

岩場

右斜めにトラバースするところはローブがあり捕まらないと下に滑り落ちます。

道が消えては出現してまた消えてしまう状況に耐えられなくなり頭上の尾根に取り付く。

1560m付近の尾根上、落雷に打たれたか裂けた大木があります。

この辺はシャクナゲ尾根に変わっている様です。

シャクナゲの花がところどころに咲いています。

1700mあたり栃本から十文字峠までの稜線近くは岩と苔の世界が秩父らしさを見せています。

主稜線が出現、登りは始めてから4時間が経ち、もう14時半になる。

白泰山はパスし右に十文字峠に歩きます。(白泰山避難小屋が見える)

中の様子、中は割ときれいでした。

のぞき岩からの景色、昨年歩いた奥秩父の縦走路が見渡せる。

兎に角進もう、日が暮れる前に宿泊地に辿り着こう。

三里観音様。無事の帰還をお祈り。

17時30分、本日の宿、四里観音避難小屋についた。(日が暮れる少し前あぶなかった)

中はきれいに整備されていた。

時計やホウキ、水場や立派なトイレもある。うわさ道理の避難小屋です。

本日は一人のようだ。

4時半出発、十文字峠途中日差しが出てきた。

十文字小屋のテント場。

氷柱を発見しばし休憩する。

尻岩(見事に割れている)

原生林の中を進む。

まだ雪が残っています。

三宝山頂上、先に来ていたご夫婦の方と談笑。

本日は行きかう人とほとんど言葉を交わすことになりました。

甲武信小屋、本日5月5日。

木賊山から徳ちゃん新道を下山する。

途中、鶏冠尾根に取り付くところ(ロープが張ってある)

西沢渓谷バス停、13時10分で塩山駅に。

メンバー:會(記)


北ア 鹿島槍ヶ岳・赤岩尾根Ⅱ(2018.4.28~29)

2018-05-03 09:52:03 | 会山行(2015~2022年度)

             (その2 登頂編)

 

初日から晴天に恵まれ気温も上がり雪質はかなり悪かった。

急登ではアイゼンピッケルも効きにくく、危険を回避するために幕営予定地の

冷池山荘をあきらめ、赤岩尾根の途中での幕営となった。

 

 二日目も快晴で気温が上がることが予想されたので雪が緩む前に幕営地を出発

 した。直後にTさんの「日の出!」の掛け声に振り向くと朝日が昇りはじめて

 いた。

 

冷乗越手前のご案内(トラバース、直登どちらを行くにしても危険ということか)

 

トラバースルート上部のクラックが雪崩の前兆のようだ。恐怖心と戦いながら緩い

足元を慎重に進めていく。

 

初日の幕営予定地だった冷池山荘に到着(二日目 AM6時半頃)

ここから南峰を目指す。

 

稜線上は雪も無くなり途中からアイゼンは不要となった。今年は異常に雪が少ないとの事。

 

 

今にも崩落しそうな稜線上

 

AM8時前に鹿島槍ヶ岳 南峰に登頂 (なかなかの賑わいです)

 

 

一息つくAさん

 

 

気温がぐんぐん上がってき来たので記念撮影をして早々に下山開始

 

下山途中に素敵な出会いがありました。 

 

ライチョウのつがい。 意外と逃げないのですね。

 

 

お見送りしてくれているかのようです

 

時間の経過と共に緩む足元

 

雪庇を踏み抜かないよう慎重に通過する痩せ尾根

 

全員無事下山して緊張から解放され、疲れが本当に心地よかった。

 

メンバー:會(L)、井、河、田、山(記)

 

 

 


北ア 鹿島槍ヶ岳・赤岩尾根I(2018.4.28~29)

2018-05-01 09:25:06 | 会山行(2015~2022年度)

その1(山頂まで行けなかった編)

山頂まで行けなかったが、鹿島槍ヶ岳は僕に圧倒的に迫ってくるんです

 

 この赤岩尾根、“裏銀座コースのブナ立尾根に並んで、北アルプス屈指の急登”と云う。確かに西俣出合から尾根に取付(1400m)いて高千穂平(2049m)までの距離約1000mは、平均斜度30度くらいの登りとなる。そして、中途半端な雪に手こずる。

 

 一日目(28日)、危険を伴う急な登りが2~3ヶ所。加えて、この雪質では滑りだしたらピッケルも利かないトラバースもありヒヤヒヤの連続で、喉もカラカラ。

 

出発地点の大谷原(1080m)、後方には鹿島槍

 

西俣出合まで林道を歩く

 

林道上、暑くて上着を脱ぐ。正面は爺ヶ岳北峰

 

今年は雪解けが早く登山口は夏山と同じ、との案内。この雪の状態が曲者、コースの難しさを増している

 

この先は川。右手に廻り込みトンネルを抜けて、右に見える尾根の少し上の方に出る

 

樹林帯を抜けこれから登る赤岩尾根を一望

 

 大谷原を出発して7時間40分の14:30、尾根途中でテント泊。

 

明日は今回最大の難所、冷乗越までのトラバースが待っている筈だった

 

二日目(29日)、朝起きたら胸が苦しい、緊張の続くルートに心が付いて行けないのか。山頂には行かず、無理せずに皆を待つことにした僕だった。

僕は人一倍の怖がりである。難所で体が固くなり全身が震えてくるのが分かる。既に、今回もそれは2~3回。その所為だろう、二日目朝の胸の重さは。2時半起床の出発までの2時間半、体は僕にこの先はもう止めた方が良いと云っていた。

 

日の出前の鹿島槍

 

皆は鹿島槍を目指して、5時前に出発

 

 

出発後すぐのご来光

 

皆がスタートしてから既に3時間半くらいの時間が経っている。ちょうど今頃(8:20)鹿島槍の山頂に立っているのだろう。雲一つない絶好の天気のもときっと素晴らしい景色を堪能していることだ。僕は一人でテント近くの木株に腰かけて、山頂を見上げている。

目の前には荒々しさと共に、白い雪を抱く鹿島槍の雄大な姿がある。それは汚されてはいけない厳かな姿であり、圧倒的に迫って来るんだ。

 

その白い姿は神々しくもある

 

ふと気付くと、朝からの気分の悪さは納まって来たようだ。そしてただ静かである。聞こえて来るのは上空を飛ぶ航空機の音に、岩の崩落や雪崩の音のみ。

8:45ドドンと云う音に振り向くと、爺ヶ岳の沢を崩れ落ちる雪と岩の塊。カメラを取り出してシャッターを押す、その間数秒か。

 

10:30テント地まで、無事下山の皆

 

皆が揃った時、突然の大きな雪崩音。中央の沢の茶色い箇所(見辛い)が今まさに流れ落ちている処

雪崩先端部(茶色)のアップ、長い舌の様

舌もアッと云う間に伸びきった

 

 

早朝は締まった雪だったがこの日差しで下山の頃は、アイゼンの爪も余り利かなくなるだろう。急な下りは登りよりも緊張を強いられる。

 

最も急な下り、アイゼンの利きも悪くザイルを出す

 

ザイルを使って下降中のYさん

 

西俣出合、あのトンネルを左から入って右に出る

 

トンネル内には小窓数個あり、採光とともに水の流れ落ちているのが見える

 

今日(30日)も、27日と同じ「道の駅松川」にて仮眠。朝日を浴びた有明山とバックは北アルプスの山々を目にしていると、サッパリとした爽快な気分となる。前日の試練と云っていいほどのハードなこともすっかり忘れている。なんと、また来たくなるのである。

爺ヶ岳(南・中・北峰)と鹿島槍(南・北峰)、道の駅よりズーム

 

有明山と長閑な田園風景、もうすぐ田植が始まる

 

その上部、モルゲンロートの北アルプスをズーム

 

朝日を背にした僕の影

 

メンバー:會(L)、井、河(記)、田、山