アルパインクラブ モルゲンロート

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南ア 北岳バットレス(中退)(2016.7.16〜17)

2016-07-16 16:01:42 | 個人山行(2015~2022年度)
【7月15日】
<夜>
田さん、浜さん、小さん、長さんは拝島に集合し、田さんの車で出発。中は仕事の都合で遅れた為、単独で芦安へ向かう。
 
【7月16日】
<5時20分>
田さん、浜さん、小さん、長さんはバスにて芦安を出発。今回はテントなしのビバークでの行動を計画していたが、朝から空は雨模様のため、テントを備品に追加。
<6時40分>
中、乗り合いタクシーで芦安を出発。
<7時40分>
広河原で合流。協議のうえ行動予定を変更。テントを持って二俣まで行き、そこで雨であれば白根御池へ。降らないようであればバットレス沢の出合で食事をすませ、テントをデポして下部岩壁を登り、ビバークサイトでビバークとする。
<8時頃>
広河原出発。雨はあがり晴れ間のでる瞬間もあり。登攀道具、ビバーク用具が重い。暑くて半袖になる。
<10時半>
二俣。登山者が数珠繋ぎのように列をなす。雨は降らなそうなのでバットレス沢出合を目指す。
<11時>
バットレス沢出合。夕食には早過ぎるのでこのままビバークサイトまで進もうかという案も出たが、少しでも荷を軽くすることを優先し、やはり出合で夕食を済ませることにした。14時から夕食とし、それまで大休止。昼寝。
 
 
 
<15時>
夕食を済ませ出発。夕食はレトルトの白米とカレー。今回のガスコンロは新備品。SOTOのカセットコンロが使えるバーナー。便利で良い。重量はそこそこあり。真っ先に使い方を教わったのは長さんだった。テントとポールをビニール袋に包み札を付けてバットレス沢のど真ん中にデポ。隠す必要はなく、逆に皆から見える場所が良いとのこと。翌朝食用に沢から水を4.5リットル汲んで持っていく。
C沢とD沢を渡り、D沢右岸の尾根の踏み跡に入ったが今一つ不明瞭のため、再度D沢を渡りC沢右岸の尾根上の踏み跡を辿る。上から別パーティーが下ってきた。第4尾根の偵察をしてきたとのこと。我々より先に1パーティーが第4尾根のビバークサイトに向かったそうだ。
30分ほど樹林帯を登ると視界が開けた。時折訪れるガスの合間から下部岩壁が姿を現した。正面にピラミッドフェースの三角錐のピーク。ついにこの日が来た!そんな気分になった。
 
下部岩壁基部からガラガラのC沢をトラバース右側裏手へ回り込む。目指すBガリーが見えた。
 
 
<16時半>
Bガリー取り付き。田さんトップ。狭いバンドを10メートルほど右へ行き直上。10メートルほど上で垂壁部が難しく断念。懸垂を交えクライムダウン。残置支点が少なく、III級とは思えない難易度から、ルートを見直す。取り付きから時計回りに弧を描くように上がる凹角にルートを取り直す。引き続き田さんトップ。今度はすいすい登っていく。「間違いない。こここそIII級だ。」
2番手は中、3番手は浜さん。中がビレイポイントに到着後、小さんと長さんを確保。浜さんがビレイポイントに到着次第、田さんを確保し、田さんはすぐさまトップで先行。続くピッチも3箇所のランナーをとりポイントへ。傾斜は緩めで手掛かりも豊富なため皆スムーズに登る。ビレイポイントから10メートルほど先に上がりロープをしまう。
<18時半>
日没が迫る。目的のビバークサイトは先行パーティーが入ってしまったので他を探すしかない。ここからコンテで草付きを詰め上がりながらビバーク適地を探す。辺りは薄暗くなるが、なかなか適地が見当たらない。やがてBガリーCガリー間のブッシュ帯をトラバースする中、谷側にハイマツが茂る幅1メートル程のポイントを見つけ、もうここしかないと、ビバーク地を決めた。バタバタと準備を進める。トイレは暗くなる前に済ませておこう、ハーネスを身に付けてハイマツにセルフビレイを取ろう、ザックも確保しておこう、手持ちの衣類は全て着込もう、ロープをマット代わりにザックを背もたれに、ヘルメットを被りツェルトにくるまってビバーク態勢に入った。皆やはり快適とは言えない姿勢が続くのでゴソゴソとしながらもウトウトしていただろうか。
<夜半過ぎ>
雨が降り出してきた。小さんと長さんが一つのツェルトに入っていたが、頭を出したままだったので溜息交じりにツェルトを被りなおしたようだ。雨は弱まりつつもしばらく降り続けおかげでぐっしょり濡れた。
 
【7月17日】
<3時>
起床予定としたが、まだ降雨中のため止むのを待った。
<5時頃>
ようやく雨が上がり起床。いやぁ参ったね、と皆で苦笑い。まずは無事に夜を過ごせて良かった。朝食はサッポロ一番塩ラーメンとコーンスープとコーヒー。暖かいものを口にして皆元気を取り戻した。予報では午前中いっぱいは少なくとも降らなそうとのこと。第4尾根を目指すこととした。
 
 
先行パーティーは登っているだろうか、他パーティーは来るだろうか。ビバーク地からトラバースを続けるとCガリーへ出た。20メートルあるかないかのCガリーをほぼ水平に横断し、対岸の尾根の踏み跡に入った。すぐ先にいわゆる第4尾根直下のビバークサイトと思われる二畳間二つ程のテラスがあった。さらに数十メートル進み、木の根を掴んで急坂を乗り越すと、リッジ状になった岩場のテラスに出た。しかしここは正確には第4尾根の取り付きではなかった。さらにこの上のようだ。とにかくここから登攀を開始。
 
 
トップは田さん。岩がさっきまでの雨で濡れており、緑のコケが広範囲に拡がっているがそのコケがぬるぬるで滑る。フリクションの効かない岩を慎重にゆっくりと登っていく。一部垂壁をA0で越え、次のビレイポイントへと辿り着いたが、5人全員登るのに1時間半程要しただろうか、岩の状態、残り時間等を考慮しその場からの下降を決めた。
トップで下降する者はロープ2本を背負い、ポイントに到着後次の下降用ロープをセットし、さらに1ピッチ先行して下降する。3番手は5番手までの下降を待ってロープを回収し、そのロープ2本を背負って次のピッチを下降し下で待つトップにロープ2本を渡す。このような流れで少しでも懸垂下降の時間を短縮することとした。
まずは苔で滑るピッチを下降し、Cガリーを経由し、前夜のビバークポイントから踏み跡を戻りBガリー上部へ。急な草付をブッシュを支点に懸垂下降再開。そのままBガリーを下降する。ガラガラした箇所では落石を発生させぬよう注意する。その頃から雨が降り始めた。ロープに水分が溜まり、下降器で屈折させると絞った状態となり、自身の太ももあたりにボタボタと濁った水を浴びてしまった。下部岩壁基部よりガラ場をトラバースし、もと来た踏み跡よりバットレス沢出合へ。テントを無事回収し広河原へ。
<15:30>
広河原着
<16:30>
最終バスで芦安へと戻った。
 
メンバー: 田、浜、小、長、中(記)

木曽 恵那山(2016.7.2)

2016-07-02 00:03:49 | 会山行(2015~2022年度)

今回のコースは2つ、登山コースとのんびりコース。下山後合流し、日帰り温泉に寄って、翌日まで木曽路を楽しもうという計画である。
初めてリーダーを務めることになり、梅雨真っただ中、いつも以上に天候が気になる毎日だった。

22時拝島駅集合、小黒川PAにて仮眠。
5:30出発、左手に南アルプスが見える。東山道・園原ビジターセンタはゝき木館着(6:24)、のんびりコースの二人はここで下車。登山用駐車場着(6:45)。

【登山コース】 
7:00 登山用駐車場出発~峰越林道~7:26 広河原登山口~10:08 恵那山 10:30~12:26 広河原登山口~12:48 登山用駐車場=13:10はゝき木館

【のんびりコース】 
はゝ木々館~神坂神社~富士見台高原口~萬岳荘~富士見台高原~はゝ木々館   

曇り空のなか、歩きはじめる。

橋を渡る。隙間から流れる川が見え、今回の登山で一番怖かったところである。


コアジサイ

急登を登り、樹林帯を進む。さすが百名山、標識は充実。

 


微かに見える南アルプス

湿度があり、立ち止まるとブヨ等が寄ってくる。そして頂上、残念ながら眺望は望めなかったが、満開のサラサドウダンが待ってくれていた。

 


ゴゼンタチバナ

往路を下山。

 


登山用駐車場着、約20台、奥に10台

登山コースは順調に進み、予定より早く下山。電波状態のよくない中、何度か電話・メールしその旨を連絡。集合場所のはゝ木々館から神坂神社方面に車で様子を見に行き、無事合流。当初は萬岳荘を目指していたが、富士見台高原まで行ったとのこと。「のんびりコース」ではなく「健脚コース」になったようだ。


富士見台山頂


山頂を覆う笹

合流後、昼神温泉は「湯ったり~な昼神」にて入浴、馬篭宿へ向かう。登山時はガスと樹林帯の中で、どこが恵那山かはっきり分からなかったのだが、恵那山の全体像を見ることができた。

 
島崎藤村が眺めていた恵那山

妻籠宿へ

翌日、御嶽山の霊神碑に立ち寄り、奈良井宿を散策。

 

山深い木曽路で、それぞれ趣の違う3つの宿場町を堪能し、11:15塩尻ICより帰京。

メンバー:【登山コース】浜(L・記・写真)、田、井、樺、照、【のんびりコース】岡(写真)、斎