アルパインクラブ モルゲンロート

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北ア 涸沢ベースⅠ(2019.4.27~29)

2019-05-01 06:36:42 | 会山行(2015~2022年度)

春合宿その1 北アルプス涸沢ベース(42729日)

前穂高岳の先には彩雲、吉兆?とんでもなかった

 

27日:上高地~涸沢(7時間55分)、28日:涸沢~ザイテングラート辺~涸沢(3時間50分)、29日:涸沢~上高地(6時間10分)

 

 今年11214日の鳳凰山、夜叉神峠(1370)から南御室小屋(2435)6時間ちょっとは個人装備と共同装備のザックが重く悲鳴を上げていたが、翌日稜線上(砂払岳~薬師岳~観音岳)からの北岳や富士山が青い空に一片の雲もなく本当にキレイで、苦しさの見返りはただただ胸にジーンとさせる廻りの景色だった。

 今回予定も同じ34日。装備も前回並みだし、上高地(1505)から涸沢テン場(2309)までは高低差800mで積雪は多く前回と同様のキツさだった。

涸沢のテン場、カラフルで写りが良い

 

初日(27)

装備品の振り分け @仮泊地

 

スタートは小雨混じりの上高地観光センター、河童橋から見上げる岳沢方面はガスで白い。少しして今年2度目の鶯声の中、清流に廻りの木立やフキノトウなどを目に入れながら、まだ上高地散歩気分で余裕あり。

スタート5分、まだ余裕のメンバー @河童橋

 

河童橋奥の岳沢や穂高連峰はガスで白い

 

横尾から30分ほどで登りも出始めてアイゼン着、ここから本谷橋までは単調の歩き。それだけ意外と時間も掛かり、本谷橋から涸沢までは2時間以上の登りを必死の思いで歩を進む。

徳沢で29日夕&30日朝の食料9人分をデポ

 

落石注意の看板の先、、ルート上に突然ザザーっと雪が崩れて来た

 

本谷橋へ下って来るメンバー

 

本谷橋からはキツイ登りが待っている

 

上高地から8時間弱掛かって着いた涸沢テン場、待っていたのは台風並みの風雪と-10℃前後の寒さ(まるで、ブリザード状態)。幕営する間、冬用手袋を出すのに素手でいた1020秒で指先はムラサキ色で痛くなる。20分くらいマッサージしていたがジンジンと痺れる。

やっと設置したテントは風で撓う、でも中は暖かい。外と違って、天国だ。3ℓワインでの夕食を終え9時頃には床に就く。

 

二日目(28)

モルゲンロートのあずき沢

 

ブルザード並みの前日とはうって変わって、風もなく快晴の朝。5時過ぎモルゲンロートの穂高連峰を見ているともうかなり上の方に人が居る。

北穂高岳へ登る人たち

 

奥穂高岳へ登る人たち、我々もこのルート

 

そして、奥穂高岳がキリっとしている

 

我々も7:15テン場スタート。

登りのメンバー

 

休憩中のメンバー、左上尖がりは常念岳

 

正面は 涸沢岳&涸沢槍

 

続々と登りの人たち

 

メンバーも続く

 

例年のあずき沢でなく、ザイテングラート右側の沢を登ってあと30分で穂高岳山荘と云う処で休憩中の9:30過ぎ、雪崩に巻き込まれた(詳細は次項のⅡ(遭遇した雪崩について))。

休憩中、これから行く奥穂高岳を見上げていたんだが

 

30人以上が巻き込まれ数十mから100m以上は流されたか。前日の降雪が少なかったことから埋没する人もなく、岩やピッケル・アイゼンでけがする人も居なく、現場で確認する限り大けがも無かったようだ(その後、腰骨骨折の人ありとのこと)

雪崩直後

 

事故現場から1時間以上掛けて下ったテン場、再度一人一人の無事を確認して一つのテント内に集まり、缶ビールで全員無事の祝杯後明日の予定を打合せる。北穂ルートもまた雪崩リスクもあるし、僕は近眼用メガネを一人はアイゼン片方を無くし、装備不充分もあり。結果、北穂高岳は止めて下山することに。

29日登る予定だった北穂高岳

 

彩雲だけでなく、日雲も

 

遭難者回収の県警ヘリ

 

後ろは前穂高岳

 

遭難者を運び込んだ処

 

こうして見ると、ヘリも危険な処を運転している

 

もう午後過ぎなのに涸沢カールを登って行く人がいる

 

陽が山際に隠れかけている

 

そして、テン場にも灯りがポツリ

 

三日目(29)

6:30涸沢スタート。

南岳と横尾本谷を行く二人組 @休憩中の本谷出会

 

途中デポの食料(5)を徳沢で回収し、増えた荷物で廻りの景色を楽しむ余裕もなく人で溢れた河童橋まで来て漸く心落ち着く。

河童橋には大勢の人

 

雪崩に遭って生きて帰って来たこともあり、今回事故を貴重な体験と呼んで良いのか分からないが、雪崩に流される中、雪上滑落訓練で逆さに落ちながらのピッケル操作などで必死にあがいていたのは訓練の御かげ、冷静でいられたからと思う。

そして、もう雪山 懲りたって? まだまだそうは思わないんだ。

 

 

メンバー:會、片、川、河(記)、樺、菊、田、山t(L)、山y


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