Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

みんな猫である

2014-01-10 08:39:41 | お絵かき

和田 誠,玄光社 (2013/8)

猫だけを集めた作品集.
週刊文春の表紙や三谷幸喜さんの新聞連載,書籍の装画,挿絵等、300点以上の猫作品を収録.
巻末に著者自身がそれぞれの絵の出典と注釈を簡略に示しているだけで,まえがき・あとがきの類いは一切なし.

ところどころに,この本のために和紙にペンで書いたという俳句とイラストが挟み込まれている.
 肌寒や 手近の猫を 引き寄せる
 傍らの 仔猫の欠伸 うつりけり
 ...

まんがチックな猫だけでなく写実的な猫たちにも,和田誠ネコとでも言うべき個性が感じられる (そう言えば,馬場のぼるネコも好きだったな).

16 トンは絵の対象としては,猫の方が犬より面白いと思う.
でも,絵に描いた世界の猫ではなく
 現実の 猫はひっかく 糞もする
と言うわけで,猫の方が全面的に好きと言うわけではない.
和田さんはどうなんだろうか.

門田英子画伯による猫たちをカバーにした
こんな本もあります.
出版会さんによれば,近頃少し売れ始めたらしい.
著者自身の営業活動の成果???
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寒中お見舞い

2014-01-08 08:43:34 | エトセト等

半分わざとですが,年賀欠礼はがきをさぼったので,年賀状をたくさんいただいてしまいました.
ありがとうございました.
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松谷警部と目黒の雨

2014-01-06 08:08:51 | 読書
平石 貴樹,創元推理文庫(2013/09).

「BOOK」データベースより*****
陰ではマッタリさんと呼ばれ捜査中に俳句をひねるとの噂もある松谷警部は、目黒の殺害現場で所轄の白石巡査と合流。被害者の友人から聴取を始めたところ、過去の変死事件が浮かんできた。事件は予想外の広がりを見せるも、関係者に犯行の機会や動機は見当たらない。白石巡査の推理に期待し、松谷警部は助勢に徹するが…。犯人当ての妙味に富んだ本格ミステリ、文庫書き下ろし。*****

「虹のカマクーラ」の著者が東大の先生と聞いたことはあるが,ミステリも書いていたとは知らなかった.でもこの著者の旧作ミステリは古書でしか手に入らないらしい.

これはまず設計図を作り,それに基づいて書いたようなミステリ.警察の手堅い聞き込みがモノを言うあたりでは,鮎川哲也の諸作を連想した.

推理するのはもっぱら新米の女性巡査だが,上司の警部がまったりしているばかりでなく,とんがりすぎる部下をそれとなく庇ったりで,人間関係はうまくいっている (でも,挿入される俳句は正直言ってワケが分からない).
被疑者側は白雪姫と7人の小人である.天然美魔女の姫は強烈だが小人たちはそれに比べて影が薄く,初めのうちは誰が誰だか分からない.と言うわけで,全体に女性上位な小説.

最後に,巡査が警部に推理を披露するのだが,その場面は警部の家の茶の間で,「浦霞」を飲みながら.警部の奥さんも同席し,拍手したりする.学生の卒論発表の練習みたい.ここでは学生の方が先生より出来がよいのだが,平石先生の場合はそんなことはなかったのでしょう.
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鏡の国の孫悟空

2014-01-04 08:46:19 | 読書
董 若雨, 荒井 健・大平 桂一 訳「 鏡の国の孫悟空―西遊補」平凡社 東洋文庫 (2002/03).

内容(「BOOK」データベースより)*****『アリス』より2世紀早く中国で書かれたアリス的小説。悟空が夢幻世界で秦の姉皇帝を探して、過去未来を冒険、美人や閻魔大王に変身。綺想めくるめくノンセンス・ファンタジー。*****

東洋文庫はアジア全域の各地域に関する古典作品を日本語によって提供する,平凡社の業書.平凡社は百科事典の出版社だった.「平凡パンチ」の平凡出版 - 現在のマガジンハウス - とは別会社と聞いたことがある.

この本はもちろん図書館で借用した.

西遊補原作の刊行は 1641 年.西遊記の続編ではなくて,パロディというのが近そう.西遊記そのものは空間的な移動があるのみだが,こちらでは時間的な移動もある.未来世界では1年が 12 月に始まって 1 月で終わったりする.

中野 美代子「西遊記―トリック・ワールド探訪 」岩波新書 (2000/4/20) には,西遊記のいろいろな論理的な仕掛けが羅列されているが,この本もそれを踏襲しているらしい.ただし西欧的・現代的な読み方をするとしばしばはぐらかされる.「あとがき」にストーリーが要約してあって,そこでなるほどとなる有様.
中国史に通じていれば何倍も面白いだろう.

やたらに詩が挿入され,文章にもちょっとずつ異なる類似の表現をならべ立てたりするところは,井上ひさし流.

西遊記を読んだのは小学生時代であって,はじめの方で単独で大暴れする悟空はすごく強いのに,三蔵法師の弟子となって旅をする途中では, 妖怪にやっつけられてその度に観音様に助けを仰ぐという情けない存在になってしまうなぁ...という感想を持った.
ここでは,悟空は三蔵一行と離れて単独行動するのだが,やはりかなり情けない.ただし西遊記本編と異なり,どんどん人間を叩き殺す.三蔵法師も最後の方で再登場し首をはねられてしまう.しかし,かわいそうとか,残酷とかいう感情はまったく生じない.
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紅鱒 on a stone

2014-01-02 08:05:18 | お絵かき


J 子が旅行のお土産とかで石ころを拾ってきてくれたので,絵を描いた.
据わりのいい石は見つけるのが大変で,おまけに何個もあると重くて大変なんだそうだ.

石肌とのコントラストがイマイチなので,濡らしてみたら改良 (写真は改良後).しかし,乾くと元の木阿弥だ.
異国の海岸の波打ち際で,きれいな半透明の石ころを拾ったが,帰ってみたら かさかさに変わっていてがっかりしたことがある.あのときは宮沢賢治の「どんぐりと山猫」を連想した.
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reading

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