Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

大人の科学 ? ... 無限音階・エッシャー・見て聴くドレミ

2013-03-23 08:23:27 | 読書

小方厚-高田拓人-中川響-山本勇貴 「CD Book 視て聴くドレミ」大阪大学出版会(2013/03) は,印刷版と電子版がセットになっている.これは電子版のタイトルページ.実物はムービーで,右の絵ではシェパード・トーンすなわち上昇し続けるが,いつまでたっても高音まで登りきれない音階の演奏にあわせて,猫たちが階段を登り続ける.

この音階の音源は上記書籍の著者のひとり,YY の作である.彼がどのように作ったか知らないが,本文にもうひとつの無限音階サウンドがあり,こちらは Max/MSP を用いて AO が作った (PureData というフリーソフトでも可能であろう).ふたりともそれなりに苦労して作ったのだが,いま iTunes Store を漁ったら,Ring Pipe Organ という「タッチ・アンド・ドラッグで無限音階を演奏できるアプリ」を 250 円で売っていた.安くて癪に障るので買いません !

アニメーションは HM さんによる作画だが,実は背景の前に 2 枚の絵が交互に現れるだけで,ぱらぱら漫画をシンプル化したトリックである.Mac 上のぱらぱら漫画作成用には,かってGifBuilder という名フリーソフトがあったのだが,姿を消してしまった.でも幸い,同じ目的のフリーソフトが多数出現している.

アニメだけではアカデミックでないと考えて,左に音源のソノグラムを表示した.説明を読んでからこれを見ると無限音階の仕掛けが理解できる.ソノグラム表示は Amadeus という5000 円ほどのソフトで作成した.少々使いにくいがフリーウェアもある.

いちいちアプリの値段まで書いたのは,「視て聴くドレミ」のようなテーマなら,その気になれば誰にでも遊べることを強調したいから.情報処理のデフレのおかげで,子供には難しいかもしれないが,自分のパソコンが持てる「大人」には,今ではかなりのことができる.
本のテーマは音楽だが,音楽の「仕掛け」を説明するには名演である必要はない.だから自分たちで演奏すればいい.
録音も今ではスマートフォンでできる.スタジオで録音したのではないから,遠くで犬が吠えているのが聞こえたりするかもしれないが,それもいいじゃないか,と思っている.

みなさんも,こんなことで遊ばれてはいかが ?

ところで,われわれのものより,はるかに上等な無限階段のアニメを発見した.エッシャーの動画化だが,サイレントなのが残念だ.


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