![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/b2/6bcca6509544e6556d33da74f329592b.jpg)
図のようにスピーカーボックス (以下では「筐」という) に iPhone を入れるだけで低音が増強される.筺の間口は83mm平方,奥行きは117mm. 筐の断面が右図で,音波は iPhone のスピーカーを出てから折り返し,30cm 程度の道のりを経て筐から出てくる.
もう一台測定用に iPhone を調達し,この筐の存在で周波数特性がどう変わるかを測定した.
音源はホワイトノイズで「フリー音楽素材・魔王魂」から mp3 ファイルとしてダウンロードした,これをそのまま (ハードウェアを介さず),フリーソフト Audacity でスペクトル測定した結果を下に示す.20kHz まで,まずまず平坦なスペクトルである.
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/3a/73c874ca3e6864bc72ff7cf89b607c6e.png)
このようなブロック図で,この音源で iPhone7 スピーカーを鳴らし,iPhone6 のマイクで拾って aiff ファイルを作り,Audacity で測定した.途中の赤い矢印は音の伝搬を示す.
上のブロック図の結果は,薄紫でフィルした曲線に対応し,iPhone7 スピーカーと iPhone6 マイク間の距離が 2cm のときである.
下のブロック図は灰色でフィルした曲線に対応する.筐に iPhone7 を収め,筐の出口から 2cm の場所に iPhone6 マイクを置いたときである.
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/52/6c58272ce3989e76d18376076ebe1c55.jpg)
- どちらの場合も高域 10kHz でゲインが急落し,15kHz あたりで遮断される.
- 周波数特性は平坦ではない.
- 筐スピーカーは 400Hz 強までの低域を押し上げる.
スピーカー・マイク間の音路の距離は灰色の場合は約 30cm である.しかしゲインは薄紫の場合と遜色ない.筐なしでは音が大きな立体角に散逸してしまうが,箱が立体角を制限した結果である.
200-300Hz 付近では筺は 12dB 以上のゲインをもたらしているが,どう定量的に説明するか...なかなか奥が深い.
ダンボールでなく木材を用い,いろいろ試行錯誤すれば,もっと良い結果が得られそうだ.300-600Hz のディップを埋めるくらいはできそう.
平坦ならざる周波数特性は,スピーカーによるものか,マイクによるものか,手持ちのシステムでは判断できない.
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