Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

iPhone スピーカーボックスの周波数特性

2017-06-19 08:00:26 | 科学


図のようにスピーカーボックス (以下では「筐」という) に iPhone を入れるだけで低音が増強される.筺の間口は83mm平方,奥行きは117mm. 筐の断面が右図で,音波は iPhone のスピーカーを出てから折り返し,30cm 程度の道のりを経て筐から出てくる.
もう一台測定用に iPhone を調達し,この筐の存在で周波数特性がどう変わるかを測定した.

音源はホワイトノイズで「フリー音楽素材・魔王魂」から mp3 ファイルとしてダウンロードした,これをそのまま (ハードウェアを介さず),フリーソフト Audacity でスペクトル測定した結果を下に示す.20kHz まで,まずまず平坦なスペクトルである.



このようなブロック図で,この音源で iPhone7 スピーカーを鳴らし,iPhone6 のマイクで拾って aiff ファイルを作り,Audacity で測定した.途中の赤い矢印は音の伝搬を示す.
上のブロック図の結果は,薄紫でフィルした曲線に対応し,iPhone7 スピーカーと iPhone6 マイク間の距離が 2cm のときである.
下のブロック図は灰色でフィルした曲線に対応する.筐に iPhone7 を収め,筐の出口から 2cm の場所に iPhone6 マイクを置いたときである.



- どちらの場合も高域 10kHz でゲインが急落し,15kHz あたりで遮断される.
- 周波数特性は平坦ではない.
- 筐スピーカーは 400Hz 強までの低域を押し上げる.

スピーカー・マイク間の音路の距離は灰色の場合は約 30cm である.しかしゲインは薄紫の場合と遜色ない.筐なしでは音が大きな立体角に散逸してしまうが,箱が立体角を制限した結果である.
200-300Hz 付近では筺は 12dB 以上のゲインをもたらしているが,どう定量的に説明するか...なかなか奥が深い.
ダンボールでなく木材を用い,いろいろ試行錯誤すれば,もっと良い結果が得られそうだ.300-600Hz のディップを埋めるくらいはできそう.

平坦ならざる周波数特性は,スピーカーによるものか,マイクによるものか,手持ちのシステムでは判断できない.

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