Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

短調に対する長調の優位

2019-07-11 10:08:38 | 新音律


正式な音楽用語では,長音階・短音階という言葉を使うべきだろう.

図の横軸は周波数で,周波数が2倍となる区間 (オクターブ) を切り取っている.目盛りはオクターブを対数的に12等分している.

縦軸は左端の周波数を持つ楽音に対して,任意の周波数を持つ楽音の不協和度である.

ここで「楽音」とは,基本波の他に,2倍波・3倍波・4倍波・5倍波...を持つ音で,弦楽器・(開管) 管楽器が出す音である.ヒトが歌う声も楽音である.楽音の「周波数」を問題にするときは基本波の周波数を指す.

不協和度が高いと,ふたつの音 (左端の周波数を持つ楽音と,任意の周波数をもつ楽音) を重ねて聞いた時に違和感を感じる.不協和度が低いと安定感があって心地よい.

グラフには5箇所に谷がある.左端の楽音の周波数すなわち高さを「ド」と言い換えると,谷の周波数を持つ楽音の階名はミ♭・ファ・ソ・ラである.長音階ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドのうちミ・ファ・ソ・ラが揃っている.

左端の楽音をラ と読み替えると,協和するのはド・レ・ミの3音である.

このように長音階の方が主音と協和する構成音の数が多い.西洋音楽ではハーモニーを重視するので,まず長音階,つぎに短音階ということになっただろう.
また短音階には,自然短音階の他に,和製短音階と旋律短音階がある.自然短音階ではミとラ の間に協和する楽音がない.これをカバーするために先人が試行錯誤した名残かもしれない.

主音と協和する構成音数が多いという点では,ドリアンも良い.


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