まだ「日本百低山」に関連して.
トップに小林泰彦画伯になる,山旅本のカバーを集めてみた.「...徘徊 (1984)」は買った覚えがあるのだが,書棚に見つからない.
風景画にも前景・点景に人物が上手くあしらわれているなぁと思ってしまう.
発行年とは別に,これらの内容は全て前世紀に著されたものだ.そこで山旅の今昔をふりかえってみたい.
あのころは鉄道を降り,バスに乗って降り,たいていは街道を歩いて,やおら登山となった.今では,バスの便はほとんどなく,あっても日に1本だったりする.そもそも鉄道が消滅していたりする.
車で登山口まで入れるのはいいが,駐車したところまで戻ってこなければならない.山の反対側に降りることができない.下山して駅のそばの居酒屋で一杯 という楽しみもなくなった.
山で一泊 と思っても,東京都奥多摩 大岳山の大岳山荘 (大嶽小屋と書かないと感じが出ない ?) のように,閉鎖された例も多い.御荷鉾山のみかぼ高原荘 は今ではオートキャンプ場だそうだ.
それどころか,武甲山は山の形が変わってしまった.16 トンがこの山を訪れたのは 1960 年代だったが,「日本百低山」2000 年初夏 この山の記述のサブタイトルは「むかしそこに山頂があった」である.石灰岩が削り取られてしまったのだ.
小林泰彦は本の中で
*****三角点,標高を示す標柱ほか数本の杭や道しるべ,腰を下ろしたり乗って遠くをみるのにほどよい石ころがいくつか,それに茶店の残骸や,ないほうがましなクズカゴ,少し降って汚いトイレ,といったものが平均的な低山の山頂で,自然にこうなってしまうのだろうけれど,何とかならないかと,いつも思う (1987 冬.大岳山) *****
と書いている.今世紀に入ってからゴミ持ち帰りが常識となり,「ないほうがましなクズカゴ」はあまり見かけなくなった.山頂はきれいになったと思う.すこしは何とかなったのかな.
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