Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

AI 政治

2019-07-12 09:19:17 | 科学

物理学会誌 2019/7 号から,シリーズ「人工知能と物理学」が始まった.この号の論文は,寺野隆雄「人工知能研究の過去・現在・未来 - 人工知能から人口知能へ」.「人口知能 population Intelligence」は「人工...」の誤変換ではなく,人間の集団が表す知的行動のことだそうだ.

日頃われらが政治家の無能ぶりを目にするにつけ,AI に政治をやらせた方がましと思うようになった.

この寺野論文で政治に関係がありそうなのはエージェント・ベース・モデリング.「エージェン ト」は,内部状態と意思決定・問題解決能力,ならびに通信機能を備え,主体的に行為するソフトウェアである. エージェントを複数集めて,対象システムのボトムアップなモデル化を試みる.そしてこのインタラ クションに基づく創発的な現象やシナリオを分析しようとする.

このモデリングから得られた「興味深い」知見が表になっていた.独断と偏見でこのなかでも16トンにとって興味深いものをいくつか拾うと...

ゆとり教育は間違っている / 貨幣は信用以外のなにものでもない / 規制のない状況において金融市場は乱高下する / リスク管理が金融システムを危うくする / 牧羊犬でも複雑系は御せる /  流行はカオスをもたらす / マイレージポイントシステムは集中化する ...

現状でも政策の参考にすることくらいはできそうだ.しかしこうした個々のテーマはともかく,総合的には,何を目標にするかが判断を左右することになり,そこにヒトが介入せざるを得ないことになるだろう.

AI に全面委任なら,たとえば忖度はあり得ない.しかしヒトが介入すると,バレないように忖度するなど,誤った方向に利用することもありそうだ.

おおかたの理解が得られないことを承知の上で,AI 政治を真面目に考えている方もおられる.

トップの写真は昨年4月の多摩市長選に立候補した松田みちひと氏の選挙ポスター.「AIにしがらみや忖度はありませんから公明正大な政治ができる」と松田氏は胸を張る.政策や意思決定の場面でAIに分析させ,最良の方法を予測させる.その結果を松田氏が判断する...」これは<a href="https://www.tokyo-sports.co.jp/sports/980650/">東スポWeb の記事</a>の抜粋.残念ながら松田氏は落選した.

ニュージーランドでは<a href="https://roboteer-tokyo.com/archives/11139"> AI 政治家 サム(Sam)</a>が 2017/11 に発表されたが,ここ1年以上ウェブでは音沙汰がない.

 


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