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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

ヴェルクマイスターでジャズピアノ

2009-06-05 08:42:11 | ジャズ
ジャズ研 OB の「まるたいち」こと杉丸太一さんが CD を送って下さった.タイトルは T.T.D. で,ビブラフォンの殿岡ひとみさんとのデュオ.
このピアノは平均律ではなく,ヴェルクマイスターに調律したとのこと.この調律でのジャズ初めて! と思ったら,キース・ジャレットの Melody At Night With You がそうらしい.またルー・ハリソンがキース・ジャレットのために作曲したピアノ協奏曲の CD では,ピアノはキルンベルガーに調律されているとのこと.

ただし,この CD はことさら調律法をウリにしているわけではない.それどころか,ジャケにはヴェルクマイスターの「ヴ」の字も見あたらない.
小生自身この CD を聴いて特に平均律との差を感じ取ることはできなかった.ヴェルクマイスターには複数の調律法があるが,そのどれかももちろん不明.

言い訳めくが,たいていのひとには差が分からないと思う.オルガンみたいな持続音では,重音で聞こえるうなりの違いがひとつの音律判断材料になるが,ピアノのような減衰音では分かりにくい.純正律的な調律のピアノを弾くと,ハコごと共鳴するように感じられるそうだが,iPod なんかで聴いても駄目.
おまけに共演楽器がビブラフォンで,平均律であるうえに,この楽器特有のビブラートが,音律を曖昧にしている.

音律を忘れて CD の音楽そのものを味わうに限る.曲目は

1 Lawns (Carla Blay) , 2 Isn't This My Sound Around Me? (Bobby Hutcherson), 3 Forest Flower (Charles Lloyd), 4 Falling Grace (Steve Swallow) 5. Homecoming (Hitomi Tono'ka), 6. Waltz for Debby (Bill Evans), 7 In A Sentimental Mood (Duke Ellington), 8 Calling You Bob Telson)

殿岡さんのオリジナルを含め佳曲が揃っている.F, D など比較的♯や♭の少ないキーの曲が多いけれど,調律との関係を考えるのは穿ち過ぎだろう.
杉丸さんのブログ
http://ameblo.jp/marutaichi/page-2.html#main

では「ロックな魂・炸裂,熱い演奏」という表現が使われていた.しかしスローな曲が多いためもあり,小生にはむしろ落ち着いた大人の音楽という印象のほうが強かった.でもヴァイブの音は意外に生々しい.

この CD に興味をお持ちの方は上記ブログからホームに行き,そこから杉丸さんにメッセージを送って下さい.

下の黄色いジャケは杉丸さんのグループP-4k(ピーフォーク)のファーストアルバム.Amazon でお取り寄せ可能.
http://www.amazon.co.jp/special-way-P-4k/dp/B001RKGAYC/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=music&qid=1244118747&sr=1-1

佐藤有介さん (b) も参加.上の T.T.D. に比べるとぐっとポップです.東京の HMV にずらりとならんでいるとのこと..

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