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なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

うぬぼれ刑事と熱海の捜査官

2010-09-19 | 休み
何故か個性派監督のテレビドラマが同じシーズンの同じ曜日に放送されていた2010年夏ドラマ。



「うぬぼれ刑事」(TBS)
「うぬぼれ刑事」は世田谷通り署の面々とのやり取り(特に荒川良々演じる冴木刑事との掛け合い!)や細かな台詞(得意の小沢一郎のモノマネって言う台詞は他のクドカン作品でも出てきた気がするけど、仮にそんなモノマネがあったらどうするんだろうか。ずっと目を瞑ってるとかなんだろうか?)などはやっぱり面白かったものの、個々の事件のアウトラインは結構残念なものが多かった気がする。

動機とかもかなり定型的だった。(個人的に一番完成度が高かったと思ったのは、蒼井優の第2話「癒し系」。動機が「金が大好きだから」というど直球やそんな彼女を受け入れようとするうぬぼれの返しも面白かった。)

最終話で露呈した「愛しているが故に愛する人に罪を償わせる」という結末はアナーキーで破天荒なうぬぼれも結局は日本社会の倫理を乗り越えられないと言うこといみじくも示していたように思う。確かに第1話と最終話でそれなりに綺麗な構造ではあるけれど。


そして毎回疑問に思うんだけど、何でクドカンはせっかくわき道は面白いのに国道は感動とかお涙基調にしてしまうんだろうか。ぶっちゃけ、そんなの要らないのに。バランスは大切だと思うけどさ。



「熱海の捜査官」(テレビ朝日)
明らかにアメリカの90年代のテレビドラマ「ツインピークス」を強く意識した設定やストーリーラインはとても意欲的だった。数多く登場する南熱海市民たちもそれぞれ埋没することなく個々に”キャラ立ち”していて、ちゃんとある種の群像劇としてキャラクターは機能していたと思う。機能していたとは思うけど…

機能していたけど、肝心のストーリーが面白くなく、魅力が無く、駄目なときの三木聡監督だった…シュールはシュールでも笑いのシュールと不思議のシュールはまったく違うもののハズなのに、笑わせる手法のシュールを不思議のシュールの文脈に当てはめちゃってる。すると、どうなるか。「熱海の捜査官」の惨状になってしまうのです。でも三木監督は不思議のシュールはあんまり向いていないかも…

キャラが立ってはいたけど、それがキャラクターが魅力的であったかというと別の話だった気がする。そして思わせぶりばかりの本筋の失踪事件。何か出し惜しんだと言うより、出し切れなかった印象。何で東京事変書き下ろしで「天国へようこそ」だったのかはラストで分かったけど、決して面白くは無かったのがすごく残念無念。脇役俳優とかのキャスティングが凄い良かったのに…蛇川方庵とか。


でも「熱海の捜査官」の最大の功績はブルーレイBOXの発売が決定したところかもしれない。日本のテレビドラマでブルーレイBOXって初じゃないか?

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