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なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

02008年012月018日(木)サスペンスが消えてゆく

2008-12-18 | 休み
昔は年におおよそ260作ほど作られてきた日本の2時間サスペンスも元からサスペンスに限らない「金曜プレステージ」はさて置いて、TBSの「月曜ミステリー」は「月曜ゴールデン」という映画とサスペンスの隔週枠になり、日本テレビの「火曜サスペンス劇場」も「ドラマコンプレックス」というっサスペンスに限られない2時間ドラマ枠となりそれも無くなり、純粋に”サスペンス”を放送するドラマ枠はテレビ東京の「水曜ミステリー9」とテレビ朝日の「土曜ワイド劇場」ばかりになってしまいました。

そんな唯でさえ少なくなってきた、以前が多すぎたのかもしれませんが、サスペンス枠も昨今のテレビ局への広告費出稿減の煽りを受けているかもしれなくてドンドンなし崩し的に急激に減少来ているように思えます。例えば「月曜ゴールデン」ではいつの間にか以前の特別番組の再放送を最近は繰り返し、「水曜ミステリー9」もここ1ヶ月ほどは山田太一ドラマ、「信濃のコロンボ」の再放送に徹していました。根拠は無いですが、これだけ見ているとサスペンスのようなお金の掛かって見返りの少ないジャンルは危なさそうです。


こういう状況を見ると完全にサスペンス一筋の枠を維持しているのはもはや「土曜ワイド劇場」だけになりそうです。個人的にも昔は2時間サスペンスというだけで、馬鹿みたいに全部を観て、暇さえあれば再放送も率先して観ていましたが、今となってはほぼ観なくなりました。一方でサスペンスジャンルの作品である『相棒』や『SP』、あるいは『ガリレオ』などは高い視聴率を獲得しているようです。


でもそれがサスペンスの人気の担保になるのかといえば、どうもそうでもないように考えます。最近の刑事ドラマは、『相棒』にしろ『SP』にしろ『マイアミ・バイス』に延々と由来するバディものの系譜を引きつつも(『相棒』のスタッフの多くが過去の刑事もののスタッフがほとんどというのも興味深いです。相棒は日本の刑事ドラマのある種集大成なんだと思います。)『パトレイバー』以降の警察組織や組織内の政治、社会状況を反映させるドラマであるので、いわゆる2時間サスペンスとはまったくことなるもののように感じます。

事前にアナウンスされていたように『相棒』は亀山薫が去りました。話自体ではやはりというか、何と言うか防衛省がテロの黒幕という『パトレイバー』劇場版2作目のような大状況を作ろうとせんとしたかなり面白い話だったのに、全体として軽くどうもあっけなく終わってしまい、事の顛末自体もかなり省かれていて、やはり輿水さんよりも櫻井さんの脚本の方が良いなぁ。でも「(防衛)省に格上げされたからって、少し調子に乗ってない?」という台詞は刺激的で良かったです。


注目の後任は予告を見る限りは、新しい相棒は田畑智子さんのようですが(伊丹こと川原さんかと思ってました)…お正月スペシャルですし、お得意のフェイク演出予告の可能性は大いにありますが、どうでしょうか。だとしたら確かにお芝居上手いですが、地味な面子がさらに地味になりそうです。