おおきなかたまりを飲み込んだ
かたちのないおおきなかたまりを
理不尽さとも悲しみともすこし異なる
わたしだけに与えられた良薬は口に苦し
苦しくて小さく咳き込んだ
外を降る雨は勢いを増して雪となる
冷たい空気のあいだにも
いと恋しやと誰かの吐息は
赤色の頬とおなじ色してみな消えていく
おなじ場所にいるべつべつの時に
眼差しだけはいつまでもそこに残されていた
昨日に置いてきたおおきなかたまりと
明日まで投げ飛ばしたおおきなかたまりの
その積み重なりからなるいまにある
おおきなかたまりも喉元を過ぎさり
痛みや苦しみもすぐに忘れ去られて
全てなかったことにされた
姿かたちなきおおきなかたまり
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