よみびとしらず。

あいどんのう。

BLUE

2020-11-19 21:27:11 | 散文
青色の入口に立ちて
これから起こりゆく不安と不満と
不条理に満ちた世界に微笑みを交わした

怖いことばかりの世の中で
怖いこと以外もそれ以上過分に巻き起こり
わたしの身体は渦(うず)となる
渦潮は下に流れて全てを壊した
海底に残骸は溜まりゆき
蓄積された澱(おど)みは殻となりわたしを包む
どんな水にも流されまいとし
刃は通過して傷口を増やした

始まりの微笑みはやがて泣き顔に変化した
逆さまに降り立ちて世界は青色
苦しみは当然生じて傷口に塩
痛みばかりのこの世の中にわたしは腹を抱えて大いに笑った

わたしの中に残された青色は透明
どんな嵐にもまれようとも
砕け散ることのない鮮やかな青は
誰の手にも届くことのない空に預けた
空を仰げば風は吹き
思い出すのことない思い出話に花は咲く

晴れわたる空に苦虫を噛み潰したような顔をさらして 
青色の息吹を全身に抱いた
透明になることのできない身体から
空にとけこむ青色のわたし

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