よみびとしらず。

あいどんのう。

2020-08-10 10:28:04 | 散文
ここにいる意味など何もないと
雲は流れて何処へなりとも流浪する
時の流れからも切り離されて
昨日と今日の区別なく
明日に漂うは1000年前と同じわたしだと
誰ひとり知らぬ現実を空に留めた

ここにいる意味など何もないのだと
雲は流れて主張する
太陽は陰りて雨は降り
風の吹きてやがてこの空の青さは顔を出す
天の気のはざま
天と地のあいだ
何処にも属さないことだけを遵守(じゅんしゅ)して
雲は流れる

わたしはわたしとわたしではないものの境目もなく
今日と明日の区別もつかずに
あなたとわたしの違いも知らずに
誰の瞳にもうつらないすがたでこの絶え間なき宇宙(そら)を流浪した

気がついて笑ったあなたの笑顔に
癒されたわたしは雨となり
雲粒(うんりゅう)はあなたを守るためにこそ光を包みこむ

最新の画像もっと見る

コメントを投稿