よみびとしらず。

あいどんのう。

空と言葉

2020-09-03 00:14:08 | 散文
とるに足らない言葉の影で
息をひそめたあなたの優しさを
繋ぎ合わせて心を知った
つかみそこねてばかりの今に
大きな掌は諦めを知らず空に染まった
色のないかたちを追い求めながら
それだけに飽き足らず色を追う
まわり道巡って答えからかけ離れ
透明な膜の内側で息をころした
息苦しさに空を仰げば
言葉は満ち足りてかたちなく
この感情を説明するには何もかもが足りなくて
この説明もつかない感情に名前を
どうか名前をつけられたなら

ほしいとは言えなかった大切なものの在処は
どこまでも透明な空のなか
空言(むなごと)絵空事と上辺を撫でて
本当のことばは言葉には出来ずに
それでもお伝えしたいと願った空に
星は瞬き言葉を紡いだ

繋ぎとめたくて
そこにある証を
嘘偽りなき感情に
真(まこと)のことばはこだまする

空に似たことばは色もなく
ちゃんとしたかたちにはならず言葉となった
青色の空に似た言葉を探して
この手のひらは本音をかすめて風を追う

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