リンネ 2021-06-05 10:48:22 | 散文 リンと鳴るのは誰の調べかと御伽噺も終わりを告げた帳(とばり)の影にあなたの牙だけが残されてそっとさすれば太陽は昇るまたわたしだけがそこに置かれて景色はいまを引き連れてあなたを奪い去る水に触れれば鏡のなかのそれにすら気づかずメイロは広がる八重(やえ)に九重(ここのえ)丸みを帯びていつからか彼の地は名前を与えられた星となるくるくると廻る御伽のさなか鈴の音(ね)はようやく巡りてこの地に根付いたただ穏やか . . . 本文を読む
