よみびとしらず。

あいどんのう。

さかな

2021-04-28 11:15:52 | 散文
陸にいて溺れたさかなは海が恋しくて声も出せずにぱくぱくと呼吸をすればなおくらくらと自分に足りないものは何であるかを把握できないまま視界は歪むこの身体は海を求めて細かく震えた海のない場所に漣(さざなみ)揺れてわたしは水を求めて深く息を吐く藁を掴めばさらに溺れた風はさやさやと枯草に添いわたしは此処から彼処へとなおもあなたにはたどり着けずにこの場所に鳴り響くのは海の唄中途半端になれ果てた泳ぎ方も忘れた人 . . . 本文を読む