音楽療法士でこぼこ生活

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今日の老健

2007-10-23 15:06:48 | 音楽療法いろいろ
今日の老健で一つ勉強になったことがありました

音楽療法士として働いていても、利用者さんから見れば、職員と同じなので、歩いているといろいろ頼まれます
私にでも、出来ることはさせていただきますが

今日は、廊下で「自分の車いすを探してください」と言い続けている方がおられました
ご自身は、ちゃんと車いすに座られているのですが、そのこともお話しするのですが「もう一台ある。盗まれないうちに取りに行く」と言われます

丁度、私はセッションの準備で楽器を運んで、何度もそこを通るので、通るたびに、同じ事を言われます
他の、職員はみんな忙しそうに動いていて、近くにおられません

覚悟を決めて、その場に座り込んで、じっくり話を聞くのですが、どうお聞きしても廊下の突き当たりに、それらしいものも無いし、「無いですよ」というと怒り出されるしちょっと困ってしまいました

私も、老健は長いので、こういった場面は良くあることなのですが・・・今回はどうおさめようか・・と考えていました

そしたら、若いけれどいつもとても暖かい介護をされる職員が「先生あとは私が・・」と寄ってきてくれて、また一からお話しを聞いたあとに、「じゃあ、探しに行きましょう」とその方の車いすを押して、廊下の突き当たりまで行き「どこにおいたのですか?」と穏やかに二人で(あるはずのない)車いすを探しておられ、最後は、「ありませんね~私はもう少し探しときますから先にお部屋に帰っていただいて良いですよ」と言って、お部屋に誘導され、チラッと見に行ったら、落ち着いてベットに横になっておられました

音楽療法では、相手に「寄り添って」と言いながら、今日の私は、なんとか言葉でごまかそうとばかり考えていて
頭ではわかっていることですが、非常に穏やかに事を解決された若い介護職を見ていて、「もともと有り得ない話と決めつけ」、「こんなことを言う人に慣れている」自分に気がつきました

高齢者の行動について学んで知っておくことは大事ですが、実際に接するときは先入観を持たず、誠実に聞き取る事を再確認しました

ホントに「慣れ」って怖いですよね
コメント
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