新・エンゲル係数

肥満と痛風に悩まされながらも新鮮な食ネタを捜し求めて・・・

寒暖差アレルギー

2015年02月09日 | おいしんぼうネタ

「風邪でもないのにくしゃみや鼻水が出る。花粉症シーズンも、もう終わったのに……。その症状、『寒暖差』アレルギーかもしれません」

そう話すのは、順天堂大学教授の小林弘幸先生。今回は、気温差と血流の変化、それに伴う不快な症状について、小林先生に解説してもらった。

「極端に暑くも寒くもないものの、寒暖差は激しいと、血管も膨張と収縮を繰り返し、やがて血流をコントロールする自律神経がその変化についていけず、バランスを乱してしまいます。医学的な正式名称は『血管運動性鼻炎』といいますが、急激な気温の変動によって鼻の粘膜の血管が広がり、粘膜がむくみ、鼻が詰まったり、サラサラの鼻水が出たりするのです」

さらに、自律神経の乱れから、疲労感やイライラなどの症状が起こることも。女性のほうが男性に比べ筋肉が少ないぶん、自分で熱を生み出す力が弱く、寒暖差アレルギーになりやすいともいわれているので、注意が必要だという。 

「もうひとつ、気温差による不快な症状といえば、めまい。めまいには、自律神経が乱れることによる脳への血流不足のほか、『耳』から誘発されるケースも考えられます。そんなときは、両耳の穴に指を入れ、口を開閉してみましょう」

エレベーターやトンネル内で、耳が「キーン」とした際の対処法と同じだが、気温差によるめまいも緩和してくれるという。 

「また、脳への血流を取り戻すという点では、『1対2の呼吸』(息を吸う長さの2倍の時間をかけて息を吐く)で、酸素の補給を。さらにあめ玉で糖分を補給しましょう。そして、寒暖差アレルギーにせよ、めまいにせよ、まずは一日を通して体温を一定に保つことが予防の一手です」

訳もなく、くしゃみやめまいが続いたら、気温差に体がついていけない証かも? 脱ぎ着のできる装いで、体温調節を心がけよう。


下がりすぎても・・・?

2015年02月09日 | 気になるネタ

Q.原油価格が下がり続けているけど、日本経済にいいことなの?
  
 もちろん! でも、時と場合とスピードによるね

  ◇

 原油価格の下落が止まらない。原因は、中国経済の減速による需要減と、産油国の減産という供給減。筆者の自宅近くでは、ついにリッター125円のガソリンスタンドが現れたが、ガソリン価格が下がって文句を言う人はいないだろう。

 ただし、手放しで歓迎という雰囲気ではなくなってきた。昨年末の忘年会では「1バレル=60ドルまで下がりましたね。これで来年の景気は良くなる」と喜んでいたが、今年の新年会では「おいおい1バレル=40ドル台って、どこまで下がるんだ」と落ち着かなくなってきた。どんなにいいニュースでも、あんまり急で限界が見えないと、人は不安に駆られてしまう。

 ■原油価格下落の効果は実にGDP2%分

 日本経済にはどんな影響があるのか。日本が1年に買っているエネルギーの費用は、輸入に占める鉱物性燃料を見ればいい。’13年度は28兆円で、この半分の14兆円が原油の購入にあてられた。昨夏まで1バレル=100ドル超だった原油が、今は50ドル以下と半値になっている。これだけ下がると円安によるデメリットを補って余りある。何しろ、輸入代金で7兆円もの費用が浮く計算になる。

 鉱物性燃料のうち、残りの14兆円は石油製品やLNG、LPG、石油などだが、これらも原油価格と連動している。ということは、エネルギーの購入費用は少なく見積もっても10兆円以上が浮くことになる。これまで海外に流出していた費用が国内に留まり、これだけで実にGDP2%分の景気浮揚効果に匹敵する。消費税に換算すれば4%。個人消費にプラスに働くのは確実だ。

 とはいえ、底値が見えないのは、ちょっと不気味。相場格言では、暴落時は「半値、8掛け、2割引き」が底値になるという。’08年の最高値147ドルから底値を弾き出せば、147×50%×80%×80%=47ドル。だが、この47ドルも抵抗線にならなかったとなると、30ドル台もあるかもしれない。

 これだけ価格が下がれば、当然、産油国は大騒ぎ。特に、原油輸出に経済の依存度が高いロシア、イラン、ベネズエラは大変なことになるだろう。採算割れの可能性が出てきたアメリカのシェールガス生産も、確実に影響を受ける。どうやら今年は、海外発の異変に付き合わされることになりそうだ。

 石油は単にエネルギー源であるだけでなく、化学産業にとっては原材料でもある。原材料費のコストがこれだけ安くなれば、実体経済にも大きな影響が出るはずだ。これまでは国内の設備の合理化が課題だったが、意外と大復活する企業が出てくるかもしれない。環境の変化への適応は重要だが、こういうときに「今まで、ただ我慢だけしてきた企業」に光が当たることもあるわけだ。面白いね。

 ◆産油国に大ダメージ! ロシア国債は格下げ

 格付け会社ムーディーズが、「原油価格とルーブル急落のおそれがある」ロシア国債の格付けを投資適格級では最下位のBaa3に引き下げた。現金収入の94%を原油に依存するベネズエラも、デフォルトの危機に晒されている。両国は首脳会談で原油市場の動向を議論したが、妙案は見当たらない……

 ■吉崎達彦 ●エコノミスト よしざきたつひこ◎’60年生まれ。双日総合研究所副所長であり、主任エコノミスト。ニュースレターサイト「溜池通信」編集人(http://tameike.net)としても知られる。経済はもちろん、アメリカの政治状況を分析する力も定評がある。最新刊『ヤバい日本経済』(山口正洋・山崎元との共著。東洋経済新報社)