男子ゴルフのマスターズ・トーナメントの主催者は11日(日本時間12日)、石川遼(21)を特別招待選手として4月11日に米ジョージア州オーガスタで開幕する同大会に参加させることを発表した。2009年から5年連続出場で、特別招待は2年連続3回目となる。石川の特別招待について米各メディアは「最近10年でこれだけ厚遇を受けている選手はいない」と報じており、奮起が求められる。
マスターズに招待される条件は前年大会の上位選手や世界ランキング50位以内など19項目あり、そのほかに特別招待選手がある。石川は最新の世界ランキングで75位。過去4回出場したマスターズでの成績は2011年に20位に入った以外の3大会で予選落ちに終わっている。
マスターズは石川に対して破格の待遇を与えており、特別招待で出場させるのは初出場の09年、12年に続いて3回目。今回は昨年アジアンツアー賞金王のタワン・ウィラチャン(タイ、世界ランキング68位)とともに選出された。日本人選手では藤田寛之(43)が既に今大会への出場権を獲得している。
オーガスタ・ナショナルGCのビリー・ペイン会長は特別招待の理由について、「マスターズは、世界のゴルフを支援するという長い伝統を持った大会であり、ウィラチャンと石川遼を招待することができてうれしく思う。2人が参加することでアジアでのゴルフの人気と関心が高まることを期待している」と談話を発表している。
しかし、石川の3回目の特別招待をいぶかしげに伝える米メディアも多い。AP通信は「最近10年でここまで例外的にマスターズの招待を受けた選手はいないため、今年の石川は注目を浴びることになるだろう。石川は日本のロックスターだ」と報じている。
また、複数の米メディアはマスターズの特別招待について次のように分析。「アジアの選手が対象になることが多い。テレビの放映権収入を得ていることや、アジアへの大会普及をはかる目的がある」と報じている。
米スポーツ専門局のESPNも「昨年はメジャー優勝者のアーニー・エルスも特別招待の候補者となっていたが、結局、招待されたのは石川だった」と不公平感を伝えている。
石川は今季から米ツアーに本格参戦することを決意し、今月17日開幕のフマナ・チャレンジ(カリフォルニア州ラキンタ)が初戦となる。「アジアの人気選手として例外的に特別招待を受けるのは今年が最後だろう」(米PGAツアー公式サイト)。今大会で実力を証明し、来季以降は自力で出場するしかないようだ。