惨敗した大宮戦から気持ちの切り替えが出来たかどうか。
それが今日の試合のポイントだった。
開幕戦から寺川フィーゴの調子が良い。
今日はその寺川を右サイドのFWで起用。
試合開始早々から、アルビはアグレッシブなサッカーを見せた。
前半終了が見えた40分頃、エジが受けたパスをトリッキーなプレイでキープ。
その横を、恐ろしいスピードで駆け上がった選手がいた。寺川だ。
エジは寺川へ絶妙のスルーパスを供給。
寺川は右足を振り切ってシュート。GKの脇を抜けてゴールマウス左サイドに突き刺さった。
寺川の生ゴールを最後に見たのは何時だろう?
確か、2002天皇杯で見たヘディングシュート以来であろう。
寺川らしい勢いに乗った、素晴らしいシュートだった。
好調寺川をFWとして起用した反町監督の判断が大当たりした。
そして、ゴールを決めた寺川の活躍に勝るとも劣らないヒーローがいた。
ヒーローの名前は、GK野澤。
後半に入って、神戸の左CKからのセットプレー。
CKのボールを巡って、ゴール前で混戦となった。
そこへ、審判の笛。
ポケットからイエローカードが取り出されて、PKの指示。
スタジアムが騒然となる。一体、何でイエローが出たのか?
PK、キッカーは播戸。
播戸はゴール右サイドへ蹴った。
野澤は、分かっていたよう右(キッカーから見て、以下同じ)に飛んで、ボールを止めてしまった。
スーパープレー!!
しかし、ドラマはまだ終わっていなかった。
審判はPKのやり直しを命じたのだ。
スタジアム内は騒然、野澤への声援が、審判への大ブーイングへ変わった。
キッカーは再び播戸だ。
PKは圧倒的にキッカーが有利だ。
ただ、この場合は失敗したキッカー、止めたGK。
キッカーが気持ちで勝てるかが勝負の分かれ目だった。
播戸がキックしたと同時に、野澤は左サイドへ飛んだ。
しかし、播戸の蹴ったボールは真正面。
だが、野澤はボールを足に当ててかろうじてボールを弾いた。
ハイパープレー!!
大分戦に続いて、PKを立て続けに止めてしまった。
PKのやり直しにも、集中力が切れなかった。
プレーが止まると、野澤への大声援でスタジアムが揺れた。
この場合、駆け引きよりも、もう一度同じコースへPKを蹴るべきではなかったか?
この後も押し込まれて、危ない場面が多々あった。
だけど、最後は体を張ったひたむきなプレーでボールを止めた。
思いの強い方にボールは転がるし、運も転がり込む。
試合開始早々に降った白い雪が白星を再び運んで来てくれた。
1:0でホーム戦は連勝だ。