~ 夢の途中 ~

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青天の霹靂  ~同情のチケット~

2012年09月27日 | 悲しい話

最近、ウチの社のOLさん達、やたらとサッカーの話題が多い。

「仙台って落ちてきそうで落ちないよね。」、「広島のサッカーって相手に合わせてフォーメーション変えてるよね。」、「やっぱ名古屋の永井は速いわ!」、「今週もベアスタ(ベストアメニティー スタジアム)行く?」・・・。


ついこの間までソフバの川崎がどうした本多がどうした、な~んて野球の話がメインだったハズだが・・・。


サッカー・・・であるならば私の出番である。私、こう見えて(どう見えてるか知らないが)鹿島アントラーズのサポーターだったのだ。


まだ東京在住の頃、葛西から東関道をぶっちし潮来ICまでドライブ。よく彼女(現在の妻・・・のハズ)と鹿島スタジアムに通ったものだ。


いまだ記憶が濃い1993年5月、鹿島スタジアムでの対グランパスとの開幕戦から観戦した。


『ジーコVSリネカー』と話題を振りまいたJ開幕戦でのジーコのハットトリックにスタジアム中が湧いた。


中でも「なんだ?あのハゲのロン毛は?」って選手も2得点・・・・後のアルシンドのデビューである。


この頃のJチケットはまさにプレミアム、このチケットさえあれば六本木スクエアビルに踊りに来てる群馬・埼玉方面の女子高生だろうが、「私一般ピーポーとは違うのよ」的なエムザ有明だろうと、はたまたバブルの残骸にしがみついてたジュリアナのゲッターズだろうと目じゃなかった。田舎モンの私に最高の思いをさせて頂いた、まさにプレミアムモテモテチケットだった。

と、いつものようにアッチャコッチャに話が飛び回って申し訳ない。


で.....前出のサッカーの件に戻るが、「最近よくサッカー観戦行ってるよね。チケットとか簡単に取れるの?」


女子OLの怪訝(けげん)の顔。「なに言っちゃってるのこのオヤジ」彼女達の声なき声が聴こえた。


「はぁ?何言ってるんですか? ウチの会社、サガン鳥栖のスポンサーになってるんですよ! 毎試合スポンサーチケット送ってきてますよ!」


おいチョット待て!!! いったい何の話なんだ? スポンサーなんて話オレは初めて聞いたゾ!


確かに地域スポーツを支えるのは必要だろう。だがそんな金があれば私のように一心不乱、身を粉にし働いてる私の生活を支えるのも大事ではなかろうか?


どーいうことだ社長! 今、オレの目の前にいる社長にバンビのようなつぶらな瞳で問い掛ける。


「あれ? 言ってなかったっけ? ん? いや、去年の社内報に提示してたハズだぞ。 ははぁ~ん、さてはキミ、社内報読んでないな!」


ちっさな藪を突いたらアナコンダが出てきたぐらいの『まさにやぶへび』


しかしここで引き下がるワケにはいかない九州男児である。




「いやだな~社長、知ってますよ!知らないわけないじゃないですか~~~。社長の格言を毎月楽しみにしてるんですから。」


もうここまでくりゃ~女子社員の冷たい目線など関係ない。『我が身がかわいさ、徹底的自己保身』なのである。


脳内シナプスからあふれ出す100億以上のニューロン細胞がありとあらゆるおべっかを総動員し、この究極、且つ絶望的状況の打破を図る。


あまりの惨劇に同情した女子社員から貰った2枚のチケットが唯一の救い・・・そんな秋の深まりを感じる一日だった。


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