い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

八十四番

2021-11-06 | 順番
痒くないけど気になる
触らなければ忘れられる
それが例え
冬の陽だまりの暖かさでも
初めて知った
笑い顔の涙だとしても

人の痛みを知ろうだなんて
優しさの言葉を借りて
取り繕う上澄みの心
見えない速さで落ちていく
積もり積もった底の部分が
ほんの少しの揺れで濁る

泣くだけ泣いて
あきれるほど泣いたら
濁りの粒もいつしか眠る
そこにいるのが当たり前になって
そこにあるのが本当になって
それが今日の続きになる

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