い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

八十二話

2020-06-05 | 物語
振り向いた風

待っていたのかも知れない
ひとりで前を向いていると思ってた

泣き顔は見せたくなかった
弱い自分を誤魔化そうともした
分かったふりをして頷きながら
何を隠そうとしたんだろう

小さすぎる周りの世界で
怯えながら片隅を探す
いつの間にか集まった
同じ匂いに安堵しながら

それでも見知らぬ道の先を見て
怖さを忘れ追いかけるのは
太陽よりもまぶしく輝くシルエット
追いつくための一歩を踏み出す

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