い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

九十七話

2020-06-22 | 物語
無地に咲く花

周り中を囲まれた
狭くて大きすぎる心の中に
目立たないハタが織りなす
小さく大きな花がある

大木にあこがれて上を目指し
悲しみの涙は風に飛ばした
心地よい日差しに葉を広げて
明日はもっと空に近づく

土を掘る叩きつける雨も
葉をしぼませる熱い光も
根を張り耐え抜く命があった

地平線の区切りまで
見渡す平坦な無地の中に
縦と横が交わる奇跡



コメントを投稿