図書館の蔵書検索(2005年9月8日)
この項は読書感想ではありません。カテゴリ「読書」のタイトルが未だ少ないので、このカテゴリに入れました。「読書」の準備段階と言える図書館の「蔵書検索」の話です。 「さいら」は、現役の頃は本と言えば、読む・読まないは別にして「とりあえず買う。」と言う不思議な癖がありました。しかし、リタイヤーした今となっては、本は「図書館」が頼りです。現役の頃も図書館通いはしましたが、借りるのは「読みたく無さそうな本」でした。
前置きはこれくらいにして、昔は、図書館の蔵書検索をしようとすると、まずその図書館に行かなければなりません。そして、「書名カード」「著者名カード」「件名カード」のどれかを使って、「曖昧な記憶」で検索することになります。しかし、現代では、自宅にいながら、「蔵書検索」をパソコンで出来ます。実はこのことは利用者としては便利この上もないのですが、図書館の立場で考えると、必ずしも喜んでばかりおられません。その図書館が限られた予算で「どのような考えで図書を購入しているか」が明らかになる非常に恐ろしいことであると考えています。
実は娘に借りた本で「利己的な遺伝子」が手元にあります。面白い書名で、内容よりもまず、ネーミングに惹かれます。何となく興味をそそられる書名です。幸いなことに、「さいら」の居住地は和歌山市です。県立図書館と市立図書館のどちらも利用できる環境です。小さな町や村の図書館とは違います。それなりの蔵書があります。(蔵書という大袈裟な表現は好まないのですが、図書館では一般的な表現の様ですので、そのまま使います。)
そこで、「何とかの遺伝子」。「何とか」にはバリエーションが有って、他にもありそうです。「遺伝子」「DNA」をキーワードにして、どんな「書名」の本が図書館にあるか調べようと思いました。一見何の関係もない言葉をくっつけるのは「造語」の基本という意味合いもあります。検索や抽出でよく使う「*遺伝子」で図書館の蔵書検索をして見ようと思ったのが始まりです。普通蔵書検索では余りしない検索です。蔵書検索に必要な項目は殆ど決まります。ところが、県と市の図書館の検索ソフトは、基本的なところは当然同じです。しかし、微妙なところで違うのです。実はその「微妙な差」に地方「自治体」に経費がかかる主な原因、ソフト屋さんが付け入るところがあるのですが、それはさておいて、次回はその微妙な差を話そうと思います。
検索のキーワード。 利用できるキーワードは殆ど同じです。書名、著者名、出版社名を使用できます。これらは二つのキーワードをand、orで繋ぐとことが出来ます。 キーワードは「含む」と「前方一致」を選択できます。A図書館では、「完全一致」も使用できます。他のキーワードとして件名、分類番号、出版年、種別(一般図書、雑誌)、所蔵場所も補助的に使えます。検索機能としてはほぼ十分なものであろうと思います。然し、日本語の性質として最後の言葉が重要である時もありますので、「後方一致」も欲しいところです。図書の検索という点からは無いのも理解できます。
検索結果の表示。検索結果の表示は少し違っています。一画面表示はB図書館では10件ごと、A図書館では20件ごとです。表示内容は、書名、著者名、出版社名、出版年、種別は共通でどちらも表示されます。
どちらにも共通しているのが書名の特徴です。書名に「遺伝子」、「DNA」を「含む」で検索しますと、何冊かその語句が含まれない書籍も掛かってきます。サブタイトルの関係以外にも掛かってきます。その書籍の詳細情報を見ると確かに「遺伝子」、「DNA」の記載があります。と言うことは「書名」で検索しても実際は書名以外の要素が入っている訳です。出来るだけ多く掛かる様に親切に仕組んでいるのだと思いますが、ここのところは実はデータベースの書名だけから見ますと非常に微妙なところです。
十進分類です。大きな違いは、B図書館では図書の十進分類番号が表示されますが、A図書館ではその表示がありません。例えば、書名で「遺伝子」を含む書籍がどんな分野に分布しているかを見るには、分類番号表示があると便利この上もないのです。出版年はB図書館では「2005年」と文字列表示されますが、A図書館では「2005.3」と月も表示され、数値表示です。使うバイト数も考えても、A図書館の方が効率的で、利用者にも親切であろうと思います。只、折角月まで表示しているのですから思い切って「2005.03」の表示の方が何かと便利だと思います。この変換はそんなに難しくはありません。
種別は考え方が違うのかも知れません。B図書館は「一般」「児童」「郷土」です。A図書館では「図書」「雑誌」の区分です。そして、表示はされませんが、書誌区分の欄があって、B図書館とほぼ同じ様に分けられます。
B図書館の出版社の項です。例えば「東京 岩波書店」と必ずその出版社の所在地が記されています。日本国内の出版社は殆ど東京でしょう。所在地を入れるとすれば少なくとも、市町村名を入れないと余り意味はないと思います。データベースの視点からは、別項目にすべきでしょう。以上の点から、単に図書の検索だけでなく、蔵書のデータベースとして、概ね利用出来ることが分かります。
さて、「遺伝子」・「DNA」の件です。 日本十進分類番号が記されているB図書館の蔵書から見てみます。該当する図書は382冊有ります。この数が多いかどうかは即断できませんが、一地方図書館を考えると多いのに驚きました。図書分類で見たのが次の表です。
(2次区分、該当件数)
(総記、3)
(哲学、4)
(宗教、0)
(歴史、10)
(地理・地誌・紀行、0)
(社会科学、16)
(自然科学、209)
(医学・薬学、92)
(技術・工学・工業、9)
(家政学・生活科学、0)
(産業、17)
(芸術、2)
(スポーツ・体育、3)
(諸芸・娯楽、0)
(言語、2)
(文学、15)
(合計、382)
これを見ると、殆どの分野でこれらの言葉が使用されていることが分かります。自然科学、医学・薬学、産業の分野で件数が多いのは分かります。当然です。しかし、文学の分野で結構多いのはちゃっかりと流行に乗っている様に思います。いずれにしても、これだけ多方面で使われていることは、遺伝子・DNAが生物の根幹に関わることを示すと同時に、今大きく開花しつつある分野であることを示しています。一方、「何でも有りの世界」の様にも思えます。「玉石混合」の世界でもありそうです。
遺伝子・DNA関連で今後出版を計画されておられる方へ。穴場としては、
○宗教の分野
(遺伝子が求めている○○宗教、DNAから見た適正宗派の考察)
○地理・地誌の分野
(日本人のDNA探訪ツアー。)
○家政学などの分野
(生活に活かせるDNA)
○諸芸娯楽
(DNA螺旋構造から華を生ける。DNA的お茶の作法)
の分野になります。
勿論括弧書きは「さいら」のお遊びです。適当に語呂を合わせただけです。今自由な発想で書くことが出来る分野はこれしかないと思います。
(年代, 該当件数)
(~1975, 1)
(1976~1980, 4)
(1981~1985, 16)
(1986~1990, 28)
(1991~1995, 65)
(1996~2000, 129)
(2001~2005, 139)
(合計, 382)
これは、5年単位で出版年を見たものです。2005年は未だ終了していませんが、1996年以降大幅に出版件数が増加したことが分かります。そして、その傾向は未だ続いていると見るのが妥当です。 しかし増加率は鈍化している様に見えます。 ですから、新たな出版を計画するにしても、急ぐ必要があります。どうもここ数年間がピークの様に思えます。
明日から、お盆で更新が不規則になる可能性が大です。「図書館の蔵書検索」で見てきたものは、提供されている検索ソフト本来の目的に合致するものではありません。検索が自宅のパソコンで出来ることが、本当に大切なことです。ですから、(2)で話した様な課題は、実際の図書を検索する本来の目的から評価されるべきものです。その点で不満がある訳ではありません。しかし、一端提供されると、このことはブログの項でも話しましたが、要求は高まります。又。折角の検索ソフトですから、色んな利用方法があると思います。
この項を書き始めて、市立の図書館の方に図書の分類表を教えて貰いました。その時に出た話で、印象に残っていることがあります。「今購入する図書のデータは問題はないが、過去の蔵書をデータベース化するのは大変な作業であったこと。」「そこで間違えたり、図書のラベルを間違えたりすると、確かに蔵書があることはあるのだけれども、その蔵書を探すことが極端に困難になってしまうこと。」確かに海図に載っていない島へ行くことは出来ません。大きな書店では、検索した書籍が「何階のどの棚に有るかをプリントアウト出来る。図書館でも検討したが、問題も多い。」「さいら」は、「そこまでする必要性はないのでは?」と聞くと「人件費の問題です。そのシステムを導入することにより、窓口で書籍の在処を聞く人が少なくなり、一人でも、職員を減らすことが出来るかも知れない。」思っていたよりも合理化と言いますか、省人化が進められているようです。
節約は図書館以外の部署で出来るのではないかと思います。
この項は読書感想ではありません。カテゴリ「読書」のタイトルが未だ少ないので、このカテゴリに入れました。「読書」の準備段階と言える図書館の「蔵書検索」の話です。 「さいら」は、現役の頃は本と言えば、読む・読まないは別にして「とりあえず買う。」と言う不思議な癖がありました。しかし、リタイヤーした今となっては、本は「図書館」が頼りです。現役の頃も図書館通いはしましたが、借りるのは「読みたく無さそうな本」でした。
前置きはこれくらいにして、昔は、図書館の蔵書検索をしようとすると、まずその図書館に行かなければなりません。そして、「書名カード」「著者名カード」「件名カード」のどれかを使って、「曖昧な記憶」で検索することになります。しかし、現代では、自宅にいながら、「蔵書検索」をパソコンで出来ます。実はこのことは利用者としては便利この上もないのですが、図書館の立場で考えると、必ずしも喜んでばかりおられません。その図書館が限られた予算で「どのような考えで図書を購入しているか」が明らかになる非常に恐ろしいことであると考えています。
実は娘に借りた本で「利己的な遺伝子」が手元にあります。面白い書名で、内容よりもまず、ネーミングに惹かれます。何となく興味をそそられる書名です。幸いなことに、「さいら」の居住地は和歌山市です。県立図書館と市立図書館のどちらも利用できる環境です。小さな町や村の図書館とは違います。それなりの蔵書があります。(蔵書という大袈裟な表現は好まないのですが、図書館では一般的な表現の様ですので、そのまま使います。)
そこで、「何とかの遺伝子」。「何とか」にはバリエーションが有って、他にもありそうです。「遺伝子」「DNA」をキーワードにして、どんな「書名」の本が図書館にあるか調べようと思いました。一見何の関係もない言葉をくっつけるのは「造語」の基本という意味合いもあります。検索や抽出でよく使う「*遺伝子」で図書館の蔵書検索をして見ようと思ったのが始まりです。普通蔵書検索では余りしない検索です。蔵書検索に必要な項目は殆ど決まります。ところが、県と市の図書館の検索ソフトは、基本的なところは当然同じです。しかし、微妙なところで違うのです。実はその「微妙な差」に地方「自治体」に経費がかかる主な原因、ソフト屋さんが付け入るところがあるのですが、それはさておいて、次回はその微妙な差を話そうと思います。
検索のキーワード。 利用できるキーワードは殆ど同じです。書名、著者名、出版社名を使用できます。これらは二つのキーワードをand、orで繋ぐとことが出来ます。 キーワードは「含む」と「前方一致」を選択できます。A図書館では、「完全一致」も使用できます。他のキーワードとして件名、分類番号、出版年、種別(一般図書、雑誌)、所蔵場所も補助的に使えます。検索機能としてはほぼ十分なものであろうと思います。然し、日本語の性質として最後の言葉が重要である時もありますので、「後方一致」も欲しいところです。図書の検索という点からは無いのも理解できます。
検索結果の表示。検索結果の表示は少し違っています。一画面表示はB図書館では10件ごと、A図書館では20件ごとです。表示内容は、書名、著者名、出版社名、出版年、種別は共通でどちらも表示されます。
どちらにも共通しているのが書名の特徴です。書名に「遺伝子」、「DNA」を「含む」で検索しますと、何冊かその語句が含まれない書籍も掛かってきます。サブタイトルの関係以外にも掛かってきます。その書籍の詳細情報を見ると確かに「遺伝子」、「DNA」の記載があります。と言うことは「書名」で検索しても実際は書名以外の要素が入っている訳です。出来るだけ多く掛かる様に親切に仕組んでいるのだと思いますが、ここのところは実はデータベースの書名だけから見ますと非常に微妙なところです。
十進分類です。大きな違いは、B図書館では図書の十進分類番号が表示されますが、A図書館ではその表示がありません。例えば、書名で「遺伝子」を含む書籍がどんな分野に分布しているかを見るには、分類番号表示があると便利この上もないのです。出版年はB図書館では「2005年」と文字列表示されますが、A図書館では「2005.3」と月も表示され、数値表示です。使うバイト数も考えても、A図書館の方が効率的で、利用者にも親切であろうと思います。只、折角月まで表示しているのですから思い切って「2005.03」の表示の方が何かと便利だと思います。この変換はそんなに難しくはありません。
種別は考え方が違うのかも知れません。B図書館は「一般」「児童」「郷土」です。A図書館では「図書」「雑誌」の区分です。そして、表示はされませんが、書誌区分の欄があって、B図書館とほぼ同じ様に分けられます。
B図書館の出版社の項です。例えば「東京 岩波書店」と必ずその出版社の所在地が記されています。日本国内の出版社は殆ど東京でしょう。所在地を入れるとすれば少なくとも、市町村名を入れないと余り意味はないと思います。データベースの視点からは、別項目にすべきでしょう。以上の点から、単に図書の検索だけでなく、蔵書のデータベースとして、概ね利用出来ることが分かります。
さて、「遺伝子」・「DNA」の件です。 日本十進分類番号が記されているB図書館の蔵書から見てみます。該当する図書は382冊有ります。この数が多いかどうかは即断できませんが、一地方図書館を考えると多いのに驚きました。図書分類で見たのが次の表です。
(2次区分、該当件数)
(総記、3)
(哲学、4)
(宗教、0)
(歴史、10)
(地理・地誌・紀行、0)
(社会科学、16)
(自然科学、209)
(医学・薬学、92)
(技術・工学・工業、9)
(家政学・生活科学、0)
(産業、17)
(芸術、2)
(スポーツ・体育、3)
(諸芸・娯楽、0)
(言語、2)
(文学、15)
(合計、382)
これを見ると、殆どの分野でこれらの言葉が使用されていることが分かります。自然科学、医学・薬学、産業の分野で件数が多いのは分かります。当然です。しかし、文学の分野で結構多いのはちゃっかりと流行に乗っている様に思います。いずれにしても、これだけ多方面で使われていることは、遺伝子・DNAが生物の根幹に関わることを示すと同時に、今大きく開花しつつある分野であることを示しています。一方、「何でも有りの世界」の様にも思えます。「玉石混合」の世界でもありそうです。
遺伝子・DNA関連で今後出版を計画されておられる方へ。穴場としては、
○宗教の分野
(遺伝子が求めている○○宗教、DNAから見た適正宗派の考察)
○地理・地誌の分野
(日本人のDNA探訪ツアー。)
○家政学などの分野
(生活に活かせるDNA)
○諸芸娯楽
(DNA螺旋構造から華を生ける。DNA的お茶の作法)
の分野になります。
勿論括弧書きは「さいら」のお遊びです。適当に語呂を合わせただけです。今自由な発想で書くことが出来る分野はこれしかないと思います。
(年代, 該当件数)
(~1975, 1)
(1976~1980, 4)
(1981~1985, 16)
(1986~1990, 28)
(1991~1995, 65)
(1996~2000, 129)
(2001~2005, 139)
(合計, 382)
これは、5年単位で出版年を見たものです。2005年は未だ終了していませんが、1996年以降大幅に出版件数が増加したことが分かります。そして、その傾向は未だ続いていると見るのが妥当です。 しかし増加率は鈍化している様に見えます。 ですから、新たな出版を計画するにしても、急ぐ必要があります。どうもここ数年間がピークの様に思えます。
明日から、お盆で更新が不規則になる可能性が大です。「図書館の蔵書検索」で見てきたものは、提供されている検索ソフト本来の目的に合致するものではありません。検索が自宅のパソコンで出来ることが、本当に大切なことです。ですから、(2)で話した様な課題は、実際の図書を検索する本来の目的から評価されるべきものです。その点で不満がある訳ではありません。しかし、一端提供されると、このことはブログの項でも話しましたが、要求は高まります。又。折角の検索ソフトですから、色んな利用方法があると思います。
この項を書き始めて、市立の図書館の方に図書の分類表を教えて貰いました。その時に出た話で、印象に残っていることがあります。「今購入する図書のデータは問題はないが、過去の蔵書をデータベース化するのは大変な作業であったこと。」「そこで間違えたり、図書のラベルを間違えたりすると、確かに蔵書があることはあるのだけれども、その蔵書を探すことが極端に困難になってしまうこと。」確かに海図に載っていない島へ行くことは出来ません。大きな書店では、検索した書籍が「何階のどの棚に有るかをプリントアウト出来る。図書館でも検討したが、問題も多い。」「さいら」は、「そこまでする必要性はないのでは?」と聞くと「人件費の問題です。そのシステムを導入することにより、窓口で書籍の在処を聞く人が少なくなり、一人でも、職員を減らすことが出来るかも知れない。」思っていたよりも合理化と言いますか、省人化が進められているようです。
節約は図書館以外の部署で出来るのではないかと思います。