お断り
この一連の記事は一度投稿したものですが、若干加筆・訂正などをして再掲するものです。
沙漠にて
砂漠 四駆にて
チュニジアは大まかに言って、北の方は遺跡の風景。南方は砂漠風景である。
未だ夜が明けぬ内にホテルを四駆に乗車して出発。朝日を見るための早朝出発であった。四駆は本当に砂煙を立てて走る。確か日本製のトヨタだ。こういうところでも日本車が活躍している。
今回のパックツアーの売りの一つである「砂漠の日の出観光」の日である。日の出を見ようと言うのであるから当然朝未だ夜が明けていない暗い時間帯にホテルの玄関に集合。スーツケースはバスへ、我ら人は「四駆」へ。バストは半日間のお別れである。昼食のレストランまでバスは別行動。日の出観光は本当に添乗員泣かせである。天気次第で、大凡意味がないことになる。と思いながら、出発。
真っ暗の出発

未だ明けきらない中を四駆は走る。

残念ながら、曇天も良いところで、朝日どころではない。確かに一面は砂漠である。風は強い。砂が飛ぶ。その砂の影響であろうか、ピントがうまく合わない。ビデカメラに砂が入る。ビデオカメラもこれでお釈迦になったのかと思ったが、何とか持ちこたえた。そこを過ぎて、途中、昨夜に雨が降ったのか砂漠のあっちこっちに水溜りがある。こんな風景は雨季ならこそと一同イメージと異なる砂漠に見入る。
最初砂漠の日の出観光と言えば、なんと素晴らしい観光だと思ったが、実際に沙漠について見ると、一面砂漠であり、それ以外に何もない。それこそ「日の出」くらいでメリハリを付けないと面白くもないし美しくもないし、感動もない。
映画のロケの残骸:これも観光の一つ

ラクダ乗り体験(1)
その砂漠でラクダに乗る体験メニューがあった。今回のツアーの細やかな「売り」の一つであった。ラクダに乗って・揺られて砂漠の端っこを約40分散歩する。これはチュニジアに限らずモロッコやエジプトでもあると聞く。
ラクダに乗る前に、全員それらしい服装に着かえる。最近流行っている京都で和服に着かえて観光するようなものであるが、言うほどのものではない。勿論服等は貸してくれる。自前の服はどうも駄目のようだった。着付けは現地の方がしてくれる。ターバンの様なものを巻いて、うあっぱりを羽織るだけである。しかし、それだけでも結構それらしくなる。
いよいよ待望の「ラクダ乗り」出発の気分である。ラクダにはクッション代わりにと言うか、鞍代わりに毛布のようなものが背中に掛けられている。
鐙はない。実は鐙がない理由が有るらしい。昔、観光でこのようにしてラクダに乗った日本人が、途中でラクダが暴れて、その鐙が当たったのか、絡まったのか、良く知らないが、鐙が原因で、死亡すると言う事故があったらしい。それ以降、鐙なしでラクダに乗ることになる。しかし、鐙なしでは結構乗りにくいものである。旅行出発前の案内でこの「ラクダ乗り」があるので必ず旅行保険をかけておくようにと前もって注意がある。
ラクダ乗り体験(2)
ラクダに乗ると、ラクダ曳きがラクダの手綱をもって散策することになる。ここでも注意が必要である。ラクダの所有者とラクダ曳きとは別人である。旅行会社は当然ラクダの所有者に費用を渡す。しかし、ラクダ曳きにはそのラクダ所有者から賃金を渡さないか、渡してもほんの少額らしい。ラクダ曳きの主たる収入はその乗った人からの「チップ」らしい。乗る前に何回か「必ずチップが必要です。」と
添乗員から説明・確認がある。
ラクダを我々観光客は選ぶことは出来ない。実はこれが後ほど私の場合はトラブルの原因となった。と言っても、決してラクダを選別する眼力は持ち合わせていないのであるが…。ラクダによって素人でも上手く乗れるラクダとそうでないようなラクダがあった。上手く乗れないラクダとは素人が乗ると「ずり落ちて」しまうようなラクダである。ここでお断りをしておかなければならない。この辺りのラクダは全て「ひとこぶラクダ」である。で、あるからして、こぶとこぶとの間に安定的に乗るのではない。こぶの後ろに乗るのである。従って、素人ではずり落ちてしまう可能性が大いにある。前のこぶは時々手で握る取っ手にもなりそうだ。だから、無事まく乗ることが出来るように鞍などが上手くセッティングされてないとずり落ちるのである。幸い、私が当たったラクダは極々標準的な仕様でそんなこともなく快適とは言わないが、歩いていた。
ラクダによっては餌を与えていないのか、道草をして、草ばかり食べる。その都度、ラクダは前屈みになり、乗っている人も前へつんのめる。これは結構乗りづらいらしい。
ラクダ乗り体験(3)
そうこうしている内に、ふと前の方を見ると今まさにずり落ちなんとされている同行者がおられる。その都度、ラクダ曳きはラクダを止めて、乗っている人の姿勢を修正する。その内に私のラクダ曳きとその不安定なラクダ曳きとが何やら話をしている。
その同行者のラクダと私のラクダを止めて、私に「チェンジ! チェンジ!」と言っている。要はラクダを交換して乗れと言うことである。ずり落ちそうな方の乗り方がそのラクダに合わないと言わんばかりである。仕方がなく半分ほどの所でラクダを交換した。しかし、その結果はみじめであった。私も結局のところ、ずり落ちるのである。乗り方が悪いのではないのである。誰が乗っても、素人であれば必ずずり落ちるのである。ずり落ちない様にと腕に力が入るが、とてもじゃないが我慢が出来ない。
そして、遂にラクダから下ろして貰ってラクダ曳きよろしく、私もラクダを曳きながら歩く羽目になった。ラクダ曳きは「グー?」と何回も聞いて来る。私は仕方がなく「グー。グー。」とその都度答える。しかし、図体の大きいラクダに囲まれて歩くのは、そんなに良い気分とは決して言えるわけがない。一方乗り換えた同行者を見ると実に楽しそうにずり落ちそうになることもなく堂々とゆらりゆらりとラクダ乗り体験を満喫されている。それはそれでよい経験であったが、以降「ラクダ曳きのおじさん」と旅行中言われることになった。
それもご愛嬌であるが、未だに腑に落ちないのはそんな状況であるにもかかわらず「チップ」を支払わされたことである。本来ならば、ラクダを曳いて歩いたのであるからチップは渡すのではなくて本来のラクダ曳きから貰う立場である筈だった。
一応それなりの服装にしてくれる。

ラクダもスタンバイ

さあ ラクダ乗りの体験。ラクダも色とりどり

この一連の記事は一度投稿したものですが、若干加筆・訂正などをして再掲するものです。
沙漠にて
砂漠 四駆にて
チュニジアは大まかに言って、北の方は遺跡の風景。南方は砂漠風景である。
未だ夜が明けぬ内にホテルを四駆に乗車して出発。朝日を見るための早朝出発であった。四駆は本当に砂煙を立てて走る。確か日本製のトヨタだ。こういうところでも日本車が活躍している。
今回のパックツアーの売りの一つである「砂漠の日の出観光」の日である。日の出を見ようと言うのであるから当然朝未だ夜が明けていない暗い時間帯にホテルの玄関に集合。スーツケースはバスへ、我ら人は「四駆」へ。バストは半日間のお別れである。昼食のレストランまでバスは別行動。日の出観光は本当に添乗員泣かせである。天気次第で、大凡意味がないことになる。と思いながら、出発。
真っ暗の出発

未だ明けきらない中を四駆は走る。

残念ながら、曇天も良いところで、朝日どころではない。確かに一面は砂漠である。風は強い。砂が飛ぶ。その砂の影響であろうか、ピントがうまく合わない。ビデカメラに砂が入る。ビデオカメラもこれでお釈迦になったのかと思ったが、何とか持ちこたえた。そこを過ぎて、途中、昨夜に雨が降ったのか砂漠のあっちこっちに水溜りがある。こんな風景は雨季ならこそと一同イメージと異なる砂漠に見入る。
最初砂漠の日の出観光と言えば、なんと素晴らしい観光だと思ったが、実際に沙漠について見ると、一面砂漠であり、それ以外に何もない。それこそ「日の出」くらいでメリハリを付けないと面白くもないし美しくもないし、感動もない。
映画のロケの残骸:これも観光の一つ

ラクダ乗り体験(1)
その砂漠でラクダに乗る体験メニューがあった。今回のツアーの細やかな「売り」の一つであった。ラクダに乗って・揺られて砂漠の端っこを約40分散歩する。これはチュニジアに限らずモロッコやエジプトでもあると聞く。
ラクダに乗る前に、全員それらしい服装に着かえる。最近流行っている京都で和服に着かえて観光するようなものであるが、言うほどのものではない。勿論服等は貸してくれる。自前の服はどうも駄目のようだった。着付けは現地の方がしてくれる。ターバンの様なものを巻いて、うあっぱりを羽織るだけである。しかし、それだけでも結構それらしくなる。
いよいよ待望の「ラクダ乗り」出発の気分である。ラクダにはクッション代わりにと言うか、鞍代わりに毛布のようなものが背中に掛けられている。
鐙はない。実は鐙がない理由が有るらしい。昔、観光でこのようにしてラクダに乗った日本人が、途中でラクダが暴れて、その鐙が当たったのか、絡まったのか、良く知らないが、鐙が原因で、死亡すると言う事故があったらしい。それ以降、鐙なしでラクダに乗ることになる。しかし、鐙なしでは結構乗りにくいものである。旅行出発前の案内でこの「ラクダ乗り」があるので必ず旅行保険をかけておくようにと前もって注意がある。
ラクダ乗り体験(2)
ラクダに乗ると、ラクダ曳きがラクダの手綱をもって散策することになる。ここでも注意が必要である。ラクダの所有者とラクダ曳きとは別人である。旅行会社は当然ラクダの所有者に費用を渡す。しかし、ラクダ曳きにはそのラクダ所有者から賃金を渡さないか、渡してもほんの少額らしい。ラクダ曳きの主たる収入はその乗った人からの「チップ」らしい。乗る前に何回か「必ずチップが必要です。」と
添乗員から説明・確認がある。
ラクダを我々観光客は選ぶことは出来ない。実はこれが後ほど私の場合はトラブルの原因となった。と言っても、決してラクダを選別する眼力は持ち合わせていないのであるが…。ラクダによって素人でも上手く乗れるラクダとそうでないようなラクダがあった。上手く乗れないラクダとは素人が乗ると「ずり落ちて」しまうようなラクダである。ここでお断りをしておかなければならない。この辺りのラクダは全て「ひとこぶラクダ」である。で、あるからして、こぶとこぶとの間に安定的に乗るのではない。こぶの後ろに乗るのである。従って、素人ではずり落ちてしまう可能性が大いにある。前のこぶは時々手で握る取っ手にもなりそうだ。だから、無事まく乗ることが出来るように鞍などが上手くセッティングされてないとずり落ちるのである。幸い、私が当たったラクダは極々標準的な仕様でそんなこともなく快適とは言わないが、歩いていた。
ラクダによっては餌を与えていないのか、道草をして、草ばかり食べる。その都度、ラクダは前屈みになり、乗っている人も前へつんのめる。これは結構乗りづらいらしい。
ラクダ乗り体験(3)
そうこうしている内に、ふと前の方を見ると今まさにずり落ちなんとされている同行者がおられる。その都度、ラクダ曳きはラクダを止めて、乗っている人の姿勢を修正する。その内に私のラクダ曳きとその不安定なラクダ曳きとが何やら話をしている。
その同行者のラクダと私のラクダを止めて、私に「チェンジ! チェンジ!」と言っている。要はラクダを交換して乗れと言うことである。ずり落ちそうな方の乗り方がそのラクダに合わないと言わんばかりである。仕方がなく半分ほどの所でラクダを交換した。しかし、その結果はみじめであった。私も結局のところ、ずり落ちるのである。乗り方が悪いのではないのである。誰が乗っても、素人であれば必ずずり落ちるのである。ずり落ちない様にと腕に力が入るが、とてもじゃないが我慢が出来ない。
そして、遂にラクダから下ろして貰ってラクダ曳きよろしく、私もラクダを曳きながら歩く羽目になった。ラクダ曳きは「グー?」と何回も聞いて来る。私は仕方がなく「グー。グー。」とその都度答える。しかし、図体の大きいラクダに囲まれて歩くのは、そんなに良い気分とは決して言えるわけがない。一方乗り換えた同行者を見ると実に楽しそうにずり落ちそうになることもなく堂々とゆらりゆらりとラクダ乗り体験を満喫されている。それはそれでよい経験であったが、以降「ラクダ曳きのおじさん」と旅行中言われることになった。
それもご愛嬌であるが、未だに腑に落ちないのはそんな状況であるにもかかわらず「チップ」を支払わされたことである。本来ならば、ラクダを曳いて歩いたのであるからチップは渡すのではなくて本来のラクダ曳きから貰う立場である筈だった。
一応それなりの服装にしてくれる。

ラクダもスタンバイ

さあ ラクダ乗りの体験。ラクダも色とりどり
