サグラダ・ファミリアを出て、市内中心部に向かった。
バルセロナの目抜き通りであるグラシア通り沿いに、ガウディの作品の一つであるカサ・ミラは建っている。
某ファミレスの名前でもあるCASAはスペイン語で家を意味する。
ミラというのは人の名前で、つまりこの建物はミラさんの家らしい。
また、この建物には採掘場を意味するラ・ペドレラという通称もあって、当時から話題の建物だったそうな。
この建物でガウディは直線を徹底的に排除したらしい。
1階から吹き抜けの屋上を見上げると、
確かに丸い。
勿論この建物はまだ使われているので、6階以上のみが開放されていて博物館になっている。
一通り見物して屋上へのぼった。
もう20時近いのにこの明るさである。
煙突の飾りはワインのボトルで装飾されている。
一説によると、これはこの建物の完成を祝ったパーティで明けられたcava(スペインのスパークリングワイン)の空き瓶だそうな。
屋上にはアーチがいくつかある。
向こうにはサグラダ・ファミリアが見える。
まさに借景、ガウディの建築にはこのような計算し尽くされた完璧さがある。
西洋の建物と言うよりも、どちらかというと日本庭園との共通点を感じた。
屋上を後にして、最後は居住部分を少し見ることが出来た。
ドアノブ。
こんなところまで曲線的で、しかも手にフィットするようにデザインされている。
もう100年以上も前の住宅なのに、一瞬にして住みたくなってしまう建物。
ガウディの天才たる所以が、少しだけ解ったような気がした。