2月5日(金)
「えぇぇ、私一人・・だけ?・・この映画大丈夫?・・残穢・・」


竹内結子が出ているホラー映画と云う事で、「残穢(ざんえ)」を観てまいりました。
個人的に竹内結子も好きだし、ホラーもレンタルビデオでよく借りており、好きな方であります。
もし、私のレンタル記録を警察などが見たら、変質者の容疑者にされるかもしれません。
ホラーやスプラッター作品が多いので・・・
この映画の原作者の小野不由美も、「ほんとにあった!呪いのビデオ」が大好きだそうで、私も、当初からこのシリーズを欠かさず借りて観ていましたね。
ナレーターの最後に「・・・・とでも、言うのだろうか?」は、耳に残る名言で、有名であります。
そんなホラー映画の最新作映画「残穢」でありますが、なんと、またまた、観客が私一人という、会場貸切状態に遭遇致しました。
平日のお昼とは云え、公開からまだ一週間も経っていないのに、なんでや??・・・よっぽど人気がないんですかね・・・大丈夫なのかしらこの映画・・?っと思ってしまいます。
「あぶない刑事」と重なったからかしら・・?
2003年に観た「陰陽師2」と去年の「アリのままでいたい」と、今回の「残穢」で3度目の一人会場鑑賞であります。
いやぁ・・あまり人が多いのも嫌なんですが、広い中一人だけっというのもねぇ・・・
でも、家で観るみたいにくつろいで観られました。
くつろいで横になろうかと思ったけど、さすがに・・ねぇ・・

「残穢」・・この映画、一言で言うと世帯階層が多過ぎて、頭の悪い私には、ちょっと映画を止めて考える時間が欲しいと思うくらいであります。
レンタルが出て、繰り返し再生をして観た方がいいような気がします。

物語の発端は、女子大生の橋本愛が、岡谷マンション202号室の自分の部屋から、畳を擦るような音がすると、作家の竹内結子に手紙を送った事から始まります。


竹内と橋本は、その事についていろいろと調べます。
他、同業作家の佐々木蔵之介、心霊マニアの坂口健太郎、竹内の怪談雑誌「閻」の編集者、山下容莉枝などがいます。
橋本が聞いたその畳を擦るような音は、着物姿の女性が首を吊って、振り子のように左右に振って、その女性の帯がダラっと垂れ下がり、畳を擦っていた音なんですね。


階の違う405号室でも、怪異現象があり、不動産屋で事故物件じゃないかと聞いたら、そんな記録はないという。
ただ調べてみると、橋本が住んでいる部屋の前の住民は、引っ越し先のアパートで首を吊って自殺をしていた事がわかった。

そして、最近橋本の隣に引っ越してきた家族が、妙な電話に悩まされ引っ越しをするのだが、引っ越し先で無理心中をしてしまう。
このマンションというよりも、この土地柄に問題があるのではと、過去を調べるのであった。
「岡谷マンション」が2013年に建ち、2001年では駐車場、1992年空き地、1991年には、ゴミ屋敷と言われる小井戸家があり主人は変死をとげていた。
怪異現象を見られなくする為、家をゴミで隙間なく埋めていたのだった。

1987年には、4世帯ほどあったが、その中の川原家の高校生の息子は、家庭内暴力、ボヤ騒ぎ、いたずら電話を掛けたりと問題児であった。
そのいたずら電話が、橋本の隣から引っ越しをして行った家族が死んだ原因でもある。
(時系列は違うが、怪異現象である)
1958年には、根本家、高野家の家があり、根本家の痴呆症のお婆ちゃんは、よく縁側の下に猫がいるって、餌をよく投げ込んでいたらしい。

高野家では、娘の結婚式の夜に、母親は首を吊って自殺をしていた。
この首を吊って、垂れ下がった帯紐が畳を擦っていた音が、橋本が聞いた音であった。
母親は、「赤ん坊が湧いて出る」っと言って、赤ん坊の声に悩まされていたのだった。

1937年には長屋があり、そこへ中村美佐緒が住んでおり、7人ものの嬰児遺棄犯人であった。
中村曰く、「床下の声に命じられた」と云う。
高野の首を吊った母親は、この中村の赤ん坊の声を聞いていたのだろう。
1905年、吉兼家で15歳の友三郎は、精神を病み、暴力、放火で座敷牢に入れさせられていた。
「焼け、殺せ」という声が聞こえると言う。
しかし、牢からから抜け出し床下を徘徊していたらしい。
友三郎の音を根本お婆ちゃんが猫の声がすると言っていたのがこの事である。
友三郎の継母の三喜は、福岡の奥山家から嫁入りをしており、その時に顔が醜く歪むというの掛け軸を持って来るが、24歳で他界。
この歪んだ顔を見た物は、呪いが降りかかると言われており、戦争で焼けた事になっているが、なぜか現在、國谷住職が持っており、映画のラストにこの住職が、掛け軸を取り出し、本堂で飾ってるシーンで終わる・・・これは何を意味しているのか・・・?
そして、この呪いの元凶は、福岡の奥山家であった。
奥山家では、当時炭坑経営で賑わったが、1892年、炭坑が爆発火事になり鎮火がはかどらない。
周りが石炭なので、苦難の末、決断したのは酸素の供給を絶つと云う坑道の封鎖であった。
この中には、助け出されない大勢の坑夫が残っていた。
取り残された坑夫たちは、逃げ場を失い猛火にさらされ、焼け死んでいった。
奥山家の当主は、この事でおかしくなり家族や使用人を20人以上殺戮し、屋敷に火を放そうとしたが叶わず、自ら山中にて、首を吊った。
奥山家にあった「婦人図一幅」の顔が、多くの死者を出した炭鉱事故から歪むようになったと云う。
そしてこの奥山家の話に、「決して触れてはならないし、聞いただけでも祟られる」っと言う噂が広まったのであった。
奥山家が途絶えた後、その土地にモーテルが出来たが廃業、廃墟となったモーテルに入った若者たちが殺傷事件を起こしているなど、奥山家が祟られている現象が相次いでいた。
そして、1989年、この土地を真辺家が買ったが、やはり当主は自殺をしていた。
真辺家の親類で当時子供だった1980年、最近になって貴之が竹内結子に「河童のミイラ」を書き送っていたのであった。

自殺した真辺は、異様な物を持つコレクターであった。
その元奥山家の上に建った真辺家の屋敷が、現在も存在する事を知った竹内らは、九州に向かい、廃墟と化した屋敷に入るのであった。

なぜか、暗い晩にこの屋敷に入った竹内ら、ご一行(竹内、橋本、坂口、佐々木)・・・・昼間に行けばいいと思うのに・・・・ホラー定石のお約束ごとであります。
屋敷の奥へ奥へと進むと、仏壇の間があり、神棚もある。
その奥の部屋に、壁いっぱいに張られたおびただしい数のお札があり、真辺の異様なコレクションンケースがあった。
そして、中央に血のりが残っていたのは、コレクションの中の呪われた日本刀で、自分の首を切り、自殺をした名残であった。
真辺は、実はコレクターではなく、この奥山家の恐ろしい呪いを封じ込める為に、全国からいわれのある魔物たちを集め、呪いに対抗しようとしたのであった。

呪いは、うごめく黒い人影が、這いながら襲って来るというもので、焼け死にした坑夫たちの怨念がそうさせたのだろうか・・・
一行は、東京に戻りそれぞれの生活に戻ったが、竹内の家の電話機に公衆電話からだろうと思われる「コウシュウ」という文字が電話機に表示されている。

竹内がじっと電話を見つめ、立ちすくんでいる。

鳴り続ける電話の受話器を取り、耳に当てると、橋本の隣の住民がいたずら電話に悩まされ、引っ越し先で一家心中をしたあの時のイタ電の声が、竹内にかかってきたのであった。

(この後は、どうなったのか?映画では語らなかった・・・ご想像に任せるっと言う事でしょうか?)
でも、このシーン、私だったら、恐る恐る取ってみたら、相手は夫で、一安心した処へ、すぐまたかかって来て、夫のいい忘れの電話と思って取ったら、例のイタ電でしたという、ありふれているけど、ちょっとフェイントをかまして欲しかったですね。
それか、夫が出て安心をするが、すでに夫は呪いで死んでいたとか・・・?なーんてネ!
そして呪いはこちらにも・・・佐々木の担当編集者の河田は、一人でパソコンに向かいながら編集をしていたら、文字が流れ出し、何かの文字になる(ちょっと忘れました)
、
両手には、炭のように真っ黒な手になっており、キーボードも炭の手で打ち続けたかのように、黒く汚れている。
そして、通路の奥からあの黒い這うような人影が寄って来る。
河田は、驚き、自分のデスクの前に倒れた処、デスク下に目をやると、無数のうごめく顔が見え、デスク下から引っ張られるように姿を消すのでありました。
「決して触れてはならないし、聞いただけでも祟られる」・・・なのか?
そして、エンディングのクレジットのバック画で、吉兼家の菩提寺の住職が、戦争で焼けたとされる「婦人図一幅」の掛け軸を、本堂で飾る処で終わりであります。

呪いは、この先も続くという暗示なのでしょうか?・・それとも、この住職は、何か秘密を隠しているのか・・・これもご想像に任せるという事でしょうね。
この作品の恐怖は、一つの土地にまつわる穢れが、永遠に続くかのように、関係ない人まで巻き込み、無限の呪いを案じさせる事なんでしょうね。
でも、複雑すぎてわかりづらい・・・原作本が、560円で売っているので、買ってちょっと読んでいます。

本の方が、映画に出ていない事柄もあり、恐怖感が増すかもしれません。
私は、映画館よりも初めに言いましたように、レンタルDVDでじっくり観た方がいいような気がします。
でも、竹内結子、今年36歳ですか、かわいい美人で、うまく歳を重ねて、ホント嫌味のない女優さんであります。
本人は、怖がりで、ラストのイタ電シーンで、監督の声で電話がかかると言われていたのに、本物の奇妙な声が出て来て、思わず悲鳴を上げて受話器を投げ出したエピソードがあるそうです。
監督のドッキリだったそうであります。
カワイイですね。
そして、竹内の夫役の遠藤賢一は、なにか思わせぶりの演技があり、ひっかかる人物でありましたが、ダミーでした。(^-^)
相関図



