福島市と相馬市の境に、霊山がある。ここは南北朝時代、南朝方の北畠顕家が霊山城を築き義良親王を奉じて陸奥国の国府を置き、南朝方の一大拠点としたところである。だから、この地には飯館とか、月舘とか、それを思わせる地名が多い。その地に、私に釣を教えてくれた友がいる。釣の素養など、少しもない私に、粘り強く、一から教えてくれた人である。だが、彼の住む、その地が今、福島原発事故の影響をまともに受けている。福島の浜通りから、内陸部へ抜ける谷地が飯館村である。だから、南からの風が吹けば、その谷を通って、風は流れ、当然、放射能汚染も広がる。地震災害はそれほどではなかったようだが、その後の風評被害による物流の途絶えはつらいらしい。農家が主体のこの地で、農家の収入が途絶えれば、当然、彼のような農家の方々をお客様にする商売も成り立たなくなる。農家には後で、補償もされるだろうが、彼にはない。この騒動も1ヶ月ほどで終わるのなら、彼のような粘り強い人なら、耐えることも出来る。けれど、半年も、1年も、下手をすれば4~5年も続くようならと彼は心配する。この地のような農業圏の人たちはどんなにお金がなくても、食べていくだけなら、それは出来る。しかし、電気や子供の教育費などには通常通り、現金がいる。その現金収入が途絶えているのである。
Y-FP Office Japan
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