新型コロナウイルスの起源についてはまだ、確定していない。私たちは中国の武漢が発祥地であろうと推測しているが、中国政府はこれをかたくなに否定している。さらに、発症元とされていた卸売市場も閉鎖され、それをたどることも難しくなったのではないかと感じていた。しかし、アメリカのスクリプス研究所やアリゾナ大学の研究者23人がこの問題にたどり着いたようだ。その研究論文がアメリカ科学誌セルに載った。それによれば、卸売市場の壁をふき取るなどの手法で獲得したデータをメタゲノム解析という手法を使い、分析したところ、新型コロナを媒介したのはタヌキではないかという結論に達したという。もともと、タヌキは犬やウサギとともに、新型コロナにかかりやすい。そして、河南海鮮卸売市場では、このタヌキが一番、食用として、売られていたことが分析で判明した。さらに言えば、この市場では従来、媒介したと推測されていたコウモリやセンザンコウの遺伝子は見つからなかったのである。もちろん、これが最終結論ではない。だが、パンデミックはタヌキからも、起こり得るのだということを知った。(くちなし亭、2024.09.22)
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