あのハイパーインフレを経験したジンバブエ政府が28日、深刻な現金不足を緩和するため、米ドルと等価の自国版紙幣「ボンドノート」の発行を開始した。元々、自国産業が貧弱なジンバブエである。外貨に全面的に頼る政策が機能できるとは思えなかったのだが、一方で、多くの人がいわゆる物々交換という、初期的な人類が行っていた経済活動では、早晩、行詰まるということも事実であった。だから、ジンバブエ政府も、庶民が使う少額のコインなどは自国で発行し始めていたのである。そして、さらに、ここにきて、自国紙幣も発行するということなのだが、ジンバブエと言えば、有名なムガベ大統領の独裁国家だ。これまでは、ムガベ氏の使い放題の紙幣が発行されて、かのハイパーインフレになってしまったのだが、今回は米ドルと等価の紙幣ということなので、米ドルとの為替水準に敏感にならざるを得ない。それに従った発行量とならなければならないのだが、果たしてできるだろうか。私はこの国が独裁国家であることが、再び、ハイパーインフレの方向へと向かわせるような気がする。ついでに言うと、このムガベ大統領、今年の3月に来日されて、国賓待遇なのだろう、天皇陛下ともお会いされている。(2016.12.01)
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