昔、テレビに登場する女性アナウンサーと言うのは、才色兼備で、特に、色はともかく、才の方はとびぬけていて、その理知的な笑顔は私の心を魅了したものだった。だから、例え、アシスタントアナウンサーとして、脇で、ただニコニコしているだけであっても、頭は良いのだろうなと思って、あの笑いは馬鹿にしたものだと決めつけ、私のような人間には近寄りがたい存在だったのである。その女性アナウンサーの印象を根本から覆したのがフジテレビであった。有賀さつきさんというアナウンサーを起用したのである。率直に言って、バカとは言わないが一般的な知識には欠ける。けれど女優にも負けない魅力でテレビ界を席巻したのである。彼女の後、このようなバカアナウンサーたちが続々と登場し、バラエテー番組などで活躍する。テレビ局も、その馬鹿さを利用して、視聴率を取っていった。まあ、私が敬愛したテレビ局のアナウンサーという職業を、知識に乏しい私たちの側に取り戻してくれた功労者であるのだろう。その有賀さつきさんが亡くなった。52歳だった。最近やせていたと言うが、急死だというだけで死因は伝わっていない。びっくりである。フジ同期入社だった八木亜希子アナ(52)や貴乃花親方夫人の河野景子さん(53)も私以上にびっくりしていることだろう。(2018.2.5)