晴れのち曇り、時々パリ

もう、これ以上、黙っていられない! 人が、社会が、日本全体が、壊れかかっている。

ヨンヌ川畔に、しばし時の流れを見つめながら、旨き食事に我を忘れよう。【日曜フォトの旅】

2012-07-29 23:49:31 | 旅行とレジャー
久しぶりに『私の好きなホテル』シリーズを、お届けしましょう。


パリから南南東に約百キロ。

ブルゴーニュ地方の北端、ヨンヌ川の淵の町「ジョアニー」に長らく君臨するレストランの名店がある。

その名は『コート・サン・ジャック』

ここ20年程、ミシュラン・ガイドで3ッ星を守り続けている。


町の中心から川沿いに、車でほんの5分間程も遡ると道路沿いに、左右の建物と大した違いも無く、目立たない佇まいで建っている。



     
     『ラ・コート・サン・ジャック』の玄関



この宿のウリは、料理と景色である。

通り沿いからは、その「景色」は想像出来ない。

客室は、当然『ヨンヌ川』に向いて並んでいる。



     
     客室はの窓からはヨンヌ川が見下ろせる


大きな、立体的な窓が川沿いに開いて、ヨンヌ川の静かな流れを、目の下に見下ろすと、心が和むこと請け合いです。


     
     窓の前のスペース


     
     ベッド


     
     客室の全体の感じ



浴室も、広々として、実に快適である。


     
     バス・ルーム


     
     別の角度からベッドを



違うタイプの部屋の様子。

前の部屋より、やや狭い物の、スペースは充分である。



     
     別のタイプの部屋のベッド



窓は、同じ様に立体的。

寝そべる事が出来る様に、大きなオットマンとセットになったソファーが、快適です。


     
     窓の前のソファー


     
     客室の全体の感じ



ロビーは、沢山の椅子が並んで、三つのパートで、夫々が繋がって居ます。



     
     ロビーその一


     
     ロビーその二の一部、奥に「読書室」の様な調度のその三



外は、テラスになっていて、お茶やアペリティフを片手に読書でも、おしゃべりにも快適。



     
     ロビーの外のテラス



そして、この宿は何と言ってもその食事です。

レストランには、ロビーのフロアーから、一つ下がります。

そうすると、嬉しいサプライズが待っていますよ。



厨房の一部を、わざわざかすめて案内されるのです。



     
     料理の準備に余念がない厨房の一部



店が、お客様にお出しする食事に、自信を持っている事が充分感じ取れます。

それとともに、彼等料理人が、自分達の世界をお客様にも共有して頂こうという、そんな気持ちも充分伝わって来ます。



そしてさらに、カーヴ(ワイン・セラー)も通り抜ける!



     
     トゥデイズ・セラー


上質のレストランでは、多くのワインをストックして、自ら熟成させています。

そして、通常オーダーが出そうなワインを数日分程ストックするスペースが、厨房のそばに設けてあります。

毎回、オーダーされたボトルを奥まったカーヴ(セラー)まで、一々探しに行かなくても良い様に、準備しておくのです。


その「トゥデイズ・セラー」も通り抜けます。

当日「グラス」で出す『シャンパーニュ』やワインを、ちょうど準備していました。



客室は、二部屋に分かれます。



     
     客室その一、奥にその二が見える



テーブルの「ポジショニング・プレート」は、日本の楽焼き風。



     
     ポジショニング・プレート


この「位置決め」の為の「お皿とナイフやフォーク」のセットを、フランス語で<COUVERT(クヴェール)>と言います。

この言葉が、英語になって<COVER>になった。

それで、カバー・チャージと言う言葉が生まれました。

イタリアに行くと、殆どのレストランで勘定書にCOPERTO(コペルト)というのが載っています。

ほんの数ユーロですが、忘れていて一瞬「頼んでいない」とクレームを出しそうになります。

一部の解説には「パン代」と意訳してある事も。



いよいよ食事です。


突き出しにあたるのが<AMUSE BUCHE(アミューズ・ブッシュ)>と言います。

直訳して「お口のお愉しみ」。



     
     アミューズ三種


ハーブのクリームを極薄いスモークド・サーモンでロールにしたもの。
シェフ特製「春巻き風」揚げ物。
すみれの花びらのヴィネガー漬けの、ブイヨン「ゼリー寄せ」。


一口ずつですが、絵も言えぬ香りと味わいとで、期待は大きく膨らみます。


そして「前菜」。



     
     前菜二種


サイコロに切ったジャガイモのキャラメル風味と、いろんなハーブで複雑なピューレ。
輪切りにした、ビーツ(甜菜)のムース。



そして、二の皿。



     
     二の皿


グリーン・アスパラガスのサラダ。
付け合わせは、これ又ハーブのムース。



続いて三の皿。



     
     三の皿


キンキのロースと、香り高いハーブのエミュルジオン(泡状ソース)添え。
ブロッコリーと生ハムを添えて。



四の皿。


     
     四の皿


手長海老(ラングスティーヌ)の炙りもの。
これ又判読不可能なハーブのソース添え。


そしていよいよお肉の登場です。


五の皿。


     
     五の皿


犢のロースト。


そしていよいよメインコース。


メートル・ドテル(給仕長)自らのご登場。



     
     「子鴨」を給仕長自らお目にかけます



     
     子鴨を切り分ける給仕長



メインは小鴨のロースト。


     
     取り分けられた、子鴨のロースト


ロゼ(肉の中心がピンク色の状態になる)に焼き上げられた「子鴨」を、各自のお皿に切り分けて、付け合わせの野菜と共に、供されます。



ここで、本日のワインもご紹介しましょう。


野菜と魚が続く事と、鴨がメインと言う事、更に複雑な多種のハーブで香りと味わいとを創り出す料理を考えて、繊細な魚介にも、旬の野菜にも、重厚な鴨にも合う様に、ブルゴーニュで一番コクの深い白ワインを選びました。

『ル・モンラッシェ』



     
     ル・モンラッシェ


白ワインの帝王と賞賛される「ル・モンラッシェ」の中でも、ブルゴーニュの白の最高の作り手(ワイナリー)『コント・ラフォン』を選びました。


     
     ラベル


『ル・モンラッシェ / ドメーヌ・コント・ラフォン / 2000年』

これは、おいそれと見つかる代物では有りません。

さすが、ブルゴーニュ地方で、長年3ッ星を守り通して来ているレストランならでは、と言えましょう。



トロリと芳醇な蜂蜜の様な馥郁たる香りを持つこのワインの帝王中の帝王は、デザートにもしっかり合うのです。


まず、テーブルクロスを奇麗にしてから、デザートを待つ間のお口慰み、が出て来ます。

私はこれを、わざと「デザートのオードブル」と呼んでいます。


     
     アヴァン・デセール


アヴァン(前)デセールは、全10種。



そして、やっとデザートのメインが、登場です。


     
     デザート三皿、計6種


もう、一々何が何なんて書きません。

ただひたすら、貪るのみ。



そして、これだけの量のディナーが、日本人の女性のお年寄りにも、食べられてしまうのです!

繊細な物は、美味しく頂けます。



今週は、皆様方に恨まれる事を承知で、見せびらかしてしまいました。

ひらにお許しを。

そして、いつの日か、この宿に是非お出かけ下さい。



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4 コメント

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隠れ家 (Himbeere)
2012-07-30 09:16:38
パリさま

小出しにしないでね!(*^_^*)
実に素敵な所ですね。お部屋が素晴らしいです。

そして、お食事!「鴨のロースト」食べた~い!あのデザートの量は凄いですね。料理と料理の間に時々口直しのシャーベットが出る事がありますが、デザートの前に前座デザートが出るとは・・・初めて知りました。この様な物を出しても、尚且つ本デザートが美味しく食べられるって、余程自信が有るのですね。負けました。(^_^;)

素敵な所に誘って下さり、ありがとうございました。日本の政治に怒り、心が荒んで到りします時には、ここを訪れる事に致します。心が豊かになりますね!
Himbeereさま。 (時々パリ)
2012-08-04 05:45:00
コメント有り難うございました。
>小出しにしないでね!(*^_^*)
(*^_^*)
ただ、原発再稼働に反対や、増税反対やTPP反対や、民主党政権打倒、などと熱暑の中で頑張って居られる皆様方に、このような「能天気」なブログをお届けする事は、やはり気が引けるのです(^^;)
デザートに関しては、「デザートの前菜」「デザートのメイン」「デザートのデザート」なんて出して来る店すら有ります。
デザートのデザートは、最後のコーヒー用のミニャルディーズやプティ・フールですが。
 (グリーン)
2012-08-17 01:56:51
私はジョン・レノンが好き。歌でボランティアしてる。世界平和を祈願する人は沢山いるよ。知恵を出し合い仲良く地球を共存しようよ!
グリーン様。 (時々パリ)
2012-08-18 05:39:31
初めまして。
コメント(やや意味不明^^;)有り難うございました。
私も、世界平和を強く欲します。
知恵を出し合う事も大賛成です。
ただ、オノヨーコに影響されてからのジョン・レノンは、余り好きでは有りません…。

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